130 / 188
跳ねる水
4
しおりを挟む
ワタルと家で食事を済ませると、もう田中さんも休ませていたのでワタルが食器を洗った。
泉水はソファーでウイスキーを飲んでいた。
「この前はごめん。ワタルを苦しめてばかりだったね」
ホテルでの出来事を泉水は謝る。
「ううん。僕は良いの。大事にされてるって分かってるし。そんなことより、泉水さんの精神的な事の方が心配。この家の重圧っていうか、その……」
気を遣いながらワタルは言う。
「夢の話でしょ?私の母親の。前に水帆にも相談したんだ。結局答えは出なかった」
「お父さんに、聞けない、よね」
オドオドしながらワタルは言う。
桐生が保昌に言ってくれたのであろうが、進展はないようだったからだ。
「聞くのが怖いんだ。真実を知って、また苦しみが増えるようで。真実を知って楽になると思う?」
泉水はなかなか踏ん切りがつかない。
過去を曝け出すことが幸せになる保証がないからだ。
泉水の問いにワタルは首を振る。
「分からない。でも僕が泉水さんを支える。僕が支えるぐらいで頼りになるか分からないけど、どんなに泉水さんが辛くても、僕はずっと泉水さんの側にいるよ」
真剣なワタルの瞳に泉水はフッと笑う。
「ありがとう。その言葉だけでも救われてる」
ワタルがキッチンの仕事を終え泉水の側に寄ってきた。泉水はウイスキーをグラスに足すと立ち上がった。
「部屋に行こう」
泉水がグラスを持って部屋に向かう。ワタルも付いていった。
部屋に戻るとワタルはバスタブに湯を張った。バスタブの中で湯が増えていく様を見つめながら、ぼぉっとしていると、ワタルを呼ぶ泉水の声で我に返って部屋へ戻る。
「どうしたの?」
「ううん。ぼぉっとしてた」
笑顔でワタルは言う。
泉水はワタルを見つめながらウイスキーを啜る。
ワタルが泉水の隣に座ると、キスをしながらワタルの口の中にウイスキーを流し込む。
コクンと喉を鳴らしてワタルは飲み込んだ。
「ワタル。もっと、欲しい?」
ワタルは首を振る。
「酔っちゃうよ。ウイスキー、飲み慣れてないから」
潤んだ目でワタルは言う。
「可愛い」
泉水はそう言うと、ワタルの耳たぶを口に含む。
「くすぐったい」
ワタルが身をよじる。
バスタブに湯が入った音声が聞こえる。
「一緒に入ろう」
泉水はワタルを誘いバスルームに入る。
泉水がバスタブの中に身を沈めるとワタルを上に跨がらせる。バスタブの湯が一斉に溢れ出した。
「ああッ!」
ワタルが真っ赤になって結合部分を締め付ける。
「温かくて気持ちいい。ワタル」
ギュッとワタルを抱きしめる。ワタルは腰を押し付けて身悶える。
水面がその動きに合わせるように波になって跳ねる。
「身体の芯まであったまる。ワタルの中が蕩けてる」
泉水はそう言うとワタルの乳首をピチャピチャと舐める。
「泉水、さんッ。気持ち、いいよぉ」
ワタルが腰を動かす。身体が温まって充血しているようだった。
水面はさらに激しさを増し、バスタブから溢れるように跳ねまくる。
「ワタル、ワタル」
泉水がワタルの顔を近づけさせ、貪るように唇を重ねる。
互いの舌を絡め合い唾液を流れさせる。
ワタルの中ではち切れんばかりに勃起するモノが、ギュッと締まる感覚に悶えながら、泉水はワタルの口の中に舌を泳がせ、ワタルはその舌をむしゃぶるように吸う。
「我慢出来ない。動きたい」
泉水がそう言うと、ワタルはバスタブの縁に掴まり一度泉水を抜くと膝を付き、突き出した腰を泉水に捧げる。
泉水はワタルの腰を掴むと、バックから温かい場所に突き挿れた。
「ああッ!ああんッ!」
バスタブの中の湯はもう半分ぐらいまで減っていた。ワタルはギュッとバスタブに掴まっている。
「ワタル!気持ちいい。中でイってもいい?抜きたくない」
「良いよ。イって。僕も、泉水さんを中で感じたい」
泉水の自分勝手な動きでも、ワタルは何度も中が痙攣してイってしまう。泉水に支配された身体は淫らに反応する。
「!!!」
泉水がワタルの背中に脱力した。
「ああ、泉水、さん。気持ち、良い」
ドクドクと注ぎ込まれる熱にワタルは酔いしれる。
「俺も、気持ち、いい。ワタルの中で、蕩けた」
静かに泉水が離れると、バスタブの中に仰向けになった。振り返ったワタルは泉水に抱きつく。
「あったかい」
ワタルがそう言うと、泉水と抱きしめあい唇を重ねる。
「愛してる」
「僕も、愛してる」
再び唇を重ね、2人は甘く溶けてしまう幸せを感じていた。
