前世持ち公爵令嬢のワクワク領地改革! 私、イイ事思いついちゃったぁ~!

Akila

文字の大きさ
54 / 135
1章 ロンテーヌ兄妹

87 私の能力

「では、各自早速動いてくれ。解散。ジェシーはちょっと残って」

ケイトとイーグル、ミラン、ロダン以外が外へ出る。リットとランドはドアの外で待機だ。

お兄様は私の横に座りなおすといつもの調子に戻った。
「ジェシー。大丈夫か?無理はしてないな?腹の中に貯めるんじゃないぞ!」

「ええ。大丈夫よ。日が過ぎていく度にちゃんと回復しているわ。お爺様の事も受け入れられたし。来週なら動揺せずに話を聞けると思うの。お兄様こそ大丈夫?結婚の事もそうだけど。。。何だか別人みたい」

「そうか?ま~、今までド田舎暮らしで剣しか振ってこなかったからな。。。今回の事で世の中の黒い部分と自分の甘さを痛感したんだ。。。ちょっと、自分を変えていこうと思ってな。いい意味でだぞ!それにアンジェの事だが、こんな状態の領に迎えられないからな。しょうがない。最短でも3年かな。。。それに。。。待ってくれると言ってくれたんだ。よかったよ」
と、お兄様は耳を少し赤らめている。

「そうなんですね。よかったです。アンジェ様とは幸せになって欲しいですもの。あと、私も反省しています。。。ちょっと色々と調子に乗っていたのかもしれません。。。」

グリグリと頭をなでながらお兄様は
「あはははは。ま~、もう一度やり直そう。領に戻って力を蓄えるんだ。今回は大きな犠牲が出てしまったが、勉強させてもらったと思って。。。大丈夫。2度目は絶対に間違わない!」

「そうですね。。。次に活かさないと」

「あぁ。それで本題なんだが、今回の事の顛末は来週王城で聞けるが。。。先に言っておく事がある。フェルミーナ様の事だ」

ゴクリ。フェルミーナ様の名前にちょっとビクッとなってしまった。

「あの方は2日前に処刑された」

!!!

私は驚き過ぎて声が出ない。目を見開いてお兄様を見つめる。

「今回の事件で死人が出ただろう。。。首謀者のフェルミーナ様には余罪があって。。。逃亡する時に監視者を殺していたそうだ。ほら、あの例の魔法で」

え~~~~!あの人!あとがない人間は人も平気で殺すんだな。。。この世界の常識?いやあの人だけ?結構ショックだな。いやいや。この世界の生死、命に対する感覚をちゃんと見極めなきゃ。魔法があるんだから。それで私は失敗したんだし。しっかりしないと!

「そうですか。。。形振ナリフり構っていなかったのですねあの方は。それで、あんな無謀な事を。。。」

「あぁ。まぁあの性格だしな。。。監視者を翻弄した協力者も数人いるそうだ。それは来週にわかるんだが。。。この事だけ、宰相様より手紙が届いたよ。ジェシーはもう安心して眠ってくれと。もうあの人は現れない。さっき話した慰謝料もその時頂いた物なんだ。お前への迷惑料兼礼金だ。お爺様の事件の保証云々はまた別になる。ジェシーは2回も続けて命を狙われたからな。。。国としてのけじめだろう。これは前回に引き続き非公開の謝罪なので誰にも言わないように。さっきのようにお爺様の件で貰ったように今後は濁す」

あはははは。。。乾いた笑いしか出ない。。。

そっか、死んだんだ。。。スッと心が軽くなった。結構現金なやつなんだな私って。。。はー。

「王様もよく決心されましたね。。。そうですか、死んだのですか。。。」

「ジェシー。。。もうあの人はいない。囚われるな。前へ進むんだ。俺も前へ進むよ。二人でがんばろう。お爺様はいなくなったけど、周りを見ろ!私たちを支えてくれる家族がこんなにいるんだ。ジェシー。大丈夫だ。乗り越えられる!この家族は信用していい!」
お兄様はそう言いながら抱きしめてくれる。

「ええ。そうね。大事な家族を忘れてはいけないわね」

そう、私の周りには愛情を注いでくれる人ばかり。血の繋がりはないけど、こんなに優しい家族がいるもんね。

「あと、お前の特化の事だが、国側は王様、宰相様、グレン様以外は知らないんだな?」

「えぇ。今回、発動させた事を知っているのは現場にいたお兄様とリットとランドよ」

「わかった。ケイトとミラン外に出ろ。ランドとリットを中に入れてくれ」
二人は驚きながらも部屋の外に出る。

「イーグル、あとで最上の魔法誓約書にサインしてもらう。ここからは、ロダンが話せ」

イーグルは無言で頷いて話を待っている。

「では。今回、異例ではございますが、お嬢様の特化『写』が発現し特性が明らかになりました。特性は特化を写し取る事。つまり模写です。その発動条件は『写し取る特化を目で確認し、発動を体験する』です。今回、フェルミーナ様がお嬢様を腐らせる事が出来なかったとリットから報告を受けました。お嬢様が魔力を暴走させている時、白い蒸気が見えたとの事ですが、これは、マーサのお守りに関係します。お嬢様がポケットに忍ばせていたお守りが、白く濁り粉々に割れていました。恐らくですが、フェルミーナ様の魔法を何度も防いだのは、一度しか効かないお守りの盾魔法にお嬢様の異常な魔力が重なった結果、風の盾魔法が蒸気のようにお嬢様を取り巻いたと推測します。その後、お嬢様がフェルミーナ様に、フェルミーナ様の魔法を放っています。状況判断ですが、恐らく発動条件は『体験する』で違いないかと思われます」

「そう言えば。。。マーサのお守りの事を忘れていたわ。。。そう。。。マーサのおかげなのね」

「はい。ですので、攻撃が防げたのは今回は結果論で言うとお守りのおかげです。しかし、今後は、攻撃性のある特化については模写が困難になります。お嬢様は気をつけるようにお願いします」

「すまない、少しいいか?マーサのお守りとは?」
イーグルが質問する。

「はい。マーサはつい先月、長年研究していた魔法陣を完成させました。それは、特殊な石と組み合わせる事により、中程度の魔法を一つだけ石に込める事が出来る魔法陣です。まだ試作段階で、危険を伴う内容なので今は一旦中断しています。今回のお守りは、マーサが風の盾魔法を込めた石を試作品としてお嬢様に差し上げていたのです」

「なるほど。。。これは国に報告は?」

「まだです。石の原産地を捜査中ですので。。。」

ロダンは居住まいを正すとまた話し始める。
「話を戻します。この『写』の特化については、今後秘匿する方向で国と合意しました。王様の了承済みです。王様、宰相様、グレン様、今ここにいる私達だけの秘密になります」

「えっ!私。。。てっきり国に。。。」
そうなの?こんなチート級の魔法、国に、王族に利用されると思っていたのに。。。

「はい。これは、王様の贖罪だそうです。お嬢様の性格や将来の希望をご存知ですからね。。。今後、国に関わらないように秘密にし、お嬢様には心穏やかに過ごして欲しいと、王様の願いだそうです。ですので、対外的にはお嬢様には特化がないと言う事になります。そして、今回のお嬢様がしたフェルミーナ様の手の事は隠匿されます」

「わかった。いい風に転んで助かったな。では、今後はどうする?意図せず特化保持者に触れてしまうこともあるだろう?特化保持者は公表している者としていない者がいる。どう判断する?」
イーグル様はグイグイくるね~。

「はい。まず、お嬢様にはランドとアークの特化を模写して頂きます。身を守れる手段を増やして欲しいのです。その上で、来週王様に会う際に王様の『眼』を模写して頂きます。そうすれば、人の特徴を見る事が可能になります」

ランドが口を挟む。
「しかし、どうやって王様に発動してもらう?馬鹿正直に話すわけにもいかないだろう?」

「それは、謁見時に可能です。アークからの情報では、王様は議会や謁見、社交など、プライベート以外は常に『眼』を発動させているそうです」

「でも、私あの事件の後、王様に会ったし触れたわ」
模写できてないじゃん!

「そうですね。お嬢様は模写ができておりません。裏を返せば、お嬢様は王様に信用されているのでしょうね。王様は気を許せる人間と判断し『眼』を展開させていなかったのでしょう。そこで、ランド、今ここでお嬢様が確実に模写できるか試してみたい。いいだろうか?私の検証結果を確証に変えたい」

「はい。私は構いません。お嬢様が模写することで転移が可能になれば、危険を回避できるようになりますから」
ランドは何ともないようにすぐに了承してくれた。

「では、お願いします」

私とランドは向かい合い手を繋ぐ。ランドがボソッと唱えると屋敷内の私の部屋に転移した。

「お嬢様。次はお嬢様がしてみろ。転移したい場所を願えばいい」

「ランド。。。ありがとう。私の為に。特殊な能力を写させてもらって。。。ありがとう」

「いいんだ。お嬢様の為だ。問題ない。。。そうだ、お返しにこのリボンをもらおう」
と、ランドはニッコリ笑って私の髪から緑のリボンを外してポケットに入れた。

「こんな物で?ランドは欲がないのね。。。本当にありがとう。じゃぁ、行くね」
目をつむり、ランドと手を繋ぐ。

転移して!執務室へ!

パッと周りの空気が変わったので目を開ける。お兄様達が揃っていた。

「成功ですね。お嬢様、確認ですが無詠唱でしたか?」

「ええ。そう言えばそうね」

ロダンは何かを考えている。

「申し訳ございません。もう一度、転移していただけませんか?今度はお嬢様だけで」



「わかったわ」

転移!私の部屋へ!

目を開けると執務室に残っている。

「あれ?何で?ちゃんと想像したのに。。。」

「お嬢様。ありがとうございました。もういいですよ。お座り下さい」
ロダンは私を元の席に戻す。

「恐らくだが、模写した能力は1回きりか、回数が制限されるんじゃないか?発動に使われる魔力量に関係するかもしれないが。。。無詠唱なのもそれに関係するかもしれない。。。現状は把握した。今後の課題だな」
イーグル様は簡潔にまとめてくれる。

「そうですね。しかし、模写は可能な事が確立しました。お嬢様は、来週までにアークの特化を模写しておいて下さい。今はそれで結構です。ついでですので、今後の話をしてもいいですか?」

「今後?領へ帰るのよね?」
てか、さっきそう聞いたような。。。

「はい。領で養生して頂きますが。。。この調子でしたら、そうですね5月頃から、ランドとリットと共に3人で国中を周ってもらいます」

!!!

はぁ~?今なんつった?

感想 405

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです

唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。 すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。 「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて―― 一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。 今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。

【完結】病弱な妹に魔力を分け続け死ぬ寸前の私を、宮廷魔術師になった旧友が攫ってくれました。家族を捨てて幸せになっていいんですか?

未知香
恋愛
「あなたはもう十分楽しんだでしょう? 今度はミアーラの番よ」 膨大な魔力と知識を持ち、聖女候補とまで言われた、天才魔術師エリアーナ。 彼女は、病弱な妹ミアーラの為、家族に言われるまま自らの膨大な魔力を差し出すことにした。 「そうだ。私は健康で、今まで十分に楽しんできた。だから、あげるのは当然だ」 魔力を与え続けた結果、彼女は魔力を失い、容姿も衰え、社交界から姿を消してしまう事となった。 一方、妹ミアーラは姉から与えられた魔力を使い、聖女候補として称賛されるように。 家族の呪縛に縛られ、「今まで多くを貰いすぎていたのだ」と信じ、利用され続けるエリアーナ。 そんな彼女の前に現れたのは、かつての旧友であり宮廷魔術師となった青年だった。 ハッピーエンドです!

そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。

秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」  私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。 「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」  愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。 「――あなたは、この家に要らないのよ」  扇子で私の頬を叩くお母様。  ……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。    消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。

「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった

歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。 だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」 追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。 一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。 誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。 「その言葉は、もう翻訳できません」

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。