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1章 ロンテーヌ兄妹
80 完成させちゃった
あれからぼ~っと毎日を過ごして居る。心を落ち着ける必要があるそうだ。
王城の審議会を終えてすぐ、領からランドにケイトを連れて来てもらった。私は久しぶりにケイトの顔を見た途端、また泣いてしまった。まだまだ、心は癒えていなかったみたいだ。
「お嬢様。あと1ヶ月ほどで学校が始まりますね。ミーナ様よりお手紙が届いていますよ。それに、明日の午後はナダルが来る予定です。領の服『テーヌ』の完成品と学校の制服を届けてくれます」
そう言いながらケイトは手紙を3通机に並べる。
制服!どんなのだろう?楽しみだな。
「ミシュバールは制服も手がけているのね?知らなかったわ」
手紙を開けながらケイトに尋ねる。
「いえ、お嬢様の分だけです。ナダルに制服はどうしていると聞かれたので、皆と同じように制服店で買う予定だと答えたら、ぜひ作りたいと申しまして。ナダル自身が張り切って作ったそうですよ」
「そうなの?そう言えば、テーヌで久しぶりに針を持って嬉しそうだったわね」
と、手紙を読み始める。
あっ、ミーナ!5枚も手紙を書いてくれたんだ。うれしいな。ふむふむ。ほとんどが本の話や学校の話だな。
「ケイト、ミーナは早く学校へ行って図書館の歴史書を読破したいそうよ。本当に本が好きなのね」
手紙の内容がかわいくて、ついつい顔がほころぶ。
「ええ。いいお嬢さんのようでよろしゅうございました。お友達?になれるといいですね」
「ええ」
ミーナとは、主従関係じゃなく友達になれそうだな。
「あれ?これは?」
一つだけ金の縁の模様がある上品な感じの手紙がある。
「あぁ。大司教様からのお手紙です。ロダン様がお見せするようにと。何でしょうね?」
何だ?何かあったっけ?お礼は言ったけどな。。。ちゃんと訪問してお礼をすべき?
私は手紙を読んでみる。
『拝啓。から始まり、季節の挨拶、本題は。。。一度お会いしたい。。。』か。。。
う~ん。どうしようかな。お礼はした方がいいんだろうけど、あまり関わりたくないんだよね。お偉い人とは。
「ロダンに相談するわ。でも、読ませたって事は行く方がいいのでしょうけど。。。嫌だなぁ」
私は机を突っぱねる。
「ふふふ。大司教様に会いたくないなんて、世の女性が聞いたら発狂して羨ましがられますよ。おキレイな方ですからね」
ケイトは大司教様の情報を教えてくれる。
顔はキレイな上にあまり笑わないから、澄んだ水のような研ぎ澄まされた美人と噂されている。銀の髪は背中まで伸ばしており、歩くたびにサラサラと風に揺れる様が幻想的なんだそうだ。あまり、社交界や外出もしないので、何とか縁づきたいと大聖堂へ通う令嬢が後を絶たないとか。そして、なんとあの王様の弟だそうだ。
ほ~。ま~、あれだけの美人ならしょうがないのかな?王様の弟とは。。。そこはちょっとびっくりだな。系統が違うような。
「王様とご兄弟なのね。全然似てないわ。。。いや、美形なのは一緒か。ふふふ」
「そうですね。未だ独身ですしね。皆の憧れですよ。確か、王様とは10以上離れていますよ。28歳だったかしら?いえ、26歳?ま~、お若いですね」
ケイトはふふふ~んと鼻歌を歌いながら、花瓶の花をアレンジしている。でもな~、独身と聞いても男性として興味がわかない。私は全くわかない。
どうしよう。。。用事があるなら行ってみるか。
「わかったわ。ロダンに行くと伝えてくれる?ケイト、日取りを調整して欲しいわ。よろしくね」
ケイトは手紙を受け取り、ロダンの元へ行く。マーサが代わりに部屋へ来てくれた。
「お久しぶりね。お嬢様。少し落ち着いたかしら?」
お色気ムンムンのマーサは今日はドレス風なワンピースを着ている。
「ええ。マーサも珍しいわね。今日は仕事着ではないのね?研究が進んだのかしら?」
「ええ。お嬢様。魔法陣は思ったよりも早く進展がありました。魔力源の水晶がありますからね、発動条件が簡単に組めましたよ。元々の研究の成果も参考になりましたし。あとは、アークが水晶の産地を探してくれるのを待っている状態です」
マーサはうれしいようで、終始笑顔だ。マーサはハンカチに包んでいた水晶のペンダントを私に渡してくる。
「何?プレゼント?」
「ええ。大分遅れてしまったけど、成人の儀のお祝いです。試作品なのですが。。。ロダンやみんなには内緒ですよ。あの水晶で作った魔法を付与したペンダントです」
マーサはちょっと舌を出してウィンクする。美魔女のウィンクって!ぐはっ。
「えっ!これは。。。」
思わず絶句してしまった。。。これは、いつかランドが言っていたものじゃない?
「ええ。これは防御の魔法陣を彫刻したお守りになります。1度しか効きませんが、攻撃された場合、風の盾が発動します。威力は中程度ですので、本当にちょっとしたお守りです。発動されれば白く濁ってしまいます。それは検証済みです。本当はもっと早くお渡ししたかったのですが。。。出来上がったのが昨日で。。。私がもっと早く完成させていれば。。。」
マーサは最後尻すぼみになっている。しゅんと項垂れて下を向いてしまった。
「いいのよ。あの出来事は事故なのよ。誰も予想出来なかったわ。気にしないで。それより!これはすごいを通り越して、ヤバイわね。どうしようかしら。。。」
『やっぱり。。。』と、マーサも危険性に気付いていたのか動揺している。
これは、マジでヤバイ。ランドが言っていたように魔法を込められる事が立証されてしまった。
「これはロダンには?」
「。。。まだです。。。守護魔法なのでぜひお嬢様に差し上げたくて。。。すみません」
「いいのよ。。。でも、水晶を早く見つけてどうにかしないと。。。この魔法陣の研究が終わったのね?」
「はい。一通りは」
「では、その資料を全て、紙一枚余す事なく持って来てくれるかしら?今すぐよ」
私はマーサにそう言うと、エリを呼んだ。
「エリ、お爺様とロダンにお話があると伝えてちょうだい」
エリはすぐさま執務室へ向かった。
「マーサ、ごめんなさいね。この魔法陣はあなたにとっても、我が領にとっても今は危険なの。今だけだから、我慢してちょうだい。厳重に金庫へ保管しておくわ。決して、取り上げたりしないから。本当に、申し訳ないわ。せっかく完成したのに。。。」
今はダメだ。どこの暗部が潜んでいるかわからない。早急に対処しないと。。。また誰かが狙われてしまう。
「はい。理解しています。。。でも、このペンダントだけはお持ち下さい。それならば余計にお嬢様には必要です。この事は絶対に誰にも言いませんので。お願いです」
マーサもあの事件の夜その場にいたのかな?必死に私にこのペンダントを持つように訴えてくる。
「ええ。わかったわ。マーサの気持ち、うれしい。ありがとう。あの日は心配かけたようね。ごめんね」
マーサは魔法陣に関しては納得してくれた。しばらくして、お爺様とロダンがやって来た。ケイトもエリもいる。
「お爺様、申し訳ございません。急遽ご相談事が出来てしまって。。。ケイトとエリはドアの外に出てくれる?」
???とハテナになったが、二人ともドアの外へ移動する。マーサは立ち上がり、部屋へ資料をまとめに向かった。
「ん?難問か?」
お爺様は見当がつかない様子だが、ロダンは慌てているマーサを見てわかったようだ。
「では。。。完成したのですね?」
「ええ。この部屋は防音できないので小声で話します。ロダン、経緯を簡単にお爺様に耳打ちしてくれる?」
ロダンは短く『マーサの水晶の魔法陣です』とお爺様に耳打ちした。
!!!お爺様は目を見開き驚いている。
「しかし。。。まだまだ先のはずじゃぁ。。。」
「ええ。マーサの努力が。。。喜ばしい事なのでしょうけど。。。作り上げたのが昨日だそうです。今、資料の全てをまとめさせています。金庫かどこか、厳重な所に保管してくれませんか?まだ、モノの産地は不明ですので。。。今は問題ないのでしょうが。。。念の為、それらだけでも秘匿しないと。。。」
私は黙って机に、先ほどマーサに貰った水晶のペンダントを置いた。
お爺様とロダンはじっと見て固まっている。
「マーサには内緒にと約束したの。。。だから、お二人ともお願いします。。。この部分を見てください魔法陣が描かれています。これは風の盾が一度だけ展開するお守りだそうです。試作品です」
「!!!これは。。。一大事じゃ。。。こんな物が、我が領にあっては。。。」
お爺様はガタッと立ち上がりブツブツと独り言を始める。
ロダンは水晶を持ち上げ色々見て回しながら何かを考えている。
「お嬢様。これはお持ち下さい。在って損はないものです。一目見ただけでは魔法陣も見えませんし。お嬢様を守ってくれるのでしょう?常にポケットに入れるなり、首から下げるなりして下さい。そして、マーサの希望通り秘密にしましょう」
「さて、これからのお話ですが、マーサの資料とアークが探している産地が揃えば、前代未聞の発見になるでしょう。申し上げにくいのですが、マーサを保護しなければ。。。我が領は出来なくもないのですが。。。なるべく危険は避けたい。あんな事があったばかりですし。。。マーサには残念ですが、今の警備状態では、最悪出て行ってもらうかもしれません」
ロダンは真剣な顔で私に言う。。。そうだよね。命が狙われるほどのモノだよね。。。
「ええ。でも、何とかしたいわ。マーサがかわいそうよ。それに、もうマーサもロンテーヌの家族じゃない。まだ、産地がわからないんだからみんなで突破口を考えましょう」
ロダンは難しい顔が崩れない。『そうですね』と言うが難航しそうだ。
「私も考えてみるわ。だから、マーサをそう簡単に切らないでね」
「わかった。儂も色々調べてみる。あとは資料じゃが。。。ロンテーヌ領の領主しか知らない部屋がある。そこへ入れて置く。これは、誰にもわからない部屋じゃ。儂しか入れんから安心しろ」
お爺様は協力してくれるようだ。ひとまずよかった~。その部屋って、もしかして『領主の秘密』ってやつ?
ふ~、と私は安堵の息を吐いた。『領主の秘密』も気になるけど。そんな事より、今はマーサの事を守らないと!何か良い知恵はないかな?
王城の審議会を終えてすぐ、領からランドにケイトを連れて来てもらった。私は久しぶりにケイトの顔を見た途端、また泣いてしまった。まだまだ、心は癒えていなかったみたいだ。
「お嬢様。あと1ヶ月ほどで学校が始まりますね。ミーナ様よりお手紙が届いていますよ。それに、明日の午後はナダルが来る予定です。領の服『テーヌ』の完成品と学校の制服を届けてくれます」
そう言いながらケイトは手紙を3通机に並べる。
制服!どんなのだろう?楽しみだな。
「ミシュバールは制服も手がけているのね?知らなかったわ」
手紙を開けながらケイトに尋ねる。
「いえ、お嬢様の分だけです。ナダルに制服はどうしていると聞かれたので、皆と同じように制服店で買う予定だと答えたら、ぜひ作りたいと申しまして。ナダル自身が張り切って作ったそうですよ」
「そうなの?そう言えば、テーヌで久しぶりに針を持って嬉しそうだったわね」
と、手紙を読み始める。
あっ、ミーナ!5枚も手紙を書いてくれたんだ。うれしいな。ふむふむ。ほとんどが本の話や学校の話だな。
「ケイト、ミーナは早く学校へ行って図書館の歴史書を読破したいそうよ。本当に本が好きなのね」
手紙の内容がかわいくて、ついつい顔がほころぶ。
「ええ。いいお嬢さんのようでよろしゅうございました。お友達?になれるといいですね」
「ええ」
ミーナとは、主従関係じゃなく友達になれそうだな。
「あれ?これは?」
一つだけ金の縁の模様がある上品な感じの手紙がある。
「あぁ。大司教様からのお手紙です。ロダン様がお見せするようにと。何でしょうね?」
何だ?何かあったっけ?お礼は言ったけどな。。。ちゃんと訪問してお礼をすべき?
私は手紙を読んでみる。
『拝啓。から始まり、季節の挨拶、本題は。。。一度お会いしたい。。。』か。。。
う~ん。どうしようかな。お礼はした方がいいんだろうけど、あまり関わりたくないんだよね。お偉い人とは。
「ロダンに相談するわ。でも、読ませたって事は行く方がいいのでしょうけど。。。嫌だなぁ」
私は机を突っぱねる。
「ふふふ。大司教様に会いたくないなんて、世の女性が聞いたら発狂して羨ましがられますよ。おキレイな方ですからね」
ケイトは大司教様の情報を教えてくれる。
顔はキレイな上にあまり笑わないから、澄んだ水のような研ぎ澄まされた美人と噂されている。銀の髪は背中まで伸ばしており、歩くたびにサラサラと風に揺れる様が幻想的なんだそうだ。あまり、社交界や外出もしないので、何とか縁づきたいと大聖堂へ通う令嬢が後を絶たないとか。そして、なんとあの王様の弟だそうだ。
ほ~。ま~、あれだけの美人ならしょうがないのかな?王様の弟とは。。。そこはちょっとびっくりだな。系統が違うような。
「王様とご兄弟なのね。全然似てないわ。。。いや、美形なのは一緒か。ふふふ」
「そうですね。未だ独身ですしね。皆の憧れですよ。確か、王様とは10以上離れていますよ。28歳だったかしら?いえ、26歳?ま~、お若いですね」
ケイトはふふふ~んと鼻歌を歌いながら、花瓶の花をアレンジしている。でもな~、独身と聞いても男性として興味がわかない。私は全くわかない。
どうしよう。。。用事があるなら行ってみるか。
「わかったわ。ロダンに行くと伝えてくれる?ケイト、日取りを調整して欲しいわ。よろしくね」
ケイトは手紙を受け取り、ロダンの元へ行く。マーサが代わりに部屋へ来てくれた。
「お久しぶりね。お嬢様。少し落ち着いたかしら?」
お色気ムンムンのマーサは今日はドレス風なワンピースを着ている。
「ええ。マーサも珍しいわね。今日は仕事着ではないのね?研究が進んだのかしら?」
「ええ。お嬢様。魔法陣は思ったよりも早く進展がありました。魔力源の水晶がありますからね、発動条件が簡単に組めましたよ。元々の研究の成果も参考になりましたし。あとは、アークが水晶の産地を探してくれるのを待っている状態です」
マーサはうれしいようで、終始笑顔だ。マーサはハンカチに包んでいた水晶のペンダントを私に渡してくる。
「何?プレゼント?」
「ええ。大分遅れてしまったけど、成人の儀のお祝いです。試作品なのですが。。。ロダンやみんなには内緒ですよ。あの水晶で作った魔法を付与したペンダントです」
マーサはちょっと舌を出してウィンクする。美魔女のウィンクって!ぐはっ。
「えっ!これは。。。」
思わず絶句してしまった。。。これは、いつかランドが言っていたものじゃない?
「ええ。これは防御の魔法陣を彫刻したお守りになります。1度しか効きませんが、攻撃された場合、風の盾が発動します。威力は中程度ですので、本当にちょっとしたお守りです。発動されれば白く濁ってしまいます。それは検証済みです。本当はもっと早くお渡ししたかったのですが。。。出来上がったのが昨日で。。。私がもっと早く完成させていれば。。。」
マーサは最後尻すぼみになっている。しゅんと項垂れて下を向いてしまった。
「いいのよ。あの出来事は事故なのよ。誰も予想出来なかったわ。気にしないで。それより!これはすごいを通り越して、ヤバイわね。どうしようかしら。。。」
『やっぱり。。。』と、マーサも危険性に気付いていたのか動揺している。
これは、マジでヤバイ。ランドが言っていたように魔法を込められる事が立証されてしまった。
「これはロダンには?」
「。。。まだです。。。守護魔法なのでぜひお嬢様に差し上げたくて。。。すみません」
「いいのよ。。。でも、水晶を早く見つけてどうにかしないと。。。この魔法陣の研究が終わったのね?」
「はい。一通りは」
「では、その資料を全て、紙一枚余す事なく持って来てくれるかしら?今すぐよ」
私はマーサにそう言うと、エリを呼んだ。
「エリ、お爺様とロダンにお話があると伝えてちょうだい」
エリはすぐさま執務室へ向かった。
「マーサ、ごめんなさいね。この魔法陣はあなたにとっても、我が領にとっても今は危険なの。今だけだから、我慢してちょうだい。厳重に金庫へ保管しておくわ。決して、取り上げたりしないから。本当に、申し訳ないわ。せっかく完成したのに。。。」
今はダメだ。どこの暗部が潜んでいるかわからない。早急に対処しないと。。。また誰かが狙われてしまう。
「はい。理解しています。。。でも、このペンダントだけはお持ち下さい。それならば余計にお嬢様には必要です。この事は絶対に誰にも言いませんので。お願いです」
マーサもあの事件の夜その場にいたのかな?必死に私にこのペンダントを持つように訴えてくる。
「ええ。わかったわ。マーサの気持ち、うれしい。ありがとう。あの日は心配かけたようね。ごめんね」
マーサは魔法陣に関しては納得してくれた。しばらくして、お爺様とロダンがやって来た。ケイトもエリもいる。
「お爺様、申し訳ございません。急遽ご相談事が出来てしまって。。。ケイトとエリはドアの外に出てくれる?」
???とハテナになったが、二人ともドアの外へ移動する。マーサは立ち上がり、部屋へ資料をまとめに向かった。
「ん?難問か?」
お爺様は見当がつかない様子だが、ロダンは慌てているマーサを見てわかったようだ。
「では。。。完成したのですね?」
「ええ。この部屋は防音できないので小声で話します。ロダン、経緯を簡単にお爺様に耳打ちしてくれる?」
ロダンは短く『マーサの水晶の魔法陣です』とお爺様に耳打ちした。
!!!お爺様は目を見開き驚いている。
「しかし。。。まだまだ先のはずじゃぁ。。。」
「ええ。マーサの努力が。。。喜ばしい事なのでしょうけど。。。作り上げたのが昨日だそうです。今、資料の全てをまとめさせています。金庫かどこか、厳重な所に保管してくれませんか?まだ、モノの産地は不明ですので。。。今は問題ないのでしょうが。。。念の為、それらだけでも秘匿しないと。。。」
私は黙って机に、先ほどマーサに貰った水晶のペンダントを置いた。
お爺様とロダンはじっと見て固まっている。
「マーサには内緒にと約束したの。。。だから、お二人ともお願いします。。。この部分を見てください魔法陣が描かれています。これは風の盾が一度だけ展開するお守りだそうです。試作品です」
「!!!これは。。。一大事じゃ。。。こんな物が、我が領にあっては。。。」
お爺様はガタッと立ち上がりブツブツと独り言を始める。
ロダンは水晶を持ち上げ色々見て回しながら何かを考えている。
「お嬢様。これはお持ち下さい。在って損はないものです。一目見ただけでは魔法陣も見えませんし。お嬢様を守ってくれるのでしょう?常にポケットに入れるなり、首から下げるなりして下さい。そして、マーサの希望通り秘密にしましょう」
「さて、これからのお話ですが、マーサの資料とアークが探している産地が揃えば、前代未聞の発見になるでしょう。申し上げにくいのですが、マーサを保護しなければ。。。我が領は出来なくもないのですが。。。なるべく危険は避けたい。あんな事があったばかりですし。。。マーサには残念ですが、今の警備状態では、最悪出て行ってもらうかもしれません」
ロダンは真剣な顔で私に言う。。。そうだよね。命が狙われるほどのモノだよね。。。
「ええ。でも、何とかしたいわ。マーサがかわいそうよ。それに、もうマーサもロンテーヌの家族じゃない。まだ、産地がわからないんだからみんなで突破口を考えましょう」
ロダンは難しい顔が崩れない。『そうですね』と言うが難航しそうだ。
「私も考えてみるわ。だから、マーサをそう簡単に切らないでね」
「わかった。儂も色々調べてみる。あとは資料じゃが。。。ロンテーヌ領の領主しか知らない部屋がある。そこへ入れて置く。これは、誰にもわからない部屋じゃ。儂しか入れんから安心しろ」
お爺様は協力してくれるようだ。ひとまずよかった~。その部屋って、もしかして『領主の秘密』ってやつ?
ふ~、と私は安堵の息を吐いた。『領主の秘密』も気になるけど。そんな事より、今はマーサの事を守らないと!何か良い知恵はないかな?
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※小説家になろうさんにも投稿しています。