転生伯爵令嬢は、裏切り者からの寵愛に戸惑う。

館花陽月

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奇跡の聖夜をあなたと。

奇跡の聖夜をあなたと。⑥

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レオは、私を流し目で冷たく見た。

「でも、みんな瞳がキラキラしてて、可愛らしいわね・・。」

セントマリー教会に併設されている孤児院は、0歳から18歳までの男女60名ぐらいが生活している孤児院だった。

子供たちの様子を見ている内に、私はパーティーの具体的な内容を思案しながら模索し始めていた。

「ねぇ、ユヴェール。今まではどんなパーティを開いていたの??」

「昨年は、ケーキを王宮御用達のパティシエに頼んで、ご馳走は・・。ケータリングを運んで、後はみんなで歌を歌ったりかな・・。」

そんなのお金がかかってるだけの、形だけの物じゃない・・。

子どもたちの表情を見ていると、答えは違う所にあるような気がしていた。

「出来のいい王太子である兄から、この孤児院でのパーティを引き継いだのが昨年だったんだ。
慣習通りのものを僕が、引き継いで開いてる形になっているんだよ。」

「ふーん・・。慣習ね。じゃあ、それ、ぶっ壊しちゃいましょうか??」

私の言葉に驚いた表情で、ユヴェールが息を飲む。

「でも、実は今回・・。その一番上の兄である王太子殿下が視察に来るんだ。
そんな時に、慣習を逸して執り行うなんてリスクがあるんじゃないか?」

レオと全力で走り回る子供たちの様子を眺めながら、私はクスッと笑った。

「そうかしら?ユヴェールは、この子たちが慣習通りに、高いケーキと、ケータリングのご馳走を一番に喜ぶと本気で、思っているの??」

ユヴェールは、周りの様子を見まわして考えていた。

この子たちが一番に喜ぶ物は何だろう・・。

全力で走り回るレオと、さっきの女の子のはにかんだ笑顔が脳裏に過る。

「慣習よりも、子供を笑顔にするパーティにしましょうよ!!
さあ、ユヴェール・・。ランチを食べながら、一緒にプランを練るわよ!!」

好奇心旺盛の瞳を輝かせながらユヴェールを見上げた。

「兄の・・やり方じゃなくて。僕のやり方で??
そんなの、今まで一度も、考えたことがなかったよ。」

「そうなの?なら、これから考えればいいじゃない。ユヴェールには、ユヴェールにしか出来ない事がきっとあるわよ。」

眩しい物でも見るように、ユヴェールは私を見下ろす。

「僕にしか出来ない事!?
そんな事、僕にもあるのかな・・。」

シルバーグレイの瞳に子供のような輝きを灯しているアレクシアを息を飲んで見下ろしていた。



私とレオ、ユヴェールは残り一週間の期限が迫ったパーティの為に奔走していた。

生徒会のみんなで、クロードの別荘へ行く「レオノーラの聖夜」の前日に間に合わせるべく、結婚式の準備は後回しに動き回っていた。


「シア・・、別荘へ行く支度は出来ているのか???
最近、結婚式の打ち合わせも置き去りにして、
孤児院のパーティの手伝いばかりしているらしいが・・。」

「大丈夫よ!!荷造りも出来てるわ・・。
明日のパーティを終えたら、王室の馬車でユヴェールが私とレオを、別荘まで連れていってくれるみたいなの!!」

夕食を食べながら、父からのプチ説教に私は笑顔で応戦した。

その返しに、父は口籠る・・。

騎士団長の父も、王子様のお手伝いなら、文句は言えまい・・!!

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