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誓い。
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美しい庭園にある小さなガセボに二人の姿があった。
幼い頃からリリアはこの場所を好み、隠れん坊で遊んでいる時には何時もこの場所に隠れていた。
そんなリリアをいつも一番最初に見つけるのは、伯爵家の長男サイラス=フェナルデイだった。
リリアはサイラスが見つけてくれるのを今か今かと楽しみに待っていた。
「リリア様、見っけ!」
エメラルドの瞳に、金色の美しい伯爵子息。
誰もが憧れる、絵本の中の王子様のような優しい美貌。
蕩けるような笑みで呼ばれる自分の名前は、特別な宝物であるかのような喜びを感じていた。
「どうぞ、リリア様。お座りください。」サイラスに促され、リリアはガセボの椅子に腰かけた。
「リリア様、この間の王妃殿下の舞踏会の際に隣国であるリヒテンシュタイン王国の第二王子、マリオン殿下が姫を一目で気に入り・・・是非姫を娶りたいと陛下へご嘆願いたしたそうです。
先ほど陛下より聞き及んだ所存にございます。」
リリアは驚きの余り、握っていた菓子袋を落としそうになる。
「な・・んですって?そんな。陛下・・父は何とおっしゃっていました!?」
明日の出立前にサイラスに渡そうと思ってラッピングしてきた物だった。
「陛下は、リリア様のお気持ち次第。・・と仰られました。」
悲痛な顔をしたリリアは、震える声でサイラスに「何故・・・?何故貴方の口からそれを聞かなければいけないの?」瞼が熱くなり、涙が零れそうになる。
無事に帰ってくるのかすら分からない、明日の出立を笑顔で見送れるのだろうか・・・・。
リリアはシェンブルグへサイラスが命がけの旅に出る。
そう聞いた時から不安と心配で胸が一杯だったのに。
何故こんなタイミングで?
どうしてサイラスは他の男性との縁談話をしてくるのか、リリアには理解が出来なかった。
「それは・・・。私がリリア様に・・。貴方様とは分不相応な私が、婚姻を申し込みたいと陛下に申し上げたからです・・・!!」
真っ赤と真っ青が入り混じった様相のサイラスが懸命なプロポーズの言葉を伝えた。
サイラスの返答に怯えていたリリアは、「え?」さっきまでの震えがピタリと止まった。
驚きと嬉しさのあまり、違う震えが沸き起こってくる。
「えと、サイラス様が私を望んでくれる、・・・と申しているのですか??・・本当に!?」
「はい。陛下はリリア様の望みを叶える。と、仰いました。私の身分は後からどうとでもなると。
リリア様の気持ちと向き合い、心からの返事を聞いて参れと申しておりました。」
緊張の面持ちで、座っているリリアの傍で跪いて控えるサイラスは不安そうに彼女を見上げる。
「サイラス様・・・。馬鹿ね!
聞かなくても分かるでしょう?!私は小さな頃からサイラスしか見てなかったわ。」
サイラスは、エメラルドの瞳は激しく震え、信じられない驚きの表情でリリアの大きなサファイアの瞳をグッと見つめる・・・。
リリアは、いつも一番に自分を見つけてくれた優しい男に心を込めて応えた。
「・・お受けいたします。不束者ですが、どうぞ宜しくお願いいたします。」
・・・・サイラスは数秒間静止していた。
やっと現実に戻ってきたサイラスは震える指で小さな小箱をリリアの前で開き、そこからリリアの瞳の色と同じサファイアが大きく中央に座したリングを取り出した。
「必ず貴方の元へ帰ってくると、お約束いたします。死んでも姫の元へ戻ってきますから。」
「約束よ。貴方が死んでも一人でずーっと待っているわ。わたくしと、一緒に末永く生きてくださいね。」
サイラスの言葉にリリアの頬にほろりと涙が伝った。
緊張の面持ちで、リリアの手をそっと取る。
小さな指にぴったりの指輪をそっとはめ込んで、そこに小さく口づけた。
幸せそうなリリアの顔は、どんなに美しい宝石にも負けない輝く笑顔を浮かべていた。
美しい月が二人を祝福していた。
「お兄様、おめでとうございます・・・。」
もらい泣きしそうになったルナは、二人の様子を身を乗り出して見ていた。
晩餐会場に一向に現れないサイラスとリリアが心配になった二人は、診療所を周り、庭園を探しに来ていた。
たまたま見つけてしまった二人の婚姻の申し込の現場を、垣根の隙間から覗いていたルナとアルベルトは嬉しそうに顔を見合わせた。
「長年の想いが叶いましたね・・・。良かった!!リリア様もとてもお幸せそうですね、アルベルト様!」
アルベルトは信じられない!というような表情を浮かべていた。
「うん、本当に良かった・・・。」
「けど、驚いたなー。以前のサイラスだったら、自分の身分を理由にリリアを諦めていたと思う。
もしかしたら、サイラスの選択も君との出会いで未来が変わった結果かもしれないね。」
アルベルトは私を見ながら、嬉しそうに笑う。
「君は出会った人の運命を大きく変える力を持った人なんだね。僕だけでなく、サイラスとリリアの運命も変えてしまった。尊敬するよ。」
私の鼓動は急激に大きく跳ねた。
「・・え?・・ちょっと待って。アルベルト様・・・。今、何て言ったの?!」
真っ青になった私にアルベルトは落ち着いた声で問うた。
「君はルナ=フェナルデイではないよね??記憶を失ったと言っていたあの日から、君はルナではなく・・・別の者だった。そう考えれば全てに説明がつくんだ。」
夕闇に染まった空に月が輝いていた。
大好きな空色の瞳が眇められ、私を真剣に見つめていた。
「・・・君は誰??」
幼い頃からリリアはこの場所を好み、隠れん坊で遊んでいる時には何時もこの場所に隠れていた。
そんなリリアをいつも一番最初に見つけるのは、伯爵家の長男サイラス=フェナルデイだった。
リリアはサイラスが見つけてくれるのを今か今かと楽しみに待っていた。
「リリア様、見っけ!」
エメラルドの瞳に、金色の美しい伯爵子息。
誰もが憧れる、絵本の中の王子様のような優しい美貌。
蕩けるような笑みで呼ばれる自分の名前は、特別な宝物であるかのような喜びを感じていた。
「どうぞ、リリア様。お座りください。」サイラスに促され、リリアはガセボの椅子に腰かけた。
「リリア様、この間の王妃殿下の舞踏会の際に隣国であるリヒテンシュタイン王国の第二王子、マリオン殿下が姫を一目で気に入り・・・是非姫を娶りたいと陛下へご嘆願いたしたそうです。
先ほど陛下より聞き及んだ所存にございます。」
リリアは驚きの余り、握っていた菓子袋を落としそうになる。
「な・・んですって?そんな。陛下・・父は何とおっしゃっていました!?」
明日の出立前にサイラスに渡そうと思ってラッピングしてきた物だった。
「陛下は、リリア様のお気持ち次第。・・と仰られました。」
悲痛な顔をしたリリアは、震える声でサイラスに「何故・・・?何故貴方の口からそれを聞かなければいけないの?」瞼が熱くなり、涙が零れそうになる。
無事に帰ってくるのかすら分からない、明日の出立を笑顔で見送れるのだろうか・・・・。
リリアはシェンブルグへサイラスが命がけの旅に出る。
そう聞いた時から不安と心配で胸が一杯だったのに。
何故こんなタイミングで?
どうしてサイラスは他の男性との縁談話をしてくるのか、リリアには理解が出来なかった。
「それは・・・。私がリリア様に・・。貴方様とは分不相応な私が、婚姻を申し込みたいと陛下に申し上げたからです・・・!!」
真っ赤と真っ青が入り混じった様相のサイラスが懸命なプロポーズの言葉を伝えた。
サイラスの返答に怯えていたリリアは、「え?」さっきまでの震えがピタリと止まった。
驚きと嬉しさのあまり、違う震えが沸き起こってくる。
「えと、サイラス様が私を望んでくれる、・・・と申しているのですか??・・本当に!?」
「はい。陛下はリリア様の望みを叶える。と、仰いました。私の身分は後からどうとでもなると。
リリア様の気持ちと向き合い、心からの返事を聞いて参れと申しておりました。」
緊張の面持ちで、座っているリリアの傍で跪いて控えるサイラスは不安そうに彼女を見上げる。
「サイラス様・・・。馬鹿ね!
聞かなくても分かるでしょう?!私は小さな頃からサイラスしか見てなかったわ。」
サイラスは、エメラルドの瞳は激しく震え、信じられない驚きの表情でリリアの大きなサファイアの瞳をグッと見つめる・・・。
リリアは、いつも一番に自分を見つけてくれた優しい男に心を込めて応えた。
「・・お受けいたします。不束者ですが、どうぞ宜しくお願いいたします。」
・・・・サイラスは数秒間静止していた。
やっと現実に戻ってきたサイラスは震える指で小さな小箱をリリアの前で開き、そこからリリアの瞳の色と同じサファイアが大きく中央に座したリングを取り出した。
「必ず貴方の元へ帰ってくると、お約束いたします。死んでも姫の元へ戻ってきますから。」
「約束よ。貴方が死んでも一人でずーっと待っているわ。わたくしと、一緒に末永く生きてくださいね。」
サイラスの言葉にリリアの頬にほろりと涙が伝った。
緊張の面持ちで、リリアの手をそっと取る。
小さな指にぴったりの指輪をそっとはめ込んで、そこに小さく口づけた。
幸せそうなリリアの顔は、どんなに美しい宝石にも負けない輝く笑顔を浮かべていた。
美しい月が二人を祝福していた。
「お兄様、おめでとうございます・・・。」
もらい泣きしそうになったルナは、二人の様子を身を乗り出して見ていた。
晩餐会場に一向に現れないサイラスとリリアが心配になった二人は、診療所を周り、庭園を探しに来ていた。
たまたま見つけてしまった二人の婚姻の申し込の現場を、垣根の隙間から覗いていたルナとアルベルトは嬉しそうに顔を見合わせた。
「長年の想いが叶いましたね・・・。良かった!!リリア様もとてもお幸せそうですね、アルベルト様!」
アルベルトは信じられない!というような表情を浮かべていた。
「うん、本当に良かった・・・。」
「けど、驚いたなー。以前のサイラスだったら、自分の身分を理由にリリアを諦めていたと思う。
もしかしたら、サイラスの選択も君との出会いで未来が変わった結果かもしれないね。」
アルベルトは私を見ながら、嬉しそうに笑う。
「君は出会った人の運命を大きく変える力を持った人なんだね。僕だけでなく、サイラスとリリアの運命も変えてしまった。尊敬するよ。」
私の鼓動は急激に大きく跳ねた。
「・・え?・・ちょっと待って。アルベルト様・・・。今、何て言ったの?!」
真っ青になった私にアルベルトは落ち着いた声で問うた。
「君はルナ=フェナルデイではないよね??記憶を失ったと言っていたあの日から、君はルナではなく・・・別の者だった。そう考えれば全てに説明がつくんだ。」
夕闇に染まった空に月が輝いていた。
大好きな空色の瞳が眇められ、私を真剣に見つめていた。
「・・・君は誰??」
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