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転生したいは流石に冗談
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真っ暗な部屋、ものが散乱するなか唯一明かりを放つのはパソコンの明かりだった。
「こいつこんなゴミ編成できやがって害悪かよ!ふざけてんのかよ」
彼は西条一樹27歳、友人なし恋人なし貯金なしの工場作業員、休日はオンラインゲームに明け暮れ外には出ない、食事の八割はコンビニ弁当かカップラーメンで済ます典型的な不健康男子だ。
「こいつのせいで負けたわクソが、まじおもんねぇ、弱いやつはゲームすんじゃねぇよ」
そう言っておもむろに立ちあがると冷蔵庫へ向かう
「ビールきれてる…今日はろくでもねぇな、めんどくせぇけど買い物行くかぁ」
そう言ってサンダルを履いてスマホ片手に外に出る。スマホだけで買い物出来る、いい時代になったもんだな…近くのゲームショップには新作ゲームやアニメが流れ大きな音楽が響き渡る、フルム社の新作出んのか、やらなきゃな。
最近はつまらない、月から金まで働き休日はゲーム仕事上人とも話さない。生きてる意味があるのかも分からない。
「異世界行きてぇなぁ…」
「危ない!!」
近くから叫び声がする。その方向を見るとこちらを指さしているし俺の周りから人が居なくなった。周りの人が上を見ていたので俺も上を見るとそこには今にも繋ぎ止める紐がちぎれそうな建設中の看板があった。ブチッ!そう言って大きな看板が落ちてきた。それを見つめたまま動けない俺は世界がスローに見えた。
「さすがに冗談で言ったんだけどな…」
そこで俺の短い人生は幕を下ろした。
畑を耕し質素ながらに豊かに暮らす村があった。木造の家に大きな畑、馬車が走る。ただ様子が変なのは…
「耕すの終わりっと、そしたら『クリエイトウォーター』!!」
手のひらからジョロジョロと水が出てくる。それをバケツに貯めて畑に水をまいていた。
「『ミニファイア』!!」
指先から一瞬火花が散りかまどに火がつく。
そう、ここは魔法が存在する世界、言わば異世界である。あの時看板に潰された俺はなんとほんとに異世界に転生した。転生した時ははっきり覚えている。あれは4歳の頃、俺は庭の丸太に座り庭で洗濯をする母親と畑仕事をする父親を眺めていた。物心もつかない子供、その瞬間『成った』全ての記憶を取り戻したのである。そして初めて魔法を魔法と理解して見た、その時俺は決めた、いや、あんなものを見たら決めざるを得なかった。俺は魔法使いになる!!
そして今14歳
「ユーリご飯よ」
「はーい」
ユーリ、それが今の名前だ
「ユーリ、ついに成人の儀まで1週間だな、いやぁ適正魔法が何になるか楽しみだな!」
「そうだね父さん」
この世界では14歳が成人で、成人して1年経つと学校に通ったり仕事が出来るようになる、何より成人と同時に適正を判断される。
大前提この世界には魔法が存在する。魔法とはイメージを具現化する力、だが何でもかんでもできる訳では無い
温度を司り炎を操る、更に難しいが温度を下げることでものを凍らせることも出来る『火属性』
水を生成し水を操る、更に極めれば液体であれは生成は出来ないもの多少特殊な液体でも少しの液体から体積を増やせる『水属性』
岩を操り岩を浮かしたり動かしたりでき、練習次第で金属や木材も操れる『土属性』
風を起こすことが出来て戦闘面はからっきしだが農民や市民からは便利で水属性と共に人気のある『風属性』
他にも2~30人に1人まれに現れる、生命活動を活発化し動物や植物に対して回復、バフを行えたり、過去には光を操った魔道士もいたとかいないとか『陽属性』
さらに珍しく1~200人に1人現れる、生命活動を制限し動物や植物に対してデバフをかけれて、大昔には重力を司る者がいたという伝承もある『陰属性』
人間が使える魔術は決められておりこの6つのうち1つ、ごくごーく稀に2つ使えるようになる。それが『適正』である。
なぜこんなこと知ってるかって?そりゃ学んだからよ
「ユーリはなんの属性がいいんだ?」
「やっぱり冒険者になりたいから火か土がいいな、まぁないだろうけど陽属性もいいね」
