133 / 206
●愛したのが始まり●
3-5
しおりを挟む
糸坂家を出て、真冬の街中を歩いていると健のスマホが鳴り、健はスマホを耳に当てた。
「もしもし」
『準備はどうだ?』
電話の相手は父親の楜沢葵だった。
「ええ、下準備はできてますよ。あとは、なるようにしかなりませんね」
健は、スーツの内ポケットからタバコを出すと口に咥えた。
タバコに火をつけると深く吸う。
『あはは。ま、そりゃそうだ。今夜会うんだろ?』
「はい。今夜きっちり決着を付けますから。楽しみにしててください」
フフフと健は楽しそうに笑う。
『こっちもそのつもりで動いてる。お前ならなんの心配もないがね。ただマドカがうるさくてかなわねーよ』
マドカは葵の妹、楜沢百合の娘で、葵の姪にあたる。
百合はハイブランドのデザイナーでパリに拠点を置き、マドカは日本に残って全寮制の女子校を卒業後、大学生になった現在は葵と健と一緒に住んでいた。
「心配するなと言っておいてください」
『それで納得するなら楽なもんだ!大体俺は、姪っ子に泣かれるのが1番弱いんだぞー!』
葵にとって可愛い姪は、我が子のように目に入れても痛くない存在だった。
「はいはい。じゃあそろそろ時間なんでいってきまーす」
能天気な息子の声に葵は笑う。
健は電話を切ると、吸い殻を携帯灰皿に入れ顔を引き締めた。
「もしもし」
『準備はどうだ?』
電話の相手は父親の楜沢葵だった。
「ええ、下準備はできてますよ。あとは、なるようにしかなりませんね」
健は、スーツの内ポケットからタバコを出すと口に咥えた。
タバコに火をつけると深く吸う。
『あはは。ま、そりゃそうだ。今夜会うんだろ?』
「はい。今夜きっちり決着を付けますから。楽しみにしててください」
フフフと健は楽しそうに笑う。
『こっちもそのつもりで動いてる。お前ならなんの心配もないがね。ただマドカがうるさくてかなわねーよ』
マドカは葵の妹、楜沢百合の娘で、葵の姪にあたる。
百合はハイブランドのデザイナーでパリに拠点を置き、マドカは日本に残って全寮制の女子校を卒業後、大学生になった現在は葵と健と一緒に住んでいた。
「心配するなと言っておいてください」
『それで納得するなら楽なもんだ!大体俺は、姪っ子に泣かれるのが1番弱いんだぞー!』
葵にとって可愛い姪は、我が子のように目に入れても痛くない存在だった。
「はいはい。じゃあそろそろ時間なんでいってきまーす」
能天気な息子の声に葵は笑う。
健は電話を切ると、吸い殻を携帯灰皿に入れ顔を引き締めた。
0
あなたにおすすめの小説
異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
追放令嬢、ルビイの小さな魔石店 〜婚約破棄され、身内にも見捨てられた元伯爵令嬢は王子に溺愛される〜
ごどめ
恋愛
魔石師という特殊な力を持つ家系の伯爵令嬢であるルフィーリアは、デビュタントを数日後に控えたとある日、婚約者であるガウェイン第一王子殿下に婚約破棄を申し渡されてしまう。
その隣には義理の妹のカタリナが不敵な笑みを浮かべていた。そして身に覚えのない罪を突きつけられ、王宮から追い出されてしまう。
仕方なく家に戻ったルビイは、実の両親にも同じく見知らぬ理由で断罪され、勘当され、ついには家からも追放されてしまった。
行くあての無いルフィーリアを救ったのは一人の商会を営む貴族令息であるシルヴァ・オルブライト。彼はルフィーリアの不思議な力を見て「共にガウェインに目に物を見せてやらないか」と誘う。
シルヴァはルフィーリアの力を見抜き、彼女をオルブライト商会へと引き込んだ。
それから月日を重ね、ルフィーリアの噂が広まりだした頃。再びガウェイン第一王子はルフィーリアの元へ訪れる。ルフィーリアは毅然とした態度でガウェインからの誘いを断った。しかし今後のルフィーリアの身を案じたシルヴァは彼女を王都の舞踏会へと誘い、そこで彼女はオルブライトの正式な婚約者である事を謳い、妙なちょっかいを出されないように釘を刺すと言った。だが、その舞踏会には様々な思惑が交錯しており……。
※この作品は小説家になろう様にも投稿しております。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
課長と私のほのぼの婚
藤谷 郁
恋愛
冬美が結婚したのは十も離れた年上男性。
舘林陽一35歳。
仕事はできるが、ちょっと変わった人と噂される彼は他部署の課長さん。
ひょんなことから交際が始まり、5か月後の秋、気がつけば夫婦になっていた。
※他サイトにも投稿。
※一部写真は写真ACさまよりお借りしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる