48 / 135
1章 ロンテーヌ兄妹
81 テーヌ服完成!
「お嬢様!お久しぶりです」
ナダル夫妻は今日もテンションが高い。ニコニコと夫婦仲良く礼をしている。
「久しぶりね。なんだか、ナダルが元気一杯ね。デリア、無理はしていない?」
「ふふふ。はい、お嬢様、ありがとうございます。順調ですよ。ナダルは針が持てて生き生きしています。こちらをご確認ください」
デリアはテーヌの服を持ち私の前に2着並べた。
「左の服がお嬢様の分です。右は平民用の既製品の上下になります」
わ~、私の服かわいい!一目でわかる、私のは絹のような高級な布だ。
「すごいわね。貴族用の乗馬服って言っても問題なさそうよ。ミランは何か言っている?」
「はい、ミラン様は乗馬服にするにしても、浸透させる方法を考えないと。。。と言っていました。保留中です」
「そう。。。ありがとう。一度着てみたいわ。いいかしら?」
ナダルとリットは一旦ドアの外に出る。デリアとエリが着替えを手伝ってくれた。
鏡の前に立つと、また違った感じになっていい。
テーヌトップはセーラーカラーの白のシャツで襟の部分も白で茶色のラインが一本入っている。スカーフは淡い緑色だ。テーヌガウチョは焦げ茶色の光沢がある布で、裾の部分がフリルになっている。濃い茶色の編み上げブーツを履いて完成だ。
「わ~。可愛いし、動きやすいわ!」
私はその場をくるくる回って後ろや横を確認する。エリも目を見開き笑顔になっている。
「お嬢様!すごくかわいいです!本当にスカートみたいですね。私も欲しい!」
エリはテーヌトップが気に入ったのか、デリアにセーラー服を褒めて熱弁している。
コンコンコン。
「お嬢様。試着がお済みでしたら私も確認したいのです?」
あっ、ナダルを忘れてた。キャッキャッしていたのが聞こえたのだろう、ナダルがそわそわしているのが伝わってくる。
「ええ。ごめんなさい。忘れていたわ。ふふふ。どうぞ」
入って来たナダルは上から下まで私を見て大満足している。リットは、ビクッと一瞬立ち止まり途端に笑顔になって褒めてくれる。
「お嬢!かわいい!これならスカートっぽく見える!やっとスルーボードに乗れるな!いい。かわいいよ!」
ふふふ~ん。そうでしょうそうでしょう。
「あ~、スルーボードを試してみたいわ。。。ミランかロダンはいない?エントランスで滑ってみたいわ」
エリは『お待ち下さい』と、どちらかを呼びに行ってくれる。
「あっ!でも。。。スルーボードって領よね?どうしよう。。。」
リットは『わかった』と、部屋を出て行く。
???
「お嬢様、お呼びでしょうか?」
やって来たのはミランだった。ミランは私をみると目を見開き満面の笑顔になる。
「完成したのですね!女性らしく品もある!よくお似合いです」
「ええ。でも、これは私用の服なの。商品用はこっちよ」
平民用の服はすっきりしていて、綿かな?麻かな?少し質の落ちる布が使われていた。トップはベージュの丸首のようなドクターカラーでボタンだけ色を変えている。ガウチョは紺でひざ下のフリルなし。
「いいわね。これで、様々な色を展開すれば、一つのデザインで結構バリエーションが広がりそうね。私のようにスカーフを巻いてもいいし、エプロンをかけてもかわいいわね」
「そうですね。まずは、このデザインで上下共に5色出します。そして、様子を見て売れるようなら、毎年、襟の部分だけデザインを変えていこうかと思っています」
「あ~!そうだわ!あれがないわ!忘れていたわ~!何てこと!」
私は完成形を見て初めてミスを見つけてしまった。
「お、お嬢様。何か。。。」
ナダルとデリアがオロオロしている。
「大きな声を出してごめんなさい。違うの。私が忘れていたの。このガウチョなんだけど、この部分に、こうゆう風に袋をつけて欲しいのよ」
ナダルにポケットの絵を描いて説明する。
「なるほど。。。物を入れられるようにするのですね?」
「そう。ちょっとした物、そうね、ハンカチや小銭を入れるの」
「わかりました。付け足します。平民用もですか?」
「ええ。あると便利だから、売れる要因になると思うわ」
ナダルはささっと描いたポケットの紙を胸元にしまった。
「お嬢!これだろ?」
と、息を切らしたリットとランドが入ってくる。手にはスルーボード!ランドが取りに行ってくれたのかな?
「そう!ミラン!試し乗りしてもいい?エントランスのツルツルの床で滑ってみたいの!」
「ええ。私も試します。いいですか?」
ミランの目はランランに光っている。ワクワクがオーラになってだだ漏れている。
「ええ。私の後でね」
ふふふ。そして、一行はエントランスへ向かう。
「わ~い!すごいわ!」
私ははしゃぎながらグルグルとエントランスを滑って遊ぶ。木の車輪だからちょっとゴロゴロと音がうるさいけど。いい!完成だ!
「ミラン、どうぞ」
と、ミランに交代する。ミランは私が滑っている様子を見て、走らせるコツがわかったみたいですんなり滑り始めた。すごいすごいと少年のようだ。。。40のオッサンだけどね。ぷぷ。
私はランドとリットの側に寄って行きお礼を言う。
「ランド、わざわざ取りに行ってくれたのね?ありがとう。リットもありがとう」
「あぁ。問題ない。それにしてもこれで完成したな!よかったよ。お嬢様、すごく似合っている。かわいいよ。今度、青色のスカーフをプレゼントする」
ランドはいい子いい子といつものように頭をなでてくれる。
「おい、ずるいぞ。俺からもスカーフを受け取ってくれよ、お嬢!」
と、リットもスカーフをくれるそうだ。
「ありがとう。完成記念的な?」
「「そうだ」」
と、声が揃っている。最近仲がいいよね、この二人。ふふふ。ふと、リットの手元が目に入った。手首に入れ墨?を入れている。
「リット?これはどうしたの?」
私はリットの手首を指差す。
「あぁ。。。ただの飾りだよ。かっこいいだろ!」
と、手首を見せてくれた。確かに、かっこいい。湾曲した線が2本絡んでいるデザインだった。
あっ。。。
私が入れ墨の意味を気がついたのを察したのか、リットは黙って私の頭をなでる。
「まっ、俺のけじめだ。気にするな」
と、リットは手をひらひらさせてミランに近寄りスルーボードを乗りに行った。
私は何とも言えない顔でリットを見ているとランドも手首を見せてくる。
「私も気にしないでいい。いずれわかるだろうから先に見せておく」
ランドの手首の内側にはチェリーの花が小さく描かれていた。
「それって。。。」
思わず目を見開いてランドを見た。おいおい!重いな。。。それって私が好きな花じゃん。
ランドは耳が少し赤くなり手首を隠して壁の方へ向かう。
。。。何だこの二人は。。。そんな消えない様なものを。
でも、これは容認するしかない。。。か。それぞれが考えた末の結果だもんね。
『は~』とため息を吐いて。スルーボードをしているリットをぼや~っと眺める。
スルーボードにはしゃいでいたミランが近づいてきた。
「お嬢様!これは楽しいですね!おっしゃる通り、移動がグンと簡単になりますね。あとは道路整備か。。。王都では売れなくても。。。いや、売るのを止めましょう。これはロンテーヌ領限定商品にしましょう」
そうだそうだと、ミランは何やらメモメモしている。
「そうなの?私はどっちでもいいけど。そう言えば、特許云々は大丈夫?」
ま~、当たり前に手続きは完了しているんだろうけど、一応確認する。
「ええ。それは設計図の時点で申請済みです。スルーボードは分解すればすぐに真似されるでしょうが、道路の問題がありますからね。他領や王都では無理だとわかりました。特許が切れてもウチの領だけで楽しめるでしょう。平民にはずいぶん便利な物が出来ましたね。これから、領の街が活気付きますよ!だから、なんの問題もありません」
ミランはホクホク顔だ。
「そうね。あと、今思いついたのだけど、男性用のシャツも来年ごろからデザインしてもいいわね。男性もおしゃれしてもいいんじゃない?」
「そうですね。それは、売上次第でナダルに進言します。ありがとうございます」
「いいのよ。その時はまた声をかけてね」
その日はエントランスで代わる代わるスルーボードで遊んだ。エリは平民用のテーヌにわざわざ着替えて来て遊んでいる。
私は久しぶりに声を上げて笑ったので心がすっきりだ。気持ちがいい。今日はよく眠れそうだ。
ナダル夫妻は今日もテンションが高い。ニコニコと夫婦仲良く礼をしている。
「久しぶりね。なんだか、ナダルが元気一杯ね。デリア、無理はしていない?」
「ふふふ。はい、お嬢様、ありがとうございます。順調ですよ。ナダルは針が持てて生き生きしています。こちらをご確認ください」
デリアはテーヌの服を持ち私の前に2着並べた。
「左の服がお嬢様の分です。右は平民用の既製品の上下になります」
わ~、私の服かわいい!一目でわかる、私のは絹のような高級な布だ。
「すごいわね。貴族用の乗馬服って言っても問題なさそうよ。ミランは何か言っている?」
「はい、ミラン様は乗馬服にするにしても、浸透させる方法を考えないと。。。と言っていました。保留中です」
「そう。。。ありがとう。一度着てみたいわ。いいかしら?」
ナダルとリットは一旦ドアの外に出る。デリアとエリが着替えを手伝ってくれた。
鏡の前に立つと、また違った感じになっていい。
テーヌトップはセーラーカラーの白のシャツで襟の部分も白で茶色のラインが一本入っている。スカーフは淡い緑色だ。テーヌガウチョは焦げ茶色の光沢がある布で、裾の部分がフリルになっている。濃い茶色の編み上げブーツを履いて完成だ。
「わ~。可愛いし、動きやすいわ!」
私はその場をくるくる回って後ろや横を確認する。エリも目を見開き笑顔になっている。
「お嬢様!すごくかわいいです!本当にスカートみたいですね。私も欲しい!」
エリはテーヌトップが気に入ったのか、デリアにセーラー服を褒めて熱弁している。
コンコンコン。
「お嬢様。試着がお済みでしたら私も確認したいのです?」
あっ、ナダルを忘れてた。キャッキャッしていたのが聞こえたのだろう、ナダルがそわそわしているのが伝わってくる。
「ええ。ごめんなさい。忘れていたわ。ふふふ。どうぞ」
入って来たナダルは上から下まで私を見て大満足している。リットは、ビクッと一瞬立ち止まり途端に笑顔になって褒めてくれる。
「お嬢!かわいい!これならスカートっぽく見える!やっとスルーボードに乗れるな!いい。かわいいよ!」
ふふふ~ん。そうでしょうそうでしょう。
「あ~、スルーボードを試してみたいわ。。。ミランかロダンはいない?エントランスで滑ってみたいわ」
エリは『お待ち下さい』と、どちらかを呼びに行ってくれる。
「あっ!でも。。。スルーボードって領よね?どうしよう。。。」
リットは『わかった』と、部屋を出て行く。
???
「お嬢様、お呼びでしょうか?」
やって来たのはミランだった。ミランは私をみると目を見開き満面の笑顔になる。
「完成したのですね!女性らしく品もある!よくお似合いです」
「ええ。でも、これは私用の服なの。商品用はこっちよ」
平民用の服はすっきりしていて、綿かな?麻かな?少し質の落ちる布が使われていた。トップはベージュの丸首のようなドクターカラーでボタンだけ色を変えている。ガウチョは紺でひざ下のフリルなし。
「いいわね。これで、様々な色を展開すれば、一つのデザインで結構バリエーションが広がりそうね。私のようにスカーフを巻いてもいいし、エプロンをかけてもかわいいわね」
「そうですね。まずは、このデザインで上下共に5色出します。そして、様子を見て売れるようなら、毎年、襟の部分だけデザインを変えていこうかと思っています」
「あ~!そうだわ!あれがないわ!忘れていたわ~!何てこと!」
私は完成形を見て初めてミスを見つけてしまった。
「お、お嬢様。何か。。。」
ナダルとデリアがオロオロしている。
「大きな声を出してごめんなさい。違うの。私が忘れていたの。このガウチョなんだけど、この部分に、こうゆう風に袋をつけて欲しいのよ」
ナダルにポケットの絵を描いて説明する。
「なるほど。。。物を入れられるようにするのですね?」
「そう。ちょっとした物、そうね、ハンカチや小銭を入れるの」
「わかりました。付け足します。平民用もですか?」
「ええ。あると便利だから、売れる要因になると思うわ」
ナダルはささっと描いたポケットの紙を胸元にしまった。
「お嬢!これだろ?」
と、息を切らしたリットとランドが入ってくる。手にはスルーボード!ランドが取りに行ってくれたのかな?
「そう!ミラン!試し乗りしてもいい?エントランスのツルツルの床で滑ってみたいの!」
「ええ。私も試します。いいですか?」
ミランの目はランランに光っている。ワクワクがオーラになってだだ漏れている。
「ええ。私の後でね」
ふふふ。そして、一行はエントランスへ向かう。
「わ~い!すごいわ!」
私ははしゃぎながらグルグルとエントランスを滑って遊ぶ。木の車輪だからちょっとゴロゴロと音がうるさいけど。いい!完成だ!
「ミラン、どうぞ」
と、ミランに交代する。ミランは私が滑っている様子を見て、走らせるコツがわかったみたいですんなり滑り始めた。すごいすごいと少年のようだ。。。40のオッサンだけどね。ぷぷ。
私はランドとリットの側に寄って行きお礼を言う。
「ランド、わざわざ取りに行ってくれたのね?ありがとう。リットもありがとう」
「あぁ。問題ない。それにしてもこれで完成したな!よかったよ。お嬢様、すごく似合っている。かわいいよ。今度、青色のスカーフをプレゼントする」
ランドはいい子いい子といつものように頭をなでてくれる。
「おい、ずるいぞ。俺からもスカーフを受け取ってくれよ、お嬢!」
と、リットもスカーフをくれるそうだ。
「ありがとう。完成記念的な?」
「「そうだ」」
と、声が揃っている。最近仲がいいよね、この二人。ふふふ。ふと、リットの手元が目に入った。手首に入れ墨?を入れている。
「リット?これはどうしたの?」
私はリットの手首を指差す。
「あぁ。。。ただの飾りだよ。かっこいいだろ!」
と、手首を見せてくれた。確かに、かっこいい。湾曲した線が2本絡んでいるデザインだった。
あっ。。。
私が入れ墨の意味を気がついたのを察したのか、リットは黙って私の頭をなでる。
「まっ、俺のけじめだ。気にするな」
と、リットは手をひらひらさせてミランに近寄りスルーボードを乗りに行った。
私は何とも言えない顔でリットを見ているとランドも手首を見せてくる。
「私も気にしないでいい。いずれわかるだろうから先に見せておく」
ランドの手首の内側にはチェリーの花が小さく描かれていた。
「それって。。。」
思わず目を見開いてランドを見た。おいおい!重いな。。。それって私が好きな花じゃん。
ランドは耳が少し赤くなり手首を隠して壁の方へ向かう。
。。。何だこの二人は。。。そんな消えない様なものを。
でも、これは容認するしかない。。。か。それぞれが考えた末の結果だもんね。
『は~』とため息を吐いて。スルーボードをしているリットをぼや~っと眺める。
スルーボードにはしゃいでいたミランが近づいてきた。
「お嬢様!これは楽しいですね!おっしゃる通り、移動がグンと簡単になりますね。あとは道路整備か。。。王都では売れなくても。。。いや、売るのを止めましょう。これはロンテーヌ領限定商品にしましょう」
そうだそうだと、ミランは何やらメモメモしている。
「そうなの?私はどっちでもいいけど。そう言えば、特許云々は大丈夫?」
ま~、当たり前に手続きは完了しているんだろうけど、一応確認する。
「ええ。それは設計図の時点で申請済みです。スルーボードは分解すればすぐに真似されるでしょうが、道路の問題がありますからね。他領や王都では無理だとわかりました。特許が切れてもウチの領だけで楽しめるでしょう。平民にはずいぶん便利な物が出来ましたね。これから、領の街が活気付きますよ!だから、なんの問題もありません」
ミランはホクホク顔だ。
「そうね。あと、今思いついたのだけど、男性用のシャツも来年ごろからデザインしてもいいわね。男性もおしゃれしてもいいんじゃない?」
「そうですね。それは、売上次第でナダルに進言します。ありがとうございます」
「いいのよ。その時はまた声をかけてね」
その日はエントランスで代わる代わるスルーボードで遊んだ。エリは平民用のテーヌにわざわざ着替えて来て遊んでいる。
私は久しぶりに声を上げて笑ったので心がすっきりだ。気持ちがいい。今日はよく眠れそうだ。
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです
唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。
すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。
「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて――
一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。
今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。
【完結】病弱な妹に魔力を分け続け死ぬ寸前の私を、宮廷魔術師になった旧友が攫ってくれました。家族を捨てて幸せになっていいんですか?
未知香
恋愛
「あなたはもう十分楽しんだでしょう? 今度はミアーラの番よ」
膨大な魔力と知識を持ち、聖女候補とまで言われた、天才魔術師エリアーナ。
彼女は、病弱な妹ミアーラの為、家族に言われるまま自らの膨大な魔力を差し出すことにした。
「そうだ。私は健康で、今まで十分に楽しんできた。だから、あげるのは当然だ」
魔力を与え続けた結果、彼女は魔力を失い、容姿も衰え、社交界から姿を消してしまう事となった。
一方、妹ミアーラは姉から与えられた魔力を使い、聖女候補として称賛されるように。
家族の呪縛に縛られ、「今まで多くを貰いすぎていたのだ」と信じ、利用され続けるエリアーナ。
そんな彼女の前に現れたのは、かつての旧友であり宮廷魔術師となった青年だった。
ハッピーエンドです!
そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。
秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」
私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。
「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」
愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。
「――あなたは、この家に要らないのよ」
扇子で私の頬を叩くお母様。
……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。
消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。