六本木の鴉-カラス-(鳴かない杜鵑 episode2)

五嶋樒榴

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sette

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結局、真春のバイトが終わる頃、工は迎えにきていた。
学習塾から出てくる真春を車に乗せると、真春は珍しく自分でシートベルトを着け、そのまま家までふたりはずっと無言のままだった。
別れ際も真春は工を見ることもなく、さっさと家の中に入ってしまった。
そして工はその足で真幸の元に向かう。
本音は今夜は独りになりたかった。
早くアパートに戻って、ただひたすら眠ってしまいたかった。
だが、それすらも工には許されなかった。

「…………あッ!…………んッんんん!」

真幸の淫らな喘ぎ声が、工の耳を刺激する。
早く家に帰って独りになりたいと思いながら、工は真幸の身体に指を蠢かす。
ベッドの上で裸の真幸は、工の愛撫に身を委ね悶え喘ぎまくった。

「んッ!…………はぁッ!…………そこ……奥、もっと…………ああッ!」

もう全て熟知している、真幸の感じる場所を徹底的に攻め続ける。
真幸の声を聞いていると、余計な事が全て消えていく気がした。
何も考えたくなかった。
ただひたすら真幸に快楽を与え続ければいいと思った。

「しゃぶれッ」

工は真幸の中をグチュグチュに指で掻き混ぜながら、硬くなって蜜を垂らすモノを握ると口に含んだ。
一気に吸い上げ口の中でモノを締め付ける。

「ああッ!…………もっとッ!…………そこッ!」

真幸の甘える声に、工はしゃぶる力が強くなる。
舌で扱くように、真幸のモノをしゃぶり尽くす。
真幸も興奮して、工の髪を撫でる。
快楽に震える指先は、工を離すまいとグッと力を入れて頭を押さえつけた。

「あああああああッ!」

ドクンドクンと、工の口の中で真幸のモノが脈打ち、工に吸い付かれる。
工は、柔らかくなったモノをいたぶるようにしゃぶり続けながら、中を責める指の動きが真幸が感じる部分を擦りまくる。

「やぁッ!…………やらぁッ」

ブルブル震えながら中をひくつかせて、工の指から逃げようと腰を引くが、工はそれを許さず真幸の中を蹂躙し続ける。

「中は何度でもイけますよね?何度でもイかせてあげますよ」

工の執拗な指責めに、真幸は悶えながら涙を浮かべる。
いつもよりも刺激が強くて、真幸の思考は停止寸前だった。

「やらッ!…………やめッ!…………あああッ!…………ああああああッ!」

ピクピクしながら、真幸が失神した。
乱れた姿も美しくて、工のモノも硬く勃っていた。
だが、自分の中の欲求を押し殺していれば、それもしばらくすれば落ち着くと思った。
工は指を抜くと、真幸を見下ろす。
いつもよりも激しくしてしまったのは、真春の顔が浮かびそうだったから。
真春を傷つけてしまったことを、真幸の身体を激しく責めることで忘れようとした。
真幸にタオルケットをかけると、工はベッドルームを出てリビングに移りソファに座る。
膝に肘を付いて両手で頭を抱え、自分は何をしているんだと冷静に考えてしまった。
死ぬことを選ぶことは簡単だ。
そうすれば楽になれる。
全てから逃げられる。
この先、何を糧に生きていけばいいのか自分には何もない。
乙也の為に自分から死を選ばないと決めた。
この世界に身を置いて、誰かに殺されてしまいたいと思いながら、この手で何人殺めてきたか。
でも、もう限界だと思った。


乙也。もう、許してくれ。これ以上こっちにいたら、俺はお前を裏切ってしまう。そうなる前に俺が死ぬのを許してくれ


もうこの世界に未練はない。
それは、乙也が死んだ時に思ったことだった。
乙也のいない世界で、生きていくのはもう辛かった。


『愛してる』


乙也の最後のラブレター。
それをもらう資格は、本当はなかった。
乙也を守れなかったのだから。
ちゃんと乙也を見ていなかった。
乙也の真の強さを見ていなかった。
乙也!
乙也!
愛してる!


カタンと音がして工はハッとした。
音がした方に目を向けると、タオルケットを羽織った裸の真幸が立っていた。

「大丈夫ですか?」

工が真幸に声をかける。

「………久しぶりにぶっ飛んだわ。ったく、容赦ねーな、このムッツリ野郎」

真幸の抗議に工は頭を下げる事しかできない。

「お前は誰を見てる?」

真幸が不意に工に尋ねる。
工はピクッと反応したが動けなくなった。

「お前は、いったい誰を見てるんだろうな」

もう一度尋ねられたが工は答えに詰まる。
何も言い返す事ができなかった。
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