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マルダリア王国の異変。
明かされた母の想い。②
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「約束よ・・。シリウス。
貴方はどんな暗闇も照らす鮮やかな星の名・・。
どうか、どんな時でもあの子を照らす光になってあげてね。」
レオと同じ美しく澄んだ青の瞳は細められた。
目が合えば、ドキッとするような女神の笑みを称えて金色の髪を編み込んでいた。
月明りに照らされた夜・・。
レムリアの部屋にあるバルコニーに向かい合って語り掛けるようにレムリアはシリウスに
優しい声で話を続けていた。
「シリウス・・。信じられる??
大好きな貴方の事も、私ったら忘れてしまうの。
信じられないでしょう??
私達、幼い頃初めて出会った頃からずっと一緒にいたわね・・。
貴方は、優しい子だから・・。薬を探しに行くときも一緒に探してくれたわ。
煮詰まった私が調薬の仕事をサボった時もいつも貴方の背中に乗せてもらったもの・・。
もう、何度カーラに一緒に叱られたかしらね!?
カーラったらいつもお説教が長くて、・・長くて。・・本当に、嫌に・・なっちゃう。」
ポトッと落ちた涙に、不安そうな表情を浮かべたシリウスがレムリアの頬を舐めた。
「少しだけ、怖いの・・。ずっと一緒だった・・。
大好きな貴方を忘れる事が・・。
愛するリオルグを、自分の息子であるレオノールの事も思い出せなくなってしまう自分が・・。
・・・幼いあの子を残して・・。死んでしまう自分が。」
苦しそうに眉根を寄せて、荒く息をしたレムリアは夜空を見上げて呼吸を整える。
心を落ち着けようとしても、止まらないその涙は蒼く澄んだ瞳一杯に溢れていた。
大きなシリウスを見上げて、消え入りそうに微笑んだ。
「・・・グルッ・・グルルル・・。」
何かを察した、シリウスは不安そうに瞳を動かしていた。
「だけど、どうしたらいいのかしら??
あの子を深く傷つけてしまうの・・。だけど、この選択しかないの。
あの薬に、リオルグが殺されてしまっては、・・それだけは駄目なの!!
そんなの耐えられない・・。
我が家の名誉のためにも、それだけは阻まなければならないの。
・・・私が死んだ後に、あの毒に打ち勝つ薬が開発されるのよ?
信じられる、シリウス??
その薬が、この国を・・。きっと、世界を救う希望になるのよ・・!!」
その言葉を聞いた瞬間に私は胸が震えた。
「・・嘘??こんなの嘘でしょ??
全部、レムリア様の選択だったと言うの??
忘れると・・。解っていて、死ぬと解っていて・・。
・・・あの毒を、自分から飲んだの??」
全てを悟った私は、呼吸が出来ない程苦しくなった。
レムリアは、私と同じ力を持っていた。
「見る」力を持ち・・。
その力で予知した未来を、自分の意志でリオルグの杯を・・・。
レムリアは微笑みながら、その両目から零れ落ちる涙がポツポツと
冷たいベランダのコンクリートに染みを作っていく。
オロオロしたシリウスは、慰めるように何度もレムリアの頬を舐めていた。
レムリアは満月の夜に、その形をじっと見上げた。
潤んで滲んだ月を見上げて何かを強く願っていた。
「グルルッ・・・。」
「・・・有難う、慰めてくれるのね。
・・ああ、そうだ!!特別にお前に1つだけ、教えてあげる。私が死んでしまったレオに、とても好きな女の子が出来るのよ??
その女の子は、この月のように美しく輝くプラチナの金糸の髪を持っていてね・・。
空色を移したような大きな瞳を持った可愛らしい女の子なの!!とっても美人で、明るい女の子なのよ??その子と出会ってレオノールが変わるの・・。私譲りの容姿で、周りの女の子達を散々最悪な態度で無視を続けているのにね?
そんなあの子を、「裏切り者!!」って呼んで婚約なんかしたくない!って散々拒否されちゃうんだけど・・。あのレオを振り回す女の子が現れるなんてね。ふふっ・・。何をしたのかしら・・。
裏切り者だなんて物騒よね??
その未来をこの目で見ることが出来たら・・・。
その子にも、一度だけでも会いたかったわ・・。」
ああ、レムリア様。
裏切り者の下りまで・・。
・・レムリア様はどの場面を「見た」のかしら!?
私もお会いしたかった。
この強い志を持つ女性に。
私は、そこで初めてレオのお母様の・・。
・・・想像を超えた強い心を持つ母親だった、
レオのお母様の想いを始めて理解したのだった。
「・・だけど、それは欲張りな願い。
明日、私はリオルグが手に取ったグラスを奪うの。その中の液体の全てを・・。私は飲み干すわ。」
「ごめんね・・・。
シリウス、どうかこんな私を許して??
こんな選択しか出来なかった主を・・。
そして、私が消えて亡くなってしまえば神獣である貴方もこの世界から消えてしまう。
その前にどうかお前は良い主を見付けてね??
・・・お前には、絶対に幸せになって欲しいのよ。」
「グルルル・・。グルッグルルル・・。」
拒むようなシリウスの鳴き声は、レムリアと一緒に泣いているようだった。
弱弱しい声音で返事をするとレムリアに頬擦りをした。
その夜の月は、あまりに美しい満月で幻想的な月夜の明かりがレムリアと、シリウスを照らしていた。
青い瞳の少年が、レムリアの神獣であるシリウスを見つめていた。
黙って中にいる主の最期を待つ神獣が、固く閉ざされた大きなドアを静かに見つめていた。
エリアスは、ゆっくりとシリウスの側に近づいた。
「・・・そうか、そうだったのか。
シリウス・・。お前は、レオが心配なんだな。
この世に残して逝けないほどに・・。」
レムリアが亡くなる日・・。
エリアスが、シリウスの心の声を「聞いた」時に全てを理解した。
エリアスは、心に誓った。
レムリアの命を懸けた選択を・・。
主の願いを聞き届けたシリウスの心を。
「なぁ、シリウス・・・。
レムリア様が亡くなったら後が心配だと言うなら、俺と・・。契約を結ばないか??
いつか、レオにお前の力が必要になるかもしれない。その時、共にレオを守って戦ってくれないか??」
その上で、この世界の希望であるレオノールを必ず守るとエリアスはこの日シリウスと誓いを立てた。
青い瞳で自分を見上げた少年と向き合ったままで
シリウスの茶色の大きな瞳が揺れていた。
「グルルル・・・。」
諦めかけた灯を拾い継ぐ者が現れた事に、シリウスは覚悟を持ってその契約を承諾した。
「レムリア様の遺志を継ぐ為、お前と契約を結ぶ。
いつか訪れるであろう、この世界を救うための選択を・・・・。その命を懸けて選び取ったお前の主、レムリア様の儚い希望のような願いを・・。
主の息子である天帝となるレオノールを共に支え合い、我ら共に戦おう・・!!」
その言葉に、返事をするようにシリウスは頭を垂れた。
光りに包まれた廊下で交された契約と、レムリアが息を引き取った瞬間は奇しくも数秒の差を残したギリギリの時間だった。
「エリアス・・・。
貴方は・・、この時からずっとレオを守ってきたのね。・・・シリウスと一緒に。」
気が付くと目頭が熱くなっていた。
レオは、レムリア様に最後まで深く愛されていた・・。
エリアスとシリウスの誓いの場面は胸が熱くなる想いで見ていた。
貴方はどんな暗闇も照らす鮮やかな星の名・・。
どうか、どんな時でもあの子を照らす光になってあげてね。」
レオと同じ美しく澄んだ青の瞳は細められた。
目が合えば、ドキッとするような女神の笑みを称えて金色の髪を編み込んでいた。
月明りに照らされた夜・・。
レムリアの部屋にあるバルコニーに向かい合って語り掛けるようにレムリアはシリウスに
優しい声で話を続けていた。
「シリウス・・。信じられる??
大好きな貴方の事も、私ったら忘れてしまうの。
信じられないでしょう??
私達、幼い頃初めて出会った頃からずっと一緒にいたわね・・。
貴方は、優しい子だから・・。薬を探しに行くときも一緒に探してくれたわ。
煮詰まった私が調薬の仕事をサボった時もいつも貴方の背中に乗せてもらったもの・・。
もう、何度カーラに一緒に叱られたかしらね!?
カーラったらいつもお説教が長くて、・・長くて。・・本当に、嫌に・・なっちゃう。」
ポトッと落ちた涙に、不安そうな表情を浮かべたシリウスがレムリアの頬を舐めた。
「少しだけ、怖いの・・。ずっと一緒だった・・。
大好きな貴方を忘れる事が・・。
愛するリオルグを、自分の息子であるレオノールの事も思い出せなくなってしまう自分が・・。
・・・幼いあの子を残して・・。死んでしまう自分が。」
苦しそうに眉根を寄せて、荒く息をしたレムリアは夜空を見上げて呼吸を整える。
心を落ち着けようとしても、止まらないその涙は蒼く澄んだ瞳一杯に溢れていた。
大きなシリウスを見上げて、消え入りそうに微笑んだ。
「・・・グルッ・・グルルル・・。」
何かを察した、シリウスは不安そうに瞳を動かしていた。
「だけど、どうしたらいいのかしら??
あの子を深く傷つけてしまうの・・。だけど、この選択しかないの。
あの薬に、リオルグが殺されてしまっては、・・それだけは駄目なの!!
そんなの耐えられない・・。
我が家の名誉のためにも、それだけは阻まなければならないの。
・・・私が死んだ後に、あの毒に打ち勝つ薬が開発されるのよ?
信じられる、シリウス??
その薬が、この国を・・。きっと、世界を救う希望になるのよ・・!!」
その言葉を聞いた瞬間に私は胸が震えた。
「・・嘘??こんなの嘘でしょ??
全部、レムリア様の選択だったと言うの??
忘れると・・。解っていて、死ぬと解っていて・・。
・・・あの毒を、自分から飲んだの??」
全てを悟った私は、呼吸が出来ない程苦しくなった。
レムリアは、私と同じ力を持っていた。
「見る」力を持ち・・。
その力で予知した未来を、自分の意志でリオルグの杯を・・・。
レムリアは微笑みながら、その両目から零れ落ちる涙がポツポツと
冷たいベランダのコンクリートに染みを作っていく。
オロオロしたシリウスは、慰めるように何度もレムリアの頬を舐めていた。
レムリアは満月の夜に、その形をじっと見上げた。
潤んで滲んだ月を見上げて何かを強く願っていた。
「グルルッ・・・。」
「・・・有難う、慰めてくれるのね。
・・ああ、そうだ!!特別にお前に1つだけ、教えてあげる。私が死んでしまったレオに、とても好きな女の子が出来るのよ??
その女の子は、この月のように美しく輝くプラチナの金糸の髪を持っていてね・・。
空色を移したような大きな瞳を持った可愛らしい女の子なの!!とっても美人で、明るい女の子なのよ??その子と出会ってレオノールが変わるの・・。私譲りの容姿で、周りの女の子達を散々最悪な態度で無視を続けているのにね?
そんなあの子を、「裏切り者!!」って呼んで婚約なんかしたくない!って散々拒否されちゃうんだけど・・。あのレオを振り回す女の子が現れるなんてね。ふふっ・・。何をしたのかしら・・。
裏切り者だなんて物騒よね??
その未来をこの目で見ることが出来たら・・・。
その子にも、一度だけでも会いたかったわ・・。」
ああ、レムリア様。
裏切り者の下りまで・・。
・・レムリア様はどの場面を「見た」のかしら!?
私もお会いしたかった。
この強い志を持つ女性に。
私は、そこで初めてレオのお母様の・・。
・・・想像を超えた強い心を持つ母親だった、
レオのお母様の想いを始めて理解したのだった。
「・・だけど、それは欲張りな願い。
明日、私はリオルグが手に取ったグラスを奪うの。その中の液体の全てを・・。私は飲み干すわ。」
「ごめんね・・・。
シリウス、どうかこんな私を許して??
こんな選択しか出来なかった主を・・。
そして、私が消えて亡くなってしまえば神獣である貴方もこの世界から消えてしまう。
その前にどうかお前は良い主を見付けてね??
・・・お前には、絶対に幸せになって欲しいのよ。」
「グルルル・・。グルッグルルル・・。」
拒むようなシリウスの鳴き声は、レムリアと一緒に泣いているようだった。
弱弱しい声音で返事をするとレムリアに頬擦りをした。
その夜の月は、あまりに美しい満月で幻想的な月夜の明かりがレムリアと、シリウスを照らしていた。
青い瞳の少年が、レムリアの神獣であるシリウスを見つめていた。
黙って中にいる主の最期を待つ神獣が、固く閉ざされた大きなドアを静かに見つめていた。
エリアスは、ゆっくりとシリウスの側に近づいた。
「・・・そうか、そうだったのか。
シリウス・・。お前は、レオが心配なんだな。
この世に残して逝けないほどに・・。」
レムリアが亡くなる日・・。
エリアスが、シリウスの心の声を「聞いた」時に全てを理解した。
エリアスは、心に誓った。
レムリアの命を懸けた選択を・・。
主の願いを聞き届けたシリウスの心を。
「なぁ、シリウス・・・。
レムリア様が亡くなったら後が心配だと言うなら、俺と・・。契約を結ばないか??
いつか、レオにお前の力が必要になるかもしれない。その時、共にレオを守って戦ってくれないか??」
その上で、この世界の希望であるレオノールを必ず守るとエリアスはこの日シリウスと誓いを立てた。
青い瞳で自分を見上げた少年と向き合ったままで
シリウスの茶色の大きな瞳が揺れていた。
「グルルル・・・。」
諦めかけた灯を拾い継ぐ者が現れた事に、シリウスは覚悟を持ってその契約を承諾した。
「レムリア様の遺志を継ぐ為、お前と契約を結ぶ。
いつか訪れるであろう、この世界を救うための選択を・・・・。その命を懸けて選び取ったお前の主、レムリア様の儚い希望のような願いを・・。
主の息子である天帝となるレオノールを共に支え合い、我ら共に戦おう・・!!」
その言葉に、返事をするようにシリウスは頭を垂れた。
光りに包まれた廊下で交された契約と、レムリアが息を引き取った瞬間は奇しくも数秒の差を残したギリギリの時間だった。
「エリアス・・・。
貴方は・・、この時からずっとレオを守ってきたのね。・・・シリウスと一緒に。」
気が付くと目頭が熱くなっていた。
レオは、レムリア様に最後まで深く愛されていた・・。
エリアスとシリウスの誓いの場面は胸が熱くなる想いで見ていた。
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