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2章 魔法使いとストッカー
10 宰相様とお茶会
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は~。今日はアダム様がウチに来る。
「お嬢様、お客様をお迎えする顔ではありませんよ。しっかりして下さい!」
ケイトは朝からお茶会のセッティングに大張り切りだ。屋敷の侍女達を引き連れてあれこれやっている。
「わかってるわよ。お茶会の時はきちんとしますぅ」
わかってはいるんだけど、気持ちが追いつかない。。。人生初の自分のお茶会がオヤジとだなんて。ぐすん。
「もう、お着きになりますよ。エントランスへ向かって下さいね」
エリもユーリも忙しいようで、全然相手をしてくれない。。。。
私はトボトボとエントランスへ向かう。
「お嬢様、本日は例の男爵令嬢の事がメインですよ。あとは、殿下の事、ここ1週間の学校のお話をお願いしますね。あと例の件。忘れてないですよね?」
ロダンもやる気のない私を心配している。
「ええ。。。あと、この休んでいた間の事を聞き出せたらいいかな~って思ってる」
そう、私が領へ引っ込んでいた空白の1年の事で、ロンテーヌ領にとって何か収穫があるかもしれない。なんせ、国の執事、宰相様だしね。
「そうですね。。。そう簡単には国の重要事項をお話はしないでしょうけど。。。何かあればいいですね」
ロダンも、あればラッキーぐらいに思っているのかな?ニコニコ顔だ。
「それにしても、リットに関しては少し時間を下さい。まだ、本人とは話さないで下さいよ。今、アークにテュリガー領を調査させていますので」
「ええ。万が一を考えてでしょ?って、何もないと思うけど?」
ロダンは『なぜテュリガー領を出たのか?今のリットの立ち位置など、現テュリガー領領主の弟だから、慎重に』と言っていた。今回の事は、本人が黙っていたので誰もがびっくりしたのだ。ついでに、ランドの事も調べるらしい。。。
リットもリットだよ。何で隠すかな~。
は~。と考えていたら、アダム様が到着した。
「ようこそお越しくださいました。お久しぶりです、アダム様」
私はエントランスでお迎えする。お迎えにはお兄様も同席した。
「こちらこそ、久しぶりだ。カイデール殿、本日はお招きありがとう」
「いえ、宰相様。先日の会議ぶりですね。今日は妹のお相手をよろしくお願いいたします」
お兄様は挨拶が終わると『では』と、さっさと執務室へ帰って行った。
「アダム様、本日は庭の花が見頃ですので、テラス席をご用意いたしました。こちらです」
私とアダム様はテラスへと移動する。
ケイトがお茶を入れると、ロダン以外を全員下がらせた。アダム様のお付きの人はいる。オヤジばっかの中に私。。。
「ジェシカ嬢。久しぶりだな。ちと背が伸びたか?」
「そうですね。成長期ですから。アダム様もお元気そうで。。。頭の方も無事なようで安心いたしました」
『元々ハゲとらんわ!』と、出だしはOK。
「アダム様。。。少々込み入ったお話がありまして。。。失礼ですがそちらの侍者の方を下がらせてくれませんか?」
なぜかアダム様はその侍者を見て手招きする。
「あの。。。」
私とロダンはハテナだ。
「こちらへ」
と、アダム様は侍者を座らせる。
ん?まさか???
「おい、久しぶりだな」
カツラを取ってニヤッと笑ったのは、はい、そうです。侍者に扮したエド様です。
ロダンは彫刻のようにピタッと固まった。
「へっ!エ、エド様!」
私は思わず立ち上がり指差してしまった。全然気がつかなかった。。。だって侍者だし、あんま見ないよね。
「ははははは、上手くいったな」
手を叩いて喜んでいるのはエド様だけだった。あはははは~と爆笑である。
何気にちょっと腹たつな。あの笑い声。。。アダム様をキッとに睨むと、アダム様はアゴでテラス入り口を指す。
まさかのまさか?もしかして。。。
私とロダンはバッとテラス入り口を見るとグレン様が立っていた。
そうだよね。。。エド様がいるって事はそうですよね~。
私はボズンとソファーに座り込みエド様に文句を言う。
「エド様。てか、国の重鎮が3人も。。。熱が出そうですよ。。。」
種明かしが終わったので、グレン様が『檻』を発動した。
「ま~ま~そう言うな。。。こうでもしないと新年の夜会まで連絡が来なさそうだったしな」
ギクッとしたのは私とロダン。。。見透かされている。私達は顔を見合わせてエド様を見る。ニヤッと、やっぱり嫌な感じに笑う。
「おほほほほ。そんな事は。。。あります。王都へ来たご挨拶の連絡をしなかった事はすみません」
社交辞令でも王様へご挨拶の手紙を書かなかったのは私だ。。。失礼だとは思ったけど。。。ね~。
「よい。。。だから、今日の事はそちらも受け入れろ」
はいはい。。。てか、どう話すか。。。。内容が内容だしね~。アダム様に借りを作るつもりが。。。ロダンを見るがお澄まし顔だ。あれは、早々に放棄したな?私に任せるでいいのかな???いいの?言っちゃうよ?
「ごほん。。。エド様、お久しぶりです。相変わらずなようで安心しました」
私はつーんとした顔でお茶を飲む。さぁ、お茶会の始まりだ。
「ジェシカ、元気になったようで良かった。。。結構、気にしていたんだ。あと、去年の王都店での事、すまなかった」
「あぁ。。。忘れていました。もういいですよ。その代わりではありませんが、もう第一王子は見込みがありませんからね。うちの保護者達には評判が悪いです。アダム様もよろしいですね?」
アダム様は何が言いたいかわかったようで、ぎりっと奥歯を噛んだ。
「あぁ。あの件は殿下が悪い。自業自得だ。エドも了承している。もう薦めたりはしない」
「でもいいのか?あいつは顔はいいぞ?それに権力も財力もあるぞ?私もいるから楽しいと思うけどな~」
。。。楽しいとか。全くもって思わない。
「あはは。お妃教育とかパスです。もう勉強は学校だけで十分です」
「そうか。まぁ、いい。。。てか、おっ!!!!お前!!!!!」
と、突然エド様が立ち上がり、私を指して驚愕の顔を向ける。
な?何?え?え?
「お前!何だその特化の数は!!!」
あぁ。。。そうか。。。ロダンを見るが目を瞑って無表情。。。チ~ン。
「えへへ。ちょっと防御系を集めて見ました~テへ」
と、テヘペロして笑ってごまかす。。。ごまかせる?変な汗かいてきた。。。
「は~」
と、エド様は呆れ顔でソファーに座り込んだ。
「エド、ジェシカは特化を集めているのか?何がある?」
アダム様はエド様の胸ぐらを掴んで揺さぶっている。
「ア、アダム様。本人が目の前にいるでしょ?今から話しますよ」
「あぁ、それもそうだな」
と、アダム様はパッとエド様を離した。
「実は、療養中にランドの例のやつでいろんな方の特化を集めに行きました。ほとんどが防御?身を守る系です」
「そうか。。。まぁ、攻撃系は難しいか」
エド様は納得している。
「で?何がある?嘘を申すなよ。エドが見えるんだからな」
わかってるよ。。。もう。
「まずはランドのアレでしょ。『影』『光』『闇』『檻』『眼』『疾』です。あと、いらないんですけど『腐』です」
「8も!」
アダム様は口に手を当てて驚いている。
「私の『眼』もか。。。では、どのように見えている?」
エド様は急に真剣に質問してくる。
「先に言っておきます。私のこの能力は完全には模写できないようです。エド様の『眼』に関しては、『名前と年齢、魔法量の数値、特化の有無、主な魔法系統の色』が見えます」
エド様は何かを考えている。話さない。
「どのような感じなのか。。。エドの特化の簡易版か?」
アダム様はエド様へ質問を振る。
「。。。そうだな。私とは少し違うな」
「「。。。」」
で?って、全部は教えてくれないか。。。まっ、そうだよね。
私は忘れていた紅茶をすすって、エド様の考察を待つ。
「アダム様、エド様が考え終わるまで、少しいいですか?」
『あぁ』と、アダム様も私の方を向いてエド様を放っておく事にしたようだ。
「あの、私の特化ですが、ランドの特化を模写した時、丸っと模写はできませんでした。色々実験はしたのですが、先ほどのエド様の言葉で確信しました。私は劣化版、もとい簡易版なようです」
「ほぉ。根拠は?」
「まず、ランドのアレです。手の内を見せるようで嫌ですが、お三方には隠しても意味がないので言いますね。ランド、本家と私とでは人数や回数など全く違います。私は、1日1往復、移動人数も私ともう1人だけです」
「そうなのか。。。そうか。では、他の特化もそのような感じなんだな?」
「はい。『光』なら光の強さは同じですが光る範囲が小さいのです。『神の家』で拝見した、教会の礼拝堂全体を照らすような光は発せません。せいぜい、このテラスぐらいです」
「そうか。。。防御系を集めたのはどうしてだ?」
「単純に今後、身を守る術を増やす為です。攻撃系は必要ありません。私さえ逃げられれば、護衛など周りは皆強いので。いざ戦闘って時は私が邪魔になるでしょう?邪魔にならないようにする為です」
「そうか。まぁ、護衛対象が安全なら思いっきり戦えるかぁ」
アダム様は納得したようで、この私の特化達についてはこれ以上突っ込んでこなかった。
思考の海から抜け出したエド様がやっと声を出す。
「『疾』はどういった物か?初めて聞くし、初めて見た」
「あぁ、これはめちゃくちゃ足が速くなるのです。だいたいですが、馬の全力疾走と同じぐらいです。あと、エド様が知らないのであれば、誰から模写したかは伏せますね。私、今回特化を色々見てきて思ったんです。特化を隠している人も結構いるって。様々な理由で隠しているのなら無理に暴露しなくてもいいのかなって。人生は色々ありますから。。。統計では学年に1人いるかいないかと聞きましたが、多分もっといますよ。ね?エド様」
「あぁ。。。恐らくな。私も度々目にするな。隠しているのは大体が『光』か『闇』だしな。。。おおよそ、教会に召し抱えられたくないのだろう。害はないので私も放置している」
エド様も落ち着いたのか紅茶を飲む。
「ふ~、ジェシカの特化についての取り扱いについては理解した。しかし、定期的にエドと謁見は必須だ。それはわかるな?」
アダム様は私を諭している。まぁ、私もそれはしょうがないと思う。
「ええ。特化の確認ですよね?それは、仕方ないと思っておりますよ。ただ、月一回とかはやめて下さいね。せめて年1回か2回でお願いします。できたら、夜会とかで勝手に見てくれると助かります。別に隠すつもりはないので」
私は謁見がめんどくさいので、勝手に見て欲しいとお願いする。
「ははは。いいじゃないか、たまにはお茶をしようじゃないか。異なる世界のことも話したいしな~」
エド様は悪い顔になっている。いじめっ子な感じ。
「あはははは。。。はい」
私は諦めるしかないか。。。今後も定期的にこの3人と会うのか。。。しょうがないと思う反面、逃げ出したい自分もいる。
は~~~~~~。
「お嬢様、お客様をお迎えする顔ではありませんよ。しっかりして下さい!」
ケイトは朝からお茶会のセッティングに大張り切りだ。屋敷の侍女達を引き連れてあれこれやっている。
「わかってるわよ。お茶会の時はきちんとしますぅ」
わかってはいるんだけど、気持ちが追いつかない。。。人生初の自分のお茶会がオヤジとだなんて。ぐすん。
「もう、お着きになりますよ。エントランスへ向かって下さいね」
エリもユーリも忙しいようで、全然相手をしてくれない。。。。
私はトボトボとエントランスへ向かう。
「お嬢様、本日は例の男爵令嬢の事がメインですよ。あとは、殿下の事、ここ1週間の学校のお話をお願いしますね。あと例の件。忘れてないですよね?」
ロダンもやる気のない私を心配している。
「ええ。。。あと、この休んでいた間の事を聞き出せたらいいかな~って思ってる」
そう、私が領へ引っ込んでいた空白の1年の事で、ロンテーヌ領にとって何か収穫があるかもしれない。なんせ、国の執事、宰相様だしね。
「そうですね。。。そう簡単には国の重要事項をお話はしないでしょうけど。。。何かあればいいですね」
ロダンも、あればラッキーぐらいに思っているのかな?ニコニコ顔だ。
「それにしても、リットに関しては少し時間を下さい。まだ、本人とは話さないで下さいよ。今、アークにテュリガー領を調査させていますので」
「ええ。万が一を考えてでしょ?って、何もないと思うけど?」
ロダンは『なぜテュリガー領を出たのか?今のリットの立ち位置など、現テュリガー領領主の弟だから、慎重に』と言っていた。今回の事は、本人が黙っていたので誰もがびっくりしたのだ。ついでに、ランドの事も調べるらしい。。。
リットもリットだよ。何で隠すかな~。
は~。と考えていたら、アダム様が到着した。
「ようこそお越しくださいました。お久しぶりです、アダム様」
私はエントランスでお迎えする。お迎えにはお兄様も同席した。
「こちらこそ、久しぶりだ。カイデール殿、本日はお招きありがとう」
「いえ、宰相様。先日の会議ぶりですね。今日は妹のお相手をよろしくお願いいたします」
お兄様は挨拶が終わると『では』と、さっさと執務室へ帰って行った。
「アダム様、本日は庭の花が見頃ですので、テラス席をご用意いたしました。こちらです」
私とアダム様はテラスへと移動する。
ケイトがお茶を入れると、ロダン以外を全員下がらせた。アダム様のお付きの人はいる。オヤジばっかの中に私。。。
「ジェシカ嬢。久しぶりだな。ちと背が伸びたか?」
「そうですね。成長期ですから。アダム様もお元気そうで。。。頭の方も無事なようで安心いたしました」
『元々ハゲとらんわ!』と、出だしはOK。
「アダム様。。。少々込み入ったお話がありまして。。。失礼ですがそちらの侍者の方を下がらせてくれませんか?」
なぜかアダム様はその侍者を見て手招きする。
「あの。。。」
私とロダンはハテナだ。
「こちらへ」
と、アダム様は侍者を座らせる。
ん?まさか???
「おい、久しぶりだな」
カツラを取ってニヤッと笑ったのは、はい、そうです。侍者に扮したエド様です。
ロダンは彫刻のようにピタッと固まった。
「へっ!エ、エド様!」
私は思わず立ち上がり指差してしまった。全然気がつかなかった。。。だって侍者だし、あんま見ないよね。
「ははははは、上手くいったな」
手を叩いて喜んでいるのはエド様だけだった。あはははは~と爆笑である。
何気にちょっと腹たつな。あの笑い声。。。アダム様をキッとに睨むと、アダム様はアゴでテラス入り口を指す。
まさかのまさか?もしかして。。。
私とロダンはバッとテラス入り口を見るとグレン様が立っていた。
そうだよね。。。エド様がいるって事はそうですよね~。
私はボズンとソファーに座り込みエド様に文句を言う。
「エド様。てか、国の重鎮が3人も。。。熱が出そうですよ。。。」
種明かしが終わったので、グレン様が『檻』を発動した。
「ま~ま~そう言うな。。。こうでもしないと新年の夜会まで連絡が来なさそうだったしな」
ギクッとしたのは私とロダン。。。見透かされている。私達は顔を見合わせてエド様を見る。ニヤッと、やっぱり嫌な感じに笑う。
「おほほほほ。そんな事は。。。あります。王都へ来たご挨拶の連絡をしなかった事はすみません」
社交辞令でも王様へご挨拶の手紙を書かなかったのは私だ。。。失礼だとは思ったけど。。。ね~。
「よい。。。だから、今日の事はそちらも受け入れろ」
はいはい。。。てか、どう話すか。。。。内容が内容だしね~。アダム様に借りを作るつもりが。。。ロダンを見るがお澄まし顔だ。あれは、早々に放棄したな?私に任せるでいいのかな???いいの?言っちゃうよ?
「ごほん。。。エド様、お久しぶりです。相変わらずなようで安心しました」
私はつーんとした顔でお茶を飲む。さぁ、お茶会の始まりだ。
「ジェシカ、元気になったようで良かった。。。結構、気にしていたんだ。あと、去年の王都店での事、すまなかった」
「あぁ。。。忘れていました。もういいですよ。その代わりではありませんが、もう第一王子は見込みがありませんからね。うちの保護者達には評判が悪いです。アダム様もよろしいですね?」
アダム様は何が言いたいかわかったようで、ぎりっと奥歯を噛んだ。
「あぁ。あの件は殿下が悪い。自業自得だ。エドも了承している。もう薦めたりはしない」
「でもいいのか?あいつは顔はいいぞ?それに権力も財力もあるぞ?私もいるから楽しいと思うけどな~」
。。。楽しいとか。全くもって思わない。
「あはは。お妃教育とかパスです。もう勉強は学校だけで十分です」
「そうか。まぁ、いい。。。てか、おっ!!!!お前!!!!!」
と、突然エド様が立ち上がり、私を指して驚愕の顔を向ける。
な?何?え?え?
「お前!何だその特化の数は!!!」
あぁ。。。そうか。。。ロダンを見るが目を瞑って無表情。。。チ~ン。
「えへへ。ちょっと防御系を集めて見ました~テへ」
と、テヘペロして笑ってごまかす。。。ごまかせる?変な汗かいてきた。。。
「は~」
と、エド様は呆れ顔でソファーに座り込んだ。
「エド、ジェシカは特化を集めているのか?何がある?」
アダム様はエド様の胸ぐらを掴んで揺さぶっている。
「ア、アダム様。本人が目の前にいるでしょ?今から話しますよ」
「あぁ、それもそうだな」
と、アダム様はパッとエド様を離した。
「実は、療養中にランドの例のやつでいろんな方の特化を集めに行きました。ほとんどが防御?身を守る系です」
「そうか。。。まぁ、攻撃系は難しいか」
エド様は納得している。
「で?何がある?嘘を申すなよ。エドが見えるんだからな」
わかってるよ。。。もう。
「まずはランドのアレでしょ。『影』『光』『闇』『檻』『眼』『疾』です。あと、いらないんですけど『腐』です」
「8も!」
アダム様は口に手を当てて驚いている。
「私の『眼』もか。。。では、どのように見えている?」
エド様は急に真剣に質問してくる。
「先に言っておきます。私のこの能力は完全には模写できないようです。エド様の『眼』に関しては、『名前と年齢、魔法量の数値、特化の有無、主な魔法系統の色』が見えます」
エド様は何かを考えている。話さない。
「どのような感じなのか。。。エドの特化の簡易版か?」
アダム様はエド様へ質問を振る。
「。。。そうだな。私とは少し違うな」
「「。。。」」
で?って、全部は教えてくれないか。。。まっ、そうだよね。
私は忘れていた紅茶をすすって、エド様の考察を待つ。
「アダム様、エド様が考え終わるまで、少しいいですか?」
『あぁ』と、アダム様も私の方を向いてエド様を放っておく事にしたようだ。
「あの、私の特化ですが、ランドの特化を模写した時、丸っと模写はできませんでした。色々実験はしたのですが、先ほどのエド様の言葉で確信しました。私は劣化版、もとい簡易版なようです」
「ほぉ。根拠は?」
「まず、ランドのアレです。手の内を見せるようで嫌ですが、お三方には隠しても意味がないので言いますね。ランド、本家と私とでは人数や回数など全く違います。私は、1日1往復、移動人数も私ともう1人だけです」
「そうなのか。。。そうか。では、他の特化もそのような感じなんだな?」
「はい。『光』なら光の強さは同じですが光る範囲が小さいのです。『神の家』で拝見した、教会の礼拝堂全体を照らすような光は発せません。せいぜい、このテラスぐらいです」
「そうか。。。防御系を集めたのはどうしてだ?」
「単純に今後、身を守る術を増やす為です。攻撃系は必要ありません。私さえ逃げられれば、護衛など周りは皆強いので。いざ戦闘って時は私が邪魔になるでしょう?邪魔にならないようにする為です」
「そうか。まぁ、護衛対象が安全なら思いっきり戦えるかぁ」
アダム様は納得したようで、この私の特化達についてはこれ以上突っ込んでこなかった。
思考の海から抜け出したエド様がやっと声を出す。
「『疾』はどういった物か?初めて聞くし、初めて見た」
「あぁ、これはめちゃくちゃ足が速くなるのです。だいたいですが、馬の全力疾走と同じぐらいです。あと、エド様が知らないのであれば、誰から模写したかは伏せますね。私、今回特化を色々見てきて思ったんです。特化を隠している人も結構いるって。様々な理由で隠しているのなら無理に暴露しなくてもいいのかなって。人生は色々ありますから。。。統計では学年に1人いるかいないかと聞きましたが、多分もっといますよ。ね?エド様」
「あぁ。。。恐らくな。私も度々目にするな。隠しているのは大体が『光』か『闇』だしな。。。おおよそ、教会に召し抱えられたくないのだろう。害はないので私も放置している」
エド様も落ち着いたのか紅茶を飲む。
「ふ~、ジェシカの特化についての取り扱いについては理解した。しかし、定期的にエドと謁見は必須だ。それはわかるな?」
アダム様は私を諭している。まぁ、私もそれはしょうがないと思う。
「ええ。特化の確認ですよね?それは、仕方ないと思っておりますよ。ただ、月一回とかはやめて下さいね。せめて年1回か2回でお願いします。できたら、夜会とかで勝手に見てくれると助かります。別に隠すつもりはないので」
私は謁見がめんどくさいので、勝手に見て欲しいとお願いする。
「ははは。いいじゃないか、たまにはお茶をしようじゃないか。異なる世界のことも話したいしな~」
エド様は悪い顔になっている。いじめっ子な感じ。
「あはははは。。。はい」
私は諦めるしかないか。。。今後も定期的にこの3人と会うのか。。。しょうがないと思う反面、逃げ出したい自分もいる。
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