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1章 ロンテーヌ兄妹
81 テーヌ服完成!
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「お嬢様!お久しぶりです」
ナダル夫妻は今日もテンションが高い。ニコニコと夫婦仲良く礼をしている。
「久しぶりね。なんだか、ナダルが元気一杯ね。デリア、無理はしていない?」
「ふふふ。はい、お嬢様、ありがとうございます。順調ですよ。ナダルは針が持てて生き生きしています。こちらをご確認ください」
デリアはテーヌの服を持ち私の前に2着並べた。
「左の服がお嬢様の分です。右は平民用の既製品の上下になります」
わ~、私の服かわいい!一目でわかる、私のは絹のような高級な布だ。
「すごいわね。貴族用の乗馬服って言っても問題なさそうよ。ミランは何か言っている?」
「はい、ミラン様は乗馬服にするにしても、浸透させる方法を考えないと。。。と言っていました。保留中です」
「そう。。。ありがとう。一度着てみたいわ。いいかしら?」
ナダルとリットは一旦ドアの外に出る。デリアとエリが着替えを手伝ってくれた。
鏡の前に立つと、また違った感じになっていい。
テーヌトップはセーラーカラーの白のシャツで襟の部分も白で茶色のラインが一本入っている。スカーフは淡い緑色だ。テーヌガウチョは焦げ茶色の光沢がある布で、裾の部分がフリルになっている。濃い茶色の編み上げブーツを履いて完成だ。
「わ~。可愛いし、動きやすいわ!」
私はその場をくるくる回って後ろや横を確認する。エリも目を見開き笑顔になっている。
「お嬢様!すごくかわいいです!本当にスカートみたいですね。私も欲しい!」
エリはテーヌトップが気に入ったのか、デリアにセーラー服を褒めて熱弁している。
コンコンコン。
「お嬢様。試着がお済みでしたら私も確認したいのです?」
あっ、ナダルを忘れてた。キャッキャッしていたのが聞こえたのだろう、ナダルがそわそわしているのが伝わってくる。
「ええ。ごめんなさい。忘れていたわ。ふふふ。どうぞ」
入って来たナダルは上から下まで私を見て大満足している。リットは、ビクッと一瞬立ち止まり途端に笑顔になって褒めてくれる。
「お嬢!かわいい!これならスカートっぽく見える!やっとスルーボードに乗れるな!いい。かわいいよ!」
ふふふ~ん。そうでしょうそうでしょう。
「あ~、スルーボードを試してみたいわ。。。ミランかロダンはいない?エントランスで滑ってみたいわ」
エリは『お待ち下さい』と、どちらかを呼びに行ってくれる。
「あっ!でも。。。スルーボードって領よね?どうしよう。。。」
リットは『わかった』と、部屋を出て行く。
???
「お嬢様、お呼びでしょうか?」
やって来たのはミランだった。ミランは私をみると目を見開き満面の笑顔になる。
「完成したのですね!女性らしく品もある!よくお似合いです」
「ええ。でも、これは私用の服なの。商品用はこっちよ」
平民用の服はすっきりしていて、綿かな?麻かな?少し質の落ちる布が使われていた。トップはベージュの丸首のようなドクターカラーでボタンだけ色を変えている。ガウチョは紺でひざ下のフリルなし。
「いいわね。これで、様々な色を展開すれば、一つのデザインで結構バリエーションが広がりそうね。私のようにスカーフを巻いてもいいし、エプロンをかけてもかわいいわね」
「そうですね。まずは、このデザインで上下共に5色出します。そして、様子を見て売れるようなら、毎年、襟の部分だけデザインを変えていこうかと思っています」
「あ~!そうだわ!あれがないわ!忘れていたわ~!何てこと!」
私は完成形を見て初めてミスを見つけてしまった。
「お、お嬢様。何か。。。」
ナダルとデリアがオロオロしている。
「大きな声を出してごめんなさい。違うの。私が忘れていたの。このガウチョなんだけど、この部分に、こうゆう風に袋をつけて欲しいのよ」
ナダルにポケットの絵を描いて説明する。
「なるほど。。。物を入れられるようにするのですね?」
「そう。ちょっとした物、そうね、ハンカチや小銭を入れるの」
「わかりました。付け足します。平民用もですか?」
「ええ。あると便利だから、売れる要因になると思うわ」
ナダルはささっと描いたポケットの紙を胸元にしまった。
「お嬢!これだろ?」
と、息を切らしたリットとランドが入ってくる。手にはスルーボード!ランドが取りに行ってくれたのかな?
「そう!ミラン!試し乗りしてもいい?エントランスのツルツルの床で滑ってみたいの!」
「ええ。私も試します。いいですか?」
ミランの目はランランに光っている。ワクワクがオーラになってだだ漏れている。
「ええ。私の後でね」
ふふふ。そして、一行はエントランスへ向かう。
「わ~い!すごいわ!」
私ははしゃぎながらグルグルとエントランスを滑って遊ぶ。木の車輪だからちょっとゴロゴロと音がうるさいけど。いい!完成だ!
「ミラン、どうぞ」
と、ミランに交代する。ミランは私が滑っている様子を見て、走らせるコツがわかったみたいですんなり滑り始めた。すごいすごいと少年のようだ。。。40のオッサンだけどね。ぷぷ。
私はランドとリットの側に寄って行きお礼を言う。
「ランド、わざわざ取りに行ってくれたのね?ありがとう。リットもありがとう」
「あぁ。問題ない。それにしてもこれで完成したな!よかったよ。お嬢様、すごく似合っている。かわいいよ。今度、青色のスカーフをプレゼントする」
ランドはいい子いい子といつものように頭をなでてくれる。
「おい、ずるいぞ。俺からもスカーフを受け取ってくれよ、お嬢!」
と、リットもスカーフをくれるそうだ。
「ありがとう。完成記念的な?」
「「そうだ」」
と、声が揃っている。最近仲がいいよね、この二人。ふふふ。ふと、リットの手元が目に入った。手首に入れ墨?を入れている。
「リット?これはどうしたの?」
私はリットの手首を指差す。
「あぁ。。。ただの飾りだよ。かっこいいだろ!」
と、手首を見せてくれた。確かに、かっこいい。湾曲した線が2本絡んでいるデザインだった。
あっ。。。
私が入れ墨の意味を気がついたのを察したのか、リットは黙って私の頭をなでる。
「まっ、俺のけじめだ。気にするな」
と、リットは手をひらひらさせてミランに近寄りスルーボードを乗りに行った。
私は何とも言えない顔でリットを見ているとランドも手首を見せてくる。
「私も気にしないでいい。いずれわかるだろうから先に見せておく」
ランドの手首の内側にはチェリーの花が小さく描かれていた。
「それって。。。」
思わず目を見開いてランドを見た。おいおい!重いな。。。それって私が好きな花じゃん。
ランドは耳が少し赤くなり手首を隠して壁の方へ向かう。
。。。何だこの二人は。。。そんな消えない様なものを。
でも、これは容認するしかない。。。か。それぞれが考えた末の結果だもんね。
『は~』とため息を吐いて。スルーボードをしているリットをぼや~っと眺める。
スルーボードにはしゃいでいたミランが近づいてきた。
「お嬢様!これは楽しいですね!おっしゃる通り、移動がグンと簡単になりますね。あとは道路整備か。。。王都では売れなくても。。。いや、売るのを止めましょう。これはロンテーヌ領限定商品にしましょう」
そうだそうだと、ミランは何やらメモメモしている。
「そうなの?私はどっちでもいいけど。そう言えば、特許云々は大丈夫?」
ま~、当たり前に手続きは完了しているんだろうけど、一応確認する。
「ええ。それは設計図の時点で申請済みです。スルーボードは分解すればすぐに真似されるでしょうが、道路の問題がありますからね。他領や王都では無理だとわかりました。特許が切れてもウチの領だけで楽しめるでしょう。平民にはずいぶん便利な物が出来ましたね。これから、領の街が活気付きますよ!だから、なんの問題もありません」
ミランはホクホク顔だ。
「そうね。あと、今思いついたのだけど、男性用のシャツも来年ごろからデザインしてもいいわね。男性もおしゃれしてもいいんじゃない?」
「そうですね。それは、売上次第でナダルに進言します。ありがとうございます」
「いいのよ。その時はまた声をかけてね」
その日はエントランスで代わる代わるスルーボードで遊んだ。エリは平民用のテーヌにわざわざ着替えて来て遊んでいる。
私は久しぶりに声を上げて笑ったので心がすっきりだ。気持ちがいい。今日はよく眠れそうだ。
ナダル夫妻は今日もテンションが高い。ニコニコと夫婦仲良く礼をしている。
「久しぶりね。なんだか、ナダルが元気一杯ね。デリア、無理はしていない?」
「ふふふ。はい、お嬢様、ありがとうございます。順調ですよ。ナダルは針が持てて生き生きしています。こちらをご確認ください」
デリアはテーヌの服を持ち私の前に2着並べた。
「左の服がお嬢様の分です。右は平民用の既製品の上下になります」
わ~、私の服かわいい!一目でわかる、私のは絹のような高級な布だ。
「すごいわね。貴族用の乗馬服って言っても問題なさそうよ。ミランは何か言っている?」
「はい、ミラン様は乗馬服にするにしても、浸透させる方法を考えないと。。。と言っていました。保留中です」
「そう。。。ありがとう。一度着てみたいわ。いいかしら?」
ナダルとリットは一旦ドアの外に出る。デリアとエリが着替えを手伝ってくれた。
鏡の前に立つと、また違った感じになっていい。
テーヌトップはセーラーカラーの白のシャツで襟の部分も白で茶色のラインが一本入っている。スカーフは淡い緑色だ。テーヌガウチョは焦げ茶色の光沢がある布で、裾の部分がフリルになっている。濃い茶色の編み上げブーツを履いて完成だ。
「わ~。可愛いし、動きやすいわ!」
私はその場をくるくる回って後ろや横を確認する。エリも目を見開き笑顔になっている。
「お嬢様!すごくかわいいです!本当にスカートみたいですね。私も欲しい!」
エリはテーヌトップが気に入ったのか、デリアにセーラー服を褒めて熱弁している。
コンコンコン。
「お嬢様。試着がお済みでしたら私も確認したいのです?」
あっ、ナダルを忘れてた。キャッキャッしていたのが聞こえたのだろう、ナダルがそわそわしているのが伝わってくる。
「ええ。ごめんなさい。忘れていたわ。ふふふ。どうぞ」
入って来たナダルは上から下まで私を見て大満足している。リットは、ビクッと一瞬立ち止まり途端に笑顔になって褒めてくれる。
「お嬢!かわいい!これならスカートっぽく見える!やっとスルーボードに乗れるな!いい。かわいいよ!」
ふふふ~ん。そうでしょうそうでしょう。
「あ~、スルーボードを試してみたいわ。。。ミランかロダンはいない?エントランスで滑ってみたいわ」
エリは『お待ち下さい』と、どちらかを呼びに行ってくれる。
「あっ!でも。。。スルーボードって領よね?どうしよう。。。」
リットは『わかった』と、部屋を出て行く。
???
「お嬢様、お呼びでしょうか?」
やって来たのはミランだった。ミランは私をみると目を見開き満面の笑顔になる。
「完成したのですね!女性らしく品もある!よくお似合いです」
「ええ。でも、これは私用の服なの。商品用はこっちよ」
平民用の服はすっきりしていて、綿かな?麻かな?少し質の落ちる布が使われていた。トップはベージュの丸首のようなドクターカラーでボタンだけ色を変えている。ガウチョは紺でひざ下のフリルなし。
「いいわね。これで、様々な色を展開すれば、一つのデザインで結構バリエーションが広がりそうね。私のようにスカーフを巻いてもいいし、エプロンをかけてもかわいいわね」
「そうですね。まずは、このデザインで上下共に5色出します。そして、様子を見て売れるようなら、毎年、襟の部分だけデザインを変えていこうかと思っています」
「あ~!そうだわ!あれがないわ!忘れていたわ~!何てこと!」
私は完成形を見て初めてミスを見つけてしまった。
「お、お嬢様。何か。。。」
ナダルとデリアがオロオロしている。
「大きな声を出してごめんなさい。違うの。私が忘れていたの。このガウチョなんだけど、この部分に、こうゆう風に袋をつけて欲しいのよ」
ナダルにポケットの絵を描いて説明する。
「なるほど。。。物を入れられるようにするのですね?」
「そう。ちょっとした物、そうね、ハンカチや小銭を入れるの」
「わかりました。付け足します。平民用もですか?」
「ええ。あると便利だから、売れる要因になると思うわ」
ナダルはささっと描いたポケットの紙を胸元にしまった。
「お嬢!これだろ?」
と、息を切らしたリットとランドが入ってくる。手にはスルーボード!ランドが取りに行ってくれたのかな?
