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天使の悩み
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橋元も帰ると、蓮見は真冬を優しく抱きしめた。
「疲れた?」
優しく蓮見は尋ねる。
「ううん。僕も楽しかった。先生の恋人だって自覚が有ったから、星川さんにも嫉妬しなかったし、橋元さんも良い人だったから良かった」
ギュッと抱きしめてから、蓮見は真冬の顎を上げてキスをする。
真冬の甘い香りに包まれる。チョコを食べていたのか、キスがチョコの味がした。
舌を絡ませしつこくキスを繰り返すと、真冬が蓮見のウエストに腕を回す。
「真冬、好き。大好き。今夜は一緒に風呂入りたい」
蓮見が興奮しながら言う。
明るい浴室で、蓮見に裸を見られると思うと真冬は恥ずかしくて、真っ赤になって俯く。
「ダメ?」
蓮見はどうしても引き下がりそうにない。
「ダメ、じゃない。でも、僕が先に入ってから、先生が入ってきて」
「やだ。一緒がいい。俺が服、脱がしたい」
蓮見がまたギュッと真冬を抱きしめる。
「意地悪ぅ。僕が恥ずかしいの分かってるくせに」
「どうして恥ずかしいの?」
「先生が好きだからに決まってるでしょ」
真っ赤になってふくれっ面で真冬は言う。
「じゃあ、今夜だけ先に入ってても良いよ。どうせたっぷり真冬の裸見るし」
余裕な顔で蓮見が言うと真冬はまたぷぅっと頬を膨らませる。
「エッチ!」
「うん。真冬にはエッチだよ。真冬だけが欲しいから、真冬にしか感じない。だから真冬の全てがいつも見たい」
蓮見に愛されてるのを実感して真冬は嬉しい。
でも蓮見は、真冬を女性と同じ様に扱っていると真冬は感じてしまった。
男としての葛藤がある真冬にしてみると、そのズレが少しだけ気になる。
僕だって男なんだよ。
男同士でエッチなことするの、少しだけまだ抵抗があるの分かって欲しい。
先生とスキンシップ、嫌じゃない。
でも、性急に進めないで!
僕だって心の準備が欲しいの。
僕をちゃんと見てる?
僕は女性の代わりじゃないのに。
そう思っても言えなかった。
そんなことを言って蓮見と喧嘩になったら嫌だと思った。
真冬は蓮見から離れると風呂に湯を入れ始めた。
蓮見は悲しそうな顔をした真冬が気になった。
一緒に風呂に入る事になぜ抵抗があるのか分からなかった。
薄暗い中だけとは言え、もうベッドの中で真冬の裸だって見てるし、それ以上だってしてるのに、なんで嫌がる?
別に俺はセックスしようとも思ってないのに、俺が好きだから恥ずかしいって、意味が分からない。
「真冬。どうしても恥ずかしいなら、一緒に風呂入るの辞めよう。真冬にそんな顔させてまで一緒に風呂入りたくないし」
蓮見の言葉に真冬はホッとしたのか涙が出てきた。蓮見はビックリして真冬の側による。
「どうしたの!なんで泣くの?意味わかんないよ。頼むから、言いたいことあったらちゃんと言ってよ」
蓮見はあたふたしながら真冬を抱きしめた。
「先生が好きだから、明るい場所で裸見られたくないの!僕は男だもん。女の人みたいに、自然に裸を好きな人に見せられない!」
言っている意味が蓮見には分からなかった。
「ごめんなさい。まだ、僕が迷ってるの。先生が大好きだけど、男同士でどうやってすれば良いかとか、怖いって思う気持ちとか、どうしても考えちゃうの!僕が女の人みたいに扱われる事に抵抗があるの!」
真冬の告白に蓮見は何も言えなかった。
確かに今までは男として女と付き合っていた真冬が、自分を好きになった事でされる側になった事に、ちょっとしたことで悩むんだと蓮見もやっと分かった。
「ごめん、真冬の気持ち、ちゃんと考えてなかった。自分の欲求だけぶつけてた。はっきり言ってくれてありがとう。俺、焦ってた。橋元や橋元の恋人みたいに、俺も真冬と」
その先は言えなかった。
真冬の方が負担が大きいのは蓮見なら分かっていることだったから。
「ごめんなさい。僕がハッキリしないから、先生をイラつかせた。ごめんなさい」
「真冬が謝ることじゃないでしょ!悪いのは俺だ!橋元とのことで嫉妬して、それを真冬にぶつけて。でもね、本当に真冬だから好きなんだ。男の真冬が好きなんだ。女の代わりに真冬を好きになったわけじゃない。俺も男同士って初体験だから、真冬に不安を与えて、マジごめん!」
蓮見の言葉に、真冬の心につかえてた物がすっと降りた気がした。
自分で言わないで、蓮見に言わせてしまったと思いながら、真冬は蓮見に抱きついた。
「先生に嫌われたくないの。先生が好きすぎて怖いの。分かってるよ、先生が僕を嫌いにならないって!それでも僕は先生に負い目があるから、嫌われるのが怖い」
「バカだな。好きすぎて、頭がおかしくなりそうなのに。負い目だなんて言うなよ!時間をかけて、真冬と1つになるって俺だって分かってるんだよ!真冬が橋元と仲良くしただけで、こんなに狼狽える男が、真冬を嫌いになるわけ絶対ないじゃん!」
蓮見の言葉に真冬は落ち着く。
蓮見にいつもこう言って欲しいと思うほど真冬は欲張りだった。
「先生、大好き」
「知ってる。俺も大好き。だからちゃんと言って。俺、エスパーじゃないから、真冬の全て知りたいけど分からないから」
「うん。ちゃんと嫌なことも言う。だから、絶対僕を嫌いにならないで」
抱きしめ合いながら、蓮見は逆に聞きたかった。
どうすれば真冬を嫌いになれるのか。
聞いたってきっと分からない。
蓮見はどうしたって真冬が嫌いになれないからだった。
真冬は蓮見にとって、今まで付き合った中で最高の恋人だからだった。
「疲れた?」
優しく蓮見は尋ねる。
「ううん。僕も楽しかった。先生の恋人だって自覚が有ったから、星川さんにも嫉妬しなかったし、橋元さんも良い人だったから良かった」
ギュッと抱きしめてから、蓮見は真冬の顎を上げてキスをする。
真冬の甘い香りに包まれる。チョコを食べていたのか、キスがチョコの味がした。
舌を絡ませしつこくキスを繰り返すと、真冬が蓮見のウエストに腕を回す。
「真冬、好き。大好き。今夜は一緒に風呂入りたい」
蓮見が興奮しながら言う。
明るい浴室で、蓮見に裸を見られると思うと真冬は恥ずかしくて、真っ赤になって俯く。
「ダメ?」
蓮見はどうしても引き下がりそうにない。
「ダメ、じゃない。でも、僕が先に入ってから、先生が入ってきて」
「やだ。一緒がいい。俺が服、脱がしたい」
蓮見がまたギュッと真冬を抱きしめる。
「意地悪ぅ。僕が恥ずかしいの分かってるくせに」
「どうして恥ずかしいの?」
「先生が好きだからに決まってるでしょ」
真っ赤になってふくれっ面で真冬は言う。
「じゃあ、今夜だけ先に入ってても良いよ。どうせたっぷり真冬の裸見るし」
余裕な顔で蓮見が言うと真冬はまたぷぅっと頬を膨らませる。
「エッチ!」
「うん。真冬にはエッチだよ。真冬だけが欲しいから、真冬にしか感じない。だから真冬の全てがいつも見たい」
蓮見に愛されてるのを実感して真冬は嬉しい。
でも蓮見は、真冬を女性と同じ様に扱っていると真冬は感じてしまった。
男としての葛藤がある真冬にしてみると、そのズレが少しだけ気になる。
僕だって男なんだよ。
男同士でエッチなことするの、少しだけまだ抵抗があるの分かって欲しい。
先生とスキンシップ、嫌じゃない。
でも、性急に進めないで!
僕だって心の準備が欲しいの。
僕をちゃんと見てる?
僕は女性の代わりじゃないのに。
そう思っても言えなかった。
そんなことを言って蓮見と喧嘩になったら嫌だと思った。
真冬は蓮見から離れると風呂に湯を入れ始めた。
蓮見は悲しそうな顔をした真冬が気になった。
一緒に風呂に入る事になぜ抵抗があるのか分からなかった。
薄暗い中だけとは言え、もうベッドの中で真冬の裸だって見てるし、それ以上だってしてるのに、なんで嫌がる?
別に俺はセックスしようとも思ってないのに、俺が好きだから恥ずかしいって、意味が分からない。
「真冬。どうしても恥ずかしいなら、一緒に風呂入るの辞めよう。真冬にそんな顔させてまで一緒に風呂入りたくないし」
蓮見の言葉に真冬はホッとしたのか涙が出てきた。蓮見はビックリして真冬の側による。
「どうしたの!なんで泣くの?意味わかんないよ。頼むから、言いたいことあったらちゃんと言ってよ」
蓮見はあたふたしながら真冬を抱きしめた。
「先生が好きだから、明るい場所で裸見られたくないの!僕は男だもん。女の人みたいに、自然に裸を好きな人に見せられない!」
言っている意味が蓮見には分からなかった。
「ごめんなさい。まだ、僕が迷ってるの。先生が大好きだけど、男同士でどうやってすれば良いかとか、怖いって思う気持ちとか、どうしても考えちゃうの!僕が女の人みたいに扱われる事に抵抗があるの!」
真冬の告白に蓮見は何も言えなかった。
確かに今までは男として女と付き合っていた真冬が、自分を好きになった事でされる側になった事に、ちょっとしたことで悩むんだと蓮見もやっと分かった。
「ごめん、真冬の気持ち、ちゃんと考えてなかった。自分の欲求だけぶつけてた。はっきり言ってくれてありがとう。俺、焦ってた。橋元や橋元の恋人みたいに、俺も真冬と」
その先は言えなかった。
真冬の方が負担が大きいのは蓮見なら分かっていることだったから。
「ごめんなさい。僕がハッキリしないから、先生をイラつかせた。ごめんなさい」
「真冬が謝ることじゃないでしょ!悪いのは俺だ!橋元とのことで嫉妬して、それを真冬にぶつけて。でもね、本当に真冬だから好きなんだ。男の真冬が好きなんだ。女の代わりに真冬を好きになったわけじゃない。俺も男同士って初体験だから、真冬に不安を与えて、マジごめん!」
蓮見の言葉に、真冬の心につかえてた物がすっと降りた気がした。
自分で言わないで、蓮見に言わせてしまったと思いながら、真冬は蓮見に抱きついた。
「先生に嫌われたくないの。先生が好きすぎて怖いの。分かってるよ、先生が僕を嫌いにならないって!それでも僕は先生に負い目があるから、嫌われるのが怖い」
「バカだな。好きすぎて、頭がおかしくなりそうなのに。負い目だなんて言うなよ!時間をかけて、真冬と1つになるって俺だって分かってるんだよ!真冬が橋元と仲良くしただけで、こんなに狼狽える男が、真冬を嫌いになるわけ絶対ないじゃん!」
蓮見の言葉に真冬は落ち着く。
蓮見にいつもこう言って欲しいと思うほど真冬は欲張りだった。
「先生、大好き」
「知ってる。俺も大好き。だからちゃんと言って。俺、エスパーじゃないから、真冬の全て知りたいけど分からないから」
「うん。ちゃんと嫌なことも言う。だから、絶対僕を嫌いにならないで」
抱きしめ合いながら、蓮見は逆に聞きたかった。
どうすれば真冬を嫌いになれるのか。
聞いたってきっと分からない。
蓮見はどうしたって真冬が嫌いになれないからだった。
真冬は蓮見にとって、今まで付き合った中で最高の恋人だからだった。
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