鳴かない杜鵑-ホトトギス-(鳴かない杜鵑 episode1)

五嶋樒榴

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冷たい水

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もうすぐ夜明けだという頃ふと目が覚めてしまい、暗闇の中で慣れない目を凝らした。
夜は真っ暗にしないと眠れないので、朝になって遮光カーテンを開けるまでホテルの部屋の中は真っ暗だった。

「う、ん、んん?」

隣で眠っていた“一晩限りの恋人”も、御笠泉水につられ目が覚めてしまった。

「起こしちゃったかな?まだ寝てて良いよ。私もまだ眠るから」

泉水はそう言って、名も知らぬ“一晩限りの恋人”の少年を抱きしめた。
この少年とはSNSで知り合った。
自称21だが、どう見ても高校生にしか見えなかった。

「抱っこ、気持ちいい」

甘える少年に泉水は微笑む。

「最後に、もう一度する?」

そう言って暗闇の中で少年は動く。抱きしめている泉水の乳首を少年は舐めた。

「くすぐったいよ。私は受けじゃないから」

泉水は身を起こし、ベッドのサイドチェストのパネルを操作すると、部屋が薄っすらと明るくなった。

「じゃあ、僕にして」

おねだりする少年の、ピンク色の乳首に唇を当てキスをすると、舌先でゆっくり舐め始めた。

「はぁ、んん、気持ち、いい」

小さな柔らかい乳首が、泉水の舌に我慢できずにぷっくりと固く立ってきた。

「気持ちいい、です。もっと、気持ちいいこと、して」

少年が朝勃ちの泉水のモノを口に含んだ。
泉水はサイドチェストに置いていたローションとゴムを取ると、少年の口からモノを出す。

「昨日の夜から欲しがりだね」

泉水は準備が済むと、バックから少年の中に優しくモノを挿入した。

「あッ!んんん!やぁッ!」

多少の苦痛と快楽で、少年は枕をぎゅっと握りしめる。

「ハァ、ああ!凄い、の。いやだ、おかしく、なるぅ」

慣れてきた頃、泉水の動きが激しくなる。

「もう、だめッ!ああ!やぁあ!」

ビクンビクンと、少年が身体を震わせる。

「もう少し、我慢してね。良く寝たせいか、体力有り余ってる」

ハァハァと激しい息遣いで、泉水は少年の身体を奥まで攻め続ける。

「もう、凄いの。バカになっちゃうッ」

感じすぎてイきまくる少年の締め付けに、泉水もそろそろ限界が近づいて来た。

「!!」

泉水は無言になり動きが止まった。

「……大丈夫?」

後処理をすると、うつ伏せのまま、枕に顔をうずめている少年のサラサラの髪を撫でた。

「……大丈夫じゃない。すっごく気持ちよすぎて動けない」

少年の言葉に泉水はプッと吹いた。

「お世辞が上手いね。オジサンの相手ありがとう」

泉水はそう言って少年の髪にキスをした。

「お世辞じゃない、本当だよ。それにオジサンだなんて思ってない。イケメンだし凄く素敵だもん」

真っ直ぐ泉水を見る。その可愛い瞳に泉水が映っている。

「ありがとう」

泉水は礼を言うと少年の唇にキスをした。

「はぁ。あん」

少年の舌が泉水の舌の動きに合わせて絡まる。興奮して来た少年が、泉水の首に腕を回す。
クチュン、クチュと、濃厚なキスは止まらない。

「んんんッ」

最後は泉水が少年の下唇を吸って、ちゅぷっと音がなると二人の唇は離れた。
シャワーを浴びて泉水はスーツを着た。腕時計をはめて革靴を履くと、ブランドの長財布から1万円を出した。

「誤解しないで。これはタクシー代。足りる?」

まだバスローブ姿の少年は受け取らない。

「大丈夫。電車で帰るから。大学まではここから近いし」

高校生に見えていたが、大学生だとわかり泉水は内心ホッとした。

「また、会いたい。ダメ?」

泉水は微笑むと、少年の頬にキスをした。

「もう会わないほうがいい。私は一度きりが好きなんだ」

そう言う約束で会っているので、少年も何も言い返せない。
だからお互いの名前も知らない。

「じゃあ、これは朝食代。すまないが、時間がないから先に出るよ。ここの支払いは済ませておくからキーだけフロントに返してくれ」

泉水はそう言って部屋を出て行った。
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