7 / 44
序章 魔術師の誕生
7話 災厄と決意
しおりを挟む
「ふぅ……」
吐く息は白く濁り、風に乗って消えていく。
今日も俺は一人で岩山に来ていた。理由はいつもどおり。魔法の練習だ。
一本の木に向かって手の平を突き出し、詠唱を叫ぶ。
「【風の生霊よ 刃となりて引き裂け! 風刃乱舞】ッ!」
そよ風が枝に残る枯れ葉を揺らした。つまり、何も変化はない。
「やっぱり駄目かぁ……」
魔法にも人によってそれぞれ適性があることは知っている。火が得意だが水を出せない者。また逆も然りだ。
女は基本的に、皆なにかしらの魔法を使える。小学校の授業で『適性魔法検査』が女子にだけあった。皆そこで自分の適性を知るのだ。
男の俺はそんな検査を受けていないし、魔女から受け継いだ力だ。何が出来るのかまったくの未知数。ゆえにこうして一個ずつ試していくしかない。
「反抗魔法の時は色々出てくるんだけどなぁ」
火も水も風も単体では出せなかったが、反抗魔法を使う時だけはイメージしたものが発生するみたいだ。
「【反抗】ッ!!」
叫んでも今は何も起こらない。
やっぱり誰かの敵視を買ってないと発動しない、か。うーん便利なようで、すごく不便。
「あっいたいた! タクトー!」
「――ッ、なんだリオンか」
背後から声を掛けられてドキっとしたが、俺の秘密を知る人物で安心した。
「『なんだ』はひどいんじゃない?」
「ご、ごめん」
頬を膨らませて分かりやすく不満をアピールしている。
そんなリオンの後ろからさらに二人、山を登ってくる人がいた。カナタとユルナだ。
「こんな寒い日によく山なんか登れるな……」
「ガチガチガチガチ……」
ユルナは両腕で身を細め、カナタは歯を震わせ喋るのもままならない様子だ。
「三人揃ってどうしたんだ?」
「昨日の件で話がしたくて。他に人がいない時じゃないと話せないでしょ?」
それだけで『俺が魔法を使える件』について聞きにきたのだと分かった。
昨日はカナタに黙ってて貰ったしな、そりゃ気になるよな。
「ここじゃ寒いし、あっちに洞窟があるからそこで暖を取ろう」
「ガチガチガチ(早く火を)」
山を少し下ったところに、雨風を凌ぐのにちょうどいい窪みがある。たまにここで昼食をとったりする、俺の秘密基地的な場所だ。
事前に集めて保管していた薪と枯れ草をまとめ、火を点けようとマッチを擦るがなかなか点いてくれない。
俺の行動を不思議に思ったのかユルナが常識を口にした。
「なにしてるんだ? 魔法で点ければいいじゃないか」
俺だってそうしたいさ! けどユルナが思っているような魔法じゃないんだよなぁ。
なかなか火を点けられない俺を見かねて、リオンが魔法で火を灯してくれた。
「ありがとうリオン」
「なんのなんの!」
「さてと……俺が魔法を使えるのは、カナタから聞いているよな」
ユルナは黙って首を縦に振る。
本題がそこじゃないってのは、三人の俺を見る目で気づいていた。
『何故、男の俺が魔法を使えるのか』、そこについて知りたがっている。
リオンには一度見られているし、カナタにも冒険者たちの思考を読んで知られている。この三人に隠し通すのは無理だな。
俺は半年前、村を追われた日の事を話すことにした。
* * *
「……にわかには信じられないな」
「三百年前の『憎しみの魔女』が生きてたって……もうその言葉だけで十分ファンタジーだよ!」
「タクトの頭を心配するレベルですよ」
三人とも半信半疑……いや、疑う気持ちの方が強いだろう。俺だって魔女の婆さんが本当に存在していたのかすら、今となっては怪しい記憶だ。
「どんな魔法が使えるんだ? やってみてくれ」
「今使えるのは敵視魔法だけ。これは相手の憎しみや敵意を自分に集める魔法だから、できれば人に向けて使いたくないんだ……」
村の人や親父、母さんが豹変してしまった事を思い出す。この魔法の解き方も分からない以上、むやみに使う事ができない。
「……人に憎まれる魔法か、聞いた事がないな」
「大きな図書館にでもいけば、魔法に関しての文献など残っているかもしれませんね」
たしかにカナタの言う通り、魔法が認知されてから三百年もの歴史がある。憎しみの魔女について調べていけば、何か分かるかもしれない。
なんだか『冒険者』っぽくて、良い目標ができた気がする。
「まあ、そういう経緯だから、できれば周りには言いふらさないで欲しい」
「事情は分かった。しかし、悪知恵の働く奴に目を付けられたら拉致、解剖、人体実験とかされそうだな」
「そ、そこまで?!」
「そりゃあ『男も魔法を使える』なんて、これは人類にとって一大事ですよ。力を求めて貴族とかが押し寄せそうですね」
もし詰め寄られてもそれを押し除けるだけの力があればいいんだが、この魔法じゃ難しいな。公に魔術師を名乗るためにはもっと強くならなければ。
「タクトはさ。これからその魔法を使ってどうするつもりなの?」
リオンが真面目な顔をして聞いてくる。
どうしたい、か。魔女の婆さんからも同じようなことを聞かれたな。
人に憎まれるこんな魔法でも、俺が目指す夢は変わらなかった。
「世界中を飛び回って、困ってる人を助けたい。そしていつか最強の魔術師になる。俺の夢だ」
「そっか……」
リオンはユルナとカナタに何か目配せをしたように見えた。
数秒の間を置いて口を開く。
「タクト、あのね――」
ゴォン ゴォン ゴォン
突如、町から大きな鐘の音が鳴り響いた。
荘厳な音色に混ざって、町の各所に設置されたスピーカーから伝令が聞こえてくる。
「一体なんだ?」
「シッ! この鐘は冒険者ギルドからの緊急伝令です!」
俺を含めた四人はスピーカーの声に耳をそばだてた。
『ギルドより伝令ッ……北西より多数のッ……冒険者は至急ッ……ギルドへ!』
ただ事ではなさそうな雰囲気に俺は生唾を飲み込んだ。
横を見るとリオンが何かに気付き表情を強張らせている。
「北西から多数……まさか」
「なんだ? 何か知ってるのか?」
「みんな! あれを見るのですッ!」
カナタの指差す方角。北西の遥か遠くに小さな太陽に似た光が見えた。
太陽にしては小さく、ゆらゆらと形が動き続けている。
「なんだ……あれ……」
「……冬の寒さを求めて世界中を飛び回る、災厄の鳥……不死鳥の原型とも言われているモンスター」
輝きは少しずつ大きくなり、徐々に町へ近づいている。
それは燃え盛る巨大な一羽の鳥に見えた。
なんだ? 何か動いてる?
その巨体全てが、小さなモンスターの集まりによってそう見えている事に気付いた時、鳥肌が立った。
リオンがポツリと呟く。
「ファイアーバードの群れ」
* * *
山を下り町へと戻ると、慌てふためく人々で町は騒然としていた。
そんなにヤバいのか? 皆、荷物抱えて避難してるし、俺たちも避難したほうが――。
「タクトはおじさんとおばさんの元へ行って!」
「リオン達は!?」
「私達は冒険者ギルドに行く! あの鳥から町を守らなきゃ!」
「じゃあなタクト!」
「無事に避難するんですよ」
「あ……お、おい!」
そう、彼女達は冒険者だ。そして、俺はただの一般人。
魔法が使えない男は避難に徹するのが常識で、魔法が使えるってだけで少女達は戦いに駆り出される。
モンスターとの戦いは怪我もするし、命を落とすこともある危険な仕事だ。なかには怖くて戦えない少女もいるだろう。
俺たちも避難したほうがいい? 何を考えてんだ俺は……何のために村を出た。何のために婆さんから力を貰った?
逃げ腰だった自分に腹がたって、握りしめた拳を太ももに叩きつけた。
俺は……もう、守られる側じゃないッ!!
町を救う事は人を救う事と同じだ。
俺は三人の後を追って、走り始めた。
刻一刻と災厄は近づいて来ている。
吐く息は白く濁り、風に乗って消えていく。
今日も俺は一人で岩山に来ていた。理由はいつもどおり。魔法の練習だ。
一本の木に向かって手の平を突き出し、詠唱を叫ぶ。
「【風の生霊よ 刃となりて引き裂け! 風刃乱舞】ッ!」
そよ風が枝に残る枯れ葉を揺らした。つまり、何も変化はない。
「やっぱり駄目かぁ……」
魔法にも人によってそれぞれ適性があることは知っている。火が得意だが水を出せない者。また逆も然りだ。
女は基本的に、皆なにかしらの魔法を使える。小学校の授業で『適性魔法検査』が女子にだけあった。皆そこで自分の適性を知るのだ。
男の俺はそんな検査を受けていないし、魔女から受け継いだ力だ。何が出来るのかまったくの未知数。ゆえにこうして一個ずつ試していくしかない。
「反抗魔法の時は色々出てくるんだけどなぁ」
火も水も風も単体では出せなかったが、反抗魔法を使う時だけはイメージしたものが発生するみたいだ。
「【反抗】ッ!!」
叫んでも今は何も起こらない。
やっぱり誰かの敵視を買ってないと発動しない、か。うーん便利なようで、すごく不便。
「あっいたいた! タクトー!」
「――ッ、なんだリオンか」
背後から声を掛けられてドキっとしたが、俺の秘密を知る人物で安心した。
「『なんだ』はひどいんじゃない?」
「ご、ごめん」
頬を膨らませて分かりやすく不満をアピールしている。
そんなリオンの後ろからさらに二人、山を登ってくる人がいた。カナタとユルナだ。
「こんな寒い日によく山なんか登れるな……」
「ガチガチガチガチ……」
ユルナは両腕で身を細め、カナタは歯を震わせ喋るのもままならない様子だ。
「三人揃ってどうしたんだ?」
「昨日の件で話がしたくて。他に人がいない時じゃないと話せないでしょ?」
それだけで『俺が魔法を使える件』について聞きにきたのだと分かった。
昨日はカナタに黙ってて貰ったしな、そりゃ気になるよな。
「ここじゃ寒いし、あっちに洞窟があるからそこで暖を取ろう」
「ガチガチガチ(早く火を)」
山を少し下ったところに、雨風を凌ぐのにちょうどいい窪みがある。たまにここで昼食をとったりする、俺の秘密基地的な場所だ。
事前に集めて保管していた薪と枯れ草をまとめ、火を点けようとマッチを擦るがなかなか点いてくれない。
俺の行動を不思議に思ったのかユルナが常識を口にした。
「なにしてるんだ? 魔法で点ければいいじゃないか」
俺だってそうしたいさ! けどユルナが思っているような魔法じゃないんだよなぁ。
なかなか火を点けられない俺を見かねて、リオンが魔法で火を灯してくれた。
「ありがとうリオン」
「なんのなんの!」
「さてと……俺が魔法を使えるのは、カナタから聞いているよな」
ユルナは黙って首を縦に振る。
本題がそこじゃないってのは、三人の俺を見る目で気づいていた。
『何故、男の俺が魔法を使えるのか』、そこについて知りたがっている。
リオンには一度見られているし、カナタにも冒険者たちの思考を読んで知られている。この三人に隠し通すのは無理だな。
俺は半年前、村を追われた日の事を話すことにした。
* * *
「……にわかには信じられないな」
「三百年前の『憎しみの魔女』が生きてたって……もうその言葉だけで十分ファンタジーだよ!」
「タクトの頭を心配するレベルですよ」
三人とも半信半疑……いや、疑う気持ちの方が強いだろう。俺だって魔女の婆さんが本当に存在していたのかすら、今となっては怪しい記憶だ。
「どんな魔法が使えるんだ? やってみてくれ」
「今使えるのは敵視魔法だけ。これは相手の憎しみや敵意を自分に集める魔法だから、できれば人に向けて使いたくないんだ……」
村の人や親父、母さんが豹変してしまった事を思い出す。この魔法の解き方も分からない以上、むやみに使う事ができない。
「……人に憎まれる魔法か、聞いた事がないな」
「大きな図書館にでもいけば、魔法に関しての文献など残っているかもしれませんね」
たしかにカナタの言う通り、魔法が認知されてから三百年もの歴史がある。憎しみの魔女について調べていけば、何か分かるかもしれない。
なんだか『冒険者』っぽくて、良い目標ができた気がする。
「まあ、そういう経緯だから、できれば周りには言いふらさないで欲しい」
「事情は分かった。しかし、悪知恵の働く奴に目を付けられたら拉致、解剖、人体実験とかされそうだな」
「そ、そこまで?!」
「そりゃあ『男も魔法を使える』なんて、これは人類にとって一大事ですよ。力を求めて貴族とかが押し寄せそうですね」
もし詰め寄られてもそれを押し除けるだけの力があればいいんだが、この魔法じゃ難しいな。公に魔術師を名乗るためにはもっと強くならなければ。
「タクトはさ。これからその魔法を使ってどうするつもりなの?」
リオンが真面目な顔をして聞いてくる。
どうしたい、か。魔女の婆さんからも同じようなことを聞かれたな。
人に憎まれるこんな魔法でも、俺が目指す夢は変わらなかった。
「世界中を飛び回って、困ってる人を助けたい。そしていつか最強の魔術師になる。俺の夢だ」
「そっか……」
リオンはユルナとカナタに何か目配せをしたように見えた。
数秒の間を置いて口を開く。
「タクト、あのね――」
ゴォン ゴォン ゴォン
突如、町から大きな鐘の音が鳴り響いた。
荘厳な音色に混ざって、町の各所に設置されたスピーカーから伝令が聞こえてくる。
「一体なんだ?」
「シッ! この鐘は冒険者ギルドからの緊急伝令です!」
俺を含めた四人はスピーカーの声に耳をそばだてた。
『ギルドより伝令ッ……北西より多数のッ……冒険者は至急ッ……ギルドへ!』
ただ事ではなさそうな雰囲気に俺は生唾を飲み込んだ。
横を見るとリオンが何かに気付き表情を強張らせている。
「北西から多数……まさか」
「なんだ? 何か知ってるのか?」
「みんな! あれを見るのですッ!」
カナタの指差す方角。北西の遥か遠くに小さな太陽に似た光が見えた。
太陽にしては小さく、ゆらゆらと形が動き続けている。
「なんだ……あれ……」
「……冬の寒さを求めて世界中を飛び回る、災厄の鳥……不死鳥の原型とも言われているモンスター」
輝きは少しずつ大きくなり、徐々に町へ近づいている。
それは燃え盛る巨大な一羽の鳥に見えた。
なんだ? 何か動いてる?
その巨体全てが、小さなモンスターの集まりによってそう見えている事に気付いた時、鳥肌が立った。
リオンがポツリと呟く。
「ファイアーバードの群れ」
* * *
山を下り町へと戻ると、慌てふためく人々で町は騒然としていた。
そんなにヤバいのか? 皆、荷物抱えて避難してるし、俺たちも避難したほうが――。
「タクトはおじさんとおばさんの元へ行って!」
「リオン達は!?」
「私達は冒険者ギルドに行く! あの鳥から町を守らなきゃ!」
「じゃあなタクト!」
「無事に避難するんですよ」
「あ……お、おい!」
そう、彼女達は冒険者だ。そして、俺はただの一般人。
魔法が使えない男は避難に徹するのが常識で、魔法が使えるってだけで少女達は戦いに駆り出される。
モンスターとの戦いは怪我もするし、命を落とすこともある危険な仕事だ。なかには怖くて戦えない少女もいるだろう。
俺たちも避難したほうがいい? 何を考えてんだ俺は……何のために村を出た。何のために婆さんから力を貰った?
逃げ腰だった自分に腹がたって、握りしめた拳を太ももに叩きつけた。
俺は……もう、守られる側じゃないッ!!
町を救う事は人を救う事と同じだ。
俺は三人の後を追って、走り始めた。
刻一刻と災厄は近づいて来ている。
0
あなたにおすすめの小説
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
外れスキル【アイテム錬成】でSランクパーティを追放された俺、実は神の素材で最強装備を創り放題だったので、辺境で気ままな工房を開きます
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティで「外れスキル」と蔑まれ、雑用係としてこき使われていた錬金術師のアルト。ある日、リーダーの身勝手な失敗の責任を全て押し付けられ、無一文でパーティから追放されてしまう。
絶望の中、流れ着いた辺境の町で、彼は偶然にも伝説の素材【神の涙】を発見。これまで役立たずと言われたスキル【アイテム錬成】が、実は神の素材を扱える唯一無二のチート能力だと知る。
辺境で小さな工房を開いたアルトの元には、彼の作る規格外のアイテムを求めて、なぜか聖女や竜王(美少女の姿)まで訪れるようになり、賑やかで幸せな日々が始まる。
一方、アルトを失った元パーティは没落の一途を辿り、今更になって彼に復帰を懇願してくるが――。「もう、遅いんです」
これは、不遇だった青年が本当の居場所を見つける、ほのぼの工房ライフ&ときどき追放ざまぁファンタジー!
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる