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●アンビバレント●
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都子に賢一郎の祖父母の事を尋ねると、都子はリビングボードの引き出しを漁り始めた。
「まだ残ってるかしらねー。シュウ君ちのお母さんが、何かあった時のために連絡先を聞いてくれて、その住所にお香典を送ったのよね。その返事が残ってるかしら」
ガサゴソと都子は引き出しを漁り続けるが、一久の住所は出て来なかった。
「シュウ君のお母さんにLINで聞いてみるわ」
時刻は一般家庭の夕飯の支度時間だったので、返事があったとしても遅くなるなと蓮司はジリジリする。
「でも、連絡取ったって、賢一郎君のこと教えてはくれないんじゃない?」
シュウの母親にLINを送り、都子は蓮司を見る。
「ダメ元でも良いんだよ。賢一郎がどうなったのか、この先どうなるのかどうしても聞きたいんだ。いつかまた会いたいって思ってるし、こんな事件を起こした真相を本人から聞きたいんだ」
都子は母親としては複雑だった。
いくら幼馴染で親友とは言え、両親殺しの子供と我が子が付き合いを持つのを素直に賛成はできない。
だが、言ったところで素直に聞き入れないことも分かっているので、ひとまずは蓮司が納得が行くように気が済むまでやらせようと思った。
「まだ残ってるかしらねー。シュウ君ちのお母さんが、何かあった時のために連絡先を聞いてくれて、その住所にお香典を送ったのよね。その返事が残ってるかしら」
ガサゴソと都子は引き出しを漁り続けるが、一久の住所は出て来なかった。
「シュウ君のお母さんにLINで聞いてみるわ」
時刻は一般家庭の夕飯の支度時間だったので、返事があったとしても遅くなるなと蓮司はジリジリする。
「でも、連絡取ったって、賢一郎君のこと教えてはくれないんじゃない?」
シュウの母親にLINを送り、都子は蓮司を見る。
「ダメ元でも良いんだよ。賢一郎がどうなったのか、この先どうなるのかどうしても聞きたいんだ。いつかまた会いたいって思ってるし、こんな事件を起こした真相を本人から聞きたいんだ」
都子は母親としては複雑だった。
いくら幼馴染で親友とは言え、両親殺しの子供と我が子が付き合いを持つのを素直に賛成はできない。
だが、言ったところで素直に聞き入れないことも分かっているので、ひとまずは蓮司が納得が行くように気が済むまでやらせようと思った。
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