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2章 魔法使いとストッカー
38 古代魔法
デザートを食べ終わった私達は湖の方へ移動する。クラスの大半は男子なので、やる事と言えば魔法陣を使ったサーフィン。みんな、板を持って魔法陣で発動した小さな波に乗って遊んでいる。一番はしゃいでいるのは、そう、ロッド先生だ。
「ねぇ、フィン君。あなたは波に乗らないの?」
「あぁ。俺は対戦本番は魔法陣係だから。そんなに乗らなくても平気」
「そう。じゃぁ、ちょっと聞きたい事があるの。いいかしら?」
ん? と首を傾けているけど、フィン君は私の誘いに乗ってくれた。
ロッシーニとニックが、湖から少し離れた、木陰にさっと席を用意してくれる。
「ニーナ君。これは親睦会だから、私に付いていなくていいわ。今日はロッシーニとニック、ロダンがいるし」
ミーナ君は、ロッシーニに確認してから席を離れた。
「ごめんね。フィン君。どうしても聞きたい事があって。来週から夏休みでしょう?」
「いいよ。さっきからミーナ君が波を見てそわそわしてたもんね。俺が付き合うよ」
「ありがとう。では、この本を見てくれる?」
と、私はロック爺にもらった古代文字で書かれた魔法集を見せた。
「すごい! これ! 絶版のやつじゃないか!」
「えっ? そうなの? 実はお祝いにもらった品なの。それで、以前、フィン君が古代魔法陣の研究をしていると言っていたから、ちょっと話が聞きたくて」
「あぁ。そう言う事ね。いいよ。何が聞きたい?」
「これね、古くて文字がよく見えないの。本来の古代文字ってどんなのか聞きたくて。表みたいなのがあるのかしら?」
「古代文字表? 聞いた事がないな… でも、この本の文字は正確には古代文字じゃないよ」
ん? どう言う事?
「あぁ、これはね、わざと文字を崩して書いているんだ。古代文字って威力が… 例えば、古代文字入りの魔法陣と、現代文字の魔法陣、同じ性能であっても、古代文字にするだけで、倍近く威力が違うんだよ」
そうなんだ!
「えっ? じゃぁ、なぜ古代文字は受け継がれていないの? 威力は古代文字の方がいいんでしょう?」
「う~ん。それね。実は、この古代文字って、千年以上前の文字だから古代文字って言われているだけで、千年以上前から今使っている文字もあったんだよ。この古代文字はある賢者、千年前の大魔法使いが発明したものって言われている。その賢者が、古代文字の文字表を作っていなかったんだ。今は、賢者が残した魔法陣の写しがあるだけ。それも、千年の間に、人から人へ書き写されて本来の文字と少し異なってきていると言われている」
「そうなのね。それで、この本は更に崩して書かれていると?」
「そう。古代文字の威力は絶大だ。ちょっと素人には危険だからね。一般に売り出された本に書かれている古代文字関係は、ほとんどが『こんな感じ』で要素を組み込むお手本として書かれているから、声にして読まないように崩して書いてある。まぁ、古代文字を発音出来る人は少ないだろうけどね。念の為じゃないかな。本物が見たいなら、学校の図書室か、王立図書館しかないよ。ちなみに、学校の魔法塔に書かれていた古代魔法陣も崩した文字だった」
「そう。じゃぁ、古代魔法陣は崩してあっても威力は違うの?」
「うん。千年前と多少変わっているだろうけど、現代語の魔法陣よりは、崩したやつで軽く2割増しは違う」
へ~。すごいな。だから崩れた古代文字自体も残ってるのか。
「はっきり残っていれば… 残念だわ。古代文字っておもしろいわね」
バン! と机に手を突っぱねて、立ち上がったフィン君はウキウキしている。
「ジェシカ君! 古代文字ってロマンだろ! わかってくれる人がいるなんて! うれしいよ。そうだ、何か書く物はない?」
何? 何? いきなりテンション上がっちゃって。スイッチ押しちゃった系?
「ロダン、お願い」
と、私はロダンに目配せし紙と筆記用具を用意してもらった。
フィン君は紙に何かを書きながら話を続ける。
「これは一部なんだけど、本当は古代文字は48個あると言われている。俺がきちんと書けるのはこれだけなんだ」
と、5つの古代文字をフィン君は書いてくれた。
私は紙を受け取り文字を見る。
「!!!!!」
これ。これ。。。あかんヤツやん。
『カ』『エ』『ユ』『?』『サ』
そこに書かれていた文字はカタカナ。ちょっと形は悪いけど。完全にカタカナ。
私は紙を回して見たり、色々やてみたが、やっぱりカタカナ。
「へ、へぇ~。すごいね。これは読めたりするの?」
「えっ? うん。これは『カ』だよ」
発音は日本語。完全に『カ』だ。『?』が混じるってことは46文字+特殊文字か。
はぁぁぁぁぁ。またしても、異なる世界がぁぁぁ。国の案件だよね。
いや、待てよ。これは気付いてない方向で行く? 私が自白しなきゃ誰にもわかんないよね。どうしよう。
ちらっとロダンを見ると、バッチリ目が… 合うよね~。
いつも以上にニコッとしているロダンが怖い。これは私が何か見つけた事を感知している事100パー。逃げられない。
「それでね、古代文字が混じる魔法陣と古代文字で唱える魔法があるんだけど、ジェシカ君の本は古代文字で唱える魔法、呪文の本だね」
「そ、そう… ありがとう。今度、図書館へ行ってみるわ。もし手助けがいるようならお願いしてもいい?」
「全然。いつでも聞いて」
フィン君は古代文字研究仲間ができてうれしいと浮かれている。
「ありがとう。勉強になったわ。フィン君、せっかくの親睦会だし、遠慮せず他の人とも遊んで来てね」
「そう? じゃぁ、また」
と、フィン君は私の後ろのロダン達に会釈して、サーフィン軍団へ走って行った。
『はぁぁぁぁぁ』と、私は深いため息をつきながら紙を凝視する。
ロック爺にもらった本をペラっとめくると、今までと違った感じに見えてきた。カタカナだと思ってみれば、見えなくもない… はぁぁぁ。
「お嬢様。どうされました? ここで聞いてもいい事でしょうか?」
「う~ん。国、と言うか歴史? いや、国の案件ね。でも、確証を得る為にちょっと調べた方がいいかも」
「そうですか… では、後ほどお願いしますね」
「は~い」
私は少し考えたいからと、そのまま1人でお茶を続けた。湖にはクラスメイトがキャハハとはしゃいでいるのが見える。平和だな~と思いながら、今後の展開を考える。
カタカナって事は千年前の賢者は日本人。それも現代日本語表記のカタカナだから第二次世界大戦以降の生まれ。って事は、結構私と近い時代の転生者?
「ねぇ、フィン君。あなたは波に乗らないの?」
「あぁ。俺は対戦本番は魔法陣係だから。そんなに乗らなくても平気」
「そう。じゃぁ、ちょっと聞きたい事があるの。いいかしら?」
ん? と首を傾けているけど、フィン君は私の誘いに乗ってくれた。
ロッシーニとニックが、湖から少し離れた、木陰にさっと席を用意してくれる。
「ニーナ君。これは親睦会だから、私に付いていなくていいわ。今日はロッシーニとニック、ロダンがいるし」
ミーナ君は、ロッシーニに確認してから席を離れた。
「ごめんね。フィン君。どうしても聞きたい事があって。来週から夏休みでしょう?」
「いいよ。さっきからミーナ君が波を見てそわそわしてたもんね。俺が付き合うよ」
「ありがとう。では、この本を見てくれる?」
と、私はロック爺にもらった古代文字で書かれた魔法集を見せた。
「すごい! これ! 絶版のやつじゃないか!」
「えっ? そうなの? 実はお祝いにもらった品なの。それで、以前、フィン君が古代魔法陣の研究をしていると言っていたから、ちょっと話が聞きたくて」
「あぁ。そう言う事ね。いいよ。何が聞きたい?」
「これね、古くて文字がよく見えないの。本来の古代文字ってどんなのか聞きたくて。表みたいなのがあるのかしら?」
「古代文字表? 聞いた事がないな… でも、この本の文字は正確には古代文字じゃないよ」
ん? どう言う事?
「あぁ、これはね、わざと文字を崩して書いているんだ。古代文字って威力が… 例えば、古代文字入りの魔法陣と、現代文字の魔法陣、同じ性能であっても、古代文字にするだけで、倍近く威力が違うんだよ」
そうなんだ!
「えっ? じゃぁ、なぜ古代文字は受け継がれていないの? 威力は古代文字の方がいいんでしょう?」
「う~ん。それね。実は、この古代文字って、千年以上前の文字だから古代文字って言われているだけで、千年以上前から今使っている文字もあったんだよ。この古代文字はある賢者、千年前の大魔法使いが発明したものって言われている。その賢者が、古代文字の文字表を作っていなかったんだ。今は、賢者が残した魔法陣の写しがあるだけ。それも、千年の間に、人から人へ書き写されて本来の文字と少し異なってきていると言われている」
「そうなのね。それで、この本は更に崩して書かれていると?」
「そう。古代文字の威力は絶大だ。ちょっと素人には危険だからね。一般に売り出された本に書かれている古代文字関係は、ほとんどが『こんな感じ』で要素を組み込むお手本として書かれているから、声にして読まないように崩して書いてある。まぁ、古代文字を発音出来る人は少ないだろうけどね。念の為じゃないかな。本物が見たいなら、学校の図書室か、王立図書館しかないよ。ちなみに、学校の魔法塔に書かれていた古代魔法陣も崩した文字だった」
「そう。じゃぁ、古代魔法陣は崩してあっても威力は違うの?」
「うん。千年前と多少変わっているだろうけど、現代語の魔法陣よりは、崩したやつで軽く2割増しは違う」
へ~。すごいな。だから崩れた古代文字自体も残ってるのか。
「はっきり残っていれば… 残念だわ。古代文字っておもしろいわね」
バン! と机に手を突っぱねて、立ち上がったフィン君はウキウキしている。
「ジェシカ君! 古代文字ってロマンだろ! わかってくれる人がいるなんて! うれしいよ。そうだ、何か書く物はない?」
何? 何? いきなりテンション上がっちゃって。スイッチ押しちゃった系?
「ロダン、お願い」
と、私はロダンに目配せし紙と筆記用具を用意してもらった。
フィン君は紙に何かを書きながら話を続ける。
「これは一部なんだけど、本当は古代文字は48個あると言われている。俺がきちんと書けるのはこれだけなんだ」
と、5つの古代文字をフィン君は書いてくれた。
私は紙を受け取り文字を見る。
「!!!!!」
これ。これ。。。あかんヤツやん。
『カ』『エ』『ユ』『?』『サ』
そこに書かれていた文字はカタカナ。ちょっと形は悪いけど。完全にカタカナ。
私は紙を回して見たり、色々やてみたが、やっぱりカタカナ。
「へ、へぇ~。すごいね。これは読めたりするの?」
「えっ? うん。これは『カ』だよ」
発音は日本語。完全に『カ』だ。『?』が混じるってことは46文字+特殊文字か。
はぁぁぁぁぁ。またしても、異なる世界がぁぁぁ。国の案件だよね。
いや、待てよ。これは気付いてない方向で行く? 私が自白しなきゃ誰にもわかんないよね。どうしよう。
ちらっとロダンを見ると、バッチリ目が… 合うよね~。
いつも以上にニコッとしているロダンが怖い。これは私が何か見つけた事を感知している事100パー。逃げられない。
「それでね、古代文字が混じる魔法陣と古代文字で唱える魔法があるんだけど、ジェシカ君の本は古代文字で唱える魔法、呪文の本だね」
「そ、そう… ありがとう。今度、図書館へ行ってみるわ。もし手助けがいるようならお願いしてもいい?」
「全然。いつでも聞いて」
フィン君は古代文字研究仲間ができてうれしいと浮かれている。
「ありがとう。勉強になったわ。フィン君、せっかくの親睦会だし、遠慮せず他の人とも遊んで来てね」
「そう? じゃぁ、また」
と、フィン君は私の後ろのロダン達に会釈して、サーフィン軍団へ走って行った。
『はぁぁぁぁぁ』と、私は深いため息をつきながら紙を凝視する。
ロック爺にもらった本をペラっとめくると、今までと違った感じに見えてきた。カタカナだと思ってみれば、見えなくもない… はぁぁぁ。
「お嬢様。どうされました? ここで聞いてもいい事でしょうか?」
「う~ん。国、と言うか歴史? いや、国の案件ね。でも、確証を得る為にちょっと調べた方がいいかも」
「そうですか… では、後ほどお願いしますね」
「は~い」
私は少し考えたいからと、そのまま1人でお茶を続けた。湖にはクラスメイトがキャハハとはしゃいでいるのが見える。平和だな~と思いながら、今後の展開を考える。
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