すいぎょのまぢわり

五嶋樒榴

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第二話

5

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一哉は臨と帰っていた。

「楽しかったよ。茉理と絢斗と友達になれて」

嬉しそうに臨は言う。

「そう?なら良かった。あいつらとは幼稚舎からずっと仲良くしてたからさ。臨も幼稚舎からいたんだよな?」

一哉が尋ねると臨は首を振る。

「僕、中学から入ったから。それまでスペインにいたんだ。中学も帰国子女クラスだった」

帰国子女クラスは、校舎も離れていた。だから中学の時も、臨を見かけたことがなかったんだと一哉は思った。

「そういうことか。臨ほど可愛かったら、絶対中学の時から顔覚えてると思ったし」

一哉がそう言うと臨は笑う。  

「可愛いかぁ。小さい頃から体弱くてさ。色白なのもコンプレックスだったんだ。一哉みたいに大きな身体に憧れるよ」

確かに、臨は小さくて可愛くて。女の子みたいな美少年で。

「体どこが悪いの?」

「どこってわけじゃないけど、免疫力がないのかな?すぐ熱出したり、お腹下したり。だから筋肉も付きにくくて、体力もあまりない。この学校は、部活動も文化部だけだし、体育の授業も球技とかゲーム感覚だし、その点は良かったかな」

にっこり笑う臨の笑顔に一哉はキュンとなった。
今まで小さくて可愛いのは茉理しか知らなかったが、臨は茉理と違って守ってあげたいと思ってしまう。
もちろん臨の事は1年から知っていたが、クラスが同じになったのは2年になってからだった。
こうして親しく付き合うようになったのも2年になってから。
臨を知れば知るほど、一哉は臨が愛おしく見えてくる。

「今日、初めて間近で絢斗を見たけど、やっぱりカッコいいね。僕の従姉妹が近くの高校に行ってるんだけど、絢斗のファンていっぱいいるんだって」

臨の口から絢斗の名前が出て、一哉はムッとする。
絢斗の事をカッコいいと臨が言ったことが、何故か一哉をイラつかせる。

「僕も絢斗みたいになりたいな。カリスマ性があってさ。羨ましい。っと、ん?一哉?」

臨は一哉がすごい剣幕で臨を見ていて驚く。

「一哉?どうしたんだよ。顔、すげー怖いし」

臨が笑いながら言うと、一哉はプイッと顔を背けた。

「別に。なんでもねーし」

明らかに不機嫌な一哉に臨は自分がなにをしたのか分からない。

「ごめん、なんか気に触ること言った?マジ、分かんないんだけど」

オロオロする臨。

「…………別に、何でもない」
「何でもないって感じじゃないし!」

臨が一哉の腕を掴む。一哉は真っ赤になって臨を見る。

「臨は俺の友達だろ!初めて会った絢斗を褒めるのが面白くねーんだよ!」

一哉の告白に臨は目が点になる。 

「え?なにそれ。子供っぽい」

クスクス臨が笑うと、一哉は臨の肩に腕を回し引き寄せる。

「そう!ガキなの!」

一哉はそう言うと臨を離した。
臨は一瞬抱きしめられてびっくりして一哉を見つめた。
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