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果たされた約束。
「共犯」②
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晴海教授が出て行ってから30分以上の時間が経過した。
研究室は静寂に包まれていた。
何時になっても帰って来ない事に不安に思った僕は、電話口で聞こえた聞き覚えのある声を思い出した。
急いでその声の主の元へと向かう。
エレベーターではなく、ドアを開いて非常階段を上って4階にある父の部屋へと急いだ僕の目の前には信じられない光景が広がっていた。
「晴海・・晴海教授!?どうしたんですか??」
3階の非常階段に投げ出されて倒れていた晴海教授の姿を確認した僕は驚いて駆け寄る。
意識はもうなく、頭からは血を流して動かなくなっていた。
階段の下の床の隅に黒いボイスレコーダーが光っていた。
僕は咄嗟に、出て行く際に白衣のポケットに何かをしまい込んでいた事を思い出した。
上の非常ドアの扉が開かれ、誰かが降りて来る声がした。
僕は咄嗟にそれを自分のポケットに忍ばせ、3階の非常階段のドアを閉めその裏で息を潜めた。
「・・・で、始末したのか?海外から引き抜いた優秀な頭脳だったのに・・・。
いつまでも、色よい返事をしない晴海には正直がっかりだな。
そして、このような結果になって残念でもあるが・・。
あの晴海の研究の内容を、すぐに採取してデータ端末に保存している全てのものを消去しろ。
警察には、事件性はないように処理してくれ。」
「分かりました。すぐに手配します・・・。」
父の淡々とした指示に、真っ青になりながら僕はドアを隔てた先でガクガクと震えていた。
何故だ・・。何故こんな事になるんだ?
僕は込み上げて来る涙と、震えにその場に崩れてしまいそうになった。
僕は急いで研究所を後にした。
ポケットの中のレコーダーを家の近くの誰もいない公園のベンチに座り再生した。
父と、晴海教授が対峙し言い争いになった末に階段から落とされた状況を全て記録した物だった。
小傷のついたボイスレコーダーが確固たる証拠となったのだ。
震える指で再生ボタンを押すと音声が止まる。
「どうしてだよ。何で晴海教授を・・。父さんは一体何をしているんだ・・・っ。
どうしろって言うんだ。こんなの・・・。ハルっ・・。父がお前の父親を殺したなんて。」
夜の誰もいない公園で僕の堪えていた感情が爆発して大声で泣き叫んだ。
ベンチから身体はずり落ちて土埃がついた。
頬も土に塗れて転がる。
涙が流れて、胸が苦しくなる痛くて痛くて堪らない。
崇高な志を持っていた研究者を自分の利益の為に父は簡単に殺した。
大事な親友であるハルのたった1人の肉親を父が奪った・・。
この事実に僕は耐えられなかった。
そして、父が誰かに伝えた指示を思い出すと、警察に向かう事も憚れた。
案の定、翌日の新聞の見出しには転落事故の見出して晴海教授の死の訃報は発表される。
一転して、自殺での処理になったと知った時にはゾッとした。
僕は学校へ体調不良を理由に1週間の間休む事になった。
その間に、晴海 啓は転校してこの街を去ってしまった事を知った。
その日から僕は生きる理由が変わった。
書斎の文書をコピーし、常に悪事を監視しその証拠を集めていつかその闇を世間に晒す事を決意した。
研究室は静寂に包まれていた。
何時になっても帰って来ない事に不安に思った僕は、電話口で聞こえた聞き覚えのある声を思い出した。
急いでその声の主の元へと向かう。
エレベーターではなく、ドアを開いて非常階段を上って4階にある父の部屋へと急いだ僕の目の前には信じられない光景が広がっていた。
「晴海・・晴海教授!?どうしたんですか??」
3階の非常階段に投げ出されて倒れていた晴海教授の姿を確認した僕は驚いて駆け寄る。
意識はもうなく、頭からは血を流して動かなくなっていた。
階段の下の床の隅に黒いボイスレコーダーが光っていた。
僕は咄嗟に、出て行く際に白衣のポケットに何かをしまい込んでいた事を思い出した。
上の非常ドアの扉が開かれ、誰かが降りて来る声がした。
僕は咄嗟にそれを自分のポケットに忍ばせ、3階の非常階段のドアを閉めその裏で息を潜めた。
「・・・で、始末したのか?海外から引き抜いた優秀な頭脳だったのに・・・。
いつまでも、色よい返事をしない晴海には正直がっかりだな。
そして、このような結果になって残念でもあるが・・。
あの晴海の研究の内容を、すぐに採取してデータ端末に保存している全てのものを消去しろ。
警察には、事件性はないように処理してくれ。」
「分かりました。すぐに手配します・・・。」
父の淡々とした指示に、真っ青になりながら僕はドアを隔てた先でガクガクと震えていた。
何故だ・・。何故こんな事になるんだ?
僕は込み上げて来る涙と、震えにその場に崩れてしまいそうになった。
僕は急いで研究所を後にした。
ポケットの中のレコーダーを家の近くの誰もいない公園のベンチに座り再生した。
父と、晴海教授が対峙し言い争いになった末に階段から落とされた状況を全て記録した物だった。
小傷のついたボイスレコーダーが確固たる証拠となったのだ。
震える指で再生ボタンを押すと音声が止まる。
「どうしてだよ。何で晴海教授を・・。父さんは一体何をしているんだ・・・っ。
どうしろって言うんだ。こんなの・・・。ハルっ・・。父がお前の父親を殺したなんて。」
夜の誰もいない公園で僕の堪えていた感情が爆発して大声で泣き叫んだ。
ベンチから身体はずり落ちて土埃がついた。
頬も土に塗れて転がる。
涙が流れて、胸が苦しくなる痛くて痛くて堪らない。
崇高な志を持っていた研究者を自分の利益の為に父は簡単に殺した。
大事な親友であるハルのたった1人の肉親を父が奪った・・。
この事実に僕は耐えられなかった。
そして、父が誰かに伝えた指示を思い出すと、警察に向かう事も憚れた。
案の定、翌日の新聞の見出しには転落事故の見出して晴海教授の死の訃報は発表される。
一転して、自殺での処理になったと知った時にはゾッとした。
僕は学校へ体調不良を理由に1週間の間休む事になった。
その間に、晴海 啓は転校してこの街を去ってしまった事を知った。
その日から僕は生きる理由が変わった。
書斎の文書をコピーし、常に悪事を監視しその証拠を集めていつかその闇を世間に晒す事を決意した。
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