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前に進む勇気
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次の土曜日の夜、早くに仕事を終えた沙優と一緒に美紅とりほも詠悟の家に行き、沙優の恋愛には興味がない龍彦はシェアハウスで待つ事にした。
沙優が詠悟に裕介との事をきちんと話すと、詠悟は沙優と裕介が付き合うことに賛成してくれた。
「でもさ、私志田さんのタイプと違うと思うんだよね。今は新鮮に映っても、やっぱり付き合っていくうちに違うって思うんじゃないかな」
「珍しくずいぶん慎重だな」
弱気な沙優に、らしくないと詠悟は笑う。
「流石に付き合うなら結婚は意識するわ」
「沙優に結婚願望があったとは初めて知ったな」
また詠悟は、意外と言う顔で笑う。
「どう言う意味よ。私だって子供欲しいし」
美紅もりほも、意外と沙優が普通の女子だと知った。仕事をバリバリこなしキャリアウーマン一筋に突き進むのだとばかり思っていた。
「違うタイプね。まぁ確かに、裕介の元嫁もおとなしそうだったけどな」
詠悟が裕介と美奈子の結婚式の事を思い出す。
「でも不倫しちゃうような人でしょ」
りほが言う。
「うーん。みなちゃん、裕介にベタ惚れしてて、不倫するようなそんな感じじゃなかったんだけどね」
「へぇ。みなちゃんって言うんだ」
気にしながら沙優が聞き返す。嫉妬してるのかと詠悟は面白くなる。
「ああ、確か美奈子って名前だよ」
詠悟の口から美奈子と聞いて、美紅の心臓がゾクッとする。
二度と聞きたくないと思っていた名前にすぐ様反応してしまった。
「……あの、志田さんが離婚したのっていつですか?」
そんな偶然がある訳がないと、まさかと思いながら美紅は詠悟に尋ねる。
「えーと、今年の初めだったかな?」
美紅の問に答えながらも、何故そんな事を聞くのかと詠悟は美紅を見る。
美紅は美奈子という名前に胸騒ぎがする。千秋が不倫相手の事を美奈子と呼んでいた事や、裕介が離婚した時期など考えると、偶然だと思っても気になってしまった。
「美紅ちゃん?どうしたの?顔色悪いよ」
詠悟が美紅を気にする。
「ごめんなさい。私、川瀬美奈子って人が原因で離婚したから。その名前を聞くと苦しくなるんです」
それを聞いて沙優は驚く。
「まっさかー。そんな偶然ある?」
流石にりほも驚く。
「叔父さん!志田さんの奥さんの旧姓覚えてる?」
流石に詠悟も美奈子の旧姓までは覚えておらず首を振る。
「叔父さん!志田さんに連絡して!元奥さんが川瀬美奈子って名前か聞いて!」
沙優も嫌な胸騒ぎを感じた。
「連絡してどうするんだよ。もし裕介の元嫁が、美紅ちゃんの離婚の原因だとしてもお前には関係ないだろ?」
そんな偶然あるわけがないと詠悟も思いたかった。
「そうだけど、もし私が志田さんと付き合った後で、それを美紅ちゃんが知ったらみんなが気まずいじゃないッ!」
「私のことは気にしないでください!沙優さんが志田さんとお付き合いするのは、詠悟さんが言うように私に関係ないことなんですから」
沙優は美紅を見る。
「でももしそうなら私は気になる。違うならそれで良いのよ」
沙優はみんなが思うモヤモヤを解消したいと思った。
沙優が詠悟に裕介との事をきちんと話すと、詠悟は沙優と裕介が付き合うことに賛成してくれた。
「でもさ、私志田さんのタイプと違うと思うんだよね。今は新鮮に映っても、やっぱり付き合っていくうちに違うって思うんじゃないかな」
「珍しくずいぶん慎重だな」
弱気な沙優に、らしくないと詠悟は笑う。
「流石に付き合うなら結婚は意識するわ」
「沙優に結婚願望があったとは初めて知ったな」
また詠悟は、意外と言う顔で笑う。
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「違うタイプね。まぁ確かに、裕介の元嫁もおとなしそうだったけどな」
詠悟が裕介と美奈子の結婚式の事を思い出す。
「でも不倫しちゃうような人でしょ」
りほが言う。
「うーん。みなちゃん、裕介にベタ惚れしてて、不倫するようなそんな感じじゃなかったんだけどね」
「へぇ。みなちゃんって言うんだ」
気にしながら沙優が聞き返す。嫉妬してるのかと詠悟は面白くなる。
「ああ、確か美奈子って名前だよ」
詠悟の口から美奈子と聞いて、美紅の心臓がゾクッとする。
二度と聞きたくないと思っていた名前にすぐ様反応してしまった。
「……あの、志田さんが離婚したのっていつですか?」
そんな偶然がある訳がないと、まさかと思いながら美紅は詠悟に尋ねる。
「えーと、今年の初めだったかな?」
美紅の問に答えながらも、何故そんな事を聞くのかと詠悟は美紅を見る。
美紅は美奈子という名前に胸騒ぎがする。千秋が不倫相手の事を美奈子と呼んでいた事や、裕介が離婚した時期など考えると、偶然だと思っても気になってしまった。
「美紅ちゃん?どうしたの?顔色悪いよ」
詠悟が美紅を気にする。
「ごめんなさい。私、川瀬美奈子って人が原因で離婚したから。その名前を聞くと苦しくなるんです」
それを聞いて沙優は驚く。
「まっさかー。そんな偶然ある?」
流石にりほも驚く。
「叔父さん!志田さんの奥さんの旧姓覚えてる?」
流石に詠悟も美奈子の旧姓までは覚えておらず首を振る。
「叔父さん!志田さんに連絡して!元奥さんが川瀬美奈子って名前か聞いて!」
沙優も嫌な胸騒ぎを感じた。
「連絡してどうするんだよ。もし裕介の元嫁が、美紅ちゃんの離婚の原因だとしてもお前には関係ないだろ?」
そんな偶然あるわけがないと詠悟も思いたかった。
「そうだけど、もし私が志田さんと付き合った後で、それを美紅ちゃんが知ったらみんなが気まずいじゃないッ!」
「私のことは気にしないでください!沙優さんが志田さんとお付き合いするのは、詠悟さんが言うように私に関係ないことなんですから」
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