前世持ち公爵令嬢のワクワク領地改革! 私、イイ事思いついちゃったぁ~!

Akila

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1章 ロンテーヌ兄妹

68 戦?の後

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しばらく、ロダンとマーサとホールの隅に逃げていた。それでも話しかけてくる貴族は居たが、ほとんどが大人ばかりだったので、二人が適当にあしらっている。へちまんがどうとか、サボンがどうとか。

結局お爺様とは挨拶回りで、一度も話す事が出来ず、お兄様もあれからアンジェ様とべったりくっ付いて談笑している。

「もう直ぐ終わりかしら?」

「そうですね。最後のご令嬢のようですし」

ホールで最後のダンスを飾っているのは、第二王子と金髪のキレイなご令嬢だった。踊っている二人をホールのみんなが注目している。その様子は、まるで二人しかいない様な世界のように浮き上がって見えた。

王子様達のダンスが終わると、拍手喝采に包まれる。

あんな所でよく踊れるな~。大注目もいいとこじゃん。度胸があるんだね~。なんて感心していると、王様がスピーチを始めた。

「今宵は、多くの若者が人生のスタートラインに立った。これから進む道に幸あらんことを!」
またまた、サッパリした短い王様のお言葉で夜会は閉会した。

少しの間、あちらこちらで歓談が続けられていたが、下位の貴族から順に出口へと向かっている。

ここでようやくお爺様とも合流ができた。

「お爺様。お疲れ様でございます」

「あぁ。こんなに色々な者と話したのは初めてじゃ。儂のデビューでもこんな事はなかったわい。大概は事業の話じゃったが。。。ジェシーへの婚約の打診もあったぞ?気になるか?」
お爺様は少しお酒が入っているのかな?ご機嫌なようで、笑顔でそんな話まで口を滑らせている。

「ご冗談を。私のお婿さんは私が決めますよ。今日は疲れました」

「そうか?誰ぞおったのか?」

「いえ。誰も。学校に期待します」

私達21領主は最後になった。早く帰りたいので、お爺様の手を引いて出口へ向かう。

「ジェシカ嬢。最後の最後に会えた!」
と、両手を広げて向かって来たのは、ミサ領のカミル様だ。

あ”~。今?もう今日はお腹いっぱいだよ?

「あら!カミル様。お久しぶりです」
カミル様は私の手を取りウィンクする。

「失礼。私も覚えておいでですか?」
次にやって来たのは、トリスタン領のハミルトン様だ。

「ええ。ハミルトン様。ごきげんよう」
反対の手を取り一礼してくれる。

「「。。。」」
二人は私の頭の上で睨み合いをしている。わかりやすいな。

「お二方、今宵はもうお開きです。残念ですが、また次の機会にお会いしましょう」
私はサッと両手を引いて、お爺様の隣へサササと移動する。

「「。。。」」
ニッコリ笑えば渋々納得してくれた。

「では、次の夜会で」「次は私と踊って下さい」
二人はすんなり引き下がり両領主の所へ去って行った。

「なんじゃ?ジェシー?ロダン、今日はこんな感じじゃったのか?」

ロダンは苦笑いしながら答える。
「はい。概ね」

「は~。そうか。。。あの二人はのだな?」
と、お爺様は確認してくる。

「はい。思惑が透けて見えて。。。ですね」

そうか、とお爺様はぽつりと言うとそのまま突っ込んでは来なかった。


帰りの馬車では、疲れてしまったのかお爺様の肩を借りて寝てしまっていた。

薄っすらとロダンの声がする。

「。。。ですから、第一王子と顔合わせをしましたが、少々困りました。お嬢様は上位貴族の夜会には向いていないかもしれません。宰相様や王族にあんな事を言うとは肝が冷えました」

「そうか。。。」

だんだん、お爺様とロダンの声が遠くなる。



~*~*~*~*~

次の日は昼過ぎまで寝ていた。そ~と~疲れたよ。

「遅よう。ケイト」

「あらあら、お嬢様。もうランチの時間ですよ。お疲れでしたね。今日は一日お部屋でお休み下さい」
そう言いながらケイトはカーテンを開けてくれる。が、眩しい!

「そう。では、もう少し寝たいわ。。。」

コンコンコン。ドアが叩かれ、ロダンが入って来た。

「お嬢様。おはようございます。お茶の時間にご主人様からお話があるそうです」
それだけ言うとロダンは退出した。

え~。。。昨日の事でしょ?分かってますよ。。。忘れたいのに。。。

ケイトはハテナな感じで聞いてくる。
「昨晩、何かあったのですか?」

「うん。。。ちょっと色々とね。。。でも、いい事もあったのよ!ケイト」
ケイトが心配している。ダメだダメだ。元気にならなきゃ。

「そうですか?」

「ええ。お爺様とのダンスがとても楽しかったの。さすがお爺様よね。体幹がしっかりしているからかしら、クルって回るのが楽しかったの。思いっきり回ったわ」
良かったですね~、とケイトは笑顔になってくれた。

「お嬢様。もう少し寝ますか?それともランチにされますか?」

「もう目が覚めたわ。食事をお願い」

ランチの間、ケイトに社交界で見た意地悪熟女の話や、行列のお嬢様達、料理の事を面白おかしく話したら、喜んで聞いてくれた。

「でも、マーサ様も災難でしたね。離縁しても嫌味を言われるとは」

「ね~。どこの家も嫁姑問題ってややこしいわよね」

「お嬢様ったら、どこの夫人ですか!ふふふ」

「は~、でも嫌だな。。。この後、お爺様か」

「何があったかは知りませんが、がんばって下さい。大丈夫ですよ」
ケイトはよしよしと慰めてくれる。優しい。あぁ、私のオアシス。

よし!気合い入れるか!