「そう!ミラン!試し乗りしてもいい?エントランスのツルツルの床で滑ってみたいの!」
「ええ。私も試します。いいですか?」
ミランの目はランランに光っている。ワクワクがオーラになってだだ漏れている。
「ええ。私の後でね」
ふふふ。そして、一行はエントランスへ向かう。
「わ~い!すごいわ!」
私ははしゃぎながらグルグルとエントランスを滑って遊ぶ。木の車輪だからちょっとゴロゴロと音がうるさいけど。いい!完成だ!
「ミラン、どうぞ」
と、ミランに交代する。ミランは私が滑っている様子を見て、走らせるコツがわかったみたいですんなり滑り始めた。すごいすごいと少年のようだ。。。40のオッサンだけどね。ぷぷ。
私はランドとリットの側に寄って行きお礼を言う。
「ランド、わざわざ取りに行ってくれたのね?ありがとう。リットもありがとう」
「あぁ。問題ない。それにしてもこれで完成したな!よかったよ。お嬢様、すごく似合っている。かわいいよ。今度、青色のスカーフをプレゼントする」
ランドはいい子いい子といつものように頭をなでてくれる。
「おい、ずるいぞ。俺からもスカーフを受け取ってくれよ、お嬢!」
と、リットもスカーフをくれるそうだ。
「ありがとう。完成記念的な?」
「「そうだ」」
と、声が揃っている。最近仲がいいよね、この二人。ふふふ。ふと、リットの手元が目に入った。手首に入れ墨?を入れている。
「リット?これはどうしたの?」
私はリットの手首を指差す。
「あぁ。。。ただの飾りだよ。かっこいいだろ!」
と、手首を見せてくれた。確かに、かっこいい。湾曲した線が2本絡んでいるデザインだった。
あっ。。。
私が入れ墨の意味を気がついたのを察したのか、リットは黙って私の頭をなでる。
「まっ、俺のけじめだ。気にするな」
と、リットは手をひらひらさせてミランに近寄りスルーボードを乗りに行った。
私は何とも言えない顔でリットを見ているとランドも手首を見せてくる。
「私も気にしないでいい。いずれわかるだろうから先に見せておく」
ランドの手首の内側にはチェリーの花が小さく描かれていた。
「それって。。。」
思わず目を見開いてランドを見た。おいおい!重いな。。。それって私が好きな花じゃん。
ランドは耳が少し赤くなり手首を隠して壁の方へ向かう。
。。。何だこの二人は。。。そんな消えない様なものを。
でも、これは容認するしかない。。。か。それぞれが考えた末の結果だもんね。
『は~』とため息を吐いて。スルーボードをしているリットをぼや~っと眺める。
スルーボードにはしゃいでいたミランが近づいてきた。
「お嬢様!これは楽しいですね!おっしゃる通り、移動がグンと簡単になりますね。あとは道路整備か。。。王都では売れなくても。。。いや、売るのを止めましょう。これはロンテーヌ領限定商品にしましょう」
そうだそうだと、ミランは何やらメモメモしている。
「そうなの?私はどっちでもいいけど。そう言えば、特許云々は大丈夫?」
ま~、当たり前に手続きは完了しているんだろうけど、一応確認する。
「ええ。それは設計図の時点で申請済みです。スルーボードは分解すればすぐに真似されるでしょうが、道路の問題がありますからね。他領や王都では無理だとわかりました。特許が切れてもウチの領だけで楽しめるでしょう。平民にはずいぶん便利な物が出来ましたね。これから、領の街が活気付きますよ!だから、なんの問題もありません」
ミランはホクホク顔だ。
「そうね。あと、今思いついたのだけど、男性用のシャツも来年ごろからデザインしてもいいわね。男性もおしゃれしてもいいんじゃない?」
「そうですね。それは、売上次第でナダルに進言します。ありがとうございます」
「いいのよ。その時はまた声をかけてね」
その日はエントランスで代わる代わるスルーボードで遊んだ。エリは平民用のテーヌにわざわざ着替えて来て遊んでいる。
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