トライアングル

五嶋樒榴

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しほな・こじらせ

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私は、ひとつだけ謎が残っていた。
なぜ、雅人があの写真を見たときに、異常なまでに驚いていたのか。
雅人は全くの無関係だったのに。あの時、初めて写真を見たはずなのに。
しかも、久利の顔を見て、驚いていた風に私には見えた。

“友達から頼まれて”

それしか言ってなかったのに、私の友達が男の久利だとすぐに分かった。
私はその答えを聞きたくて、仕事から帰ってすぐに雅人に電話をした。

「しほなだよ。写真の件、ありがとう。犯人の目星も付いたわ。あとは、友達とその彼女が決めることだけど、私はもう関わらないように忠告したわ。関わってもろくな奴じゃないだろうし」

私がそう言うと、雅人は『そうか』とだけ返事をした。

「ただ、どうしても聞きたい事もあって。どうして雅人に写真を見せた時、久利を見て驚いていたの?」

私の問いに雅人は笑った。

『なあ、俺さ、お前のこと本当に好きだったの知ってる?』

突然のらしくない告白に私はびっくりした。

「やだ、今更。まるで私が雅人のこと振ったみたいじゃん。今だって、新しく好きな人できてるじゃん。私と別れてでも彼女選んだじゃない」

『ああ。彼女はちゃんと俺を見てくれるようになった。そして彼女も俺を選んでくれた。きちんと付き合い始めたよ』

「何、惚気てんのよ」

私は自然な気持ちで笑った。
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