1 / 1
第1話 プロローグ
しおりを挟む
「・・・暇だ。・・・本当に暇だ。こんなに、暇を持て余すことになるならアイツらと一緒に旅行に行くんだったな・・・」
青年─海道零時は、そんなことを呟きながら自宅のベットの上で横になり携帯をいじっていた。
零時がしばらく、携帯をいじっていると「ピコン!」と言う聞き馴染みの通知音が何回か鳴った。
零時は、「何だ?」と一言呟き画面上に表示されている通知を一回タップした。
『今、皆でバーベキュー楽しんでまーす!!お土産楽しみにしててねー!!』
と言うメッセージと数人の男女がバーベキューを楽しんでいる写真が画面に表示された。
この、メッセージの送り主の名前は立花渚。零時が通っている高校の同級生でもあり、小学校から付き合いのある幼馴染みと言うものだ。
「アイツらも旅行を楽しんでるみたいだな・・・。まぁ、俺もそろそろ腹も減ったし何か軽く作って食べるとするかな」
零時はいじっていた携帯をベットの脇に置きベットの上から立ち上がった。ベットの上から立ち上がった零時は夕食を作るために階段を降りて行き自宅のキッチンに向かって行った。
因みにだが、零時は母親、父親、姉の四人でこの家に暮らしているが両親と姉はそれぞれ会社に泊まり込みとなってしまっているため今この家には零時しか居らず自分で夕食を作るしか無かった。
「さてと、今日の夕食は無難に炒飯でも作るかな」
夕食のメニューを考えながら冷蔵庫を開け食材を確認してみると、中にはもやし一袋と半分の大根しか無かった。
「・・・いや、まじかよ。もやしと半分の大根だけって嘘だろ・・・。はぁー、仕方ない家の近くのスーパーで何か食材でも買いに行くか」
零時は冷蔵庫の中身を確認し絶句しながらも階段を上がって行きベットの脇に置かれている携帯と財布を手に取り家を出た。
零時が外に出ると、外は既に暗くなっておりほとんど人の気配は無かった。
「うーん、やっぱり今日は炒飯じゃ無くってオムライスを作ろうかな・・・」
零時は時々正面から歩いて来る人達を避けながら、改めて今日の夕食の献立を考え直しながら歩いていた。
しばらく歩き続けてスーパーの入口が見えるところまで来ると突如スーパーの入口から叫び声が聞こえるとともに数人の人が走りながら出て来た。
「きゃぁぁぁぁぁぁあ!!」
「た・・・助けてぇぇぇぇ!!」
「み・・・みんな、逃げろぉぉぉ!!」
逃げ惑うカップルや家族連れの後ろには、手に20cmほどのナイフを持っている男がナイフを持っている手を振り回しながらスーパーから出て来た。
「くそクソくそ!!みんな、俺のことを馬鹿にしやがって!!みんな死んじまえばいいんだ!!」
男は右手に20cmほどのナイフを持っており、目は何処か血走っていて情緒が不安定なようだった。
そんな、男は見境無くスーパーから飛び出した人達を追い掛けていた。
「おいおいおい。こっちに来るのかよ・・・!!これは、逃げないとやばい事になりそうだな・・・」
男が自分の方向に向かってくることを察した零時は、振り返り逃げようとした時突如その足を止めた。
何故なら、零時の後ろにはセーラー服に身を包んだ中学生ぐらいの少女二人が腰を抜かし怯えていたからだ。
「お・・・おい!!取り敢えず、立てお前ら逃げるぞ!!」
「む・・・無理です」
「こ・・・腰が抜けて、た・・・立てません」
「まじかよ・・・」
零時は腰を抜かして怯えている少女達に近寄り逃げるように促したが完全に腰を抜かしている少女達は直ぐに逃げるどころか立ち上がることすら出来なかった。
「・・・・・・はぁー、しょうがねぇな。ここは、覚悟を決めないとな」
零時は一度深く深呼吸をした後、ナイフを持っている男に向かい走り出した。
そして、男にどんどんと近付いて行くとそのまま地面を強く踏み込み男の胸に格闘家顔負けの飛び蹴りをきめた。
「グエッ!!」
ナイフを持っている男はカエルの様な悲鳴を上げ地面に倒れ込んだ。地面に倒れ込んだ男の手からはナイフが勢い良く転がって行った。
そして、零時の飛び蹴りをモロに喰らった男はそのまま周りに居た大人達に押さえつけられてしまった。
人生初めての飛び蹴りを成功させた零時は汗を拭っていると腹部に謎の熱さを感じ強烈な痛みに襲われた。
ふと自分の腹部を見てみると、そこにはナイフで刺されただろう傷があり、その傷からは大量の血が流れ出していた。
「・・・・・・まじかよ」
零時は、身体に力が入らず立つことさえも困難になりそのまま仰向けの状態で地面に倒れ込んでしまった。
辛うじて動かせる首を横に傾けると、男を抑え込んでいた大人達がタオルや自分の服を使い零時の腹部を強く押さえていた。
そして、今まで腰を抜かしていた二人の少女も零時の側に近寄って来た。
「お・・・お兄さん!!しっかりしてください!!」
「死んじゃダメです!!」
「その子たちの言う通りだぞ坊主!!今、救急車を呼んだんだからあと少しの辛抱だ!!」
零時の側に近寄って来た二人の少女は涙を流しながら今にも意識を失ってしまいそうな零時に声を掛け続けた。
「・・・・・・いや、多分これは無理だわ」
「「お兄さん!!」」
「おい、坊主!!」
少女とおじさんの呼び掛けも虚しく、零時は静かにそう呟き静かに目を閉じ、意識を完全に失ってしまった。
青年─海道零時は、そんなことを呟きながら自宅のベットの上で横になり携帯をいじっていた。
零時がしばらく、携帯をいじっていると「ピコン!」と言う聞き馴染みの通知音が何回か鳴った。
零時は、「何だ?」と一言呟き画面上に表示されている通知を一回タップした。
『今、皆でバーベキュー楽しんでまーす!!お土産楽しみにしててねー!!』
と言うメッセージと数人の男女がバーベキューを楽しんでいる写真が画面に表示された。
この、メッセージの送り主の名前は立花渚。零時が通っている高校の同級生でもあり、小学校から付き合いのある幼馴染みと言うものだ。
「アイツらも旅行を楽しんでるみたいだな・・・。まぁ、俺もそろそろ腹も減ったし何か軽く作って食べるとするかな」
零時はいじっていた携帯をベットの脇に置きベットの上から立ち上がった。ベットの上から立ち上がった零時は夕食を作るために階段を降りて行き自宅のキッチンに向かって行った。
因みにだが、零時は母親、父親、姉の四人でこの家に暮らしているが両親と姉はそれぞれ会社に泊まり込みとなってしまっているため今この家には零時しか居らず自分で夕食を作るしか無かった。
「さてと、今日の夕食は無難に炒飯でも作るかな」
夕食のメニューを考えながら冷蔵庫を開け食材を確認してみると、中にはもやし一袋と半分の大根しか無かった。
「・・・いや、まじかよ。もやしと半分の大根だけって嘘だろ・・・。はぁー、仕方ない家の近くのスーパーで何か食材でも買いに行くか」
零時は冷蔵庫の中身を確認し絶句しながらも階段を上がって行きベットの脇に置かれている携帯と財布を手に取り家を出た。
零時が外に出ると、外は既に暗くなっておりほとんど人の気配は無かった。
「うーん、やっぱり今日は炒飯じゃ無くってオムライスを作ろうかな・・・」
零時は時々正面から歩いて来る人達を避けながら、改めて今日の夕食の献立を考え直しながら歩いていた。
しばらく歩き続けてスーパーの入口が見えるところまで来ると突如スーパーの入口から叫び声が聞こえるとともに数人の人が走りながら出て来た。
「きゃぁぁぁぁぁぁあ!!」
「た・・・助けてぇぇぇぇ!!」
「み・・・みんな、逃げろぉぉぉ!!」
逃げ惑うカップルや家族連れの後ろには、手に20cmほどのナイフを持っている男がナイフを持っている手を振り回しながらスーパーから出て来た。
「くそクソくそ!!みんな、俺のことを馬鹿にしやがって!!みんな死んじまえばいいんだ!!」
男は右手に20cmほどのナイフを持っており、目は何処か血走っていて情緒が不安定なようだった。
そんな、男は見境無くスーパーから飛び出した人達を追い掛けていた。
「おいおいおい。こっちに来るのかよ・・・!!これは、逃げないとやばい事になりそうだな・・・」
男が自分の方向に向かってくることを察した零時は、振り返り逃げようとした時突如その足を止めた。
何故なら、零時の後ろにはセーラー服に身を包んだ中学生ぐらいの少女二人が腰を抜かし怯えていたからだ。
「お・・・おい!!取り敢えず、立てお前ら逃げるぞ!!」
「む・・・無理です」
「こ・・・腰が抜けて、た・・・立てません」
「まじかよ・・・」
