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1章 ようこそ第7騎士団へ
17 某参謀の転機
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毎日、そう毎日。同じ時間に登城し、同じ顔ぶれと仕事を開始する。
私の仕事は総騎士の頂点、第1騎士団の参謀である。戦時はこの頭脳を働かせ、平時は総団長の右腕としてお側に仕えている。とは言っても、ほとんどが各騎士団からの相談や苦情処理に回っているのだが…
いつしか白髪が目立つようになり、体力も全盛期を過ぎてしまった。
近頃は、ふとした時、いつの間にか若い頃をよく思い出しては懐かしんでいる自分に気がついた。
もう歳だな。
そろそろ潮時なのかもしれない。下の息子も成人を迎えた事だし、妻は2年前に逝ってしまったしな。田舎でのんびりスローライフもいいだろう。丁度、隣国との戦争が終結しそうだしな。
そう思った私は、翌日には退職届を団長へ提出していた。
「おい、ドーン。いつもの引退したい病か? 忙し過ぎたか?」
「ははは。今回はもう本当に… よくよく考えての事です。このまま終戦へ向かうようですし、丁度キリがいいかと。田舎へ行きたいなんて、ね」
「本気か?」
「ええ」
団長はじっと私を見て、小さなため息をついた。
「わかった。第1の後任を決めるには少し時間がかかる。陛下にも相談をしないといけないしな。少し待ってくれ。一旦俺が預かる」
「まぁ、そうでしょうね。でも1年も待つ気はありませんので。予想の範囲内です… 待ちますよ、少しぐらい。あと、私からも後任の推薦者を出しましょうか?」
「そうだな」
「ええ。では」
私は、やっと退職出来ると思ったら心がスッと軽くなった。結構、役職にプレッシャーを感じていたのか?
「ははは、案外小心者だったのか? いや、今更… しかし心が晴れやかだな」
こうして私は後任を選出したり、少しづつデスク周りを掃除したりと、数日だったが退職に向けて上機嫌で後始末をしていた。
「ドーンよ。久しいな。先の戦では見事な作戦が功を奏したな」
「いえ、恐れ入ります陛下」
退職願を出してから1週間後、早々に陛下に呼び出しを食らった。
「さて、呼び出した理由はわかっているな?」
「はい。進退の事でしょうか?」
「あぁ。辞めてどうするつもりだ?」
「領地の端で農夫の真似事などしようかと思っております。子も成人し、妻も先に逝きましたから」
「… そうか」
陛下はそう言ってしばらく沈黙した。
ん? 受理されない予感がする。またのらりくらりと躱されるのか?
「恐れながら陛下… もう平和な世になりました。私の頭脳は必要ないかと」
「ん? そうだな… よし、最後の王命だ。これを成せば退職を許そう」
「はい? 王命ですか?」
ニヤッと笑った陛下が私を見る。い、嫌な予感。
「ドーン・イングラッシュに命ずる。第7騎士団を立て直し王都の民を平和へ導け」
「はぁ???」
「あはははは。ドーンもそんな顔が出来るのだな? 第7は今や騎士団とも呼べぬほど機能していない。辛うじて優秀な数名の騎士で持っているんだ。お前のその頭脳で見事第7を立て直してみせよ」
この小僧!!! いつもそうだ。どうしようも無くなるまで放置した挙句、私になすり付ける。
私は怒りを鎮めて、低い声でやんわり断る。
「そんな大役… 身に余ります」
「ふふふ、腹の虫が怒り出したか? そんな殺気を飛ばすな。第7はクビにしたい奴の程の良い場所だったんだが、もう切る者が居なくなったのと、放置し過ぎてな… ははは。あと…」
「まだあるんですか?」
「あぁ。先の戦争で敵の宰相と相対した者が居ただろう?」
「確か、第2の中位騎士だったような… それが?」
「たまたまとは言え、敵国の団長を討ち取り終戦に導いた功績は無視出来ん。色々と意見が出たのだが、昇進だけじゃ今回の働きに対しては足りなくてな。領地や爵位とも思ったが、女性騎士でな…」
「女性でしたか… それならばフラフラしている王子の婚約者にでもすればどうです? 戦争の英雄でしょ? 女性だから女神か?」
で? そんな騎士の事などどうでもいいんだが?
「フラフラとは手厳しいな… まぁフラついてるか? はは。その女性騎士は子爵位なんだ。王子とは少し身分が釣り合わないんだよ」
「それで? その女性騎士をどうしろと?」
「第7の団長にでも据えようかと思ってな。あの第7なら文句は出まい? 功績としては『団長職』だ。十分だろう? それでな、いくらお飾り団長と言えど第7の問題はどうにかしなくてはいけない。そこでお前だ」
はぁぁぁぁ。ちょっとキレそう。こいつ!
「その騎士を補佐? 操作? まぁ、何でもいいから副団長に就任して欲しい」
「…」
私は無言で陛下へ殺気を飛ばす。
「ドーン。19歳の小娘団長と元第1参謀の副団長、面白い組み合わせだろ? それに第7だ。今はどうしようもないが、お前の大昔の古巣だろ? 新人時代を思い出せ。初心に戻れば少しは気が晴れるんじゃないか? お前の奮闘ぶりをここで見させてもらう」
「その言い方、決定ですね? いつから?」
「ある日、お前が空を見てため息吐いたのを見た時から… か?」
「… そうでしたか」
「やってくれるな?」
「わかりました… 謹んで拝命したします」
それから、その女性騎士と会ったのは褒賞の授与式だった。貴族には珍しく表情がコロコロ変わる小柄な少女だった。震える手で団長の腕章を受け取っていた。
なぜか私はその様子を『好ましい』と感じてしまった。
貴族令嬢としての所作や騎士としての表情など、全てにおいて及第点だったが、なぜか彼女を包む雰囲気に好印象を受けたのだ。
初めて挨拶をした時の顔。あんぐり開けた口が今でも忘れられない。
彼女は予想以上の女性だった。元参謀の私に怯む事も無く遠慮もしない。次々と団の為にアイデアを出して実行していく。団長として、本当に団や騎士達の為に精一杯がんばっている。自然と私も、そんな前向きな彼女の手伝いに回っていて色々と助力をしている。最初は、団長に成り変わって… などと考えて、あえて好意的に近づいたのだが… そんな必要はなかったな。
陛下、第7は違った意味で生まれ変わるでしょう。私も引退したいと思う気持ちがどこかへ飛んでいってしまいました。
どこまで計算されていたのか… 陛下。やっぱり私はあなたが嫌いだ。
私の仕事は総騎士の頂点、第1騎士団の参謀である。戦時はこの頭脳を働かせ、平時は総団長の右腕としてお側に仕えている。とは言っても、ほとんどが各騎士団からの相談や苦情処理に回っているのだが…
いつしか白髪が目立つようになり、体力も全盛期を過ぎてしまった。
近頃は、ふとした時、いつの間にか若い頃をよく思い出しては懐かしんでいる自分に気がついた。
もう歳だな。
そろそろ潮時なのかもしれない。下の息子も成人を迎えた事だし、妻は2年前に逝ってしまったしな。田舎でのんびりスローライフもいいだろう。丁度、隣国との戦争が終結しそうだしな。
そう思った私は、翌日には退職届を団長へ提出していた。
「おい、ドーン。いつもの引退したい病か? 忙し過ぎたか?」
「ははは。今回はもう本当に… よくよく考えての事です。このまま終戦へ向かうようですし、丁度キリがいいかと。田舎へ行きたいなんて、ね」
「本気か?」
「ええ」
団長はじっと私を見て、小さなため息をついた。
「わかった。第1の後任を決めるには少し時間がかかる。陛下にも相談をしないといけないしな。少し待ってくれ。一旦俺が預かる」
「まぁ、そうでしょうね。でも1年も待つ気はありませんので。予想の範囲内です… 待ちますよ、少しぐらい。あと、私からも後任の推薦者を出しましょうか?」
「そうだな」
「ええ。では」
私は、やっと退職出来ると思ったら心がスッと軽くなった。結構、役職にプレッシャーを感じていたのか?
「ははは、案外小心者だったのか? いや、今更… しかし心が晴れやかだな」
こうして私は後任を選出したり、少しづつデスク周りを掃除したりと、数日だったが退職に向けて上機嫌で後始末をしていた。
「ドーンよ。久しいな。先の戦では見事な作戦が功を奏したな」
「いえ、恐れ入ります陛下」
退職願を出してから1週間後、早々に陛下に呼び出しを食らった。
「さて、呼び出した理由はわかっているな?」
「はい。進退の事でしょうか?」
「あぁ。辞めてどうするつもりだ?」
「領地の端で農夫の真似事などしようかと思っております。子も成人し、妻も先に逝きましたから」
「… そうか」
陛下はそう言ってしばらく沈黙した。
ん? 受理されない予感がする。またのらりくらりと躱されるのか?
「恐れながら陛下… もう平和な世になりました。私の頭脳は必要ないかと」
「ん? そうだな… よし、最後の王命だ。これを成せば退職を許そう」
「はい? 王命ですか?」
ニヤッと笑った陛下が私を見る。い、嫌な予感。
「ドーン・イングラッシュに命ずる。第7騎士団を立て直し王都の民を平和へ導け」
「はぁ???」
「あはははは。ドーンもそんな顔が出来るのだな? 第7は今や騎士団とも呼べぬほど機能していない。辛うじて優秀な数名の騎士で持っているんだ。お前のその頭脳で見事第7を立て直してみせよ」
この小僧!!! いつもそうだ。どうしようも無くなるまで放置した挙句、私になすり付ける。
私は怒りを鎮めて、低い声でやんわり断る。
「そんな大役… 身に余ります」
「ふふふ、腹の虫が怒り出したか? そんな殺気を飛ばすな。第7はクビにしたい奴の程の良い場所だったんだが、もう切る者が居なくなったのと、放置し過ぎてな… ははは。あと…」
「まだあるんですか?」
「あぁ。先の戦争で敵の宰相と相対した者が居ただろう?」
「確か、第2の中位騎士だったような… それが?」
「たまたまとは言え、敵国の団長を討ち取り終戦に導いた功績は無視出来ん。色々と意見が出たのだが、昇進だけじゃ今回の働きに対しては足りなくてな。領地や爵位とも思ったが、女性騎士でな…」
「女性でしたか… それならばフラフラしている王子の婚約者にでもすればどうです? 戦争の英雄でしょ? 女性だから女神か?」
で? そんな騎士の事などどうでもいいんだが?
「フラフラとは手厳しいな… まぁフラついてるか? はは。その女性騎士は子爵位なんだ。王子とは少し身分が釣り合わないんだよ」
「それで? その女性騎士をどうしろと?」
「第7の団長にでも据えようかと思ってな。あの第7なら文句は出まい? 功績としては『団長職』だ。十分だろう? それでな、いくらお飾り団長と言えど第7の問題はどうにかしなくてはいけない。そこでお前だ」
はぁぁぁぁ。ちょっとキレそう。こいつ!
「その騎士を補佐? 操作? まぁ、何でもいいから副団長に就任して欲しい」
「…」
私は無言で陛下へ殺気を飛ばす。
「ドーン。19歳の小娘団長と元第1参謀の副団長、面白い組み合わせだろ? それに第7だ。今はどうしようもないが、お前の大昔の古巣だろ? 新人時代を思い出せ。初心に戻れば少しは気が晴れるんじゃないか? お前の奮闘ぶりをここで見させてもらう」
「その言い方、決定ですね? いつから?」
「ある日、お前が空を見てため息吐いたのを見た時から… か?」
「… そうでしたか」
「やってくれるな?」
「わかりました… 謹んで拝命したします」
それから、その女性騎士と会ったのは褒賞の授与式だった。貴族には珍しく表情がコロコロ変わる小柄な少女だった。震える手で団長の腕章を受け取っていた。
なぜか私はその様子を『好ましい』と感じてしまった。
貴族令嬢としての所作や騎士としての表情など、全てにおいて及第点だったが、なぜか彼女を包む雰囲気に好印象を受けたのだ。
初めて挨拶をした時の顔。あんぐり開けた口が今でも忘れられない。
彼女は予想以上の女性だった。元参謀の私に怯む事も無く遠慮もしない。次々と団の為にアイデアを出して実行していく。団長として、本当に団や騎士達の為に精一杯がんばっている。自然と私も、そんな前向きな彼女の手伝いに回っていて色々と助力をしている。最初は、団長に成り変わって… などと考えて、あえて好意的に近づいたのだが… そんな必要はなかったな。
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