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●アンビバレント●
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蓮司はスマホの中の写真や、一久が持っているアルバムを見せてもらった。
アルバムには、家族で楽しそうに笑顔で写っている写真。
年中行事や特別な日の写真。
賢一郎が産まれてから、16歳の誕生日の日まで、大切に残されていた。
「息子は写真を撮るのが好きだったからね。桜さんと結婚する前もたくさん撮っていたはずなんだが、そのアルバムと結婚式のアルバムだけは見つけられなくてね」
残念そうに一久は語った。
「でも、本当に仲良し家族だったんですね。こんなに沢山思い出があって。賢一郎のスマホのアルバムにも、お母さんとのツーショットや、お母さんの写真が沢山入ってたし」
そう言って、蓮司はゾクリと背筋が凍った。
もう一度、賢一郎のスマホの中の写真を確認する。
賢一郎のスマホの写真の中に、父親との写真が1枚もない事に気が付き、そして、母親との写真を、自分だったらこんなに撮るものかを考えて、凄まじいほどの嫌悪感と違和感に襲われた。
蓮司自身も母親とは仲が良いが、賢一郎のは、ただの仲良し親子の写真ではない。
まるで母親を恋人のように、スマホの写真の中に収めている事に蓮司は気が付いた。
「……まさか。ただの偶然だよな?だって、それだけ本当に、仲が良かったんだ」
もし恋人のように思うほど大好きだったのなら、その母親を賢一郎が殺す理由はない。
蓮司は恐ろしい考えが頭をよぎった。
もしかして、賢一郎の父の肇が、賢一郎の母であり妻の桜を殺したのでないか?それを見た賢一郎が逆上して父親を殺した?と考えた。
でもそれなら、賢一郎が少年刑務所に入る理由はないはずだ。
賢一郎は両親を殺したから、重い罪を償わなくてはいけないのだから。
「呉田君?」
真っ青な顔でブツブツと呟く蓮司を一久は心配する。
「……あ、すみません。なんでもないです」
仮説を立てたが、それはあまりにも現実的ではないと蓮司も思い直す。
司法の判断は、賢一郎の単独犯行だったのだから。
結局、賢一郎が両親を殺した謎を解明する事は蓮司には無理だった。
ただ、賢一郎の今の状況だけでも分かってそれだけでも良かったと、蓮司は一久と幸江の元を後にした。
アルバムには、家族で楽しそうに笑顔で写っている写真。
年中行事や特別な日の写真。
賢一郎が産まれてから、16歳の誕生日の日まで、大切に残されていた。
「息子は写真を撮るのが好きだったからね。桜さんと結婚する前もたくさん撮っていたはずなんだが、そのアルバムと結婚式のアルバムだけは見つけられなくてね」
残念そうに一久は語った。
「でも、本当に仲良し家族だったんですね。こんなに沢山思い出があって。賢一郎のスマホのアルバムにも、お母さんとのツーショットや、お母さんの写真が沢山入ってたし」
そう言って、蓮司はゾクリと背筋が凍った。
もう一度、賢一郎のスマホの中の写真を確認する。
賢一郎のスマホの写真の中に、父親との写真が1枚もない事に気が付き、そして、母親との写真を、自分だったらこんなに撮るものかを考えて、凄まじいほどの嫌悪感と違和感に襲われた。
蓮司自身も母親とは仲が良いが、賢一郎のは、ただの仲良し親子の写真ではない。
まるで母親を恋人のように、スマホの写真の中に収めている事に蓮司は気が付いた。
「……まさか。ただの偶然だよな?だって、それだけ本当に、仲が良かったんだ」
もし恋人のように思うほど大好きだったのなら、その母親を賢一郎が殺す理由はない。
蓮司は恐ろしい考えが頭をよぎった。
もしかして、賢一郎の父の肇が、賢一郎の母であり妻の桜を殺したのでないか?それを見た賢一郎が逆上して父親を殺した?と考えた。
でもそれなら、賢一郎が少年刑務所に入る理由はないはずだ。
賢一郎は両親を殺したから、重い罪を償わなくてはいけないのだから。
「呉田君?」
真っ青な顔でブツブツと呟く蓮司を一久は心配する。
「……あ、すみません。なんでもないです」
仮説を立てたが、それはあまりにも現実的ではないと蓮司も思い直す。
司法の判断は、賢一郎の単独犯行だったのだから。
結局、賢一郎が両親を殺した謎を解明する事は蓮司には無理だった。
ただ、賢一郎の今の状況だけでも分かってそれだけでも良かったと、蓮司は一久と幸江の元を後にした。
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