36 / 135
1章 ロンテーヌ兄妹
69 金木犀のサボン
暇だ。
本当に暇だ。今はまだ1月下旬。。。学校まで2ヶ月以上もある。王様に会うのもそのぐらいだし。。。
お茶会などに出席しなくて楽だけど。。。あんな事を言ってしまった自分を呪いたい。
「ねぇ、ケイト、王都の街へもお忍びで行ってはダメなの?」
「そうですね。お嬢様は今、寝込んでいる事になっていますから。今、王都には国中の貴族が集まっていますからね。無理ですよ。誰かに見つかりますよ」
ケイトは苦笑いだ。
「あ~。どうせ寝込んでいるなら、こっそり領へ帰ってはいけないのかしら?確認したい事があるのに。。。」
「お嬢様。何か思いついたり、何かしたい場合はどうするんでしたっけ?」
ケイト先生はキランと目を光らせる。
「。。。ロダンに相談する。です」
嫌だな~。絶対却下じゃん。
「本当に行きたいなら、ロダン様を納得させる理由を提示しないといけませんよ」
わかってるよ。あのロダンを納得させるのが大変なんじゃん。
こんなに暇なら領でスルーボードや領民学校の進捗状況とか色々見てみたいのに。時間が惜しい!
「ちょっと、ロダンの所に行ってくるわ」
「ロダン、今いいかしら?」
私は、タイミングよくお爺様の執務室に続く廊下でロダンに会えた。
「はい。どうされました?じっとしているのに飽きましたか?」
ははは。お見通しだね。
「ええ。領に帰ってはいけないのかしら?どうせ寝込んでいる設定でしょ?」
「そうですね。。。寝込んでいる事はお嬢様のご提案ですよ?そんなにお時間があるなら。。。それでは本日は私の話を聞いて頂けませんか?その替わり、来週中に3日程度なら帰領しても良いでしょう。どうします?」
そりゃ~聞くの一択でしょ。
「ええ」
と答えると、ロダンと私はテラスへ移動した。
「この季節なのに屋敷の庭が白くないわ」
私はテラスの先の裏庭を見て、冬に花が咲いているのを不思議に感じる。
「そうですね。王都は雪が積もりませんからね。それでは、本題ですが。。。」
ロダンは熱い紅茶を用意してくれた。あ~ほっこりする。
「今、カイ様のお相手のロゼ辺境伯様とあの案のお話が進んでおります。3回ほど会合を設け、今は試供品を試している最中です。概ね、お相手はスムーズに対応して下さっています。我が領が、アンジェリカ様と縁を結ぶに値する価値を見出せましたからね。今後も花の香りのサボンを共同製作する予定にもなりました。毎年花の香りを変え、一年に一度だけ、花の香りのサボンを数量限定で売り出す方向で決まっております」
「えっ!もう試作段階なのね。どんな香り?」
ワクワク。どんな花の香りだろう。
「はい。協議の結果、結婚式の手土産ですので、アンジェリカ様の愛用の香りになりました。金木犀です」
お~。香りはちょっと甘い爽やか系なのか。へ~、アンジェ様はきっちりハキハキって印象だったけど、実はかわいらしい性格なのかもね。
「いいわね。早く試してみたいわ」
「そこで、お嬢様に相談なのですが、以前のお話でサボンの形に触れていましたよね?ハート?とか言いましたでしょうか。それはどのような形でしょうか」
あ~。ハートはないのか。それともハートと言う言葉がないのか。。。
「あれは、前世の言葉なのかしらね。こんな形です」
と、両手の指でハート型を作ってみた。
「見た事がないですね。。。どうゆう意味が?」
ないのか。。。
「これは、心臓を表しているの。ここにある臓器よ。異なる世界では医術が発展していて、解剖、死んだ人間の体を開いて身体中を調べた書物があったの。その書物に心臓が掲載されていて、このような形に似ていたのよ。前に話した義務教育で体の仕組みについてさわりだけ習うのよ。実際の形は、少し違うけど。。。まーいいわ。それで、心臓は心を表す、つまり、真心を示す時に使う記号だったの。一般的には『好きだ』『愛している』と言う意味で使ったりして、文章の語尾などにこの形を書いたりしていたのよ。でも、こちらにないのであれば、これはダメね」
「解剖ですか。。。いささか、野蛮な事をされた方がいたのですね。不思議な世界です」
ロダンは解剖が気になったみたい。。。ははは。
「あぁ、その異なる世界には魔法がなかったから、魔法で治療?とかできないでしょう。外科。。。う~ん、なんて言うのかな。外傷治療などは、専用のナイフで切ったりして治していたのよ。もちろん、こちらにあるような薬草に近い物もあったわ。その世界では、薬草を組み合わせて、より効果の高い『薬品』が開発されていたけど。その薬品と専用のナイフで外傷治療をしていたのよ。切られている本人は『麻酔』と言う薬品で眠らせて神経を遮断させるから、実際切られても痛くはないのよ。魔法でサッと出来ない分、何十年、何百年もかけて知識や技術を発展させていったのよ」
「は~。想像が追いつきませんね。色々疑問はありますが、それも発展していたのでしょうから問題ないのでしょうね」
ロダンは驚きながら、一つ一つ頭の中で検証しているのかな?思考のポーズになっている。
「それより、サボンの形よね。どうしましょうか?ハートがないなら、結婚を連想させるものか、愛を連想させるもの、金木犀の花を型取ってもいいんじゃない?」
「そうなんですが。。。どのような方法があるんでしょう?今は固まったのを切っていますから、形を一つ一つ彫刻するにも時間がかかってしまいます」
「えっ?だから型を作ればいいじゃない?」
ん?とハテナなロダン。こんな顔見られるなんて珍しいな。ぷぷぷ。
「木でも、何でもいいけど、熱に強い素材で型を作って、サボンが固まる前に流し込むのよ。彫刻するのは手間だけど、10個ほど型を作ってしまえば、後は流し込むだけで何十倍のサボンが出来るようになるわ」
硬い木を掘って作ってもいいし、金属でもいいよね。
「そうなると、金属はいささか無理がありますね。細かい作業ができませんし、今のように四角い箱型ではありませんから、同じ物を作るとなると難しいですね」
「そうね。本当は石膏とかで型採りすれば楽なんだけど、ごめんなさいね。石膏その物の知識がないのよ。だから、腕のいい彫刻師に硬い木で彫刻してもらいましょう。その形はどうする?」
ロダンは考えている。
「無難に花の形にしましょう。今後も花のシリーズは続きますから。毎年花の形を作っていきましょう」
「では、入れ物にも凝ってね。箱の表面にロゼ領とロンテーヌ領の名前を必ず書いてね。ワクワクするわ~」
「それはもちろんです。ガラスのケースを予定しております。そこに両家の名前を彫刻します。あとは、この貴族用のサボンの中身は、原材料のオリブ油を少し多めにしますし、手のひら大の丸い形に切り取ったへちまんも付けた、貴族用の特別セット商品にする予定です。お値段も、梱包に力を入れるので、平民用の数十倍はします。お相手の花のエキスの原価にもよるので、この値段で落ち着きました」
ほうほう。へちまんも丸くして、平民とに差をつけたのかな?って、香水よりは安いけど、数十倍って。。。ぼったくりじゃない?あ~、でも上流貴族や裕福な貴族なら出せる範囲なのかぁ。普通に下位貴族でも香水から切り替える人が出たりして。
「そう。もうそんなに話を詰めているのね。ありがとう、ロダン」
「いえいえ。これもカイ様の為です。それに、今後もお金になりますからね。領にとってもいい事です」
ロダンはニコニコだ。
「ふと思ったのだけれど、今、領を仕切っているのは誰?ミランもロダンもこちらに居るのよね?領は大丈夫なの?」
そうだよ!ロダンもお爺様もこの冬は社交の為に王都にいる。誰が領を見てくれているんだろう?乗っ取られないよね?そもそも緊急時に領民が困らないかな?
「あぁ。大丈夫ですよ。冬の社交期間とは言っても、12月中旬から2月末までの2ヶ月半だけですから、ロックに任せておりますよ。領民は貴族の行事など知らないのがほとんどですし」
あぁ~よかった。
「でも、ロック爺ももうお年よね。次を探さないといけないわね。無理させたくないわ」
「あはははは。ありがとうございます。でも、ロックには『年』と言わない方がいいですよ。ああ見えて、怒ると怖いですからね。来年からは、王都の事業はミランに任せますので、私は領に残る予定です。お嬢様が何も事件を起こさなければの話ですが?」
。。。何も起こさないよ。失敬だな。
「大丈夫よ。学校があるんだし。ロダンには心配かけないわ」
そうだといいんですがね~とロダンは笑いながら私の話を聞いていない。
「大丈夫よ。ロダンももう直ぐ60なんだから、ロダンこそ無理はしないでね」
と、私は優しく労ったつもりだったのに、ロダンにめちゃくちゃ怒られた。。。解せん。
「まだ51ですが?」
ですよね~。
本当に暇だ。今はまだ1月下旬。。。学校まで2ヶ月以上もある。王様に会うのもそのぐらいだし。。。
お茶会などに出席しなくて楽だけど。。。あんな事を言ってしまった自分を呪いたい。
「ねぇ、ケイト、王都の街へもお忍びで行ってはダメなの?」
「そうですね。お嬢様は今、寝込んでいる事になっていますから。今、王都には国中の貴族が集まっていますからね。無理ですよ。誰かに見つかりますよ」
ケイトは苦笑いだ。
「あ~。どうせ寝込んでいるなら、こっそり領へ帰ってはいけないのかしら?確認したい事があるのに。。。」
「お嬢様。何か思いついたり、何かしたい場合はどうするんでしたっけ?」
ケイト先生はキランと目を光らせる。
「。。。ロダンに相談する。です」
嫌だな~。絶対却下じゃん。
「本当に行きたいなら、ロダン様を納得させる理由を提示しないといけませんよ」
わかってるよ。あのロダンを納得させるのが大変なんじゃん。
こんなに暇なら領でスルーボードや領民学校の進捗状況とか色々見てみたいのに。時間が惜しい!
「ちょっと、ロダンの所に行ってくるわ」
「ロダン、今いいかしら?」
私は、タイミングよくお爺様の執務室に続く廊下でロダンに会えた。
「はい。どうされました?じっとしているのに飽きましたか?」
ははは。お見通しだね。
「ええ。領に帰ってはいけないのかしら?どうせ寝込んでいる設定でしょ?」
「そうですね。。。寝込んでいる事はお嬢様のご提案ですよ?そんなにお時間があるなら。。。それでは本日は私の話を聞いて頂けませんか?その替わり、来週中に3日程度なら帰領しても良いでしょう。どうします?」
そりゃ~聞くの一択でしょ。
「ええ」
と答えると、ロダンと私はテラスへ移動した。
「この季節なのに屋敷の庭が白くないわ」
私はテラスの先の裏庭を見て、冬に花が咲いているのを不思議に感じる。
「そうですね。王都は雪が積もりませんからね。それでは、本題ですが。。。」
ロダンは熱い紅茶を用意してくれた。あ~ほっこりする。
「今、カイ様のお相手のロゼ辺境伯様とあの案のお話が進んでおります。3回ほど会合を設け、今は試供品を試している最中です。概ね、お相手はスムーズに対応して下さっています。我が領が、アンジェリカ様と縁を結ぶに値する価値を見出せましたからね。今後も花の香りのサボンを共同製作する予定にもなりました。毎年花の香りを変え、一年に一度だけ、花の香りのサボンを数量限定で売り出す方向で決まっております」
「えっ!もう試作段階なのね。どんな香り?」
ワクワク。どんな花の香りだろう。
「はい。協議の結果、結婚式の手土産ですので、アンジェリカ様の愛用の香りになりました。金木犀です」
お~。香りはちょっと甘い爽やか系なのか。へ~、アンジェ様はきっちりハキハキって印象だったけど、実はかわいらしい性格なのかもね。
「いいわね。早く試してみたいわ」
「そこで、お嬢様に相談なのですが、以前のお話でサボンの形に触れていましたよね?ハート?とか言いましたでしょうか。それはどのような形でしょうか」
あ~。ハートはないのか。それともハートと言う言葉がないのか。。。
