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異世界
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一台の豪奢な馬車が王宮の隣、魔術師団の詰め所の側に着けられた。
魔術師団の詰め所は、大きな噴水が目の前に置かれていて、
三階建ての大きな白塗りの建物に、屋根はオレンジ色で統一されている。
窓も沢山あって、中央の玄関口の上には巨大な時計と、広いバルコニーが備え付けられていた。
魔術師団の詰め所と想像すると、暗いイメージだったのだがどちらかと言えば、
明るく日も差し込むような造形になっていた。
「へぇー!!思っていたイメージとは・・全然違いますね。」
私は、左右にキョロキョロと視線を走らせ楽しそうに観察していた。
入口付近では、男性師団員と、女性師団員が両側に並び誰かを待っているようだった。
「・・・あの、朝から何の騒ぎですか?」
「さぁ・・。暇なのだろうな。持ち場について仕事の1つでも片付ければ良いのに。」
なんだか、不機嫌!!しかも、入り口に近づけば近づく程・・。
ランドルの眉間に皺が入っていく!!
「どうしたー??セレーナちゃん、ビクビクしてるじゃない。」
後ろから着いて来ていた、ケイレブが隣に並んで話しかけてきた。
「あの、入口のあの大騒ぎは何ですか?あまりにランドル様が不機嫌すぎて
面倒くさいんですけど・・。・・朝からお祭りですか??」
緊張した表情を浮かべているセレーナにケイレブはまた爆笑している。
「あはははは!!あれは、入り待ちってやつだよ。
ランドルファンと、俺のファン。そのうち、君のファンも増えそうだけどね。
まだねー、女性のカリスマは出現していないんだよね。
絶対数が8:2だから・・・。まぁ、これ以上増えたら。近隣から苦情が出そうだけどな。」
明らかに機嫌が悪いランドルと距離が開いていく。
入り口近くで急にピタリと止まったランドルは、私の方へズンズン歩いて来る・・。
非常に嫌な予感がしかしないので、ケイレブの後ろに隠れていると
「おい!!ケイレブ、どけ!・・セレーナの顔が見えないだろう??」
「いや・・俺のせいじゃないだろう、セレーナちゃんが鬼の形相のランドルが怖くて
逃げてるんだろうが!とばっちりだぜ。」
「何ですか?!もう面倒くさいんで前、出ますわ。」
セレーナが隠れていたケイレブの前に出ると、急にランドルにガッシリと腕を掴まれ
入口の大衆の前へと引きずられて行く・・・。
ああ・・。何をされるんだろう・・。
面倒くさい・・。
そうだ、意識飛ばしとこ!
私は、引きずられながら目を閉じる。
「お、おい痛そうだぞ!?何してんるんだよ・・っ、ランドル!!」
ケイレブは、困惑の表情を浮かべていた。
女性師団員が10~15人、男性師団員が30人近く集っている
玄関口まで来るとピタっと止まる。
女性は黒色の詰襟服に金糸で刺しゅうがされた上着に、同色の長いスカート。
それに、編み上げの茶色いブーツを合わせている。
男性は黒色の詰襟服に同じく金糸での刺繍が入った上着、同じ色のズボン。
そして、茶色の革靴を履いていた。
いつもなら黄色い歓声でのお出迎えを日課にしている令嬢達は、不安そうな表情で見守る。
男性師団は、セレーナの姿を確認し頬を染めている者や、興味深そうにしている団員達が
ランドルの動向を見つめていた。
「彼女は、私の婚約者であるセレーナ=アルベルディア公爵令嬢だ。
光、火、風、水の4種の属性の使い手だ。今日からこの師団で預かる事になった!
皆、宜しく頼む。」
ランドルは良く通る澄んだ声で、皆の顔を見ながら告げると丁寧に頭を下げた。
その瞬間、ざわっとその場が揺れる。
「ランドル様が、頭を下げたわ!!・・どうしたのかしら?ご病気かしら?
いつもなら、退け!ウジ虫ども!!って罵倒するのにっ。!」
「あのご令嬢は、ランドル様の婚約者!?信じられない・・あの女嫌いのランドル様に限って!!」
「可愛いのが入団して来ると思ったら、ランドル様の婚約者かよ!