コンコンコン。
「お爺様。ジェシカです」

入れ。と言われ、執務室のソファーに座った。中には昨日のメンバーが全員いた。アークもね。

「ジェシー。昨晩の事は全部覚えておるか?」
初めての夜会で浮かれて記憶があるかどうか確認してくる。

「はい。全て」

「。。。そうか。緊張してつい口を突いたんじゃないのだな?」

「?何か間違えましたでしょうか?」

「「はぁぁぁぁ。」」
と、お爺様とロダンがため息を吐いた。

「間違いではないが、余計な虫がついてしもうた。第一王子じゃ」

あぁ。。。

「不可抗力です。それに、ついてはおりませんよ」

「不可抗力とな?」

「はい。私は、宰相様に紹介して欲しいなど一度もお願いはしておりません。宰相様が勝手に気を効かせたみたいです。ですので、宰相様には『王子様には興味はない』とお答え済みです。もう声はかけられないかと」
どうだ!と私はエッヘンと胸を張る。

「は~。どこをどう取ればそうなる?昨日王子は『面白いな』と好奇心の目を向けたのだろう?しかも次回のダンスの約束まで。。。ジェシー、もう遅い。気に入られておる」

はぁ~???そんなはずないし。ロダンをバッて見るも、頭に手を当てて『ダメだこりゃ』と項垂れている。

「私も宰相様も王子様も、人違いだと言う事で合意しましたよ。えっ?何?」
ちょっと、わからない。何でそうなる?

「ジェシー。あの王子は令嬢とは決して約束をしない。これは有名じゃ。いつも決まり切った言葉と笑顔しか向けんのじゃ」

そんなん知らんし!え~。でも。。。

「いやいやいや。お爺様。考えすぎですよ。宰相様には『王族には関わりたくない』と言いましたから」

「何と!バカな。そんなはっきりと口にしたのか?よく無事に逃してもらえたな。。。」

「あ~、はい。アダム様とはそんな感じで結構、腹を割って話をします。非公開ですが。。。小さな声で。」

「「「「「。。。」」」」」

部屋にいるみんなが固まった。

私はみんなのリアクションに焦ってしまう。
「えっ!でも、王様と前回非公開にお会いした時もこんな感じでしたよ。エド様もアダム様も怒りませんでしたし。むしろ、はっきり物を言えと言われるくらいです」

「そうか。。。そうなのか」
お爺様はぐったりとソファーの椅子に仰向けになってしまった。

「アークは今回聞いていたでしょう?別に宰相様、アダム様は怒ってなかったわよね?」

「あぁ。むしろ対等、友人の様だと感じました。小さな声も私には聞こえましたので」
アークは申し訳なさそうに、みんなに話した。

「ご主人様。これは好機ですわ。逆に考えましょう。対等な友人、大きなカードが手に入ったのです。万が一の時はお嬢様の盾になるはずです」
マーサは私を擁護してくれた。うれしい!

「そうです。お嬢様にとってはよろしいかと。王はサバサバした現実主義者です。ご本人がお許しなのですから、欲を出さず、誠実に対応すれば問題ないかと」
ランドも加勢してくれた。ありがとうランド。

「そうじゃな。。。では、第一王子はどうする?」

「私が夜会警備でいた頃は、第一王子は一度もどのご令嬢とも噂がありませんでした。おっしゃる通り、義務的に対応されていたように思います。あとは、時々、騎士団に汗を流しに来ておりました。印象は下の者にも気さくな感じでした」
と、リットは第一王子の為人ヒトトナリを話す。

う~ん、と悩む首脳陣達。

「そうだわ!体が弱い設定にして、今後の夜会やお茶会は全て欠席しましょう。お爺様、私はお付き合いしなくていいのですよね?」

「それはそうじゃが。。。程度というものが。。。」

ロダンは何か考えている。がんばって!元参謀!

「ご主人様。お嬢様の言う通りにしましょう。非難や嫌味は言われるでしょうが、お嬢様が付き合いが悪いからと言って、事業に支障はきたしません。ご主人様のお付き合いも、ほとんどお嬢様には関係ありませんし。本来なら、商品の宣伝活動としてお茶会などに顔を売らなければならないですが、いかんせん、我が領の商品は平民向けです。そう言った意味でも、問題ないでしょう。今は、外に出す方が危険かと。第一王子のは数人が目撃しています。恐らく、もう噂になっているでしょうから」

「そうか。。。では、今日からジェシーは病弱という事で。皆の者、よろしく頼む」

ん?やけにあっさりだな。まっ、うまくまとまって良かった。



でも、私はこの後、病弱設定した事を後悔する事になる。ぐすん。。。つづく。なんつって。

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