前世持ち公爵令嬢のワクワク領地改革! 私、イイ事思いついちゃったぁ~!

Akila

文字の大きさ
89 / 135
2章 魔法使いとストッカー

25 アイデアを売る?

「お兄様、まずはこのレポートをお読み下さい」
私はロゼ領への提案書と購買部についてのレポートを渡した。

「例のやつか。楽しみだな」
お兄様はそう言うとレポートに目を通し始める。

「お嬢様、ご主人様が読んでいる間に、我々にも簡単に説明願います」
 
今日の為に、ランドに頼んで領からイーグルが来ている。あとミランとロダンもいる。

「ええ。わざわざご足労ね。まず、ロゼ領への提案だけど、お手紙セットについてなの。みんなはお手紙セットってわかるかしら?」

「招待状の事でしょうか?領のマークをエンボス加工した紙の事でしょうか?」
イーグルは、正式な手紙の事を言っている。

「違うの。正式な物ではなくて、お友達とかに送るちょっとした手紙よ」

「あぁ。なら、普通の紙を使って蝋印するやつでしょうか?セットと言いましたよね?」
ミランは早速セットに喰いついた。

「ええ。手紙のセットを商品に考えているんだけど。こちらには手紙用の紙と封筒のセットがないのかしら?じゃぁ、売れないのかな?」
私はこちらの世界にレターセットが無いようなのでちょっとびっくりした。需要ないかな?

「ありませんが、まずは内容をお話下さい。皆で意見を出しましょう」
イーグルはニコニコと上機嫌だ。ほっ。

「そう?では。この商品は、1、2回分の手紙が書ける分量の紙5枚と封筒2枚のセットよ。普通の紙をセットにしても売れないでしょうから、『紙に付加価値を』と思ったら、香りを思いついたの」

「香り?あぁ。それでロゼ領ですね」

「ええ。ウチで作る事も想定したけど、紙を一から作るのってお金がかかる上に特許使用料を払わなくちゃいけないでしょう?それなら、市販?あらかじめ売っている紙を卸して付加価値を付けたらいいと思って。始めは香り付きの紙があれば学生受け、特に女子受けするかな~ってね。親しい友人や恋人からの手紙がほのかに香るのって気持ち的にうれしくならない?」
前世にもあった、あるある文房具。香り付消しゴムとか香り付鉛筆とか。小学校で流行ったやつ。

「確かに。女性は喜びそうですね。香り付の紙か」
イーグルは勝算があるみたいでふむふむと頷いている。よし!

「そうなの。でね、このアイデアをロゼ領に売ってはどうかしら?」

「アイデアを売る?せっかく考えたのに?」
ミランはびっくりしている。

「だって、コスト面を考えるとウチで商品化しても資金と売上はトントンぐらい?下手したらマイナスよ。なら、パッと出来そうな所にアイデアを売ればいいじゃない?香りのエキスはロゼ領のお家芸でしょう?あのリボンのドレスの時の様にアイデアを売るのよ」

「そうですね。。。確かに、花の香りのサボンは共同開発でしかも限定の単発物ですからね。この話がうまくいけばロゼ領より1段上にいけますね。ロゼ領からすれば全くの新商品を自領から出せる訳ですから」
ミランは頭の中で計算中だ。ロダンは事前にレポートに目を通しているので、黙って聞いている。

「そうなの。香り付けは紙に浸して乾かせばいいと思うし、実験するにも花のエキスを買い取る事自体が出来ないでしょう?万一、アンジェ様が嫁いで来られるから融通してもらえたとしてもエキス代は高いわ。ちょっとしたお手紙セットが高価すぎちゃったら本末転倒だし」

「わかりました。『これは売れそうだけど、どうですか?』と、言う事で話を持って行きましょう。そして、もし売れたらアイデア料を頂くと言う事にしましょうか」
イーグルは話に乗ってきたね~。よしよし。

「ええ。アイデア料はガバッと一括で貰うんじゃなくて、毎月か毎年の売上の 3%とかでいいんじゃない?お金が入るのは後になるけど、その方が後々領にとってもいいと思うの」
そうだよ~、定期的に入るお金は大事だよね。しかも、こっちは労力ゼロでお金が勝手に入ってくる。お兄様達の将来の子供達や孫達にもいい話だよね。

「いいですね。あえて低い利率の方が長く受け取れますし、相手も首を縦に振りやすい。しかも花のエキスの事を考えると他は真似し辛いでしょうし」
さすがミラン。お金の話になるとテンション上がってるぅ。

「ふふふ。どうかしら?今度のお茶会でお話する?それともお兄様がお話を持って行く?」
私は上手く行きそうでちょっと安心した。お手紙セットがないって聞いた時は内心焦ったよ。

「これはお嬢様がお話し下さい。女性の視点が多く含まれておりますし、それとなくお願いします。もし、話に興味がおありでしたら、向こうから聞いてくるでしょう。次はご主人様へ。その時にお金の話をします」
やっと話に入ってきたロダンは、まずは話してみて手応えを確認した方がいいと言っている。

「そうね。では、肝心な事は伏せましょう。始めから譲るって事にしないで『こんな事を考えているんだけどエキスは手に入らないか?』と持ちかけてみるわ」

ロダンは満足そうに頷く。
「そうです。お嬢様合格です。交渉が出来る様になれば、への道へも遠くないですよ」

「もう。ロダンたら」
私の顔は真っ赤だ。今言うなよ、恥ずかしいな。

「参謀?お嬢様は参謀に憧れてるんですか?それとも将来騎士団に?えぇ???」
イーグルは動揺してワタワタし出した。

「ははは、違いますよ。ほら学校行事の魔法対抗戦で、クラスのトップ陣営に選ばれたそうで、お嬢様は参謀役なんですよ。それで先日、手っ取り早くロダンから戦法を聞き出そうとして。ね?」
ミランは笑いながらイーグルに教えている。私は恥ずかしすぎて顔が上げられない。あれワザとだよね、ロダンめ!!!

「それはそれは、さすが我らの姫だ。すばらしい。しかし主将は避けたんですね。やっぱり学校では目立たなくしているのですか?」
イーグルは満面の笑みだ。

「そうよ。21領主だからって前には出てないの。それを理由に大きい顔はしたくないし。ただでさえ側近や何やらで目立つから」

「ははははは。慎ましやかでよろしいです。でも、それでは見目麗しい未来の婿殿が寄り付かないんじゃないですか?」

ははは。それな。。。本当にそれ。

「そうね。でも、ちょっと諦めてるの。地味だからとかじゃなくて、学校にしばらく通って痛感したわ。いいな~、かっこいいな~とは思っても、最後は『かわいいな~』になるのよ。子供を見る様な目線にいつの間にかなってるの。。。ちょっとあの年代のテンションと言うか、青春模様は私には眩しすぎるわ。学校自体の授業は楽しいのよ。異なる世界では一度学生を経験してるんだけど、魔法がない世界だったから毎日ウキウキよ」

「「「。。。」」」
3人のおっさんはお互い顔を見合わせて黙ってしまった。

あれ?

「ジェシー。おばさん臭いな。。。そこは心も17歳になりきってみろよ。色々と器用なんだから出来るだろう?そんなんじゃぁ一生独身だぞ?」
レポートを読み終えたお兄様が私達がいるソファーに来て座る。ミランは立ち上がり紅茶をサーブし始める。

「でも、お兄様、私にはちょっと恋愛の感覚が合わないわ。アダム様の言う通りになるのは悔しいけど。。。」

「ん?アダム様が?」

「ええ。以前に学校で婿を見つけると言ったら『青臭い小僧とは無理だ』とかなんとか。。。ふ~」

「そうか。。。当たりだな。ま~、ジェシーは独身でもいいよ。今や我が領は貧乏からやっと脱出したしな。って、まだ富豪とまでは行かないが。将来は別邸に住めばいいよ」
お兄様はお爺様同様、領にいてもいいと言ってくれた。やった~!

「ありがとう!お兄様!」

「こほん。ご主人様、時期尚早です。お嬢様が30歳になるまでは希望を持ちましょう。その辺りになると、同級生達も精神的に大人になっていますよ、きっと」
ロダンはキッと私を見てお兄様を諭す。余計な事を。。。

「そうか?ま~好きにしろ。それで、このロゼ領の案はいいな。さっき見ながらお前達の会話も聞いていた。それで行こう。あとは、この購買部だな。名前はこれでいいのか?」

「そうですね。『ロクサーヌ学校店』ではロンテーヌ領のイメージが前に出過ぎです。あくまで学生の為にやっている感を出したいのです。ですので、学校と共同出資で名前を変えてもいいんじゃないですか?賃料代わりに売上の数%で契約するとか」

「う~ん。ロダン、イーグルどうだ?」

「そうですね。。。しかし商品はあくまでウチの独占にしてもらわなければ、共同の場合は他領が商品を置きたがるのでは?」
イーグルは利権の問題が引っかかるのかな?

「そうね。店を運営するのはウチにしないとね。共同で運営は学校側がしますってなると話が変わってくるわ」

「まだ、来年の春を目指したとしても、話をまとめる冬になる前までぐらいは時間があります。ちょっと学校側とも話し合いたいですし、購買部の件はミランに預けると言う事で」
ロダンはそう言って今回の話合いを締めくくった。

そうだね~。実現するといいな~。てか、早くお手紙セットが欲しいな~。

感想 405

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです

唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。 すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。 「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて―― 一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。 今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。

【完結】病弱な妹に魔力を分け続け死ぬ寸前の私を、宮廷魔術師になった旧友が攫ってくれました。家族を捨てて幸せになっていいんですか?

未知香
恋愛
「あなたはもう十分楽しんだでしょう? 今度はミアーラの番よ」 膨大な魔力と知識を持ち、聖女候補とまで言われた、天才魔術師エリアーナ。 彼女は、病弱な妹ミアーラの為、家族に言われるまま自らの膨大な魔力を差し出すことにした。 「そうだ。私は健康で、今まで十分に楽しんできた。だから、あげるのは当然だ」 魔力を与え続けた結果、彼女は魔力を失い、容姿も衰え、社交界から姿を消してしまう事となった。 一方、妹ミアーラは姉から与えられた魔力を使い、聖女候補として称賛されるように。 家族の呪縛に縛られ、「今まで多くを貰いすぎていたのだ」と信じ、利用され続けるエリアーナ。 そんな彼女の前に現れたのは、かつての旧友であり宮廷魔術師となった青年だった。 ハッピーエンドです!

そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。

秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」  私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。 「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」  愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。 「――あなたは、この家に要らないのよ」  扇子で私の頬を叩くお母様。  ……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。    消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。

「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった

歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。 だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」 追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。 一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。 誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。 「その言葉は、もう翻訳できません」

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。