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茉莉花・愚痴
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先輩と飲むのは、先輩の送別会以来だった。
「先輩、今はどんな仕事?」
乾杯の後、あたしは一番気になった事を聞いた。
会社の人達は、先輩が転職した理由を知らなかったから。
「出版社だよ。前から編集に興味もあったし、あの会社でデザインやってたのもそれの影響。知り合いが声かけてくれて、つい辞めちまったな」
笑いながらさらっと話してくれた。
「それより、お前の話聞かせろよ。お前が憂鬱そうな顔してるの、男だろ?」
鋭いです、先輩。って、あたしが分かりやすいのかな。
「彼氏がいます。もうすぐ付き合って4ヶ月になります。でも最近、会えなくてあたしがイライラして、もう、本当に最悪の状態なんです」
あたしはちびちびビールを飲んだ。
「どんな奴?」
先輩に聞かれて、あたしはスマホを出して、久利の写真を先輩に見せた。
「お前、妄想とかじゃないよね?」
先輩は久利の顔を見て、失礼極まりない事を口走った。
「ふーんだ。よく言われるもん。女子の先輩達も未だに信じてないし。彼が素敵なのも、優しいのも、全部リアルだもん。あたしの大事な彼氏だもん」
あたしがぶーたれながら言うと先輩は吹き出した。
「お前、惚気まくりだな」
先輩は不躾に笑い続けていたけど、ふと、真面目な顔になった。
「でも優しくねーよな。今のお前を放っておけるんだから」
先輩の言葉に胸がチクっとした。
「先輩、今はどんな仕事?」
乾杯の後、あたしは一番気になった事を聞いた。
会社の人達は、先輩が転職した理由を知らなかったから。
「出版社だよ。前から編集に興味もあったし、あの会社でデザインやってたのもそれの影響。知り合いが声かけてくれて、つい辞めちまったな」
笑いながらさらっと話してくれた。
「それより、お前の話聞かせろよ。お前が憂鬱そうな顔してるの、男だろ?」
鋭いです、先輩。って、あたしが分かりやすいのかな。
「彼氏がいます。もうすぐ付き合って4ヶ月になります。でも最近、会えなくてあたしがイライラして、もう、本当に最悪の状態なんです」
あたしはちびちびビールを飲んだ。
「どんな奴?」
先輩に聞かれて、あたしはスマホを出して、久利の写真を先輩に見せた。
「お前、妄想とかじゃないよね?」
先輩は久利の顔を見て、失礼極まりない事を口走った。
「ふーんだ。よく言われるもん。女子の先輩達も未だに信じてないし。彼が素敵なのも、優しいのも、全部リアルだもん。あたしの大事な彼氏だもん」
あたしがぶーたれながら言うと先輩は吹き出した。
「お前、惚気まくりだな」
先輩は不躾に笑い続けていたけど、ふと、真面目な顔になった。
「でも優しくねーよな。今のお前を放っておけるんだから」
先輩の言葉に胸がチクっとした。
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