98 / 187
アルトハルト神聖国編 プロローグ。
プロローグ。③
しおりを挟む
なんだか、今のレオの語尾部分はドスの効いていたような・・・。
同じだだっ広い狭い執務机の下には、私とユヴェールが膝をついて隠れていた。
「ああ、狭っ。ちょ・・ちょっと、ユヴェール、何で机の下よ?」
「解かんないけど、ただ事じゃなさそうだったから・・・。つい隠れちゃったよ。」
小声で、困ったように眉を下げたユヴェールに、私はため息交じりに告げた。
「そ、そっか。あの、どうでもいいけど・・・。
なんだか既視感なんだけど・・。」
「答えてもらえるか?アイーネ殿。」
馴染みのある、レオのバリトンボイスが私の耳に届いた。
ハッとしたのは、私だけじゃなかった。
「はい、レオノール様!!」
アイーネも、うっとりとした声で返事をする。
甘い声音の女性が、張り切った返事をした。
「王女である君に問いたい。
貴方は、頭でも打ったのか?それとも、誰かに薬でも盛られたのか?」
王女のテンションとは、180度ぐらい違う
凍てつくような、冷たい声が部屋の中に響いた。
その言葉にペースを乱されたのか、レオに言い寄るアイーネと言う女性は声に強みと
混乱を来たしていた。
「あ、ああっ。違いますわ!!」
「ずっと、ずっとあなたをお慕いしてきました!!
その為に私は、お父様を説得して漸くこの国に会いに来たのに。
あんな女より、わたくしの方が貴方を心も身体も、ご満足させられますわ!!」
ふーん。
あんな女とな・・・。
私は、そーっと机の横から顔を出すと、黒い長い巻き髪を乱し、
豊満な胸を見せるような赤いドレスの女性がレオの上で馬乗りになっている女性が確認出来た。
おおっ・・。
盛り上がった胸が、たっぷりと服からはみ出してるわ。
しなやかな豹のような大きな釣り目の女性が見えた。
そのバニラのような、甘い香水の匂いが部屋中に充満していた。
同じ女の私の目からも、スタイルの良さに感嘆するほどの豊満なバディだった。
「うーん・・・。まさに、目豹セクシー系だわ。一撃で悩殺ね!」
私は、よっこいしょと机から身を屈めたまま乗り出すとひょいっと顔を少し乗り出して
ソファーの様子を確認した。
大きな水色の瞳をぱちくりしながら、うんうんと納得したように頷いた。
「ちょっと!!不味いよ、アレクシアってば・・。」
その私の呟きに、ユヴェールは驚いた顔で見下ろしていた。
次の瞬間、大きなため息が部屋に響いた。
これはもちろん、レオのものだった。
「一国の王女様には大変失礼だと推察はするのだが・・・。」
「なっ。何ですの・・。レオ様!?」
アイーネのさっきまでの挑戦的な瞳は、驚きに失せた目でレオを上げた。
グラマラスバディの下敷きになっている婚約者が、表情を変えずに一言放った。
「貴方ははっきり言って、俺の好みじゃない。」
その言葉に一瞬部屋の空気が凍る。
「うわぁ・・。」
出た・・。レオの直球!!
私は恐る恐る、妖艶なアイーネの心情を察して彼女の顔を見つめた。
「何ですって・・!!どうしてですの??
私の何処がいけないんですの?」
見る見る青ざめていく、黄金のような瞳は涙で潤みを帯びていた。
「兄上は友人なのだから、貴方とも友人としてなら交遊は持ちたいと思っていたが。
それすらも、即座に絶ちたいと思うような暴挙ですよ。
ご自分のこの暴挙の意味をご理解しているのですか?」
(頭悪いだろうからハッキリ言うけど、迷惑だから消えてくれ。
カイルの妹じゃなかったら消してるぞ。)
次の瞬間、私の目の前にレオと言う名の永久凍土が見えた。
「・・・なんだろう。俺の脳内では、今のレオの言葉が、物凄い違う意味で変換されてるんだけど。」
「間違いないわね・・・。私の耳にも、「抹殺するぞ、お前。」って聞こえたわ。」
ユヴェールの言葉に、コクンと深く頷いた。
「そんな!!レオノール様・・。私は・・っ、長い間、貴方様のことだけを
ずっと想って参りましたのに!!初めてお会いした日からお慕いしておりました!!」
「ああ・・、解った。どうでもいいが、重い・・。
理解力がないようだからハッキリ言うが、いい加減邪魔だ。どいてくれないか?」
冷たい怜悧な視線を向け、力を失ったアイーネの手を自分の身体から忌々しそうに引き離した。
うわぁ・・・。(本日二回目)
アイーネは顔を下に向けたままの姿勢で、肩を震わせていた。
「清々しいほどに、はっきり、スッパリ、きっぱり振ったね。流石、レオだな・・。」
小声で呟いたユヴェールに、私も頷きながら思わず声が出た。
「私、生まれて初めて自分の婚約者が、言い寄る女性を思い切り振るシーンを見た気がする。」
そうそう・・。
いつも馬乗りになって、飛び乗り、発情期の動物のように喜んで腰を振りながら
発情している元婚約者を、数えきれない程目撃してたけど。
感慨深そうに頷く私に、ユヴェールが残念そうな視線を向けていた。
「シア、それはクロードが・・。極端に節操がなかった駄目男なだけだと思うけど。」
「そうよね。きっと世の中の婚約者って、これが通常営業よね。」
繰り返されると思っていた、婚約者の定例浮気場面だったが、レオの一喝によって
あっさりとその幕が降ろされた。
・・・かに見えた。
同じだだっ広い狭い執務机の下には、私とユヴェールが膝をついて隠れていた。
「ああ、狭っ。ちょ・・ちょっと、ユヴェール、何で机の下よ?」
「解かんないけど、ただ事じゃなさそうだったから・・・。つい隠れちゃったよ。」
小声で、困ったように眉を下げたユヴェールに、私はため息交じりに告げた。
「そ、そっか。あの、どうでもいいけど・・・。
なんだか既視感なんだけど・・。」
「答えてもらえるか?アイーネ殿。」
馴染みのある、レオのバリトンボイスが私の耳に届いた。
ハッとしたのは、私だけじゃなかった。
「はい、レオノール様!!」
アイーネも、うっとりとした声で返事をする。
甘い声音の女性が、張り切った返事をした。
「王女である君に問いたい。
貴方は、頭でも打ったのか?それとも、誰かに薬でも盛られたのか?」
王女のテンションとは、180度ぐらい違う
凍てつくような、冷たい声が部屋の中に響いた。
その言葉にペースを乱されたのか、レオに言い寄るアイーネと言う女性は声に強みと
混乱を来たしていた。
「あ、ああっ。違いますわ!!」
「ずっと、ずっとあなたをお慕いしてきました!!
その為に私は、お父様を説得して漸くこの国に会いに来たのに。
あんな女より、わたくしの方が貴方を心も身体も、ご満足させられますわ!!」
ふーん。
あんな女とな・・・。
私は、そーっと机の横から顔を出すと、黒い長い巻き髪を乱し、
豊満な胸を見せるような赤いドレスの女性がレオの上で馬乗りになっている女性が確認出来た。
おおっ・・。
盛り上がった胸が、たっぷりと服からはみ出してるわ。
しなやかな豹のような大きな釣り目の女性が見えた。
そのバニラのような、甘い香水の匂いが部屋中に充満していた。
同じ女の私の目からも、スタイルの良さに感嘆するほどの豊満なバディだった。
「うーん・・・。まさに、目豹セクシー系だわ。一撃で悩殺ね!」
私は、よっこいしょと机から身を屈めたまま乗り出すとひょいっと顔を少し乗り出して
ソファーの様子を確認した。
大きな水色の瞳をぱちくりしながら、うんうんと納得したように頷いた。
「ちょっと!!不味いよ、アレクシアってば・・。」
その私の呟きに、ユヴェールは驚いた顔で見下ろしていた。
次の瞬間、大きなため息が部屋に響いた。
これはもちろん、レオのものだった。
「一国の王女様には大変失礼だと推察はするのだが・・・。」
「なっ。何ですの・・。レオ様!?」
アイーネのさっきまでの挑戦的な瞳は、驚きに失せた目でレオを上げた。
グラマラスバディの下敷きになっている婚約者が、表情を変えずに一言放った。
「貴方ははっきり言って、俺の好みじゃない。」
その言葉に一瞬部屋の空気が凍る。
「うわぁ・・。」
出た・・。レオの直球!!
私は恐る恐る、妖艶なアイーネの心情を察して彼女の顔を見つめた。
「何ですって・・!!どうしてですの??
私の何処がいけないんですの?」
見る見る青ざめていく、黄金のような瞳は涙で潤みを帯びていた。
「兄上は友人なのだから、貴方とも友人としてなら交遊は持ちたいと思っていたが。
それすらも、即座に絶ちたいと思うような暴挙ですよ。
ご自分のこの暴挙の意味をご理解しているのですか?」
(頭悪いだろうからハッキリ言うけど、迷惑だから消えてくれ。
カイルの妹じゃなかったら消してるぞ。)
次の瞬間、私の目の前にレオと言う名の永久凍土が見えた。
「・・・なんだろう。俺の脳内では、今のレオの言葉が、物凄い違う意味で変換されてるんだけど。」
「間違いないわね・・・。私の耳にも、「抹殺するぞ、お前。」って聞こえたわ。」
ユヴェールの言葉に、コクンと深く頷いた。
「そんな!!レオノール様・・。私は・・っ、長い間、貴方様のことだけを
ずっと想って参りましたのに!!初めてお会いした日からお慕いしておりました!!」
「ああ・・、解った。どうでもいいが、重い・・。
理解力がないようだからハッキリ言うが、いい加減邪魔だ。どいてくれないか?」
冷たい怜悧な視線を向け、力を失ったアイーネの手を自分の身体から忌々しそうに引き離した。
うわぁ・・・。(本日二回目)
アイーネは顔を下に向けたままの姿勢で、肩を震わせていた。
「清々しいほどに、はっきり、スッパリ、きっぱり振ったね。流石、レオだな・・。」
小声で呟いたユヴェールに、私も頷きながら思わず声が出た。
「私、生まれて初めて自分の婚約者が、言い寄る女性を思い切り振るシーンを見た気がする。」
そうそう・・。
いつも馬乗りになって、飛び乗り、発情期の動物のように喜んで腰を振りながら
発情している元婚約者を、数えきれない程目撃してたけど。
感慨深そうに頷く私に、ユヴェールが残念そうな視線を向けていた。
「シア、それはクロードが・・。極端に節操がなかった駄目男なだけだと思うけど。」
「そうよね。きっと世の中の婚約者って、これが通常営業よね。」
繰り返されると思っていた、婚約者の定例浮気場面だったが、レオの一喝によって
あっさりとその幕が降ろされた。
・・・かに見えた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
異世界に喚ばれた私は二人の騎士から逃げられない
紅子
恋愛
異世界に召喚された・・・・。そんな馬鹿げた話が自分に起こるとは思わなかった。不可抗力。女性の極めて少ないこの世界で、誰から見ても外見中身とも極上な騎士二人に捕まった私は山も谷もない甘々生活にどっぷりと浸かっている。私を押し退けて自分から飛び込んできたお花畑ちゃんも素敵な人に出会えるといいね・・・・。
完結済み。全19話。
毎日00:00に更新します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。
再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。
妻を一途に想い続ける夫と、
その想いを一ミリも知らない妻。
――攻防戦の幕が、いま上がる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる