長い夜、蒼い月

五嶋樒榴

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恋も二度目なら

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栞はどんな要求をされるのか分からなくて焦る。ベッドルームも今日はいつもより明るく感じる。
手の自由はなく、薄いシャツの下は裸。少し怯えている小鳥のような栞に一夜は興奮していた。
横になっている栞の両腕を上にあげ、大きな掌で押さえる。
途中まで開いてるボタンを全て外すと、はらりと前がはだけた。
何をされるか怖いくせに、栞も興奮していた。
露わになった二つのピンク色の突起が、見るからに固く尖っていた。
空いている片方の手が、脇の下からウエストに滑ると、くすぐったくて栞は身をよじる。


 いつもならもう敏感なトコ舐めてくれるはずなのに。


栞はつい思ってしまった。
一夜はいつもより焦らしている。手がウエストから太ももに移り、太ももを撫でながら片足を上げて開脚させた。
明るいベッドの上で、栞の一番感じる場所が曝け出された。


 いつもならそこを指や唇で弄ってくれるのに。


やっぱりお仕置きで焦らされてると栞は思った。
恥ずかしいのに身体は正直で、いつもより露が多く滴り落ちるのが栞にも分かる。

「綺麗だよ。栞の全部」

セクシーな声の言葉だけで栞はさらに感じる。
縛られ押さえられてる手首まで感じてしまう。

「これがお仕置きなの?」

栞はおねだりするように目を潤ませる。

「どうしようか、考えてる途中。だって焦らせば焦らすほど、栞が感じてて可愛いから」

開かれた脚を閉じさせてくれないので、シーツまで濡らしてるのが分かった。

「ねえ、前にお願いしたこと覚えてる?」

一夜の妖しい眼差しに、栞は嫌な予感がした。

「どうやって自分がシてるか見せてって」

予感的中。

「だって、そんなの恥ずかしすぎる!それに手だって縛られてるのに」

栞は真っ赤になってさらに目を潤ませる。

「だってお仕置きだもん。縛られてる手で栞がしてるところ見たいし」

押さえていた手で栞の頬を触る。

「厭らしい栞がいっぱい見たい」

甘いセクシーな声と、この現実感がない状態に栞はクラクラしてきた。

「見せて」

一夜が頬を触りながら優しいキスをする。


 私が二度目に恋した人は、鬼畜のドS。


栞は一夜のキスを受け入れながら、一夜を好きになった自分は、救いようのないドMだと思った。
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