・・今日のやる気がダダ下がりだ!!・・・灰になるな・・。」
ザワザワと、玄関口が大騒ぎになっている。
「あの、皆さま・・。私、セレーナ=アルベルディアと申します。
新人ですので、不慣れな事も多く・・。ご迷惑をおかけいたしますが
どうぞ、宜しくお願いいたします!!」
美しい茶色の髪はサラサラと流れ、藍が混じるグリーンの瞳は美しく煌く。
そう言うと、丁寧な礼を取った。
一同が、落ち着きを取り戻し、取りあえず拍手で歓迎していた。
ケイレブも、どうなることかと見守ったが・・安心した様子だった。
そこに、一人の男性ハスキーな声が響く。
「セレーナ!?・・・何故ここにいる!?」
集っている皆や、ランドル達とも違う風貌の男性が走って近づいて来た。
紺色の詰襟の制服に白い線が2本入った制服を着て、赤いマントを翻している。
・・誰?!
この馴れ馴れしい感じ!・・知り合いかしら?!
私を見て、急いで駆け寄って来た男性に、ランドルは驚く。
「クレード・・王子?!」
青い髪に、薄いグリーンの瞳のこれまた美形は・・・王子様でしたか。
美形のロイヤルストレートフラッシュですね。
そろそろ魔王も出るかしら。
もう誰が現れても驚きません!!
「おい、クレード。今日は第二師団は調査の為、
国境近くの山村「イザリオ」に滞在中の予定じゃなかったかー?」
ケイレブも、クレードの登場に驚いていた。
「ああ、「イザリオ」の任務は昨夕には諜報活動が全て終わり、急いで戻って来たのだ。
クリス宛の連絡を聞いて慌てて王都へ飛んで来たんだ!!」
私の方をチラっと確認する。
そこに、弟のクリスも走って来た。
「姉さん?!!何でここにいるの?
クレード様が大変だったんだよ・・。
急に父上から、姉さんがランドル様と婚約したと聞いて、
3日だらだら続いてた諜報活動が30分で終わったし!
やる気になれば早いんだから、最初からやる気出して下さいよー・・。」
「あっ、ああ・・。
そ、そんな事より!!セレーナがランドルと婚約したのは真実か?!
何故、こんな話になっているんだ?
セレーナ!!君は幼馴染の私と、子供の頃に結婚の約束をしたのに!!
なぁ、クリス・・。見てたよな?」
「あ・・えーと。6歳の時でしたっけ?
殿下は5歳でしたね。
姉の事だから多分覚えておりませんよ・・・。
しかも、「はい」以外は言ってはいけないルール上で
「結婚してください。」「はい。」
やったぁぁ約束だぞ!!
このやり取りに、達成感ってあります?
・・姉はそもそも殿下には昔から興味なさそうですけど?」
「そのエピソードは、時効ですね。
しかも、なんの強制力もありません。・・引っ込んでて下さいよ。」
王子に対しても横暴な俺様ランドルに私は唖然とする。
成程、この王子様は、私とクリスの幼馴染なのね・・。
「どうでもいいが、殿下。
彼女との婚約は決定事項なので、申し訳ありませんが、手遅れです。
しかも、彼女は4つの属性とかなりの魔法量を確認しました。
セレーナは今日から第一師団で預かりますので・・・。」
冷めた目でランダルはクレードを斜めに見下ろす。
「おいランドル!横暴だぞ・・!
力が強いからと言って王子を無視するなー。
・・セレーナ、君は第二師団で僕と一緒に頑張ろう。
幼い頃からの気心知れた仲間だし。
・・ついでに、クリスもいるよ!」
「王子!?私は、魔術師じゃなくて王子のお付きの護衛騎士でしょう!
姉さん、王子は力を持って生まれてきたので魔術師団の第二師団団長なんだ。
身辺警護として、幼馴染である王子の護衛騎士で常に行動を共にしてるんだよ・・。
不本意だけど・・。」
「不本意なのね・・。クリスも大変ね・・。」
心から同情するわ!!
目と目で通じ合った姉弟なのであ
った。
ケイレブはこの個性豊かな漫談を楽しそうに見守っている。
私は、もう何処でもいいから魔術をすぐに教えてほしかった・・・。
「あのー。私は、何処でもいいので・・どっかに配属させて下さい!!」
その一言をきっかけに、ランドル、クレード、クリス、時々仲裁に入るケイレブで
お昼ご飯の時間まで、決着の付かない揉め合いが継続したのであった。
「魔窟」の二文字が頭に踊る。
セレーナの周りは、いちいちキャラが濃い人ばかりで大変だったのだろうなぁと
心から同情したのであった。
魔術師団の詰め所は、大きな噴水が目の前に置かれていて、
三階建ての大きな白塗りの建物に、屋根はオレンジ色で統一されている。
窓も沢山あって、中央の玄関口の上には巨大な時計と、広いバルコニーが備え付けられていた。
魔術師団の詰め所と想像すると、暗いイメージだったのだがどちらかと言えば、
明るく日も差し込むような造形になっていた。
「へぇー!!思っていたイメージとは・・全然違いますね。」
私は、左右にキョロキョロと視線を走らせ楽しそうに観察していた。
入口付近では、男性師団員と、女性師団員が両側に並び誰かを待っているようだった。
「・・・あの、朝から何の騒ぎですか?」
「さぁ・・。暇なのだろうな。持ち場について仕事の1つでも片付ければ良いのに。」
なんだか、不機嫌!!しかも、入り口に近づけば近づく程・・。
ランドルの眉間に皺が入っていく!!
「どうしたー??セレーナちゃん、ビクビクしてるじゃない。」
後ろから着いて来ていた、ケイレブが隣に並んで話しかけてきた。
「あの、入口のあの大騒ぎは何ですか?あまりにランドル様が不機嫌すぎて
面倒くさいんですけど・・。・・朝からお祭りですか??」
緊張した表情を浮かべているセレーナにケイレブはまた爆笑している。
「あはははは!!あれは、入り待ちってやつだよ。
ランドルファンと、俺のファン。そのうち、君のファンも増えそうだけどね。
まだねー、女性のカリスマは出現していないんだよね。
絶対数が8:2だから・・・。まぁ、これ以上増えたら。近隣から苦情が出そうだけどな。」
明らかに機嫌が悪いランドルと距離が開いていく。
入り口近くで急にピタリと止まったランドルは、私の方へズンズン歩いて来る・・。
非常に嫌な予感がしかしないので、ケイレブの後ろに隠れていると
「おい!!ケイレブ、どけ!・・セレーナの顔が見えないだろう??」
「いや・・俺のせいじゃないだろう、セレーナちゃんが鬼の形相のランドルが怖くて
逃げてるんだろうが!とばっちりだぜ。」
「何ですか?!もう面倒くさいんで前、出ますわ。」
セレーナが隠れていたケイレブの前に出ると、急にランドルにガッシリと腕を掴まれ
入口の大衆の前へと引きずられて行く・・・。
ああ・・。何をされるんだろう・・。
面倒くさい・・。
そうだ、意識飛ばしとこ!
私は、引きずられながら目を閉じる。
「お、おい痛そうだぞ!?何してんるんだよ・・っ、ランドル!!」
ケイレブは、困惑の表情を浮かべていた。
女性師団員が10~15人、男性師団員が30人近く集っている
玄関口まで来るとピタっと止まる。
女性は黒色の詰襟服に金糸で刺しゅうがされた上着に、同色の長いスカート。
それに、編み上げの茶色いブーツを合わせている。
男性は黒色の詰襟服に同じく金糸での刺繍が入った上着、同じ色のズボン。
そして、茶色の革靴を履いていた。
いつもなら黄色い歓声でのお出迎えを日課にしている令嬢達は、不安そうな表情で見守る。
男性師団は、セレーナの姿を確認し頬を染めている者や、興味深そうにしている団員達が
ランドルの動向を見つめていた。
「彼女は、私の婚約者であるセレーナ=アルベルディア公爵令嬢だ。
光、火、風、水の4種の属性の使い手だ。今日からこの師団で預かる事になった!
皆、宜しく頼む。」
ランドルは良く通る澄んだ声で、皆の顔を見ながら告げると丁寧に頭を下げた。
その瞬間、ざわっとその場が揺れる。
「ランドル様が、頭を下げたわ!!・・どうしたのかしら?ご病気かしら?
いつもなら、退け!ウジ虫ども!!って罵倒するのにっ。!」
「あのご令嬢は、ランドル様の婚約者!?信じられない・・あの女嫌いのランドル様に限って!!」
「可愛いのが入団して来ると思ったら、ランドル様の婚約者かよ!
・・今日のやる気がダダ下がりだ!!・・・灰になるな・・。」
ザワザワと、玄関口が大騒ぎになっている。
「あの、皆さま・・。私、セレーナ=アルベルディアと申します。
新人ですので、不慣れな事も多く・・。ご迷惑をおかけいたしますが
どうぞ、宜しくお願いいたします!!」
美しい茶色の髪はサラサラと流れ、藍が混じるグリーンの瞳は美しく煌く。
そう言うと、丁寧な礼を取った。
一同が、落ち着きを取り戻し、取りあえず拍手で歓迎していた。
ケイレブも、どうなることかと見守ったが・・安心した様子だった。
そこに、一人の男性ハスキーな声が響く。
「セレーナ!?・・・何故ここにいる!?」
集っている皆や、ランドル達とも違う風貌の男性が走って近づいて来た。
紺色の詰襟の制服に白い線が2本入った制服を着て、赤いマントを翻している。
・・誰?!
この馴れ馴れしい感じ!・・知り合いかしら?!
私を見て、急いで駆け寄って来た男性に、ランドルは驚く。
「クレード・・王子?!」
青い髪に、薄いグリーンの瞳のこれまた美形は・・・王子様でしたか。
美形のロイヤルストレートフラッシュですね。
そろそろ魔王も出るかしら。
もう誰が現れても驚きません!!
「おい、クレード。今日は第二師団は調査の為、
国境近くの山村「イザリオ」に滞在中の予定じゃなかったかー?」
ケイレブも、クレードの登場に驚いていた。
「ああ、「イザリオ」の任務は昨夕には諜報活動が全て終わり、急いで戻って来たのだ。
クリス宛の連絡を聞いて慌てて王都へ飛んで来たんだ!!」
私の方をチラっと確認する。
そこに、弟のクリスも走って来た。
「姉さん?!!何でここにいるの?
クレード様が大変だったんだよ・・。
急に父上から、姉さんがランドル様と婚約したと聞いて、
3日だらだら続いてた諜報活動が30分で終わったし!
やる気になれば早いんだから、最初からやる気出して下さいよー・・。」
「あっ、ああ・・。
そ、そんな事より!!セレーナがランドルと婚約したのは真実か?!
何故、こんな話になっているんだ?
セレーナ!!君は幼馴染の私と、子供の頃に結婚の約束をしたのに!!
なぁ、クリス・・。見てたよな?」
「あ・・えーと。6歳の時でしたっけ?
殿下は5歳でしたね。
姉の事だから多分覚えておりませんよ・・・。
しかも、「はい」以外は言ってはいけないルール上で
「結婚してください。」「はい。」
やったぁぁ約束だぞ!!
このやり取りに、達成感ってあります?
・・姉はそもそも殿下には昔から興味なさそうですけど?」
「そのエピソードは、時効ですね。
しかも、なんの強制力もありません。・・引っ込んでて下さいよ。」
王子に対しても横暴な俺様ランドルに私は唖然とする。
成程、この王子様は、私とクリスの幼馴染なのね・・。
「どうでもいいが、殿下。
彼女との婚約は決定事項なので、申し訳ありませんが、手遅れです。
しかも、彼女は4つの属性とかなりの魔法量を確認しました。
セレーナは今日から第一師団で預かりますので・・・。」
冷めた目でランダルはクレードを斜めに見下ろす。
「おいランドル!横暴だぞ・・!
力が強いからと言って王子を無視するなー。
・・セレーナ、君は第二師団で僕と一緒に頑張ろう。
幼い頃からの気心知れた仲間だし。
・・ついでに、クリスもいるよ!」
「王子!?私は、魔術師じゃなくて王子のお付きの護衛騎士でしょう!
姉さん、王子は力を持って生まれてきたので魔術師団の第二師団団長なんだ。
身辺警護として、幼馴染である王子の護衛騎士で常に行動を共にしてるんだよ・・。
不本意だけど・・。」
「不本意なのね・・。クリスも大変ね・・。」
心から同情するわ!!
目と目で通じ合った姉弟なのであ
った。
ケイレブはこの個性豊かな漫談を楽しそうに見守っている。
私は、もう何処でもいいから魔術をすぐに教えてほしかった・・・。
「あのー。私は、何処でもいいので・・どっかに配属させて下さい!!」
その一言をきっかけに、ランドル、クレード、クリス、時々仲裁に入るケイレブで
お昼ご飯の時間まで、決着の付かない揉め合いが継続したのであった。
「魔窟」の二文字が頭に踊る。
セレーナの周りは、いちいちキャラが濃い人ばかりで大変だったのだろうなぁと
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