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1章 ロンテーヌ兄妹
74 事の顛末
目が覚める。でも目を開けるのが怖い。頭は覚醒しているのに目が開けられない。。。
身体も痛みを感じない。そうだ!手。。。何ともない。。。魔法で治したんだなぁ。
私は思い切って目を開くと、そこは王都屋敷の部屋だった。
あ~。帰れたんだ私。と涙が溢れ出す。しばらく泣いているとエリが部屋へ入って来た。
「あぁ、お嬢様。目を覚まされたんですね。エリですよ。ここは王都の屋敷です。わかりますか?」
エリは優しく言葉を選んで話しかけてくれる。
「ええ。私襲われたのよね。今はいつかしら?」
「あれから2日が経ちました。詳しくはロダン様にお願いします」
エリは一礼して、ロダンを呼んでくると伝え部屋を退出した。
。。。
一人が怖い。。。早くエリは戻って来ないかな。。。ただ怖い。
「お嬢様、失礼します」
ロダンが入ってくると、ロダンはびっくりして私の側へ駆け寄った。
「お嬢様!震えているではありませんか!痛む所があるのですか?」
ロダンは背中をさすりながら抱きしめてくれる。
「違うの。自分の部屋で安心するはずなのに、一人が怖いの。一人になるのが怖いみたい」
涙が止まらない。。。自分の感情が溢れて歯止めが効かない。
PTSDかも。。。
「大丈夫です。今から、1秒たりともお一人にはいたしません。このロダンが言うのです。ご安心ください」
抱きしめながら優しい声で言ってくれたので、心に声が響く。落ち着くな。。。
「ありがとう。ロダン。少し落ち着いたわ」
「大丈夫ですよ。まずは、何かお召し上がりになりますか?2日も寝てらしたので、お腹が空いているでしょう?お風呂も入りたいですよね?」
ニッコリロダンはエリに指示し、軽食と着替えを用意してくれた。
「私はドアの外にいます。済みましたらお声をかけて下さい」
ロダンはエリにボソッと耳打ちすると部屋を出て行った。
ロダンがいないだけでちょっと寂しい。結構、依存していたんだね。私の中でロダンは重要人物なんだと改めて思う。
「お嬢様。病み上がりですので、私も一緒にお風呂へ入ります。いいですよね?」
と、ニコニコしながらエリはお風呂に入れてくれた。ロダンに聞いたのね。
「ありがとう。小さな子供みたいで恥ずかしいけど。。。でも、ありがとう」
「いいんですよ。傷は治っても心はゆっくり癒していきましょう。私はお嬢様の事が大好きですよ」
「わ~ん」
私もエリが好き~とまた泣いてしまった。あのお嬢様方の悪意が心に突き刺さっていたのか、『大好き』と言う言葉がどれほど今の私に必要かわかった時だった。
私は愛されているんだ。。。よかった。
「みんな、お嬢様が大好きですよ。大丈夫。悪者は捕まりました。もう心配いりません」
お湯に浸かりながらエリは私を抱っこしてくれる。
しばらく泣いて本音が漏れたおかげか、心が軽くなってきた。
「エリ。指の先がフニャフニャになってしまったわ。ごめんね」
と、笑顔で謝る。
「ふふふ。本当ですね。おばあちゃんみたいです。ふふふ」
二人でふふふと笑った。
私笑えてる。みんなのおかげで、心の方も早くに回復できそうだ。先が見えない不安な自分に少し光が差した。
「ロダンやみんなに心配かけたわね。きちんと話を聞かないと」
「心配なのはわかりますが、あと2、3日は何も考えずに安静にしてください。そうロダン様に伺ってますよ」
そうか。。。急いで対処しなくてもいいんだ。よかった。
「そう?みんなの無事だけは教えてくれる?」
「それは、ロダン様に聞いてください。全容を知っているのはご主人様とロダン様だけです」
「わかったわ」
エリと長いお風呂タイムを終え、軽食をつまむ。2日ぶりの歯磨きもしてスッキリした。でもまだ、ベットの住人だけど。
コンコンコン。
「お嬢様少しだけお話をしましょう」
ロダンは、本を数冊枕元の机に置くとあの日のことを少しだけ話してくれた。
「お嬢様は何も言わなくていいです。今日は報告だけですので。3日後、ご主人様を踏まえてお話をしましょう。3日後とはちょっと早いのですが。。。王族も関係しているので、王様より『目が覚めたら登城するように』と通達が来ています。本日目が覚めたことは内密にし、本日を含め4日後に目を覚ましたことにし、5日後に登城しましょう。いいですね?」
「はい。みんなありがとう。私はじっと部屋にいるわ」
「よろしい。常にエリを付けます。あと、ロックは怪我を負ったのですが無事ですよ」
ほ~。よかった。
「あの騎士は?ダンの代わりについてきてくれた人。あの人もケガはないかしら?」
「そうですね」
ロダンはニコニコ笑顔だ。。。ん?
「そっか。みんな無事でよかった」
「では、詳細は3日後に。それまで心を落ち着けて下さい。暇だからと言って発明もなしですよ!」
『は~い』と返事をして、またひと眠りついた。
自分でもこんなに眠れるのかとびっくりするぐらい、3日間はほとんど寝ていた。私の身体中の傷は、大司教様の治癒魔法で治してもらったそうだ。
傷がないので実感がわかないせいか、あの夜がだんだん夢のような気がしてくる。何日も寝て頭の方も休まったのか、だんだんと考えも冴えてきた。エリに幼児のように甘えていたのが、きちんと判断がつくようになってきている。
PTSD?なんて焦ったけど、少しづつ心も追いついてきたなぁ。よかった。。。
明日はお爺様とお話だ。事件の事を口にできるかな?
「お爺様。お久しぶりです。この度はご心配をおかけいたしました」
「いいんじゃ。いいんじゃ。ジェシーが無事でなによりじゃ」
と、お爺様は両手を広げ抱きしめてくれた。あ~安心する。
お爺様は私の手を取り繋いだままソファーに座る。
「お前が無事でよかった。事業が始まったばかりじゃし、冬の領だからと油断した儂らが悪かった。すまなかったなぁジェシー」
「いいえ。お爺様。今回は多分誰かが情報を漏らしたのでしょう?そうでないと辻褄が合いませんもの」
「さすが、お嬢様ですね。少し元に戻ってきましたね」
ロダンはニコニコしながら紅茶を入れてくれた。
「そうじゃな。まずは、事の流れを説明するぞ。最後まで黙って聞いてくれ。ロダン、ジェシーの横に座ってくれ。ちと狭いが座れるだろう?」
ロダンは恐縮しながら私の横に腰をかけてくれた。お爺様は、いったん手を離し、一人掛けのソファーに座りなおす。
「まずは、実行犯じゃが、お前も知っての通り、ベントン子爵家のアメリア嬢とフェルミーナ様が共謀したそうじゃ」
は~っとお爺様はため息をついて話を続ける。
「アメリア様は騎士団の副団長の娘という立場を逆手取り、今回新しく入った領騎士の一人を脅して情報を得たそうじゃ。騎士とは同窓生じゃった。その騎士の妹が人質に取られておっての。。。あぁ今は救出済みじゃ。大丈夫じゃ。その騎士は妹が人質に取られてから、お前を観察していたそうじゃ。そこで、時々ふっと領にいたり王都へ行ったりする事を知った騎士はそれをアメリア嬢に報告した。なぜそうなるかはわからなかったそうじゃが、アメリア嬢は隣のテュリガー領でお前を待っていたそうじゃ。夜会の後に帰るだろうと睨んで」
そんな。。。計画的だな。
「そこへ、お前が領に帰ってきた事を知った騎士が、アメリア嬢へ鷹を飛ばしたんじゃ。ちょうど、謹慎が解かれたフェルミーナ様がテュリガー領で合流して、お二人は実行に移したそうじゃ。前から二人はランドとリットの所在地を調べておったみたいじゃし」
そうか。。。結構執念深いな。。。何ヶ月も追い続けるなんて。。。相当好きなんだな。
「あとは、テュリガー領で傭兵を雇い、お前をさらい、西の森入り口に連れて来させた。傭兵たちは口止めとして殺されていたよ。なぜ、傭兵に殺させなかったかは、まだ尋問中じゃ。。。ま~、おおよそは想像つくがの」
そう、おおよそは想像はつく。結局ただの嫉妬だったのよね。多分。自分で殺りたかったんでしょ?
「ランドとリットはすぐさま、その場にいた6人に縄をかけ、首謀者2人を連れて王宮の王の寝室に転移したそうじゃ。余程、ランドは怒り狂っていたのだろうな。普通はそんな事したら死刑じゃからな。2人を王の前に突き出し、経緯を話して転移し姿を消した」
「えっ!!!ランド居ないの?どこにも?リットは?てか、王様の前で転移って。。。」
お爺様は渋い顔をしている。ロダンは落ち着いて~と私の背中をなでてくれている。
「それが、あの日以来姿を現さん。アークに探させたのじゃが、未だ見つかっておらん」
。。。そうか。。。自分を責めているのかも。もう傷は治ったからいいのに。ランドもリットも悪くないよね。
「お粗末な誘拐劇じゃったが、今回は王族と第一騎士団が関係しておるでの。王の前で全て関わった者が参加する申し開きの審議会を開く事になったのじゃ。それが『お前が目を覚ましたらすぐ』じゃ」
なるほど。
「では、きちんと法律で裁かれるのでしょうか?それとも王族だからと言って。。。」
「う~ん。これは儂にもさっぱりじゃ。今の王は政権交代時に悪政をしていた王領の王族を全て罰しておるからの。きちんとしてくれるとは思うが。。。わからん。お前は心のままに話せばええ」
「え。。。でも、ご迷惑をかけるかもしれません。本音を話してしまえば、最悪、平民に没落なんて事もあるんじゃないでしょうか?だって、今までフェルミーナ様を野放しにしていたんですよ?王様も少しは情があるのではないでしょうか?」
「いいんじゃ。これもお前のおかげじゃが、今は商会がある。領民には申し訳ないが。。。商会は平民向けの店じゃから、なんとか一族は生きて行けるじゃろうて。そんな事より、儂はお前がこんな目にあって、理不尽な結果に終わる方が嫌じゃ。そんな事なら無理に貴族で居続けなくてもよい」
「でも。私の一言でそんな事になったら。。。お兄様の縁談が。。。」
「よいよい。先日カイにも確認済みじゃ。カイはお前の判断に委ねるそうじゃ。意外にあっけらかんとしておったぞ。ダメで元々だったから、別に構わんそうじゃ。結婚できなくても心で想うとな」
。。。余計に判断が鈍る。
「わかりました。怒りで本音が出てしまったら本当にごめんなさい。その時はアダム様に泣きついてみます」
お爺様は話半分に『アダム様』はどうだろうな~。なんて言っている。
身体も痛みを感じない。そうだ!手。。。何ともない。。。魔法で治したんだなぁ。
私は思い切って目を開くと、そこは王都屋敷の部屋だった。
あ~。帰れたんだ私。と涙が溢れ出す。しばらく泣いているとエリが部屋へ入って来た。
「あぁ、お嬢様。目を覚まされたんですね。エリですよ。ここは王都の屋敷です。わかりますか?」
エリは優しく言葉を選んで話しかけてくれる。
「ええ。私襲われたのよね。今はいつかしら?」
「あれから2日が経ちました。詳しくはロダン様にお願いします」
エリは一礼して、ロダンを呼んでくると伝え部屋を退出した。
。。。
一人が怖い。。。早くエリは戻って来ないかな。。。ただ怖い。
「お嬢様、失礼します」
ロダンが入ってくると、ロダンはびっくりして私の側へ駆け寄った。
「お嬢様!震えているではありませんか!痛む所があるのですか?」
ロダンは背中をさすりながら抱きしめてくれる。
「違うの。自分の部屋で安心するはずなのに、一人が怖いの。一人になるのが怖いみたい」
涙が止まらない。。。自分の感情が溢れて歯止めが効かない。
PTSDかも。。。
「大丈夫です。今から、1秒たりともお一人にはいたしません。このロダンが言うのです。ご安心ください」
抱きしめながら優しい声で言ってくれたので、心に声が響く。落ち着くな。。。
「ありがとう。ロダン。少し落ち着いたわ」
「大丈夫ですよ。まずは、何かお召し上がりになりますか?2日も寝てらしたので、お腹が空いているでしょう?お風呂も入りたいですよね?」
ニッコリロダンはエリに指示し、軽食と着替えを用意してくれた。
「私はドアの外にいます。済みましたらお声をかけて下さい」
ロダンはエリにボソッと耳打ちすると部屋を出て行った。
ロダンがいないだけでちょっと寂しい。結構、依存していたんだね。私の中でロダンは重要人物なんだと改めて思う。
「お嬢様。病み上がりですので、私も一緒にお風呂へ入ります。いいですよね?」
と、ニコニコしながらエリはお風呂に入れてくれた。ロダンに聞いたのね。
「ありがとう。小さな子供みたいで恥ずかしいけど。。。でも、ありがとう」
「いいんですよ。傷は治っても心はゆっくり癒していきましょう。私はお嬢様の事が大好きですよ」
「わ~ん」
私もエリが好き~とまた泣いてしまった。あのお嬢様方の悪意が心に突き刺さっていたのか、『大好き』と言う言葉がどれほど今の私に必要かわかった時だった。
私は愛されているんだ。。。よかった。
「みんな、お嬢様が大好きですよ。大丈夫。悪者は捕まりました。もう心配いりません」
お湯に浸かりながらエリは私を抱っこしてくれる。
しばらく泣いて本音が漏れたおかげか、心が軽くなってきた。
「エリ。指の先がフニャフニャになってしまったわ。ごめんね」
と、笑顔で謝る。
「ふふふ。本当ですね。おばあちゃんみたいです。ふふふ」
二人でふふふと笑った。
私笑えてる。みんなのおかげで、心の方も早くに回復できそうだ。先が見えない不安な自分に少し光が差した。
「ロダンやみんなに心配かけたわね。きちんと話を聞かないと」
「心配なのはわかりますが、あと2、3日は何も考えずに安静にしてください。そうロダン様に伺ってますよ」
そうか。。。急いで対処しなくてもいいんだ。よかった。
「そう?みんなの無事だけは教えてくれる?」
「それは、ロダン様に聞いてください。全容を知っているのはご主人様とロダン様だけです」
「わかったわ」
エリと長いお風呂タイムを終え、軽食をつまむ。2日ぶりの歯磨きもしてスッキリした。でもまだ、ベットの住人だけど。
コンコンコン。
「お嬢様少しだけお話をしましょう」
ロダンは、本を数冊枕元の机に置くとあの日のことを少しだけ話してくれた。
「お嬢様は何も言わなくていいです。今日は報告だけですので。3日後、ご主人様を踏まえてお話をしましょう。3日後とはちょっと早いのですが。。。王族も関係しているので、王様より『目が覚めたら登城するように』と通達が来ています。本日目が覚めたことは内密にし、本日を含め4日後に目を覚ましたことにし、5日後に登城しましょう。いいですね?」
「はい。みんなありがとう。私はじっと部屋にいるわ」
「よろしい。常にエリを付けます。あと、ロックは怪我を負ったのですが無事ですよ」
ほ~。よかった。
「あの騎士は?ダンの代わりについてきてくれた人。あの人もケガはないかしら?」
「そうですね」
ロダンはニコニコ笑顔だ。。。ん?
「そっか。みんな無事でよかった」
「では、詳細は3日後に。それまで心を落ち着けて下さい。暇だからと言って発明もなしですよ!」
『は~い』と返事をして、またひと眠りついた。
自分でもこんなに眠れるのかとびっくりするぐらい、3日間はほとんど寝ていた。私の身体中の傷は、大司教様の治癒魔法で治してもらったそうだ。
傷がないので実感がわかないせいか、あの夜がだんだん夢のような気がしてくる。何日も寝て頭の方も休まったのか、だんだんと考えも冴えてきた。エリに幼児のように甘えていたのが、きちんと判断がつくようになってきている。
PTSD?なんて焦ったけど、少しづつ心も追いついてきたなぁ。よかった。。。
明日はお爺様とお話だ。事件の事を口にできるかな?
「お爺様。お久しぶりです。この度はご心配をおかけいたしました」
「いいんじゃ。いいんじゃ。ジェシーが無事でなによりじゃ」
と、お爺様は両手を広げ抱きしめてくれた。あ~安心する。
お爺様は私の手を取り繋いだままソファーに座る。
「お前が無事でよかった。事業が始まったばかりじゃし、冬の領だからと油断した儂らが悪かった。すまなかったなぁジェシー」
「いいえ。お爺様。今回は多分誰かが情報を漏らしたのでしょう?そうでないと辻褄が合いませんもの」
「さすが、お嬢様ですね。少し元に戻ってきましたね」
ロダンはニコニコしながら紅茶を入れてくれた。
「そうじゃな。まずは、事の流れを説明するぞ。最後まで黙って聞いてくれ。ロダン、ジェシーの横に座ってくれ。ちと狭いが座れるだろう?」
ロダンは恐縮しながら私の横に腰をかけてくれた。お爺様は、いったん手を離し、一人掛けのソファーに座りなおす。
「まずは、実行犯じゃが、お前も知っての通り、ベントン子爵家のアメリア嬢とフェルミーナ様が共謀したそうじゃ」
は~っとお爺様はため息をついて話を続ける。
「アメリア様は騎士団の副団長の娘という立場を逆手取り、今回新しく入った領騎士の一人を脅して情報を得たそうじゃ。騎士とは同窓生じゃった。その騎士の妹が人質に取られておっての。。。あぁ今は救出済みじゃ。大丈夫じゃ。その騎士は妹が人質に取られてから、お前を観察していたそうじゃ。そこで、時々ふっと領にいたり王都へ行ったりする事を知った騎士はそれをアメリア嬢に報告した。なぜそうなるかはわからなかったそうじゃが、アメリア嬢は隣のテュリガー領でお前を待っていたそうじゃ。夜会の後に帰るだろうと睨んで」
そんな。。。計画的だな。
「そこへ、お前が領に帰ってきた事を知った騎士が、アメリア嬢へ鷹を飛ばしたんじゃ。ちょうど、謹慎が解かれたフェルミーナ様がテュリガー領で合流して、お二人は実行に移したそうじゃ。前から二人はランドとリットの所在地を調べておったみたいじゃし」
そうか。。。結構執念深いな。。。何ヶ月も追い続けるなんて。。。相当好きなんだな。
「あとは、テュリガー領で傭兵を雇い、お前をさらい、西の森入り口に連れて来させた。傭兵たちは口止めとして殺されていたよ。なぜ、傭兵に殺させなかったかは、まだ尋問中じゃ。。。ま~、おおよそは想像つくがの」
そう、おおよそは想像はつく。結局ただの嫉妬だったのよね。多分。自分で殺りたかったんでしょ?
「ランドとリットはすぐさま、その場にいた6人に縄をかけ、首謀者2人を連れて王宮の王の寝室に転移したそうじゃ。余程、ランドは怒り狂っていたのだろうな。普通はそんな事したら死刑じゃからな。2人を王の前に突き出し、経緯を話して転移し姿を消した」
「えっ!!!ランド居ないの?どこにも?リットは?てか、王様の前で転移って。。。」
お爺様は渋い顔をしている。ロダンは落ち着いて~と私の背中をなでてくれている。
「それが、あの日以来姿を現さん。アークに探させたのじゃが、未だ見つかっておらん」
。。。そうか。。。自分を責めているのかも。もう傷は治ったからいいのに。ランドもリットも悪くないよね。
「お粗末な誘拐劇じゃったが、今回は王族と第一騎士団が関係しておるでの。王の前で全て関わった者が参加する申し開きの審議会を開く事になったのじゃ。それが『お前が目を覚ましたらすぐ』じゃ」
なるほど。
「では、きちんと法律で裁かれるのでしょうか?それとも王族だからと言って。。。」
「う~ん。これは儂にもさっぱりじゃ。今の王は政権交代時に悪政をしていた王領の王族を全て罰しておるからの。きちんとしてくれるとは思うが。。。わからん。お前は心のままに話せばええ」
「え。。。でも、ご迷惑をかけるかもしれません。本音を話してしまえば、最悪、平民に没落なんて事もあるんじゃないでしょうか?だって、今までフェルミーナ様を野放しにしていたんですよ?王様も少しは情があるのではないでしょうか?」
「いいんじゃ。これもお前のおかげじゃが、今は商会がある。領民には申し訳ないが。。。商会は平民向けの店じゃから、なんとか一族は生きて行けるじゃろうて。そんな事より、儂はお前がこんな目にあって、理不尽な結果に終わる方が嫌じゃ。そんな事なら無理に貴族で居続けなくてもよい」
「でも。私の一言でそんな事になったら。。。お兄様の縁談が。。。」
「よいよい。先日カイにも確認済みじゃ。カイはお前の判断に委ねるそうじゃ。意外にあっけらかんとしておったぞ。ダメで元々だったから、別に構わんそうじゃ。結婚できなくても心で想うとな」
。。。余計に判断が鈍る。
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