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●人生の墓場●
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健は文香から頼まれ帰路に着くと、まだ夕方だったのでスマホで電話をかけた。
『ういっす』
若い男の声が返ってきた。
「今、良いか?」
健は親指の爪で中指の爪を弾きながら尋ねる。
『うーん、ちょっと待って』
健の耳にゴソゴソと衣摺れの音が聞こえる。こんな早い時間から、隣に女がやはりいたかと思いながら健は待つ。
若い男、呉田蓮司はジーパンまで履くと、上半身は裸のまま部屋を出てリビングのソファに腰掛けた。
『いーよ。どうした?』
やっと再び返事が返ってきて、健は煙草に手を伸ばした。
「調べて欲しい人物が2人。簡単に言うと浮気調査」
『ふーん』
「男はオリオン企画の社長、的場智和。女はその家の妻のヘルパーの木内沙耶子。2人の詳細は後でLINしておく。至急頼む」
『りょーかい』
蓮司は20歳の大学生で、ある出来事で健と知り合い、今では高額な報酬で健の調査を手伝っている。
「じゃあな」
『へーい。って、たまには旨い飯でも連れてってよ。生返事ばっかでちっとも誘ってくれねーし』
「仕方ないだろ。俺だって暇じゃないんだ」
ふふふと健は笑う。
『俺だって暇人じゃねーわッ!』
蓮司が不満声でボヤく。
「どうせお前は女食ってばかりで暇がねーんだろ」
健は蓮司を弄る。
『ちょっ。俺、品行方正だけど?昼間会社にいる健サンと一緒でさ』
見た目が王子様系の蓮司は女性にモテるが、恋人が出来てもあまり長続きせず、健からは遊び人に思われている。
もちろん蓮司も、健を遊び人だと思っているのでお互い様だった。
「ぬかしとけ」
健は笑って、吸っていた煙草を灰皿に押し付け電話を切った。
『ういっす』
若い男の声が返ってきた。
「今、良いか?」
健は親指の爪で中指の爪を弾きながら尋ねる。
『うーん、ちょっと待って』
健の耳にゴソゴソと衣摺れの音が聞こえる。こんな早い時間から、隣に女がやはりいたかと思いながら健は待つ。
若い男、呉田蓮司はジーパンまで履くと、上半身は裸のまま部屋を出てリビングのソファに腰掛けた。
『いーよ。どうした?』
やっと再び返事が返ってきて、健は煙草に手を伸ばした。
「調べて欲しい人物が2人。簡単に言うと浮気調査」
『ふーん』
「男はオリオン企画の社長、的場智和。女はその家の妻のヘルパーの木内沙耶子。2人の詳細は後でLINしておく。至急頼む」
『りょーかい』
蓮司は20歳の大学生で、ある出来事で健と知り合い、今では高額な報酬で健の調査を手伝っている。
「じゃあな」
『へーい。って、たまには旨い飯でも連れてってよ。生返事ばっかでちっとも誘ってくれねーし』
「仕方ないだろ。俺だって暇じゃないんだ」
ふふふと健は笑う。
『俺だって暇人じゃねーわッ!』
蓮司が不満声でボヤく。
「どうせお前は女食ってばかりで暇がねーんだろ」
健は蓮司を弄る。
『ちょっ。俺、品行方正だけど?昼間会社にいる健サンと一緒でさ』
見た目が王子様系の蓮司は女性にモテるが、恋人が出来てもあまり長続きせず、健からは遊び人に思われている。
もちろん蓮司も、健を遊び人だと思っているのでお互い様だった。
「ぬかしとけ」
健は笑って、吸っていた煙草を灰皿に押し付け電話を切った。
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