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1章 ロンテーヌ兄妹
71 スルーボードの試作品
午後になって、サムが城下街からやって来た。
「雪の中ありがとう。サム。少し狭くなるけど我慢してちょうだい」
サムは平民なので、私の部屋やサロンに上がらせるには少々問題があるそうで、エントランス横の小部屋になった。
「いえ。お嬢様。事前に聞いていたので大丈夫です」
サムは大きな袋をサンタクロースの様に担いでいた。
「そう。荷物を置いて、姿勢を崩していいわよ。確か、サムは新領民よね?どこから来たの?」
私は気軽に世間話から入ろうとしたんだけど、ちょっと警戒された。そりゃ。。。過去はあるか。。。
「。。。王領です。現イースト領です」
イースト家。。。あっ!グレン様の領ね。お隣じゃん。
「そう。そこに比べると雪がすごいでしょう?嫌にならずに住み続けて欲しいわ」
あまり詮索せずにこの話は終わろう。
サムはパッと明るい顔になり、警戒心が溶けた。
「はい。それはもう。こちらの領は領民の事を真っ先に考えて下さるし、仕事もあります。土地も下さって俺はここに来て良かったと心から思っています」
気軽に話せる雰囲気になったかな?ではでは。
「ふふふ。それはよかったわ。では、試作品を見せて下さる?」
サムは大きい袋からいくつかの木を取り出し、組み立て始めた。私は側に寄ってその作業を見る。
ふむふむ。それがそうなって、ここでこうするのね。へ~。あの絵からこれが出来るなんて。サムは職人ね~。若いのに素晴らしい。
「これで完成です。ですが、申し訳ございません。。。どうしても強度の関係などで、お嬢様の絵と2、3ヶ所違いがあります」
うんうん。別にいいんだよ。良くなるなら。
「いえ、いいのよ。工夫することは良いことよ」
サムは少し震えていたが、またも、パッと明るい表情に変わって説明を始めた。
「お貴族様のお考えを変えてしまったので、怒られるかと思いましたが。。。初めてお会いした時に仰っていた『無闇矢鱈に罰しない』という言葉を信じました。ありがとうございます。では、変更点は、この車輪です。前に1個後ろに2個だったのを、前後2個づつの4個にしました。ですので、車輪自体も小さめになっています。地面を走ることを考えると、前方の車輪の車軸が心もとないなと思いまして」
「わかったわ。この筒はもしかして竹かしら?」
「?バンブの木です」
あぁ。。。忘れてた。時々、前世の言葉が同じものと違うものがあるのを。。。
「そうだったわ。このバンブはどうして使用したの?」
木と何か違いがあるのかな?
「はい。昔からいる農民に聞いたのですが、毎年このバンブを冬の手作業で使っていたらしいのです。しかし、今年はカゴを編まずに工場へ皆が行った為、バンブの林を管理していた農民が『誰も取らないから生い茂って困った』と言っていたのです」
「その、農民はバンブが売れなくて困っているんじゃない?生活は大丈夫なのかしら?」
「はい。それは大丈夫です。この農民は春に『バンブノコ』を収穫して税を納めているそうで、バンブ自体は夏ならみんなに好きに取っていいと言っていたそうです。それで、各家が夏から秋にかけてバンブを干し、冬に細かく切り裂いてカゴにしていたそうです」
ほ~ほ~。バンブノコって竹の子かな?へ~。カゴ作りが止まって問題ないかな?ミランに今度聞いておこう。
「それで、このバンブなんですが、強度もそこそこありますし西ノ森へ木を切りに行くより近いし軽いです。何より材料費がタダです。最近は、家がたくさん建つようになって、少し木が不足し、値がほんの少しですが上がっています。量産することを考えると、この少しが痛いなぁと。。。車輪だけを木にした低予算の平民用のスルーボードも作りましたので、あとで見て下さい」
お~!タダ!いいね~いい響き。平民用はみんなに乗って欲しいから、コストが低いのは必須だよね~。
「ええ。まず、こちらね。私用でいいのかしら?」
「はい。貴族様用に作りました。この持ち手部分は木を丸く研磨をかけ、手が触れる部分に皮を巻いてみました。板は両足が乗るようにしています。ただ。。。問題は女性の場合、スカートが邪魔にならないかと。。。車輪に絡みつくかもしれません」
「あぁ、その問題は大丈夫。スカートは履かないから」
「履かない???そうですか?」
サムは完全にハテナになっているが、それ以上は突っ込んでこない。
「うん。いいわね。見た目もキレイだわ。サムは一度滑ってみた?」
「はい。部屋の中で少しだけ。。。すごいです。もっと広い場所で勢いをつければ、すごい速さで移動ができると感じました」
「そうなのよ!この素晴らしさをわかってくれた?」
うれしくて、思わずサムの手を取ってブンブンしてしまう。
「はい。それはもう。当初このスルーボードは『領民の為』と聞いていましたので、みんなの移動が楽になって良いなと思いました。私も、みんなに使って欲しいので、領民のスルーボードは全て安いバンブで作りました。この、足を乗せる板の所が丸くなっていて少し不安定ですが、慣れればいける範囲です。こうして3個並べるので多少マシになるかと思います」
ふむふむ。平民用はバンブを乾かして半分に切ったバンブが3個並ぶ板に、バンブのハンドル。車輪の軸を入れる筒をバンブを使って、車軸を入れ車輪をくっつけるのだね。この筒のアイデアいいな。バンブを上手に使っている。
「よく考えて出来ているわ。これはもう完成でもいいんじゃない?もらっていいかしら?」
『ごほん』とケイトが咳払いする。
あっと、焦りすぎたか。。。欲しいとか言ってごめんなさい。そうだよね、サムは断れないもんね。
「ごめんなさい。つい試作品が見られてうれしくて。サム、忘れてね。そうね~これをちょっと試したいのでエントランスへ移動しましょうか」
「お嬢様!今試すのですか?」
ケイトは声を大にしているが、これは乗り心地を試さないと何とも進まないししょうがないよ。
「ええ。私じゃなくて、リットかランドにお願いしたいの。実際、走っている所を見て見ないと、これで良いのかこれ以上の改良点があるかわからないじゃない」
「そういう事なら。。。」
ケイトは渋々納得してくれた。みんなでエントランスに移動だ。ひゃっほい!
エントランスはツルツルしているし、実験に持ってこいよね。
「じゃぁ、俺がやるよ」
リットが私用の試作品に乗る。
ちょっと、背丈の関係でハンドルの位置が低いけど。。。
スイスイー。ススー。と、目の前をスルスル滑るリット。だんだん、コツを掴んだのか速くなって8の字に滑ったりして遊んでいる。。。くやしい!楽しそう!
「お嬢。これは面白い!こりゃ~移動に便利だな。俺も欲しいな」
「おい。私も試したい。交代だ」
ランドはウズウズしていたのか、リットのスルーボードを取り上げ滑り出した。
「お嬢様。私もこれが欲しい」
ランドも心なしか笑顔になっている。
「サム、車輪の大きさを揃えるのは手間がかかるだろうけど、こうゆう風にスルスル滑るには大事な事なのよ。平民用もがんばって車輪に力を入れて欲しいわ」
「。。。はい。お貴族様だから、お嬢様の分は特別手間をかけましたが、これは実際見てみるとそうですね。今、リット様が走らせている平民用は舵が取られていますね。。。わかりました」
「あのね、サム。今のサム一人じゃ限界があるでしょう?今年は、スルーボードは春までに、そうね~、この貴族用2台とバンブ製5台でいいわ。今はまだ量産する体制じゃないの。道の問題もあるから。道路がボコボコじゃうまく走らないでしょ?今検討中なの。だから、サムには2年以内に職人を育てて欲しいの。出来るかしら?」
「。。。はい。2人ほどなら職人仲間がいます。しかし、他領の者なんです。。。こちらで育てるにしても、息子はまだ4歳なので。。。」
「大丈夫よ。人材募集はミランに頼んでおくわ。王都のギルドや知り合いに声をかけてくれるから。サム、そうして移住して来た職人たちの面倒を見て育ててくれない?」
「わかりました。やります!」
その後、サムと私は、ランドとリットが遊んでいるのを見ながら改善点を出し合った。これが形になれば完成だ。次は、春の始めになるかな?ミランがジャンプして喜びそうだな。リットとランドは自分の分も頼んでいた。サムは大慌てで二人の身長と手の長さなどを測っている。
あっ!そうか!貴族用だしきちんと測ったほうがいいのか。。。オーダーメイド感がグッと上がるね~。
「サム。いいわね!貴族はオーダーメイドにすれば特別感が出て、手間がかかっっている分高く売れるわ。ふふふふふ」
私は頭の中で色々計算する。ミランに要相談と、心にメモる。
ふふふふふ。売れるじゃん。たとえ下位貴族用でも平民との差別化はいるよね!サムは本当にナイスだわ。素材を木とバンブで差をつけ、貴族用はオーダーメイドにする。平民用は4種類ぐらいの展開でいけるんじゃない?S、M、L、LLとかで。
ふはははははは!
これは完全に遊び用だったけど、リットやランドの嬉しそうな顔!貴族用も勝算あるかもしれない!男性限定でもいいじゃんね!子供用の遊具でもいいし!いけるぞ!
ケイトはほっそい目で私を見る。
「お嬢様。顔に出ていますよ。悪どい商人の様です」
なっ!ケイトそれは言い過ぎなんじゃない!
「雪の中ありがとう。サム。少し狭くなるけど我慢してちょうだい」
サムは平民なので、私の部屋やサロンに上がらせるには少々問題があるそうで、エントランス横の小部屋になった。
「いえ。お嬢様。事前に聞いていたので大丈夫です」
サムは大きな袋をサンタクロースの様に担いでいた。
「そう。荷物を置いて、姿勢を崩していいわよ。確か、サムは新領民よね?どこから来たの?」
私は気軽に世間話から入ろうとしたんだけど、ちょっと警戒された。そりゃ。。。過去はあるか。。。
「。。。王領です。現イースト領です」
イースト家。。。あっ!グレン様の領ね。お隣じゃん。
「そう。そこに比べると雪がすごいでしょう?嫌にならずに住み続けて欲しいわ」
あまり詮索せずにこの話は終わろう。
サムはパッと明るい顔になり、警戒心が溶けた。
「はい。それはもう。こちらの領は領民の事を真っ先に考えて下さるし、仕事もあります。土地も下さって俺はここに来て良かったと心から思っています」
気軽に話せる雰囲気になったかな?ではでは。
「ふふふ。それはよかったわ。では、試作品を見せて下さる?」
サムは大きい袋からいくつかの木を取り出し、組み立て始めた。私は側に寄ってその作業を見る。
ふむふむ。それがそうなって、ここでこうするのね。へ~。あの絵からこれが出来るなんて。サムは職人ね~。若いのに素晴らしい。
「これで完成です。ですが、申し訳ございません。。。どうしても強度の関係などで、お嬢様の絵と2、3ヶ所違いがあります」
うんうん。別にいいんだよ。良くなるなら。
「いえ、いいのよ。工夫することは良いことよ」
サムは少し震えていたが、またも、パッと明るい表情に変わって説明を始めた。
「お貴族様のお考えを変えてしまったので、怒られるかと思いましたが。。。初めてお会いした時に仰っていた『無闇矢鱈に罰しない』という言葉を信じました。ありがとうございます。では、変更点は、この車輪です。前に1個後ろに2個だったのを、前後2個づつの4個にしました。ですので、車輪自体も小さめになっています。地面を走ることを考えると、前方の車輪の車軸が心もとないなと思いまして」
「わかったわ。この筒はもしかして竹かしら?」
「?バンブの木です」
あぁ。。。忘れてた。時々、前世の言葉が同じものと違うものがあるのを。。。
「そうだったわ。このバンブはどうして使用したの?」
木と何か違いがあるのかな?
「はい。昔からいる農民に聞いたのですが、毎年このバンブを冬の手作業で使っていたらしいのです。しかし、今年はカゴを編まずに工場へ皆が行った為、バンブの林を管理していた農民が『誰も取らないから生い茂って困った』と言っていたのです」
「その、農民はバンブが売れなくて困っているんじゃない?生活は大丈夫なのかしら?」
「はい。それは大丈夫です。この農民は春に『バンブノコ』を収穫して税を納めているそうで、バンブ自体は夏ならみんなに好きに取っていいと言っていたそうです。それで、各家が夏から秋にかけてバンブを干し、冬に細かく切り裂いてカゴにしていたそうです」
ほ~ほ~。バンブノコって竹の子かな?へ~。カゴ作りが止まって問題ないかな?ミランに今度聞いておこう。
「それで、このバンブなんですが、強度もそこそこありますし西ノ森へ木を切りに行くより近いし軽いです。何より材料費がタダです。最近は、家がたくさん建つようになって、少し木が不足し、値がほんの少しですが上がっています。量産することを考えると、この少しが痛いなぁと。。。車輪だけを木にした低予算の平民用のスルーボードも作りましたので、あとで見て下さい」
お~!タダ!いいね~いい響き。平民用はみんなに乗って欲しいから、コストが低いのは必須だよね~。
「ええ。まず、こちらね。私用でいいのかしら?」
「はい。貴族様用に作りました。この持ち手部分は木を丸く研磨をかけ、手が触れる部分に皮を巻いてみました。板は両足が乗るようにしています。ただ。。。問題は女性の場合、スカートが邪魔にならないかと。。。車輪に絡みつくかもしれません」
「あぁ、その問題は大丈夫。スカートは履かないから」
「履かない???そうですか?」
サムは完全にハテナになっているが、それ以上は突っ込んでこない。
「うん。いいわね。見た目もキレイだわ。サムは一度滑ってみた?」
「はい。部屋の中で少しだけ。。。すごいです。もっと広い場所で勢いをつければ、すごい速さで移動ができると感じました」
「そうなのよ!この素晴らしさをわかってくれた?」
うれしくて、思わずサムの手を取ってブンブンしてしまう。
「はい。それはもう。当初このスルーボードは『領民の為』と聞いていましたので、みんなの移動が楽になって良いなと思いました。私も、みんなに使って欲しいので、領民のスルーボードは全て安いバンブで作りました。この、足を乗せる板の所が丸くなっていて少し不安定ですが、慣れればいける範囲です。こうして3個並べるので多少マシになるかと思います」
ふむふむ。平民用はバンブを乾かして半分に切ったバンブが3個並ぶ板に、バンブのハンドル。車輪の軸を入れる筒をバンブを使って、車軸を入れ車輪をくっつけるのだね。この筒のアイデアいいな。バンブを上手に使っている。
「よく考えて出来ているわ。これはもう完成でもいいんじゃない?もらっていいかしら?」
『ごほん』とケイトが咳払いする。
あっと、焦りすぎたか。。。欲しいとか言ってごめんなさい。そうだよね、サムは断れないもんね。
「ごめんなさい。つい試作品が見られてうれしくて。サム、忘れてね。そうね~これをちょっと試したいのでエントランスへ移動しましょうか」
「お嬢様!今試すのですか?」
ケイトは声を大にしているが、これは乗り心地を試さないと何とも進まないししょうがないよ。
「ええ。私じゃなくて、リットかランドにお願いしたいの。実際、走っている所を見て見ないと、これで良いのかこれ以上の改良点があるかわからないじゃない」
「そういう事なら。。。」
ケイトは渋々納得してくれた。みんなでエントランスに移動だ。ひゃっほい!
エントランスはツルツルしているし、実験に持ってこいよね。
「じゃぁ、俺がやるよ」
リットが私用の試作品に乗る。
ちょっと、背丈の関係でハンドルの位置が低いけど。。。
スイスイー。ススー。と、目の前をスルスル滑るリット。だんだん、コツを掴んだのか速くなって8の字に滑ったりして遊んでいる。。。くやしい!楽しそう!
「お嬢。これは面白い!こりゃ~移動に便利だな。俺も欲しいな」
「おい。私も試したい。交代だ」
ランドはウズウズしていたのか、リットのスルーボードを取り上げ滑り出した。
「お嬢様。私もこれが欲しい」
ランドも心なしか笑顔になっている。
「サム、車輪の大きさを揃えるのは手間がかかるだろうけど、こうゆう風にスルスル滑るには大事な事なのよ。平民用もがんばって車輪に力を入れて欲しいわ」
「。。。はい。お貴族様だから、お嬢様の分は特別手間をかけましたが、これは実際見てみるとそうですね。今、リット様が走らせている平民用は舵が取られていますね。。。わかりました」
「あのね、サム。今のサム一人じゃ限界があるでしょう?今年は、スルーボードは春までに、そうね~、この貴族用2台とバンブ製5台でいいわ。今はまだ量産する体制じゃないの。道の問題もあるから。道路がボコボコじゃうまく走らないでしょ?今検討中なの。だから、サムには2年以内に職人を育てて欲しいの。出来るかしら?」
「。。。はい。2人ほどなら職人仲間がいます。しかし、他領の者なんです。。。こちらで育てるにしても、息子はまだ4歳なので。。。」
「大丈夫よ。人材募集はミランに頼んでおくわ。王都のギルドや知り合いに声をかけてくれるから。サム、そうして移住して来た職人たちの面倒を見て育ててくれない?」
「わかりました。やります!」
その後、サムと私は、ランドとリットが遊んでいるのを見ながら改善点を出し合った。これが形になれば完成だ。次は、春の始めになるかな?ミランがジャンプして喜びそうだな。リットとランドは自分の分も頼んでいた。サムは大慌てで二人の身長と手の長さなどを測っている。
あっ!そうか!貴族用だしきちんと測ったほうがいいのか。。。オーダーメイド感がグッと上がるね~。
「サム。いいわね!貴族はオーダーメイドにすれば特別感が出て、手間がかかっっている分高く売れるわ。ふふふふふ」
私は頭の中で色々計算する。ミランに要相談と、心にメモる。
ふふふふふ。売れるじゃん。たとえ下位貴族用でも平民との差別化はいるよね!サムは本当にナイスだわ。素材を木とバンブで差をつけ、貴族用はオーダーメイドにする。平民用は4種類ぐらいの展開でいけるんじゃない?S、M、L、LLとかで。
ふはははははは!
これは完全に遊び用だったけど、リットやランドの嬉しそうな顔!貴族用も勝算あるかもしれない!男性限定でもいいじゃんね!子供用の遊具でもいいし!いけるぞ!
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