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第二部 新たな出逢い。そして――。

三十ハ発目 幼乳神様改め女神様降臨? いや、流石にナイナイ……ないよな?

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 ナイチチちゃんの変貌ぶりに驚きすぎて、膝枕されて寝っ転がっている状態から慌てて飛び起きる……わけなんですが。

 そのまま起きれば、頭上にあるたわわに埋まる大惨事必至。
 人は学習する生き物だ。何回も失敗は繰り返さない。はっはっは。


 回避不能でした。


 いつも以上に凶悪無比なたわわの所為で、当たらないように避けて起きたつもりでも、距離が足りずに直行した……おうふ。

「にぃに。大丈夫なの?」

 驚くでもなく嫌がるでもなく、ただ身を案じて心配してくれるナイチチちゃん女神様バージョン。

「うん……」

 普段でも意味不明な加護を宿す奇跡のたわわなのに、今回はそれを更に凌駕し超越した究極のたわわになってるわけで。

 流石と言われるほどヘタレな俺でも抗い難し。
 埋まる感触に惚けすぎて、思考が真面に働かずの空返事。
 ナイチチちゃんが必ず自前の乳枕で寝る意味が、今初めてようやく解った。


 俺の安息のはここにあった。これは最早ダメ人間養成乳枕だ。


「にぃに。さっきは凄く頑張ってたなの。お疲れさまなの」

「うん……」

 嫌がらず恥ずかしがらず、俺を埋めたままに自身のぷにぷに頬っぺを寄せてまで、優しく包み込んでくれるナイチチちゃん女神様バージョンは、俺の髪までそっと撫でてくれる。
 いつも寝かしつける時に俺がすることを、そのまま返された。

 いつも一緒のお風呂に入る以上、俺と同じ石鹸を使っている筈なのに、俺の知るところでは全くないが、何故か全然違ったとっても甘い良い香りが俺を包む。

 更に顔全体どころか頭全部が埋まってるのに、一切苦しくない……ただどんどん惚けて思考が曖昧になっていくだけ……そろそろ俺ヤバい……。

「魔――ケホケホ。タダヒト様。お楽しみの最中、誠に心苦しいのですが……そろそろ戻ってきて下さいません?」

「主人様、凄く凄ーくお気持ちは解りますが……今はヨメヨ様に激しく同意です」

 俺の肩をチョンチョンと申し訳なさそうに突くヨメさん。仮称、カヒさんも同様。

「――はっ⁉︎ ヤっべ⁉︎ このまま安らかに天に召されるところだった――えっ⁉︎」

 ギリギリで戻ってきた俺は、ナイチチちゃん女神様バージョンから慌てて距離を取る?


 否。動けなかった。身体が俺の意志に反して離れるのを拒絶している模様。


「ごめん。ちょっと俺を引き剥がして……恥ずかしい話し……身体がまぢで動かない」

「――ええっ⁉︎」「なんと⁉︎」

 結局、ヨメさんと仮称、カヒさんの二人がかりで、俺を引き剥がしてもらった。



 究極のたわわ、なんと恐ろしい乳。



 ◇◇◇


「えっと……結局、なしてこんな素敵姿になったん?」

 俺の不甲斐なさからのひと騒動を終えて落ち着いたところで、スヤスヤと寝息を立てて眠るアルチチちゃん、タレチチちゃん、ハミチチちゃん、シタチチちゃんらを起こさないように気を遣い、静かに話しを切り出した。

 ちなみにナイチチちゃん女神様バージョンは、きっちり起きてます。
 どうやら大人の内緒話しに当事者として参加する模様。

「確か幼魔乳族って、成人しても幼いままだったよね? そうアー姉から聞いてるんだけども?(あと成長するのは乳だけだと教えられたな。これは言わん方が良いな)」

 ナイチチちゃん女神様バージョンをマジマジと見つつ、そう皆に問う。そして返事を待たずに更に続ける。

「それに外見の変貌ぶりもだけども。流暢に話せるくらいには、見た目相応な知識までちゃんと補完されて大きくなってるっぽいよね? 俺が気絶? まぁ寝てる間に何があったん?」

 大きくと言っても、究極のたわわを指しての大きくでは断じてない。
 あくまでも身体の発育――それだと意味合いが変わらないか。言うのやめとこ。

「にぃに。あのねなの。魔王様の恥肉? それを触ったらなの。急に大きくなって、私の中に何かが激しく入ってきたなの。丁度、お腹の下くらいなの? 熱い何かがいっぱい流れ込んだ感じがしたの。そしたらポー――」

「ウェイウェイウェイウェイ! ストップ! ジャストモーメントだ、ナイチチちゃん! その姿で――否、ちょっと待って」

「にぃに? どしたんなの? 顔がちょっと赤いなの? お熱あるのなの?」

 直ぐに慌てふためく俺の側にきて、俺の額に自分の額をくっつけて熱を測り出す始末。
 羞恥心のカケラもなく素で。全くいつも通りのナイチチちゃんときた。


 どうしよう。外見は大人でも、中身は純真無垢の天使様のままなんだけど。
 どうやって卑猥に聞こえるからやめようよ? と、伝えれば良いのか?
 このままではいつも通りにお風呂も素っパで乱入しそうだし、寝る時なんて添い寝がヤバいぞ? ナイチチちゃんの寝相は最悪だからな……朝の俺が最もヤバい。


 だがしかし。内面が純真無垢な天使様に、どうやってそれら俗世の情操を教えたり伝えたりすれば良いのか……くっそ。俺に対する新手の嫌がらせかってのっ!


「主人様。差し出がましく恐縮ですが……その恥肉に内包されていた魔王様の残滓? それが魔に連なる幼魔乳族の肉体に干渉したのでは? ただ……何がどうなって、このお姿になったのかの理由までは、流石に見当がつきませんが……」

 ナイス、仮称、カヒさん! 流石だ! 古い時代から長生きしてる暗黒竜! お婆ちゃんの知恵袋! 実に上手い!

「主人様? 今、失礼なことをお考えになりませんでした?」

「と、とんでもないです」

 野生の勘でしょうか? 実に鋭いですね。今後は気をつけておこう。

「私も概ねカヒさんと同意見です。失礼なことまで含み」

 ヨメさんもかい。痴女の系譜だけに流石ですね。

「と、とにかく元に戻るのかな……HAHAHA」

「これは私の推測ですけど、内包されている残滓? 魔力? それが全て尽きれば干渉が解け、元に戻るのではないかと」

 ヨメさんが自信なさげに見解を述べる。

「要は変身魔法が時間切れ。そんな感じですか?」

「その見解で概ね合ってます」

「うん。ヨメママの言う通りなの。私の中に入ってくる何かが、出し切ってだんだん小さくなってきてるみたいなの。お腹の下の熱いのがなの、溢れ出てい――」

「ウェイウェイウェイウェイ! ストップ! ジャストモーメントだ、ナイチチちゃん! 言わんとしてることは皆まで言わずとも十分に解ったから!」

「ん? 変なにぃになの? 大丈夫なの?」

「大丈夫! 俺は耐えれる子! 大丈夫! 元は天使のナイチチちゃん! ワザとではない! 意図してない! 偶然だ! 良し、大丈夫!」

「にぃに? やっぱり変なの?」

 首を傾げつつも俺を優しく労ってくれる、ナイチチちゃん女神様バージョンはやはり女神様――って、あかん。どんどん惹かれる……これはヤバい。


 今の意図せずヤバさテラMAXに聞こえる会話にもしも乗っかっていたら。
 俺が不埒な考えからもしも悪意を抱いていたなら。


 俺の身は一体どうなっていたんだろうか。


 おでこコッツンの時点で、馬車の外にでも弾かれる程度で済んだのだろうか――否。断じて否だな。
 女神様バージョンにパワーアップしてる今、何故か触れた瞬間に爆散させられそうな未来が垣間見える。俺の思い過ごしだろうか……。



 ――――――――――
 その巨乳、期間限定の許乳につき。
 それはつまり、ある意味で虚乳⁉︎∑(゚Д゚)
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