60 / 100
2章 王城と私
10 侍女長アビー
しおりを挟む
まずは第3の仕事内容の把握と現場見学でもしようかな。あとは侍女長と話し合いが必要だな。
「ドーン、社交界で下半身がゆるい人の噂って回ってるものなの?」
「まぁ… しかし、これほど深刻化しているとは。特に若い方が目立ちますね。遊び方を知らないのか?」
「ドーン? 遊び方って… 合意の上ならいいって事?」
「… 失礼しました。私も貴族社会での当たり前の出来事だと思っていた節がありました。これからは改めます」
「いいの。そっか… 貴族達の意識改革がまずは必要なんだね」
私は前世の記憶があるので、セクハラ? 染みた事には嫌悪感しかない。しかも合意なしならレイプだよ? 強姦罪とかあるのかな?
「何か案でも浮かびましたか?」
「そうね… まずは第3がどんな形で力になれるかよね。隊員達って貴族が多いのかな?」
「はい。全員が貴族で構成されています。やはり王城ですので。平民が警備するには問題があります」
あぁ。平民だから言う事聞かないとか、嫌悪する部類のやつらか。
「了解。派閥とかあるの?」
「多少は… 第3の中で大きな派閥は2つ。前団長のユーグ殿を中心としたゲート公爵家の温厚派と、若い騎士が多いヤーナ辺境伯爵家中心の若手集団。温厚派はキリスと言う伯爵家3男が中心人物です。若手はゲインです。ヤーナ辺境伯爵の次男です」
「で? 温厚派の顔であるユーグさんが居なくなるので、辛うじて抑えていた鎖が破上し始めるかもしれない。手に負えなくなる前に第3を掌握しないといけないのか」
第3の足並みを揃えてから、風紀の課題にシフトした方がいいか。は~。
「ヤーナ辺境伯爵って何かあるの?」
「先の戦争で私有兵を大勢送り込んだり食糧支援など、戦場が近かったので多大な貢献をしています。その親の功績を傘に、次男が戦争時から幅を広げ出したそうです」
… ややこしい。親かよ。まぁ、そっか。それが普通なのか。
騎士の中での派閥と序列…
こんなのまとめられるの? 私、子爵だよ?
「う~。若手は特に何か仕出かしたとかある訳?」
「特には。ただ、勤務態度が少し目に余りますね。侍女にちょっかいをかけたりしているそうです。話しかける等のかわいいモノですが。それを注意した温厚派と対立と言う流れですかね」
勤務中にイチャコラか。けしからん。確かに、王城に務める侍女ちゃん達はみんなかわいいけども。
「そう… 騎士が強姦… 無理矢理とかは無いんだね?」
「それは報告にはありません。少し調べますか?」
「いやいい。なんとなく現状はわかりました。では、そのキリスとゲインだっけ? 面接しようかな」
「了解です。明日でよろしいでしょうか?」
「ん。次よ。魔法具を作製してるのってどの部署だっけ?」
「第2魔法士団です」
「では、アポを取って下さい。2時間程」
「了解です。課題に必要なモノですか?」
「そうね。今日は侍女長に会いに行こうかな。これもアポが必要かな?」
「出来れば。急ぎであれば今呼んで来ますよ?」
「いいの。あっちも仕事があるでしょうから、それも2時間程。時間がある時に呼んでくれる? じゃぁ、今日は過去の収支報告と作業報告書を見よう」
「お茶を用意します」
私とドーンは早速資料に目を通す。流石、ユーグさんと前副団長のベネットさん。分かりやすいし不正もない。当たり前だけど。
全部に目を通し終えた時には夕方になっていた。
コンコンコン。
「侍女長のアビゲイルです。お呼びとの事で参上いたしました」
「どうぞ」
40前後のキリッとした美人侍女長が入ってくる。所作がめっちゃキレイだ。
「すみません。お仕事は大丈夫ですか?」
「はい。時間がある時でいいとの事でしたので、今なら2時間程余裕があります」
「よかった。こちらへ」
侍女長は無表情でソファーに座る。
「初めまして。この度、第3騎士団団長に着任するラモンです。まだ着任前ですが少しお話を聞きたくてお呼びしました」
「私は侍女長のアビゲイルです。よろしくお願いします」
「では、早速ですが王城内の風紀について伺いますね?」
「風紀? ですか?」
やっと固まりきった表情が動く。動揺してるのかな?