零時は腰を抜かして怯えている少女達に近寄り逃げるように促したが完全に腰を抜かしている少女達は直ぐに逃げるどころか立ち上がることすら出来なかった。
「・・・・・・はぁー、しょうがねぇな。ここは、覚悟を決めないとな」
零時は一度深く深呼吸をした後、ナイフを持っている男に向かい走り出した。
そして、男にどんどんと近付いて行くとそのまま地面を強く踏み込み男の胸に格闘家顔負けの飛び蹴りをきめた。
「グエッ!!」
ナイフを持っている男はカエルの様な悲鳴を上げ地面に倒れ込んだ。地面に倒れ込んだ男の手からはナイフが勢い良く転がって行った。
そして、零時の飛び蹴りをモロに喰らった男はそのまま周りに居た大人達に押さえつけられてしまった。
人生初めての飛び蹴りを成功させた零時は汗を拭っていると腹部に謎の熱さを感じ強烈な痛みに襲われた。
ふと自分の腹部を見てみると、そこにはナイフで刺されただろう傷があり、その傷からは大量の血が流れ出していた。
「・・・・・・まじかよ」
零時は、身体に力が入らず立つことさえも困難になりそのまま仰向けの状態で地面に倒れ込んでしまった。
辛うじて動かせる首を横に傾けると、男を抑え込んでいた大人達がタオルや自分の服を使い零時の腹部を強く押さえていた。
そして、今まで腰を抜かしていた二人の少女も零時の側に近寄って来た。
「お・・・お兄さん!!しっかりしてください!!」
「死んじゃダメです!!」
「その子たちの言う通りだぞ坊主!!今、救急車を呼んだんだからあと少しの辛抱だ!!」
零時の側に近寄って来た二人の少女は涙を流しながら今にも意識を失ってしまいそうな零時に声を掛け続けた。
「・・・・・・いや、多分これは無理だわ」
「「お兄さん!!」」
「おい、坊主!!」
少女とおじさんの呼び掛けも虚しく、零時は静かにそう呟き静かに目を閉じ、意識を完全に失ってしまった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
R・P・G ~女神に不死の身体にされたけど、使命が最低最悪なので全力で拒否して俺が天下統一します~
イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。
半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。
凛人はその惑星の化身となり、星の防人として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。
だが、不死となった代償として女神から与えられた使命はとんでもないものであった……
同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!?
一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界治世ドラマ、ここに開幕!
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
異世界転生特典『絶対安全領域(マイホーム)』~家の中にいれば神すら無効化、一歩も出ずに世界最強になりました~
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が転生時に願ったのは、たった一つ。「誰にも邪魔されず、絶対に安全な家で引きこもりたい!」
その切実な願いを聞き入れた神は、ユニークスキル『絶対安全領域(マイホーム)』を授けてくれた。この家の中にいれば、神の干渉すら無効化する究極の無敵空間だ!
「これで理想の怠惰な生活が送れる!」と喜んだのも束の間、追われる王女様が俺の庭に逃げ込んできて……? 面倒だが仕方なく、庭いじりのついでに追手を撃退したら、なぜかここが「聖域」だと勘違いされ、獣人の娘やエルフの学者まで押しかけてきた!
俺は家から出ずに快適なスローライフを送りたいだけなのに! 知らぬ間に世界を救う、無自覚最強の引きこもりファンタジー、開幕!
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる