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ロク
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退院から2ヶ月ほど経ち、鷹雄は摂子を都心にある高級ホテルに呼び出した。
摂子は鷹雄に会えることが嬉しくて、約束の時間よりも早くにホテルのロビーに到着していた。
「会長、先に部屋に」
ヤスがチェックインを済ませ、護衛の子分たちに囲まれる鷹雄に部屋の鍵を渡す。
鷹雄はロビーのソファに腰掛ける摂子に気が付いていたが、何も声を掛けずに先にエレベーターに乗り部屋へと向かった。
「摂子」
ヤスが摂子に近付き声を掛けた。摂子はヤスに笑顔を向ける。
「鷹雄さんは?」
「会長は先に部屋へ行った」
鷹雄が部屋へ行ったと聞き、摂子はドキリとした。
「……怖いか?会長と2人で部屋で会うって事は、お前が思っている様な事じゃねーかもしれない。最近じゃ、愛人達とも会っていない」
ヤスは、鷹雄がいよいよ、摂子を愛人にするのだと考えている。
「お前を無理矢理襲うかもしれない。お前はそれを受け入れられるか?」
鷹雄が摂子を大切にしている事も、摂子も鷹雄を慕っている事は、ヤスは十分承知している。
本当なら、ただの男と女として愛し合えたらと願っている。
しかし、美都子の存在はそれを許さない。
「鷹雄さんはそんな人じゃないです。人目を避けるのに、部屋を取っただけです」
摂子の言葉にヤスは笑う。
「そうだな。会長に限って、お前に無茶な事はせんよな。病み上がりだしな」
摂子は笑顔で頷いた。
「ただ、逃げるなら今だ。会長の想いを受けられねぇなら、このままここから帰ってくれ」
摂子を試すわけではないが、ヤスは摂子の為を思って言う。
鷹雄の元に行くという事は、今以上に美都子を敵に回す事だからだ。
「鷹雄さんと離れて思ったんです。少しでも繋がりが持てるなら、その僅かな時間を一緒に過ごしたいって」
摂子も覚悟をしてこのホテルへやって来た。
ヤスは摂子の目を見て摂子の本気を知り、もう何も言う事はないと、これからも鷹雄の望む様に仕えるだけだと腹を決めた。
摂子は鷹雄に会えることが嬉しくて、約束の時間よりも早くにホテルのロビーに到着していた。
「会長、先に部屋に」
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鷹雄はロビーのソファに腰掛ける摂子に気が付いていたが、何も声を掛けずに先にエレベーターに乗り部屋へと向かった。
「摂子」
ヤスが摂子に近付き声を掛けた。摂子はヤスに笑顔を向ける。
「鷹雄さんは?」
「会長は先に部屋へ行った」
鷹雄が部屋へ行ったと聞き、摂子はドキリとした。
「……怖いか?会長と2人で部屋で会うって事は、お前が思っている様な事じゃねーかもしれない。最近じゃ、愛人達とも会っていない」
ヤスは、鷹雄がいよいよ、摂子を愛人にするのだと考えている。
「お前を無理矢理襲うかもしれない。お前はそれを受け入れられるか?」
鷹雄が摂子を大切にしている事も、摂子も鷹雄を慕っている事は、ヤスは十分承知している。
本当なら、ただの男と女として愛し合えたらと願っている。
しかし、美都子の存在はそれを許さない。
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鷹雄の元に行くという事は、今以上に美都子を敵に回す事だからだ。
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