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焦れる身体と止まらない蜜
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私を見る娘の視線が恥ずかしい。
「ママ、最近、本当に綺麗になってるー。肌も凄くツルツルだし」
楽しそうにおませな娘は言う。
「そう?外で仕事をしているせいじゃないかしら」
私はそう言って誤魔化すしかなかった。
涼香先生に近づきたい。嫌われたくないと思うと毎日の生活もハリが出てきた。
食べ方や姿勢、スキンケア。買い物も、自転車を使っていたのを歩きに変えた。
全ては涼香先生のために頑張っていた。
夜も最後にローズのバスミルクの中でぬるめのお湯に入るようにしている。
夫が外泊すると聞くとその日は嬉しくて仕方がない。
夫に抱かれたあの夜の後、涼香先生とキスしてからは、夫の誘いをキッパリ断るようになった。
私が相手をしなくても、あの女がいるんだもの。
お風呂から上がり私は、涼香先生と同じガス入りのミネラルウォーターで喉の渇きを癒す。
週2回。
英太さんがいる日は行かないようにしてるけど、それももうどうでも良かった。
今の私なら、英太さんのとの事も笑って済ませられる。
明日、涼香先生に相談してみよう。
毎日通いたいって。
私はそう思うと、今夜もぐっすり眠れそうだった。
寝室に入ると、もう夫は寝ていると思い静かにベッドに入った。
「……………なぁ」
夫の低い声に私はビクッとした。
「……………お前、まさか、浮気してないよな?」
夫から、まさかのセリフが飛び出してきて私はドキッとした。
「するわけないじゃない!」
ついキツい口調で言ってしまった。
あなたの浮気と一緒にしないで!
私と涼香先生は純粋に愛し合ってるだけよ!
そう思って私はハッとした。
愛し合っている。
確かに涼香先生は私を好きだと言ってくれた。
でも、愛してくれてるかは分からない。
涼香先生の好きの意味が分からない。
異性から言われたのなら、自分も好きなんだから愛し合ってると断言もできるけど、涼香先生の好きは、愛しているの好きなのか、愛らしくて好きなのか、どちらになるのか私は悩んでしまった。
「里緒奈?」
私が黙ってしまったので、夫は起き上がり私を見つめる。
「変な想像しないで。おやすみなさい」
私はそう言うと夫に背を向けってベッドに横になった。
夫はゆっくりと私の背に手を伸ばしてきた。
「疲れてるって言ってるでしょ!もう、放っておいて!」
私が強い口調で言うと、さすがに今夜は私への疑いもあったせいか、夫は許してくれなかった。
「そうやってムキになるから疑うんだろ!こっちを向けよ!」
「大声を出さないで、麻奈が起きてくるわ!夫婦喧嘩してるなんて知られたくないの」
私は小声で夫を諭すように言った。
「向けって言ってるだろ!」
私は力ずくて夫の方に身体を向けさせられた。
「やめて!こんなのはイヤッ!」
私は抵抗した。
本当にもう無理だった。
夫に穢されるのが本当に嫌だった。
私なんか放って不倫相手とすればいいじゃない!
何なのよ!
言いたかったけど、それは言えなかった。
赤の他人の、しかも女のことで、ドロドロになるのが嫌でずっと回避していたのに、それを言ったことで今の仮面夫婦でもいられなくなると思った。
私は知っているの。
全て知っているの。
でも、表向きだけでも夫婦でいたいのよ。
だから性欲を私に向けないで!
私の悲痛な心の叫びはもちろん届くわけもなく、ただ乱暴に夫に抱かれた夜だった。
「ママ、最近、本当に綺麗になってるー。肌も凄くツルツルだし」
楽しそうにおませな娘は言う。
「そう?外で仕事をしているせいじゃないかしら」
私はそう言って誤魔化すしかなかった。
涼香先生に近づきたい。嫌われたくないと思うと毎日の生活もハリが出てきた。
食べ方や姿勢、スキンケア。買い物も、自転車を使っていたのを歩きに変えた。
全ては涼香先生のために頑張っていた。
夜も最後にローズのバスミルクの中でぬるめのお湯に入るようにしている。
夫が外泊すると聞くとその日は嬉しくて仕方がない。
夫に抱かれたあの夜の後、涼香先生とキスしてからは、夫の誘いをキッパリ断るようになった。
私が相手をしなくても、あの女がいるんだもの。
お風呂から上がり私は、涼香先生と同じガス入りのミネラルウォーターで喉の渇きを癒す。
週2回。
英太さんがいる日は行かないようにしてるけど、それももうどうでも良かった。
今の私なら、英太さんのとの事も笑って済ませられる。
明日、涼香先生に相談してみよう。
毎日通いたいって。
私はそう思うと、今夜もぐっすり眠れそうだった。
寝室に入ると、もう夫は寝ていると思い静かにベッドに入った。
「……………なぁ」
夫の低い声に私はビクッとした。
「……………お前、まさか、浮気してないよな?」
夫から、まさかのセリフが飛び出してきて私はドキッとした。
「するわけないじゃない!」
ついキツい口調で言ってしまった。
あなたの浮気と一緒にしないで!
私と涼香先生は純粋に愛し合ってるだけよ!
そう思って私はハッとした。
愛し合っている。
確かに涼香先生は私を好きだと言ってくれた。
でも、愛してくれてるかは分からない。
涼香先生の好きの意味が分からない。
異性から言われたのなら、自分も好きなんだから愛し合ってると断言もできるけど、涼香先生の好きは、愛しているの好きなのか、愛らしくて好きなのか、どちらになるのか私は悩んでしまった。
「里緒奈?」
私が黙ってしまったので、夫は起き上がり私を見つめる。
「変な想像しないで。おやすみなさい」
私はそう言うと夫に背を向けってベッドに横になった。
夫はゆっくりと私の背に手を伸ばしてきた。
「疲れてるって言ってるでしょ!もう、放っておいて!」
私が強い口調で言うと、さすがに今夜は私への疑いもあったせいか、夫は許してくれなかった。
「そうやってムキになるから疑うんだろ!こっちを向けよ!」
「大声を出さないで、麻奈が起きてくるわ!夫婦喧嘩してるなんて知られたくないの」
私は小声で夫を諭すように言った。
「向けって言ってるだろ!」
私は力ずくて夫の方に身体を向けさせられた。
「やめて!こんなのはイヤッ!」
私は抵抗した。
本当にもう無理だった。
夫に穢されるのが本当に嫌だった。
私なんか放って不倫相手とすればいいじゃない!
何なのよ!
言いたかったけど、それは言えなかった。
赤の他人の、しかも女のことで、ドロドロになるのが嫌でずっと回避していたのに、それを言ったことで今の仮面夫婦でもいられなくなると思った。
私は知っているの。
全て知っているの。
でも、表向きだけでも夫婦でいたいのよ。
だから性欲を私に向けないで!
私の悲痛な心の叫びはもちろん届くわけもなく、ただ乱暴に夫に抱かれた夜だった。
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