インシデント~楜沢健の非日常〜

五嶋樒榴

文字の大きさ
194 / 206
●100万分の1●

6-5

しおりを挟む
スタッフルームのソファに健と菜々緒は隣り合わせで腰掛けた。
店長は紙コップにコーヒーを注ぎ、2人の前に置いてから向かい合わせに腰を下ろした。

「私が突然出勤しなかったのは、実は、同棲していた相手のこともあって。自分のことばかり考えて、お店に迷惑かけてすみませんでした」

逸郎に監禁されていた事は絶対に告白できず、真古登とのことを理由に菜々緒は頭を下げて謝罪する。

「ああ、彼だね」

菜々緒の恋人である真古登に対しては、店長も良くは思っていない。
真古登から菜々緒が逃げたとしても不思議には思わなかった。

「山内さんが来なくなって1度だけ彼に連絡させてもらったけど。もしかして彼から逃げたの?」

店長の質問に菜々緒は少し戸惑ったが、はい。と返事をした。
その間が健は気になった。

「もう別れます。楜沢さんがお力になってくれるので、彼とは本当に終わりにします」

店長は、健がなぜそこまで菜々緒に深入りするのか分からず健を見る。

「あの、お2人はもしかして?」

菜々緒の新しい恋人が、健なのかと店長は誤解する。

「いえいえ、誤解しないでください」

流石に健は強く否定した。

「俺と山内さんは何も関係は有りませんよ。乗りかかった船というか、山内さんの恋人が弊社のグループの社員でもあるので、色々首を突っ込んだ事になりまして」

「そうだったんですね」

関係性が分かり店長は納得した。

「彼とは色々あって、店にもご迷惑をかけて本当に申し訳ないと思ってます。私、これからはきちんと、自分で責任を取れる大人になります。本当にすみませんでした」

菜々緒は再び深々と頭を下げる。
話を聞いて店長はホッとした。直接会いに来てくれたことも嬉しかった。

「山内さんがちゃんと自分の意思で、この先は頑張っていく事を陰ながら応援しますね」

「は、はい!」
 
終始笑顔で接してくれた店長に感謝して、菜々緒は力強く返事をした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~

楠富 つかさ
恋愛
 中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。  佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。  「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」  放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。  ――けれど、佑奈は思う。 「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」  特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。  放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。 4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

処理中です...