転生騎士団長の歩き方

Akila

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1章 ようこそ第7騎士団へ

23 秘密の作戦

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「今日は上がっていいわ。お疲れ様」

西門から帰宅した私達は少し早いが今日の業務を終了した。

「ドーンは残ってくれる?」

「はい」

外套を取りソファーに上を向いて座る。その他の人達は団長室を出て行った。

「ふ~」

天井を仰ぎ一息ついていると、アレクがいつの間にかソファーの横に立っていた。

「ん? もう帰っていいわよ」

「いえ。俺も参加してもいいだろうか? さっきの視察の件で話し合うのだろう?」

「ん~? まぁ~」

と、ドーンをチラッと確認する。どうしよっかな~。アレクも今や側近だしね。側近の中でもドーンに次ぐぐらい優秀なんだけど…

「ラモン団長。アレクは信用出来るかと」

「そう? ドーンが言うのであれば… どうぞ」

アレクとドーンが私の前に座る。お茶はドーンが入れてくれた。

「ありがとう。では、今日の視察について私の今後の計画を言うわね。2人も意見を頂戴」

頷いたので、思いついた事を早速話す。

「まず、衛生状態。あれは伝染病の元凶になりかねないわ。教会のシスターが接触しているなら、それ伝いで冬に流感などが流行るかもしれない」

「西は貴族街です。過去の病症の統計が取れていないので何とも言えません」

「そう… まずは衛生問題を片付けるわ。ドーン?」

ドーンに目で合図する。私の秘密は本当にアレクにバレても大丈夫?

「そうですなぁ… アレク、これより団長が言う事は絶対秘密にするように。『魔法誓約』が出来ないのならば今すぐこの部屋から出て行け」



アレクは一瞬驚きはしたがコクリと頷いた。

「誓約をしよう。我、アレクは~」

「ちょっ、待って。冗談よ冗談。それだけ覚悟があるなら誓約はいらないわ。アレクを信じる。ごめんね、試す様な事をして」

「は? まぁ… わかりました。絶対に秘密は守ります」

ドーンは私を見て頷く。

「それじゃぁ、私の秘密は『光魔法』と『膨大な魔力量』よ」

「光!!! では回復魔法や治癒魔法が?」

「ええ」

「なるほど… 今まで黙っていたのには訳が?」

「ええ、まず発現したのが最近なのと、魔法士団や教会に行きたくなくて」

「… そうですか。了解しました」

「いいの? そんなんで納得?」

「はい。団長自身の問題ですし… 今は第7にとって欠かせない人物なので」

アレクは相変わらず冷たい感じがするが、至って真面目に答えてくれた。

「ありがとう。欠かせない人物と言ってくれてうれしいわ」

て、照れるな~。

「皆が思っています」

「そうです。ラモン団長は他へはやりません」

ドーンもニコッと微笑んでくれた。

「ありがとう。恥ずかしいなぁ。って、そんな話じゃなかった。それでね、私が編み出した『洗浄』と言う魔法があるんだけど、それで難民達をキレイにして軽く治癒魔法も施そうかと思ってね。治癒魔法は本当はバレたくないから使いたくないんだけど、治して東門へ移動させたいのよ。あの難民達を」

「あぁ通りで。掃除が入ったわりに食堂や他、キレイ過ぎだと思っていたんです。洗浄魔法でしたか… それより東門ですか?」

「ええ。尽力してくれてるシスターには悪いけど、こそっと夜にでも」

「しかも夜… ちなみに東門には何が?」

「ヒントは魔獣ギルドと森の薬草」

ドーンは顎に手を置いて何やら考えている。アレクも思う事があるのか考えモードに入った。

「とりあえず心身共に最低限元気になってもらって、自分達で通行料を稼げば中に入れるんじゃない? 『洗浄』でキレイにすれば都民にも邪険にはされないでしょ」

「しかし… 相手は子供や年寄りばかりですよ?」

「大丈夫よ。まず、中に入って魔獣ギルドに登録すれば身分証ギルドカードが手に入るでしょ? そこが最終目標よ。あとは少しの薬草の知識」

「なるほど、それで先頃魔獣ギルドへコリーナを連れて行ったのですね?」

「そう! 薬草の知識があれば少しだけどお金が稼げるわ。暮らしは大変だろうけど、毎日ご飯は食べられるはずよ。城内でも上手くやって行けるでしょう?」

「… そんな簡単には」

「それはそうよ。がんばるのはあの子達だもん。難民対策予算で中に入れたり治療をするのは簡単だけど、中に入ってからがまた地獄じゃない? そんな小手先では場所が違うだけで結局は浮浪者になってしまう。私は、出来る限り生きる力をつけさせてやれば良いかな~って。根本の問題を無くすのよ! どう?」

「良いですね。しかし時間がかかりますよ? まずは薬草ですが1日多くても1000K程度。通行料が子供でも難民ですので1万Kを稼ぐのに10日はかかります。それも上手く行っての話です」

「良いじゃない? 10日なら早いわ。家族も居るだろうし… 多く見積もっても1月程で難民問題が解決するのよ?」

「まぁ… そう言われればそうですが」

「ドーンは? どう思う?」

「まずは治療魔法ですが、これは止めましょう。おっしゃる通り万が一があるので。バレた時の事を考えると悪手です。ですので、これこそ難民対策予算で、ポーションを買い与えるのはいかがでしょうか?」

「いいわね。ポーションか、忘れていたわ」

「ポーションならばこちらも対策をした事実が残りますしね。いきなり西門から消えた難民の理由にもなります」

「跡を残すのね。そっか… 結局は上に報告が必要だった。いつもごめん、ドーン」

「ははは、慈善事業と言うと響きはいいですが、我々は対策する実施側の人間ですから」

「アレクは? 行けそうだと思う?」

「そうだな… 難民が寝ている所をヤるのか?」

おい、ヤるって。物騒な言い方だな。

「出来れば闇夜に紛れたいかな。門には隊員達が少なからず居るしね」

「… いいだろう。俺も参加しよう」

「あっ、それは当たり前よ? 今更何言ってるの? むしろ人出が足りないくらい。ここの3人しか私の秘密は知らないんだから」

アレクは『あっ』っと言う顔をして、ほんのり耳を赤くしてうつむいた。

「ぷぷぷ、アレクもそんな感じになったりするんだ~、ははは」

「う、うるさい」

ドーンは大まかな報告書と薬草についての指示書、ポーションの発注書などの事務処理を引き受けてくれる。

「では、ドーンがまとめたらまた集合しましょう」

「「了解」」
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