「ええ。今回着任にあたり課題がございまして、それが王城の風紀問題です。貴族男性が侍女やメイドに無体を働く事があるとか?」
「…」
「言い辛いでしょう。分かります。デリケートな問題ですから。しかし、私は今後、弱者である女性の従業員が泣き寝入りをしないよう、そもそもそんな事故を起こさないようにしたいんです」
「…」
まだ、だんまりか。悪習… とはよく言ったものね。
「まず、女性自身が自衛出来るかを考えたいですね。どんなに相手側へ注意発起した所でルールを無視するアホは必ず居ます。ちなみに、侍女やメイドはどの様な階級が多いのでしょう?」
「…」
う~ん、手強い。
「次は、登城する全貴族に対しての意思表示。特に男性への警告です。これは総団長と相談します」
「…」
まだ無言だけど、やっと顔を上げてくれた。
「最後に、騎士の巡回と警備位置などと組み合わせた女性の避難経路の確保かな?」
侍女長は手を膝の上でニギニギしている。何か言いたい事があるのかな?
「どうでしょう? 侍女長アビゲイル殿?」
キョロキョロと目を動かして、考えている。まだもう一押し?
「私は、この様に小娘でご存じでしょうが子爵位です。貴族としてはなんの力も持っていません。しかし、今は騎士団長です。今までは、団長位は上位貴族が占めていたので忘れがちですが、騎士はどんな理由があろうとも序列が優先されます。貴族の序列はあまり影響がないのです。本来は。私は下位貴族だからこそ、弱者の気持ちには沿えると思います。私を信じてみてはくれませんか?」
「…」
ふ~。しばらく待ってみるか。考える時間が必要だよね。私はドーンにお茶を入れ直す様にお願いする。今日は、テッセンからもらったお茶菓子もあるし、のんびり待ちましょう。
「… 団長。アビーです。ラモン団長」
「は?」
「アビーとお呼び下さい」
アビーはいきなり立って深々と礼をする。
「な、何?」
「ラモン団長。失礼な態度を取って大変申し訳ございません。私は、いつもの様に口だけかと… この問題は私が侍女長に着任する前から、ずっと城に根付く問題でした。今もです。上位貴族には逆らえない、侍女は替えが効く、生家に迷惑がかかるかもと… 仰る通り、わずかな金子で泣き寝入るしかなかったのです。本来、侍女やメイドは、上位のお嬢様達は行儀見習いの為、下位貴族お嬢様達は家計の為に出仕しておりましたが、今では恐れてあまり来ません。どうしても仕事をしなければならないお嬢様が来ているのが現状です。中には、進んで手篭めにされ愛人や第2夫人を狙う者もいます。違うんです! 本来の侍女やメイドの仕事とは… 風紀が乱れ、仕事の質も落ちて来ています。本当に、真意に取り組んで下さるのでしょうか?」
「はい」
私は真っ直ぐアビーを見る。
「あぁ、あぁ、ありがとうございます。ラモン団長。女神オーフェリン様に感謝を!」
ガバッと祈りを捧げ出すアビー。びっくりした~。って、オーフェリン様の名前を久しぶりに聞いたな。
「ドーン、社交界で下半身がゆるい人の噂って回ってるものなの?」
「まぁ… しかし、これほど深刻化しているとは。特に若い方が目立ちますね。遊び方を知らないのか?」
「ドーン? 遊び方って… 合意の上ならいいって事?」
「… 失礼しました。私も貴族社会での当たり前の出来事だと思っていた節がありました。これからは改めます」
「いいの。そっか… 貴族達の意識改革がまずは必要なんだね」
私は前世の記憶があるので、セクハラ? 染みた事には嫌悪感しかない。しかも合意なしならレイプだよ? 強姦罪とかあるのかな?
「何か案でも浮かびましたか?」
「そうね… まずは第3がどんな形で力になれるかよね。隊員達って貴族が多いのかな?」
「はい。全員が貴族で構成されています。やはり王城ですので。平民が警備するには問題があります」
あぁ。平民だから言う事聞かないとか、嫌悪する部類のやつらか。
「了解。派閥とかあるの?」
「多少は… 第3の中で大きな派閥は2つ。前団長のユーグ殿を中心としたゲート公爵家の温厚派と、若い騎士が多いヤーナ辺境伯爵家中心の若手集団。温厚派はキリスと言う伯爵家3男が中心人物です。若手はゲインです。ヤーナ辺境伯爵の次男です」
「で? 温厚派の顔であるユーグさんが居なくなるので、辛うじて抑えていた鎖が破上し始めるかもしれない。手に負えなくなる前に第3を掌握しないといけないのか」
第3の足並みを揃えてから、風紀の課題にシフトした方がいいか。は~。
「ヤーナ辺境伯爵って何かあるの?」
「先の戦争で私有兵を大勢送り込んだり食糧支援など、戦場が近かったので多大な貢献をしています。その親の功績を傘に、次男が戦争時から幅を広げ出したそうです」
… ややこしい。親かよ。まぁ、そっか。それが普通なのか。
騎士の中での派閥と序列…
こんなのまとめられるの? 私、子爵だよ?
「う~。若手は特に何か仕出かしたとかある訳?」
「特には。ただ、勤務態度が少し目に余りますね。侍女にちょっかいをかけたりしているそうです。話しかける等のかわいいモノですが。それを注意した温厚派と対立と言う流れですかね」
勤務中にイチャコラか。けしからん。確かに、王城に務める侍女ちゃん達はみんなかわいいけども。
「そう… 騎士が強姦… 無理矢理とかは無いんだね?」
「それは報告にはありません。少し調べますか?」
「いやいい。なんとなく現状はわかりました。では、そのキリスとゲインだっけ? 面接しようかな」
「了解です。明日でよろしいでしょうか?」
「ん。次よ。魔法具を作製してるのってどの部署だっけ?」
「第2魔法士団です」
「では、アポを取って下さい。2時間程」
「了解です。課題に必要なモノですか?」
「そうね。今日は侍女長に会いに行こうかな。これもアポが必要かな?」
「出来れば。急ぎであれば今呼んで来ますよ?」
「いいの。あっちも仕事があるでしょうから、それも2時間程。時間がある時に呼んでくれる? じゃぁ、今日は過去の収支報告と作業報告書を見よう」
「お茶を用意します」
私とドーンは早速資料に目を通す。流石、ユーグさんと前副団長のベネットさん。分かりやすいし不正もない。当たり前だけど。
全部に目を通し終えた時には夕方になっていた。
コンコンコン。
「侍女長のアビゲイルです。お呼びとの事で参上いたしました」
「どうぞ」
40前後のキリッとした美人侍女長が入ってくる。所作がめっちゃキレイだ。
「すみません。お仕事は大丈夫ですか?」
「はい。時間がある時でいいとの事でしたので、今なら2時間程余裕があります」
「よかった。こちらへ」
侍女長は無表情でソファーに座る。
「初めまして。この度、第3騎士団団長に着任するラモンです。まだ着任前ですが少しお話を聞きたくてお呼びしました」
「私は侍女長のアビゲイルです。よろしくお願いします」
「では、早速ですが王城内の風紀について伺いますね?」
「風紀? ですか?」
やっと固まりきった表情が動く。動揺してるのかな?
「ええ。今回着任にあたり課題がございまして、それが王城の風紀問題です。貴族男性が侍女やメイドに無体を働く事があるとか?」
「…」
「言い辛いでしょう。分かります。デリケートな問題ですから。しかし、私は今後、弱者である女性の従業員が泣き寝入りをしないよう、そもそもそんな事故を起こさないようにしたいんです」
「…」
まだ、だんまりか。悪習… とはよく言ったものね。
「まず、女性自身が自衛出来るかを考えたいですね。どんなに相手側へ注意発起した所でルールを無視するアホは必ず居ます。ちなみに、侍女やメイドはどの様な階級が多いのでしょう?」
「…」
う~ん、手強い。
「次は、登城する全貴族に対しての意思表示。特に男性への警告です。これは総団長と相談します」
「…」
まだ無言だけど、やっと顔を上げてくれた。
「最後に、騎士の巡回と警備位置などと組み合わせた女性の避難経路の確保かな?」
侍女長は手を膝の上でニギニギしている。何か言いたい事があるのかな?
「どうでしょう? 侍女長アビゲイル殿?」
キョロキョロと目を動かして、考えている。まだもう一押し?
「私は、この様に小娘でご存じでしょうが子爵位です。貴族としてはなんの力も持っていません。しかし、今は騎士団長です。今までは、団長位は上位貴族が占めていたので忘れがちですが、騎士はどんな理由があろうとも序列が優先されます。貴族の序列はあまり影響がないのです。本来は。私は下位貴族だからこそ、弱者の気持ちには沿えると思います。私を信じてみてはくれませんか?」
「…」
ふ~。しばらく待ってみるか。考える時間が必要だよね。私はドーンにお茶を入れ直す様にお願いする。今日は、テッセンからもらったお茶菓子もあるし、のんびり待ちましょう。
「… 団長。アビーです。ラモン団長」
「は?」
「アビーとお呼び下さい」
アビーはいきなり立って深々と礼をする。
「な、何?」
「ラモン団長。失礼な態度を取って大変申し訳ございません。私は、いつもの様に口だけかと… この問題は私が侍女長に着任する前から、ずっと城に根付く問題でした。今もです。上位貴族には逆らえない、侍女は替えが効く、生家に迷惑がかかるかもと… 仰る通り、わずかな金子で泣き寝入るしかなかったのです。本来、侍女やメイドは、上位のお嬢様達は行儀見習いの為、下位貴族お嬢様達は家計の為に出仕しておりましたが、今では恐れてあまり来ません。どうしても仕事をしなければならないお嬢様が来ているのが現状です。中には、進んで手篭めにされ愛人や第2夫人を狙う者もいます。違うんです! 本来の侍女やメイドの仕事とは… 風紀が乱れ、仕事の質も落ちて来ています。本当に、真意に取り組んで下さるのでしょうか?」
「はい」
私は真っ直ぐアビーを見る。
「あぁ、あぁ、ありがとうございます。ラモン団長。女神オーフェリン様に感謝を!」
ガバッと祈りを捧げ出すアビー。びっくりした~。って、オーフェリン様の名前を久しぶりに聞いたな。
91
あなたにおすすめの小説
【男装歴10年】異世界で冒険者パーティやってみた【好きな人がいます】
リコピン
ファンタジー
前世の兄と共に異世界転生したセリナ。子どもの頃に親を失い、兄のシオンと二人で生きていくため、セリナは男装し「セリ」と名乗るように。それから十年、セリとシオンは、仲間を集め冒険者パーティを組んでいた。
これは、異世界転生した女の子がお仕事頑張ったり、恋をして性別カミングアウトのタイミングにモダモダしたりしながら過ごす、ありふれた毎日のお話。
※日常ほのぼの?系のお話を目指しています。
※同性愛表現があります。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する
影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。
※残酷な描写は予告なく出てきます。
※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。
※106話完結。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる