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異世界
休日の急転直下。
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今日は、久しぶりの魔術師団の勤務がない休日。
ローゼには、ゆっくり睡眠を取りたいので、起こす時間はいつもより遅らせて欲しいと伝えていた。
のんびりと睡眠を貪ったセレーナは、お昼の少し前頃にベッドで目を覚ましたのだった。
ベッドの上で伸びをしていると、トントン!!とノックの音が聞こえてきた。
ノックよりも大きな音で急にバン!!と扉が開き、慌てて部屋へ駈け込んで来たローゼに驚く。
「どうしたの、ローゼ!?貴方らしくもない。そんなに大慌てで入ってくるなんて・・。」
「お嬢様、玄関ホールにランドル様がいらしております!!」
「は?ええっ!?何で?私、お約束なんかしてないのに!!」
私は慌ててベッドから飛び起きて、身支度を整える事にした。
玄関ホールへと降りて行くと、白いシャツに紺色のタイにベストを合わせ、こげ茶色のトウザーズ姿の
長身のランドルがゆったりとした笑みを浮かべて待っていた。
「どうしたのですか?!休日の朝早くに・・・。」
寝起きがバレたのか、ランドルがくすくす私の顔を見て微笑んでいた。
「寝起きだな・・。すまん、ゆっくり休んでいた所を。
実は一緒に街へのデートのお誘いに来たんだ。
この間の対抗戦の折、アスコットに「クロニクル」の書を薦められていたのを
見て、一緒に隣国のマグダリアで扱われている書の閲覧が出来る本屋に・・・。」
「行きます!!すぐ行きます。・・さっさと支度して来ます!!!」
言い終わる前に、セレーナは興奮気味で被せた。
エメラルドグリーンの豪奢な馬車(2度目)に慣れた動作で乗ると、
腰かけて向かい合ったランドルは嬉しそうに笑っていた。
黒髪は今日も艶やかに整っていて、紅い瞳も太陽に透けてドキドキする位綺麗だった。
左目の下の黒子の妖艶さも相まって、久々の二人きりに緊張してしまう。
「久しぶりだな・・。二人でゆっくり話すのは。
最近は、セレーナは団員やアスコットとばかり楽しそうに話していたから、少し寂しかった・・。」
切なそうに妖艶な表情で笑うランドルに、固まる。
なんだこれは・・!?
ツンデレ団長の、デレなのかツンなのか分からないカミングアウトに戸惑う。
ランドルは、氷の団長の異名を守り、魔術師団の中では総長の下に付き従い、
各師団への任務連絡、統制を管理する副団長を兼任していた。
いつもは遠い位置に居て、任務に不誠実な令嬢たちには罵声を放ちクールな態度を取る。
そんな時の彼は、自分の知っているランドルではないような不思議な感じだった。
団員の前での明らかにな魔力差と、そのカリスマ性を団に入って目にする機会が多かった。
皆が憧れ、圧倒的な力と策略で様々な難局を回避して来た彼の崇高さを理解したのだった。
しかし、自分の前だと別人のようにすぐ拗ね、すぐ感情的になり、すぐ手を出そうとする・・。
そんなアンバランスなランドルをどう扱えばいいのか、最近分からなくなっていた。
「ランドル様、私にいつも感情が顔に出てると仰いますが・・・。
私の前ではいつも素直に喜怒哀楽を自由に出してくれる。何故ですか?」
「他の者。。ケイレブの前ではこんな感じだったがな。
セレーナの前では安心して自分のままでいれるのかもしれない。・・・迷惑か?」
少し、緊張気味の瞳を私に向けるランドルに、私は笑ってしまった。
「私は、私の前で素直に感情を見せてくれるランドル様といると少しだけ、親近感が湧きます。。
普段は遠い所にいるように感じてましたが・・。久々に話せて良かったです。
「クロニクル」の図書、楽しみですね!!」
「ああ。・・・そうだ、その様子じゃ朝食もまだだろう?早めのランチを取ってから向かおうか?」
窓から、外の御者へ店の場所を指示する。
外の風が吹き抜け、サラっと流れた髪が目元にかかる。
ランドルの頼もしい紅い瞳を座席からじっと見ていた。
久々に、ランドルと一緒に過ごしてみると、とても楽だった。
アスコットや、同じ団の団員にまで、嫉妬をしていたのは驚いたが、
そんなランドルが可愛く見えて仕方が無かった。
彼への感情は飼っている犬への愛玩感覚に近いモノ・・・私はそう思った。
ふと、優しい笑顔の男性が頭を過り、懐かしい感情を思い出していた。
初恋が遅かった私が、それを恋と認識したのは彼が去った後だった。
あれとは、違う。
私はもう恋愛なんてしない。
昼食を済ませながら、口にした紅茶の苦みと、思い出した記憶の苦みが
胸に痛かった。
本屋に向かおうとレストランの席を立とうとしたその時・・。
「ランドル!!!セレーナ!大変だ・・・!!」
座していた、ランドルの後ろから見覚えのある緑色の髪が見えた。
風の使役を受け、凄まじい勢いで到着したケイレブが、息を切らして駆け込んで来た。
「・・・ケイレブ総長!?どうしたんですか?」
「お前が慌てるなど、ただ事ではないな・・。どうした?」
驚いたランドルも慌てて立ち上がり、ケイレブの方を振り返った。
「ア、アスコットが・・・。
災難時の救援訓練の最中に大怪我をしたと・・先程連絡が入った!!
隣国の国境近くの町だったので、そこに居合わせた、マグダリアの王家の者が、
すぐに自国の医療都市「メディテリア」へ、緊急搬送したそうだ!!」
「嘘!?・・アスコット団長が?!まさか・・・。」
あんなに強い団長が・・。どうして?!
私は耳を疑い・・真っ青になっていた。
その時、現世での記憶も蘇った・・。
怪我をしていく男たち、そしてこの世界でも義兄が襲われたのは、4か月前・・。
私は膝がガクガク震えていた。
「すぐに、第三師団の者に伝えるぞ!!急ぎ「メディテリア」へ行こう。」
ランドルは、ケイレブにクレードや、カルドリア王家へもすぐに伝えるように頼む。
アスコットの事故に、隣国の王家も関わっているのだとすると、クレードが動く
方が簡単に物事は進むと判断したようだった。
私へと視線を落としたランドルが、驚いた顔で私の腕を掴む。
「っおい!!セレーナ・・大丈夫か!?顔が真っ青だぞ?」
私は、ランドルの心配そうなガーネットのような紅い瞳を見つめながら
その場で意識を失ったのだった。
ローゼには、ゆっくり睡眠を取りたいので、起こす時間はいつもより遅らせて欲しいと伝えていた。
のんびりと睡眠を貪ったセレーナは、お昼の少し前頃にベッドで目を覚ましたのだった。
ベッドの上で伸びをしていると、トントン!!とノックの音が聞こえてきた。
ノックよりも大きな音で急にバン!!と扉が開き、慌てて部屋へ駈け込んで来たローゼに驚く。
「どうしたの、ローゼ!?貴方らしくもない。そんなに大慌てで入ってくるなんて・・。」
「お嬢様、玄関ホールにランドル様がいらしております!!」
「は?ええっ!?何で?私、お約束なんかしてないのに!!」
私は慌ててベッドから飛び起きて、身支度を整える事にした。
玄関ホールへと降りて行くと、白いシャツに紺色のタイにベストを合わせ、こげ茶色のトウザーズ姿の
長身のランドルがゆったりとした笑みを浮かべて待っていた。
「どうしたのですか?!休日の朝早くに・・・。」
寝起きがバレたのか、ランドルがくすくす私の顔を見て微笑んでいた。
「寝起きだな・・。すまん、ゆっくり休んでいた所を。
実は一緒に街へのデートのお誘いに来たんだ。
この間の対抗戦の折、アスコットに「クロニクル」の書を薦められていたのを
見て、一緒に隣国のマグダリアで扱われている書の閲覧が出来る本屋に・・・。」
「行きます!!すぐ行きます。・・さっさと支度して来ます!!!」
言い終わる前に、セレーナは興奮気味で被せた。
エメラルドグリーンの豪奢な馬車(2度目)に慣れた動作で乗ると、
腰かけて向かい合ったランドルは嬉しそうに笑っていた。
黒髪は今日も艶やかに整っていて、紅い瞳も太陽に透けてドキドキする位綺麗だった。
左目の下の黒子の妖艶さも相まって、久々の二人きりに緊張してしまう。
「久しぶりだな・・。二人でゆっくり話すのは。
最近は、セレーナは団員やアスコットとばかり楽しそうに話していたから、少し寂しかった・・。」
切なそうに妖艶な表情で笑うランドルに、固まる。
なんだこれは・・!?
ツンデレ団長の、デレなのかツンなのか分からないカミングアウトに戸惑う。
ランドルは、氷の団長の異名を守り、魔術師団の中では総長の下に付き従い、
各師団への任務連絡、統制を管理する副団長を兼任していた。
いつもは遠い位置に居て、任務に不誠実な令嬢たちには罵声を放ちクールな態度を取る。
そんな時の彼は、自分の知っているランドルではないような不思議な感じだった。
団員の前での明らかにな魔力差と、そのカリスマ性を団に入って目にする機会が多かった。
皆が憧れ、圧倒的な力と策略で様々な難局を回避して来た彼の崇高さを理解したのだった。
しかし、自分の前だと別人のようにすぐ拗ね、すぐ感情的になり、すぐ手を出そうとする・・。
そんなアンバランスなランドルをどう扱えばいいのか、最近分からなくなっていた。
「ランドル様、私にいつも感情が顔に出てると仰いますが・・・。
私の前ではいつも素直に喜怒哀楽を自由に出してくれる。何故ですか?」
「他の者。。ケイレブの前ではこんな感じだったがな。
セレーナの前では安心して自分のままでいれるのかもしれない。・・・迷惑か?」
少し、緊張気味の瞳を私に向けるランドルに、私は笑ってしまった。
「私は、私の前で素直に感情を見せてくれるランドル様といると少しだけ、親近感が湧きます。。
普段は遠い所にいるように感じてましたが・・。久々に話せて良かったです。
「クロニクル」の図書、楽しみですね!!」
「ああ。・・・そうだ、その様子じゃ朝食もまだだろう?早めのランチを取ってから向かおうか?」
窓から、外の御者へ店の場所を指示する。
外の風が吹き抜け、サラっと流れた髪が目元にかかる。
ランドルの頼もしい紅い瞳を座席からじっと見ていた。
久々に、ランドルと一緒に過ごしてみると、とても楽だった。
アスコットや、同じ団の団員にまで、嫉妬をしていたのは驚いたが、
そんなランドルが可愛く見えて仕方が無かった。
彼への感情は飼っている犬への愛玩感覚に近いモノ・・・私はそう思った。
ふと、優しい笑顔の男性が頭を過り、懐かしい感情を思い出していた。
初恋が遅かった私が、それを恋と認識したのは彼が去った後だった。
あれとは、違う。
私はもう恋愛なんてしない。
昼食を済ませながら、口にした紅茶の苦みと、思い出した記憶の苦みが
胸に痛かった。
本屋に向かおうとレストランの席を立とうとしたその時・・。
「ランドル!!!セレーナ!大変だ・・・!!」
座していた、ランドルの後ろから見覚えのある緑色の髪が見えた。
風の使役を受け、凄まじい勢いで到着したケイレブが、息を切らして駆け込んで来た。
「・・・ケイレブ総長!?どうしたんですか?」
「お前が慌てるなど、ただ事ではないな・・。どうした?」
驚いたランドルも慌てて立ち上がり、ケイレブの方を振り返った。
「ア、アスコットが・・・。
災難時の救援訓練の最中に大怪我をしたと・・先程連絡が入った!!
隣国の国境近くの町だったので、そこに居合わせた、マグダリアの王家の者が、
すぐに自国の医療都市「メディテリア」へ、緊急搬送したそうだ!!」
「嘘!?・・アスコット団長が?!まさか・・・。」
あんなに強い団長が・・。どうして?!
私は耳を疑い・・真っ青になっていた。
その時、現世での記憶も蘇った・・。
怪我をしていく男たち、そしてこの世界でも義兄が襲われたのは、4か月前・・。
私は膝がガクガク震えていた。
「すぐに、第三師団の者に伝えるぞ!!急ぎ「メディテリア」へ行こう。」
ランドルは、ケイレブにクレードや、カルドリア王家へもすぐに伝えるように頼む。
アスコットの事故に、隣国の王家も関わっているのだとすると、クレードが動く
方が簡単に物事は進むと判断したようだった。
私へと視線を落としたランドルが、驚いた顔で私の腕を掴む。
「っおい!!セレーナ・・大丈夫か!?顔が真っ青だぞ?」
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その場で意識を失ったのだった。
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