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2章 魔法使いとストッカー
43 ルーベン様のお願い
「では、我々も帰還しましょう」
ロダンは早急にこの場から離れたいのか、帰り支度の指示を出し始めた。
「あぁ、すまんジェシカ嬢。少しいいだろうか?」
帰ろうとしていた私は、洞窟外で騎士団と話していた第一王子様に捕まった。嫌とは言えないので渋々了承し、テントへ入ることにする。
「そんなふくれ面をするな。少し話すだけだ。ははは、私のジェシーはいつになったら腹芸を覚えるんだい?」
「ジェシーではありません、ジェシカです。てか、ワザとやってるでしょう? それ。いい加減おちょくるのを止めてもらえませんか?」
「ふふふ。まぁ、まずは、神竜グランド様の事、この度はとても助かった。ありがとう」
「はい。上手くいってよかったです」
「あぁ。詳細は私から王へ報告をしておくのでジェシカはこのまま帰宅してもらって構わん」
と、ここでロダンと話していたアダム様が口を挟んできた。
「ルーベン様、よろしいでしょうか? 報告云々は置いておいて、ジェシカ嬢にはもう一度だけ陛下に会って頂きます。夏休みはその後です」
「え~。エド様に報告しなくていいのに… 会う必要があるの?」
「あぁ。非公式ではあるが王族としてのケジメがある。了承してくれ」
メンツねぇ。はぁ、面倒くさいな。
「… わかりました。でもすぐに終わらせて下さいね」
「あぁ」
と、アダム様は含み笑いをしながらまたロダンの元に戻って行った。
「で? ルーベン様は何用ですか? わざわざ呼び止めたんですものそれだけじゃないですよね?」
「お見通しかい? ちょっと相談と言うか、私からお願い事があるんだ」
げっ。嫌な予感しかしない。王子様のこの顔見てよ。ニタニタと… 絶対面倒くさい事間違いなし。
私が無言で睨んでいるといきなり大声で笑い出す。
「あはは。睨むなよ~、久しぶりだな。こんな感じ。いいねぇ、やっぱり側に欲しいな」
…
王子様の声を聞いた離れて作業しているロダンは、無言ながらしっかりと殺気をバンバン飛ばしている。
「はいはい。それで?」
「あぁ。あはは、すまない。実はね、最近陛下より次期王になる為に色々と仕事を振られていてね」
「それはそれは」
「ある人物の受け入れ先がなくてね、正直困っているんだ。まだまだ10代だから何とかしてやりたいんだが… どこも首を縦に振ってくれないんだ。もちろん王城の牢で幽閉でもいいんだが… 我々も牢と言えど、その者を王都に置いて置きたくないんだよ」
牢? って事は犯罪者? 誰だ?
「ややこしい人でしょうか? てか、私に出来るようなものなんでしょうか?」
「あぁ、ある意味ジェシカにもってこいだよ」
はぁ? 全くもってわからない。
「ふふふ。そうだな~、まだわからない? ヒントはピンクだよ」
!!!
「はぁ? ピンクってあのピンクちゃん?」
「そう、ピンクちゃん」
「いやいやいや、なんで私? あの人は確か罰を受けてどっかの修道院じゃなかったでしたっけ?」
「それね~。確かに魔法封じをして修道院へ送ったんだけど… そこの司祭が匙を投げてしまってね」
「何ですかそれ? 司祭様? は道を正すのも仕事でしょう? よりにもよって何で私になんかに!」
「彼女には清く正しい生活が出来ないみたいでね、他の修道院の者たちに悪影響なんだそうだ」
「それこそ司祭様の怠慢なのでは? そういうのを学ばせるのも…」
「あぁ、ジェシカ。修道院に入る者が皆犯罪者ではないんだ。それにあの子は王族に害をなした者だ。誰もがあまり目をかけようと思わない… 仕方がないと言えばそうなのだが。それにね、彼女は役には立たないが君と同じだろう? その辺りの常識も含めてジェシカの方が気持ちがわかるのではないか?」
「いや、しかし… 私にどうしろと?」
「ほら、先ごろとても発展してきた君の領の教会へ彼女を入れてくれないか? 聞いた所によると今は孤児だけであろう? それに領地が王都からも遠い。そこなら誰もが気にも留めないと思うし、彼女もやり直せるんじゃないか? 今は魔法も使えないただの平民。まぁ、罪人だが、罪は負ったんだ。どうにかならないだろうか?」
う~ん。なぜに私。接点は前世の記憶があるのみ。そんな彼女を助ける?
「どうにもできませんよ。魔法が使えないなら領民にも害はないでしょうが… 私彼女の事を何も知りませんよ。人物的に大丈夫なんですか?」
「大丈夫だろう。あれから一度話したがただの阿呆だ。中身がないただの子供だった」
そうなの? まぁ、15歳で転生したとか言ってたな。う~ん。
「私の一存では何とも…」
私が渋っていると王子様はニヤッと笑い2本の指を突き出してくる。いつの間にかロダンは私の後ろに来ていた。
「もし了承してくれるのなら君へのプレゼントが2つある」
私はロダンを振り返り『どうする?』と目線を送る。ロダンはムッスリしながら頷いた。
「第1に彼女が20歳になるまでの2年間、教会への支援として援助金を払う」
お金か。まぁ、普通だな。
「第2に、これは君にとってとても役に立つと思うよ」
自信有り気にウィンクする王子様。何だよ、もったいぶらないで早く言ってよ。
「第2に?」
「今後、今この時より、私が君の後ろ盾になろう」
ん? どこが役に立つの?
「あれ? わからない? 本当に鈍感なのか? それとも周囲に目がいってないのか?」
王子様は後ろのロダンに『こいつ大丈夫か?』という合図を送っている。ロダンは、はぁ~と大きなため息を吐いて私の肩に手を置いた。
「お嬢様。このお話をお受けいたしましょう。ご主人様には私から言いますのでご安心を。恐らくご主人様でもこの申し入れは了承いたします」
「え? そうなの? ルーベン様の後ろ盾ってそんなにすごいの?」
王子様とロダンはガッカリな顔をして私を見る。
「ジェシカ、お前は… 叔父上のジェミニーと父上から君を守れると言っているんだ」
「はぁぁ~。ん?」
「私が後ろ盾になったら今後は無理難題は言ってこれない… と言うか言えない。次期王だからな。それに現王の父上への牽制にもなる。君の兄では太刀打ちできない問題も私では『否』と言えるようになる。今までそれでいい様に使われていた節はないか?」
ある。確かにある。
「う~ん。何とも納得いかないような…」
「そうか? 結構な事だぞ?」
てか、ルーベン様自身は? って、みんなこの人の事警戒してなかったっけ?
「わかりました。では、私からもいいでしょうか?」
「ん? 聞くだけ聞こうか?」
「簡単な事です。今後は冗談でもジェシーと呼ばないで下さい。私の周りが心配します。この際ですから、ここにいる皆に周知して欲しいのです。ルーベン様は私に恋愛的な感情がない事を」
私の一言で、リットとランド、ロッシーニ、アダム様が目を丸くした。ロダンは流石と言うべきか、微動だにしない。知っていたのかな?
「あはははは。そうか? もうダメか? 私にとってイイ口実だったんだがなぁ」
「心にもないくせに。私と言う珍しいおもちゃに興味はあっても愛情はないでしょう?」
「ふふふ。多少は友愛? 妹的な愛情はあるよ」
「はいはい。どうせ婚期を遅らせる言い訳か… それとも~誰にも言えない恋人でもいるのでしょう?」
「はい、そこまで。ジェシカ、それ以上言うならジェシーって呼んでしまうよ?」
当たりか。王子様は笑顔だけど目が笑っていない。突き刺すような目で私を脅している。
「では、今後はジェシカでお願いしますね。ルーベンお兄様。この事はちゃんと書面にしてもらいますからね」
「了解したよ、あはは、ジェシカ」
ロダンは早急にこの場から離れたいのか、帰り支度の指示を出し始めた。
「あぁ、すまんジェシカ嬢。少しいいだろうか?」
帰ろうとしていた私は、洞窟外で騎士団と話していた第一王子様に捕まった。嫌とは言えないので渋々了承し、テントへ入ることにする。
「そんなふくれ面をするな。少し話すだけだ。ははは、私のジェシーはいつになったら腹芸を覚えるんだい?」
「ジェシーではありません、ジェシカです。てか、ワザとやってるでしょう? それ。いい加減おちょくるのを止めてもらえませんか?」
「ふふふ。まぁ、まずは、神竜グランド様の事、この度はとても助かった。ありがとう」
「はい。上手くいってよかったです」
「あぁ。詳細は私から王へ報告をしておくのでジェシカはこのまま帰宅してもらって構わん」
と、ここでロダンと話していたアダム様が口を挟んできた。
「ルーベン様、よろしいでしょうか? 報告云々は置いておいて、ジェシカ嬢にはもう一度だけ陛下に会って頂きます。夏休みはその後です」
「え~。エド様に報告しなくていいのに… 会う必要があるの?」
「あぁ。非公式ではあるが王族としてのケジメがある。了承してくれ」
メンツねぇ。はぁ、面倒くさいな。
「… わかりました。でもすぐに終わらせて下さいね」
「あぁ」
と、アダム様は含み笑いをしながらまたロダンの元に戻って行った。
「で? ルーベン様は何用ですか? わざわざ呼び止めたんですものそれだけじゃないですよね?」
「お見通しかい? ちょっと相談と言うか、私からお願い事があるんだ」
げっ。嫌な予感しかしない。王子様のこの顔見てよ。ニタニタと… 絶対面倒くさい事間違いなし。
私が無言で睨んでいるといきなり大声で笑い出す。
「あはは。睨むなよ~、久しぶりだな。こんな感じ。いいねぇ、やっぱり側に欲しいな」
…
王子様の声を聞いた離れて作業しているロダンは、無言ながらしっかりと殺気をバンバン飛ばしている。
「はいはい。それで?」
「あぁ。あはは、すまない。実はね、最近陛下より次期王になる為に色々と仕事を振られていてね」
「それはそれは」
「ある人物の受け入れ先がなくてね、正直困っているんだ。まだまだ10代だから何とかしてやりたいんだが… どこも首を縦に振ってくれないんだ。もちろん王城の牢で幽閉でもいいんだが… 我々も牢と言えど、その者を王都に置いて置きたくないんだよ」
牢? って事は犯罪者? 誰だ?
「ややこしい人でしょうか? てか、私に出来るようなものなんでしょうか?」
「あぁ、ある意味ジェシカにもってこいだよ」
はぁ? 全くもってわからない。
「ふふふ。そうだな~、まだわからない? ヒントはピンクだよ」
!!!
「はぁ? ピンクってあのピンクちゃん?」
「そう、ピンクちゃん」
「いやいやいや、なんで私? あの人は確か罰を受けてどっかの修道院じゃなかったでしたっけ?」
「それね~。確かに魔法封じをして修道院へ送ったんだけど… そこの司祭が匙を投げてしまってね」
「何ですかそれ? 司祭様? は道を正すのも仕事でしょう? よりにもよって何で私になんかに!」
「彼女には清く正しい生活が出来ないみたいでね、他の修道院の者たちに悪影響なんだそうだ」
「それこそ司祭様の怠慢なのでは? そういうのを学ばせるのも…」
「あぁ、ジェシカ。修道院に入る者が皆犯罪者ではないんだ。それにあの子は王族に害をなした者だ。誰もがあまり目をかけようと思わない… 仕方がないと言えばそうなのだが。それにね、彼女は役には立たないが君と同じだろう? その辺りの常識も含めてジェシカの方が気持ちがわかるのではないか?」
「いや、しかし… 私にどうしろと?」
「ほら、先ごろとても発展してきた君の領の教会へ彼女を入れてくれないか? 聞いた所によると今は孤児だけであろう? それに領地が王都からも遠い。そこなら誰もが気にも留めないと思うし、彼女もやり直せるんじゃないか? 今は魔法も使えないただの平民。まぁ、罪人だが、罪は負ったんだ。どうにかならないだろうか?」
う~ん。なぜに私。接点は前世の記憶があるのみ。そんな彼女を助ける?
「どうにもできませんよ。魔法が使えないなら領民にも害はないでしょうが… 私彼女の事を何も知りませんよ。人物的に大丈夫なんですか?」
「大丈夫だろう。あれから一度話したがただの阿呆だ。中身がないただの子供だった」
そうなの? まぁ、15歳で転生したとか言ってたな。う~ん。
「私の一存では何とも…」
私が渋っていると王子様はニヤッと笑い2本の指を突き出してくる。いつの間にかロダンは私の後ろに来ていた。
「もし了承してくれるのなら君へのプレゼントが2つある」
私はロダンを振り返り『どうする?』と目線を送る。ロダンはムッスリしながら頷いた。
「第1に彼女が20歳になるまでの2年間、教会への支援として援助金を払う」
お金か。まぁ、普通だな。
「第2に、これは君にとってとても役に立つと思うよ」
自信有り気にウィンクする王子様。何だよ、もったいぶらないで早く言ってよ。
「第2に?」
「今後、今この時より、私が君の後ろ盾になろう」
ん? どこが役に立つの?
「あれ? わからない? 本当に鈍感なのか? それとも周囲に目がいってないのか?」
王子様は後ろのロダンに『こいつ大丈夫か?』という合図を送っている。ロダンは、はぁ~と大きなため息を吐いて私の肩に手を置いた。
「お嬢様。このお話をお受けいたしましょう。ご主人様には私から言いますのでご安心を。恐らくご主人様でもこの申し入れは了承いたします」
「え? そうなの? ルーベン様の後ろ盾ってそんなにすごいの?」
王子様とロダンはガッカリな顔をして私を見る。
「ジェシカ、お前は… 叔父上のジェミニーと父上から君を守れると言っているんだ」
「はぁぁ~。ん?」
「私が後ろ盾になったら今後は無理難題は言ってこれない… と言うか言えない。次期王だからな。それに現王の父上への牽制にもなる。君の兄では太刀打ちできない問題も私では『否』と言えるようになる。今までそれでいい様に使われていた節はないか?」
ある。確かにある。
「う~ん。何とも納得いかないような…」
「そうか? 結構な事だぞ?」
てか、ルーベン様自身は? って、みんなこの人の事警戒してなかったっけ?
「わかりました。では、私からもいいでしょうか?」
「ん? 聞くだけ聞こうか?」
「簡単な事です。今後は冗談でもジェシーと呼ばないで下さい。私の周りが心配します。この際ですから、ここにいる皆に周知して欲しいのです。ルーベン様は私に恋愛的な感情がない事を」
私の一言で、リットとランド、ロッシーニ、アダム様が目を丸くした。ロダンは流石と言うべきか、微動だにしない。知っていたのかな?
「あはははは。そうか? もうダメか? 私にとってイイ口実だったんだがなぁ」
「心にもないくせに。私と言う珍しいおもちゃに興味はあっても愛情はないでしょう?」
「ふふふ。多少は友愛? 妹的な愛情はあるよ」
「はいはい。どうせ婚期を遅らせる言い訳か… それとも~誰にも言えない恋人でもいるのでしょう?」
「はい、そこまで。ジェシカ、それ以上言うならジェシーって呼んでしまうよ?」
当たりか。王子様は笑顔だけど目が笑っていない。突き刺すような目で私を脅している。
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※小説家になろうさんにも投稿しています。