泉水はソファーでウイスキーを飲んでいた。
「この前はごめん。ワタルを苦しめてばかりだったね」
ホテルでの出来事を泉水は謝る。
「ううん。僕は良いの。大事にされてるって分かってるし。そんなことより、泉水さんの精神的な事の方が心配。この家の重圧っていうか、その……」
気を遣いながらワタルは言う。
「夢の話でしょ?私の母親の。前に水帆にも相談したんだ。結局答えは出なかった」
「お父さんに、聞けない、よね」
オドオドしながらワタルは言う。
桐生が保昌に言ってくれたのであろうが、進展はないようだったからだ。
「聞くのが怖いんだ。真実を知って、また苦しみが増えるようで。真実を知って楽になると思う?」
泉水はなかなか踏ん切りがつかない。
過去を曝け出すことが幸せになる保証がないからだ。
泉水の問いにワタルは首を振る。
「分からない。でも僕が泉水さんを支える。僕が支えるぐらいで頼りになるか分からないけど、どんなに泉水さんが辛くても、僕はずっと泉水さんの側にいるよ」
真剣なワタルの瞳に泉水はフッと笑う。
「ありがとう。その言葉だけでも救われてる」
ワタルがキッチンの仕事を終え泉水の側に寄ってきた。泉水はウイスキーをグラスに足すと立ち上がった。
「部屋に行こう」
泉水がグラスを持って部屋に向かう。ワタルも付いていった。
部屋に戻るとワタルはバスタブに湯を張った。バスタブの中で湯が増えていく様を見つめながら、ぼぉっとしていると、ワタルを呼ぶ泉水の声で我に返って部屋へ戻る。
「どうしたの?」
「ううん。ぼぉっとしてた」
笑顔でワタルは言う。
泉水はワタルを見つめながらウイスキーを啜る。
ワタルが泉水の隣に座ると、キスをしながらワタルの口の中にウイスキーを流し込む。
コクンと喉を鳴らしてワタルは飲み込んだ。
「ワタル。もっと、欲しい?」
ワタルは首を振る。
「酔っちゃうよ。ウイスキー、飲み慣れてないから」
潤んだ目でワタルは言う。
「可愛い」
泉水はそう言うと、ワタルの耳たぶを口に含む。
「くすぐったい」
ワタルが身をよじる。
バスタブに湯が入った音声が聞こえる。
「一緒に入ろう」
泉水はワタルを誘いバスルームに入る。
泉水がバスタブの中に身を沈めるとワタルを上に跨がらせる。バスタブの湯が一斉に溢れ出した。
「ああッ!」
ワタルが真っ赤になって結合部分を締め付ける。
「温かくて気持ちいい。ワタル」
ギュッとワタルを抱きしめる。ワタルは腰を押し付けて身悶える。
水面がその動きに合わせるように波になって跳ねる。
「身体の芯まであったまる。ワタルの中が蕩けてる」
泉水はそう言うとワタルの乳首をピチャピチャと舐める。
「泉水、さんッ。気持ち、いいよぉ」
ワタルが腰を動かす。身体が温まって充血しているようだった。
水面はさらに激しさを増し、バスタブから溢れるように跳ねまくる。
「ワタル、ワタル」
泉水がワタルの顔を近づけさせ、貪るように唇を重ねる。
互いの舌を絡め合い唾液を流れさせる。
ワタルの中ではち切れんばかりに勃起するモノが、ギュッと締まる感覚に悶えながら、泉水はワタルの口の中に舌を泳がせ、ワタルはその舌をむしゃぶるように吸う。
「我慢出来ない。動きたい」
泉水がそう言うと、ワタルはバスタブの縁に掴まり一度泉水を抜くと膝を付き、突き出した腰を泉水に捧げる。
泉水はワタルの腰を掴むと、バックから温かい場所に突き挿れた。
「ああッ!ああんッ!」
バスタブの中の湯はもう半分ぐらいまで減っていた。ワタルはギュッとバスタブに掴まっている。
「ワタル!気持ちいい。中でイってもいい?抜きたくない」
「良いよ。イって。僕も、泉水さんを中で感じたい」
泉水の自分勝手な動きでも、ワタルは何度も中が痙攣してイってしまう。泉水に支配された身体は淫らに反応する。
「!!!」
泉水がワタルの背中に脱力した。
「ああ、泉水、さん。気持ち、良い」
ドクドクと注ぎ込まれる熱にワタルは酔いしれる。
「俺も、気持ち、いい。ワタルの中で、蕩けた」
静かに泉水が離れると、バスタブの中に仰向けになった。振り返ったワタルは泉水に抱きつく。
「あったかい」
ワタルがそう言うと、泉水と抱きしめあい唇を重ねる。
「愛してる」
「僕も、愛してる」
再び唇を重ね、2人は甘く溶けてしまう幸せを感じていた。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる