6 / 76
第伍章 混沌の胎動――謎の孤島編。
佰陸拾肆話 騒動、其の参。
しおりを挟む
少女の不適切発言を弄って、悠長に何ぞかの漫才を繰り広げる斗家真美女軍を他所に、静かに取り囲んで来た不遜な輩達。
「アンタ達……もしかして凄腕の冒険者とかか? だったらさっきは済まなかったな。お詫びと言っちゃなんだが、アンタ達に楯突いたその少女は、オレらできっちり説教しておくわ……それで手打ちってことで、な?」
「そうそう。アンタ見かけに寄らずブイブイ言わしてんだろ? 凄げぇ美人さんばっかりだもんなぁ。……へへへ、オイラも肖りたいぜ」
「アンタ達とオレらでWinWinってことでさ、ひとつ頼むわ。……へへへ」
とかなんとか。
見るからに醜悪な下衆い顏で、不適切極まりない考えを隠そうともせず俺に何ぞ言ってくる。
あのな、その強引極まりない理屈、ナニ?
下衆な輩が言ったことを耳にした途端、更に下卑た笑いのヤツが数人、品定めするが如く舐め回すように見やりつつ、じわじわとにじり寄ってきやがった。
ほれ、言わんこっちゃない。
こんな可愛いらしい子を、漢臭いごっつい連中に身柄を引き渡したら、ナニされるか解ったもんじゃない――否、未来の宣う荒筋だっけ?
そんな感じにナニされるのは間違いねーのな。
このままだと間違いなく本人の宣ってる不適切な事態、未来宣う結果になりかねんのな、うん。
「――君はここを出るまでは俺達と一緒に行動しろ。信用……まではしないにしろ、アイツらに連れて行かれるよりは良いんじゃね? あとで逃げるもナニするのも自由にして良いってのは、俺がこの場で約束し保証するから……つっても、今だけでも信用してくれなければ意味ないんだがな?」
放って置くのは忍びないので、ちょっと苦笑いで頭をポリポリ掻きながら、承諾し易い打算案を提示してみることにした俺。
「――あんな漢臭い下衆い連中に連れてかれたら、官能小説やパパのエロゲみたいに、美人の生まれを一生後悔することになるのだけは間違いないね……イーッヒッヒッヒ」
何処ぞの魔女なモノ真似を披露しつつ、不適切極まる薄ら笑いで、何ぞな嫌な台詞をポロリと吐かした未来。
「――ヒィ!」
当然、血の気が引いて真っ青に蒼褪める少女。
「また俺のパソコン勝手に漁ってたな? ま、見られて困るモノでもないし良いけどな」
官能小説もだが、偶に広告に入る頭文字HやGな紳士ゲーとか漫画なアレらは、俺的に言うと娯楽作品の一つの完成形だと思ってるからな。
紳士向けな内容ばかりでもない、実に良い作品が結構沢山あったりするんだよな~。
立ち絵とか凄い綺麗な作品とか。
ただな~、残念なことに多くの一般のヒトには属性が合わず、受け入れてもらえない方が多いってだけなんだよ……勿体ない。
未来も見た目は中学生だが、実際はきっちり成人してるので、読もうが観ようが遊んでようがなんら問題ない……と思うことにしておいてやろうかな、うん。
しかし未来。
良いのかそんなで?
美少女なのに……って単語は、あえて抜いておいてやるけど。
「お、お姉ちゃん! もっと……やんわりオブラートに包んで、ソフトに言ってあげても良くない?」
焦りつつ困った複雑心理な顔で未来を叱咤する、斗家唯一の良心回路なアイ。
「――アイ。この子はボク達に敵対したんだ。あまつさえパパを侮辱する言葉を言いたい放題。本来なら今直ぐにボクが引導を渡したいのが本音」
そう言いながら、襲撃組の少女を睨みつける未来。
魔眼にはなってはいないが、恐ろしいほどに凄い威圧を纏って。
別の言い方をするればだ。
殺ろす気と書いて――殺気とも言う。
「――でも、パパが助けるって言ってるんだよ? なら、ボクのこの怒りは収めてパパに倣って――君を助けるつもりだけど?」
だがしかし。
スッと目を瞑って再び開けた瞬間、恐ろしい威圧が霧散した。
何ぞ美少女らしい含みのない素敵笑顔で手を差し伸べる未来。
但し。
真面なことを言っている風でも、態度は演劇風に大袈裟で仰々しく巫山戯ながら、で。
「未来、お前な――」
その巫山戯た態度を叱責してやろうと言い掛けたその時――。
「オレらを無視して、ナニを勝手に決めてやが――」
下衆野郎の一人が傲慢な態度になって口を開いた。
「あ? ――ナニか文句でもあんの?」
下衆い漢達の発言が言い終わる前に、睨みつけ威圧を纏う未来が遮った。
例の魔眼になってはいないにも関わらず、さっきよりも息苦しさ増し増しの凄んごい威圧で。
「――ブサイク面のお兄さん達、未来の仰る通りでしてよ♪」
絶賛、引っ付き虫と化していた最妃までもが、未来の後押しをする。
慈愛溢れる怖い笑顔で威圧を掛け、徐に腰から抜き放った俺的ウィップを地面に打ち鳴らし、猛獣使いが如く威嚇したのだ。
「貴方達……良い度胸してるわよねぇ。もう死んじゃった方が世の為、ヒトの為、女の為、アタシの為よ?」
更に妹的美少女形態のなんにも威圧を持たない婆ちゃんまでもが、ヤンキーの兄ちゃん的顎がシャクレ気味の表情になってしゃしゃり出る。
当然、迫力もナニもあったもんじゃない。
サムズアップから後ろの二人に親指を立て、コイツらが黙っちゃいないよ! 的に他力本願で煽る始末。
なぁ、婆ちゃん。
良いのかそんなで?
相手は一般人……ってわけでもないだろうけども、ノウではなく正しくヒトには違いない。
ちょいと、やり過ぎと違くね?
そんな恐ろしい威圧――殺気を真面に打つけたらな、泡吹いて失神、或いは漏らしちゃうぞ、きっと。
実際、コレでも随分と押さえてはいるんだろうけどもさ……。
「うっ……」「くっ……」
「ああ……綺麗なお花畑が――」
「ああ……ママ――僕もそっちへ――」
あちゃ~、言わんこっちゃない!
後ろの数人が泡吹いて倒れたんですけど⁉︎
倒れる拍子に何ぞ妙なことを呟いてるヤツも居たけど……これ大丈夫か?
―――――――――― つづく。
「アンタ達……もしかして凄腕の冒険者とかか? だったらさっきは済まなかったな。お詫びと言っちゃなんだが、アンタ達に楯突いたその少女は、オレらできっちり説教しておくわ……それで手打ちってことで、な?」
「そうそう。アンタ見かけに寄らずブイブイ言わしてんだろ? 凄げぇ美人さんばっかりだもんなぁ。……へへへ、オイラも肖りたいぜ」
「アンタ達とオレらでWinWinってことでさ、ひとつ頼むわ。……へへへ」
とかなんとか。
見るからに醜悪な下衆い顏で、不適切極まりない考えを隠そうともせず俺に何ぞ言ってくる。
あのな、その強引極まりない理屈、ナニ?
下衆な輩が言ったことを耳にした途端、更に下卑た笑いのヤツが数人、品定めするが如く舐め回すように見やりつつ、じわじわとにじり寄ってきやがった。
ほれ、言わんこっちゃない。
こんな可愛いらしい子を、漢臭いごっつい連中に身柄を引き渡したら、ナニされるか解ったもんじゃない――否、未来の宣う荒筋だっけ?
そんな感じにナニされるのは間違いねーのな。
このままだと間違いなく本人の宣ってる不適切な事態、未来宣う結果になりかねんのな、うん。
「――君はここを出るまでは俺達と一緒に行動しろ。信用……まではしないにしろ、アイツらに連れて行かれるよりは良いんじゃね? あとで逃げるもナニするのも自由にして良いってのは、俺がこの場で約束し保証するから……つっても、今だけでも信用してくれなければ意味ないんだがな?」
放って置くのは忍びないので、ちょっと苦笑いで頭をポリポリ掻きながら、承諾し易い打算案を提示してみることにした俺。
「――あんな漢臭い下衆い連中に連れてかれたら、官能小説やパパのエロゲみたいに、美人の生まれを一生後悔することになるのだけは間違いないね……イーッヒッヒッヒ」
何処ぞの魔女なモノ真似を披露しつつ、不適切極まる薄ら笑いで、何ぞな嫌な台詞をポロリと吐かした未来。
「――ヒィ!」
当然、血の気が引いて真っ青に蒼褪める少女。
「また俺のパソコン勝手に漁ってたな? ま、見られて困るモノでもないし良いけどな」
官能小説もだが、偶に広告に入る頭文字HやGな紳士ゲーとか漫画なアレらは、俺的に言うと娯楽作品の一つの完成形だと思ってるからな。
紳士向けな内容ばかりでもない、実に良い作品が結構沢山あったりするんだよな~。
立ち絵とか凄い綺麗な作品とか。
ただな~、残念なことに多くの一般のヒトには属性が合わず、受け入れてもらえない方が多いってだけなんだよ……勿体ない。
未来も見た目は中学生だが、実際はきっちり成人してるので、読もうが観ようが遊んでようがなんら問題ない……と思うことにしておいてやろうかな、うん。
しかし未来。
良いのかそんなで?
美少女なのに……って単語は、あえて抜いておいてやるけど。
「お、お姉ちゃん! もっと……やんわりオブラートに包んで、ソフトに言ってあげても良くない?」
焦りつつ困った複雑心理な顔で未来を叱咤する、斗家唯一の良心回路なアイ。
「――アイ。この子はボク達に敵対したんだ。あまつさえパパを侮辱する言葉を言いたい放題。本来なら今直ぐにボクが引導を渡したいのが本音」
そう言いながら、襲撃組の少女を睨みつける未来。
魔眼にはなってはいないが、恐ろしいほどに凄い威圧を纏って。
別の言い方をするればだ。
殺ろす気と書いて――殺気とも言う。
「――でも、パパが助けるって言ってるんだよ? なら、ボクのこの怒りは収めてパパに倣って――君を助けるつもりだけど?」
だがしかし。
スッと目を瞑って再び開けた瞬間、恐ろしい威圧が霧散した。
何ぞ美少女らしい含みのない素敵笑顔で手を差し伸べる未来。
但し。
真面なことを言っている風でも、態度は演劇風に大袈裟で仰々しく巫山戯ながら、で。
「未来、お前な――」
その巫山戯た態度を叱責してやろうと言い掛けたその時――。
「オレらを無視して、ナニを勝手に決めてやが――」
下衆野郎の一人が傲慢な態度になって口を開いた。
「あ? ――ナニか文句でもあんの?」
下衆い漢達の発言が言い終わる前に、睨みつけ威圧を纏う未来が遮った。
例の魔眼になってはいないにも関わらず、さっきよりも息苦しさ増し増しの凄んごい威圧で。
「――ブサイク面のお兄さん達、未来の仰る通りでしてよ♪」
絶賛、引っ付き虫と化していた最妃までもが、未来の後押しをする。
慈愛溢れる怖い笑顔で威圧を掛け、徐に腰から抜き放った俺的ウィップを地面に打ち鳴らし、猛獣使いが如く威嚇したのだ。
「貴方達……良い度胸してるわよねぇ。もう死んじゃった方が世の為、ヒトの為、女の為、アタシの為よ?」
更に妹的美少女形態のなんにも威圧を持たない婆ちゃんまでもが、ヤンキーの兄ちゃん的顎がシャクレ気味の表情になってしゃしゃり出る。
当然、迫力もナニもあったもんじゃない。
サムズアップから後ろの二人に親指を立て、コイツらが黙っちゃいないよ! 的に他力本願で煽る始末。
なぁ、婆ちゃん。
良いのかそんなで?
相手は一般人……ってわけでもないだろうけども、ノウではなく正しくヒトには違いない。
ちょいと、やり過ぎと違くね?
そんな恐ろしい威圧――殺気を真面に打つけたらな、泡吹いて失神、或いは漏らしちゃうぞ、きっと。
実際、コレでも随分と押さえてはいるんだろうけどもさ……。
「うっ……」「くっ……」
「ああ……綺麗なお花畑が――」
「ああ……ママ――僕もそっちへ――」
あちゃ~、言わんこっちゃない!
後ろの数人が泡吹いて倒れたんですけど⁉︎
倒れる拍子に何ぞ妙なことを呟いてるヤツも居たけど……これ大丈夫か?
―――――――――― つづく。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
11
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる