僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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授業参観に誘ってもらいました。

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美峰も美峰で悩んでいた。
なぜかとんとん拍子で、水曜日は優星のマンションにお泊まりする事になった。
嬉しいが、優星との距離をどう判断して良いか分からない。


 はぁ。
 ああああああああ。
 葉山君にキスされて、それが頭の中いっぱいになって、そればかりしか考えられなくて。
 明星君が寝てたとは言えそばに居たのに、葉山君のほっぺにキスしちゃったり。
 これから水曜日はお泊まりに来てってお願いされて、嬉しくて一つ返事でOKしたけど、僕のこと、図々しいとか、変な奴だって思ってないかな。
 葉山君に、またキスしたいって言われて、勘違いしちゃダメだよね。
 葉山君は年上の僕に甘えたいだけなんだから。


頭の中がそればかりで、グルグルグルグル同じ事を考えてばかりで、美峰は優星でいっぱいになっていた。

「柊木」

所長の久世くぜが美峰に声を掛ける。

「はい、何ですか?」

美峰は久世のデスクの前に立つ。
久世は大柄な熊みたいな男だった。

「明日の東京支店の新入社員歓迎会だけど、最後の戸締りお願いして良い?営業の奴らには、真っ直ぐ向かうように言ってるから。俺も出先から直行するわ」

「はい、大丈夫ですよ。事務の人達と一緒に行きますから」

にっこり笑って美峰が言うと、久世は美峰をジッと見つめた。

「なんか日曜日から様子おかしくないか?大丈夫?」

心配そうに久世は言う。美峰はギクリとした。

「大丈夫ですよ。顔に何か出てました?」

焦って美峰が言うと久世は笑う。

「眉間にシワ寄せてる時が多いからさ。あんま寄せてるとシワが定着するぞ」

久世に指摘されて美峰は苦笑いをする。

「すみません。気をつけます」

赤面する美峰を見て久世はフッと笑う。

「全く。そう言う物腰が柔らかいところが女性客の母性本能擽るのか?羨ましいぜ」

久世に言われて美峰は恥ずかしくなる。
確かに営業所の中で、美峰は女性客にウケが良い。
明星にもそうだが、もちろん子供にも好かれやすい。
家を買うと言うのは、どの家庭でも最終決定権は妻が握っていることが多い。
妻である女性と、その母親に従順な子供を味方にしたら最強なのは言うまでもない。
もちろん、そのせいだけではないだろうが、売買契約の成績も東京支店の中でトップを争うほど良かった。
母性本能を擽ると言うより、女性客に同化して自然と振る舞えるのが美峰の強みだった。
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