「あれは、前世の言葉なのかしらね。こんな形です」
と、両手の指でハート型を作ってみた。
「見た事がないですね。。。どうゆう意味が?」
ないのか。。。
「これは、心臓を表しているの。ここにある臓器よ。異なる世界では医術が発展していて、解剖、死んだ人間の体を開いて身体中を調べた書物があったの。その書物に心臓が掲載されていて、このような形に似ていたのよ。前に話した義務教育で体の仕組みについてさわりだけ習うのよ。実際の形は、少し違うけど。。。まーいいわ。それで、心臓は心を表す、つまり、真心を示す時に使う記号だったの。一般的には『好きだ』『愛している』と言う意味で使ったりして、文章の語尾などにこの形を書いたりしていたのよ。でも、こちらにないのであれば、これはダメね」
「解剖ですか。。。いささか、野蛮な事をされた方がいたのですね。不思議な世界です」
ロダンは解剖が気になったみたい。。。ははは。
「あぁ、その異なる世界には魔法がなかったから、魔法で治療?とかできないでしょう。外科。。。う~ん、なんて言うのかな。外傷治療などは、専用のナイフで切ったりして治していたのよ。もちろん、こちらにあるような薬草に近い物もあったわ。その世界では、薬草を組み合わせて、より効果の高い『薬品』が開発されていたけど。その薬品と専用のナイフで外傷治療をしていたのよ。切られている本人は『麻酔』と言う薬品で眠らせて神経を遮断させるから、実際切られても痛くはないのよ。魔法でサッと出来ない分、何十年、何百年もかけて知識や技術を発展させていったのよ」
「は~。想像が追いつきませんね。色々疑問はありますが、それも発展していたのでしょうから問題ないのでしょうね」
ロダンは驚きながら、一つ一つ頭の中で検証しているのかな?思考のポーズになっている。
「それより、サボンの形よね。どうしましょうか?ハートがないなら、結婚を連想させるものか、愛を連想させるもの、金木犀の花を型取ってもいいんじゃない?」
「そうなんですが。。。どのような方法があるんでしょう?今は固まったのを切っていますから、形を一つ一つ彫刻するにも時間がかかってしまいます」
「えっ?だから型を作ればいいじゃない?」
ん?とハテナなロダン。こんな顔見られるなんて珍しいな。ぷぷぷ。
「木でも、何でもいいけど、熱に強い素材で型を作って、サボンが固まる前に流し込むのよ。彫刻するのは手間だけど、10個ほど型を作ってしまえば、後は流し込むだけで何十倍のサボンが出来るようになるわ」
硬い木を掘って作ってもいいし、金属でもいいよね。
「そうなると、金属はいささか無理がありますね。細かい作業ができませんし、今のように四角い箱型ではありませんから、同じ物を作るとなると難しいですね」
「そうね。本当は石膏とかで型採りすれば楽なんだけど、ごめんなさいね。石膏その物の知識がないのよ。だから、腕のいい彫刻師に硬い木で彫刻してもらいましょう。その形はどうする?」
ロダンは考えている。
「無難に花の形にしましょう。今後も花のシリーズは続きますから。毎年花の形を作っていきましょう」
「では、入れ物にも凝ってね。箱の表面にロゼ領とロンテーヌ領の名前を必ず書いてね。ワクワクするわ~」
「それはもちろんです。ガラスのケースを予定しております。そこに両家の名前を彫刻します。あとは、この貴族用のサボンの中身は、原材料のオリブ油を少し多めにしますし、手のひら大の丸い形に切り取ったへちまんも付けた、貴族用の特別セット商品にする予定です。お値段も、梱包に力を入れるので、平民用の数十倍はします。お相手の花のエキスの原価にもよるので、この値段で落ち着きました」
ほうほう。へちまんも丸くして、平民とに差をつけたのかな?って、香水よりは安いけど、数十倍って。。。ぼったくりじゃない?あ~、でも上流貴族や裕福な貴族なら出せる範囲なのかぁ。普通に下位貴族でも香水から切り替える人が出たりして。
「そう。もうそんなに話を詰めているのね。ありがとう、ロダン」
「いえいえ。これもカイ様の為です。それに、今後もお金になりますからね。領にとってもいい事です」
ロダンはニコニコだ。
「ふと思ったのだけれど、今、領を仕切っているのは誰?ミランもロダンもこちらに居るのよね?領は大丈夫なの?」
そうだよ!ロダンもお爺様もこの冬は社交の為に王都にいる。誰が領を見てくれているんだろう?乗っ取られないよね?そもそも緊急時に領民が困らないかな?
「あぁ。大丈夫ですよ。冬の社交期間とは言っても、12月中旬から2月末までの2ヶ月半だけですから、ロックに任せておりますよ。領民は貴族の行事など知らないのがほとんどですし」
あぁ~よかった。
「でも、ロック爺ももうお年よね。次を探さないといけないわね。無理させたくないわ」
「あはははは。ありがとうございます。でも、ロックには『年』と言わない方がいいですよ。ああ見えて、怒ると怖いですからね。来年からは、王都の事業はミランに任せますので、私は領に残る予定です。お嬢様が何も事件を起こさなければの話ですが?」
。。。何も起こさないよ。失敬だな。
「大丈夫よ。学校があるんだし。ロダンには心配かけないわ」
そうだといいんですがね~とロダンは笑いながら私の話を聞いていない。
「大丈夫よ。ロダンももう直ぐ60なんだから、ロダンこそ無理はしないでね」
と、私は優しく労ったつもりだったのに、ロダンにめちゃくちゃ怒られた。。。解せん。
「まだ51ですが?」
ですよね~。
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです
唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。
すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。
「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて――
一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。
今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。
【完結】病弱な妹に魔力を分け続け死ぬ寸前の私を、宮廷魔術師になった旧友が攫ってくれました。家族を捨てて幸せになっていいんですか?
未知香
恋愛
「あなたはもう十分楽しんだでしょう? 今度はミアーラの番よ」
膨大な魔力と知識を持ち、聖女候補とまで言われた、天才魔術師エリアーナ。
彼女は、病弱な妹ミアーラの為、家族に言われるまま自らの膨大な魔力を差し出すことにした。
「そうだ。私は健康で、今まで十分に楽しんできた。だから、あげるのは当然だ」
魔力を与え続けた結果、彼女は魔力を失い、容姿も衰え、社交界から姿を消してしまう事となった。
一方、妹ミアーラは姉から与えられた魔力を使い、聖女候補として称賛されるように。
家族の呪縛に縛られ、「今まで多くを貰いすぎていたのだ」と信じ、利用され続けるエリアーナ。
そんな彼女の前に現れたのは、かつての旧友であり宮廷魔術師となった青年だった。
ハッピーエンドです!
そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。
秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」
私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。
「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」
愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。
「――あなたは、この家に要らないのよ」
扇子で私の頬を叩くお母様。
……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。
消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。