インシデント～楜沢健の非日常〜

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3-7

清太は麗花の寝顔を見ながら、そっと頬に手を触れた。
今夜も麗花と肌を重ねたが、麗花を抱くたびに感じる違和感。
普段大人しく慎ましやかな麗花が、その時ばかりは激しく自分から清太を求めてくる。
初めて麗花と結ばれた時は、麗花は清太と一つになる前に失神してしまった。
それほどまでに初心な麗花が、次の時には大胆に変貌していた。
初めは麗花の反応を嬉しく思い、男としての自信を持っていた清太だったが、徐々にまるで自分が愛し抱いている相手は、麗花ではないような気持ちになって来た。
夢遊病とも何か因果関係があるのかと思いながらも、清太も勿論誰にも相談などできない。
清太は麗花から離れると、ベッドに腰掛け額に手を当て深いため息をつく。


　夢遊病の事もあるし、東京へ行ったら、本当は1度病院に連れて行った方が良いのだろうか。
　でもそんな事をしたら、麗花を傷つけてしまう。
　ただでさえ繊細な麗花が、自分が夢遊病などと知ったら。
　

真実をどう告げれば良いのか、清太は悩むものの答えは出ない。