「いいなぁ、まぁ父さんの水魔法に憧れてくれないのは悲しいが…」
「こーら、息子にそんな事言わないの、ユーリはお母さんの炎に憧れたんだよね~」
「ははっ…」
父さんと母さんはとても気のいい人でいつもこんな感じで仲良くしてる
「来週でユーリも成人かぁ、早いもんだなぁ」
「そうそう、この間までこんなに小さかったのに今じゃお母さんの血をついでイケメンになっちゃってぇ~」
確かに母親は美人だが俺は父親似な気がするがどうだろう、父親もなかなかのイケメンで正直俺も当然イケメンだ。転生前では俺とは無縁すぎると思っていたがイケメンってのは気分がいい、それに両親は性格まで美男美女でこんな人たちのことを本気で尊敬している
「それも全部父さんと母さんのおかげだよ、ありがとう」
「うっ…ごんなにりっばにぞだっでぇぇぇ」
酒が入ってるからか涙脆いのかはたまたその両方か、父さんは泣き出してしまった。
そしてついに適正検査の日、今日は王都へ向かいそこで今年成人した人たちと共に適正検査を受ける。そのために馬車が国から手配される徹底っぷりである
「じゃあいってくるよ」
「がんばれよ!ユーリ」
「ユーリ、気をつけてね」
俺は今日、冒険者になるため王都へ向かう。
「こいつこんなゴミ編成できやがって害悪かよ!ふざけてんのかよ」
彼は西条一樹27歳、友人なし恋人なし貯金なしの工場作業員、休日はオンラインゲームに明け暮れ外には出ない、食事の八割はコンビニ弁当かカップラーメンで済ます典型的な不健康男子だ。
「こいつのせいで負けたわクソが、まじおもんねぇ、弱いやつはゲームすんじゃねぇよ」
そう言っておもむろに立ちあがると冷蔵庫へ向かう
「ビールきれてる…今日はろくでもねぇな、めんどくせぇけど買い物行くかぁ」
そう言ってサンダルを履いてスマホ片手に外に出る。スマホだけで買い物出来る、いい時代になったもんだな…近くのゲームショップには新作ゲームやアニメが流れ大きな音楽が響き渡る、フルム社の新作出んのか、やらなきゃな。
最近はつまらない、月から金まで働き休日はゲーム仕事上人とも話さない。生きてる意味があるのかも分からない。
「異世界行きてぇなぁ…」
「危ない!!」
近くから叫び声がする。その方向を見るとこちらを指さしているし俺の周りから人が居なくなった。周りの人が上を見ていたので俺も上を見るとそこには今にも繋ぎ止める紐がちぎれそうな建設中の看板があった。ブチッ!そう言って大きな看板が落ちてきた。それを見つめたまま動けない俺は世界がスローに見えた。
「さすがに冗談で言ったんだけどな…」
そこで俺の短い人生は幕を下ろした。
畑を耕し質素ながらに豊かに暮らす村があった。木造の家に大きな畑、馬車が走る。ただ様子が変なのは…
「耕すの終わりっと、そしたら『クリエイトウォーター』!!」
手のひらからジョロジョロと水が出てくる。それをバケツに貯めて畑に水をまいていた。
「『ミニファイア』!!」
指先から一瞬火花が散りかまどに火がつく。
そう、ここは魔法が存在する世界、言わば異世界である。あの時看板に潰された俺はなんとほんとに異世界に転生した。転生した時ははっきり覚えている。あれは4歳の頃、俺は庭の丸太に座り庭で洗濯をする母親と畑仕事をする父親を眺めていた。物心もつかない子供、その瞬間『成った』全ての記憶を取り戻したのである。そして初めて魔法を魔法と理解して見た、その時俺は決めた、いや、あんなものを見たら決めざるを得なかった。俺は魔法使いになる!!
そして今14歳
「ユーリご飯よ」
「はーい」
ユーリ、それが今の名前だ
「ユーリ、ついに成人の儀まで1週間だな、いやぁ適正魔法が何になるか楽しみだな!」
「そうだね父さん」
この世界では14歳が成人で、成人して1年経つと学校に通ったり仕事が出来るようになる、何より成人と同時に適正を判断される。
大前提この世界には魔法が存在する。魔法とはイメージを具現化する力、だが何でもかんでもできる訳では無い
温度を司り炎を操る、更に難しいが温度を下げることでものを凍らせることも出来る『火属性』
水を生成し水を操る、更に極めれば液体であれは生成は出来ないもの多少特殊な液体でも少しの液体から体積を増やせる『水属性』
岩を操り岩を浮かしたり動かしたりでき、練習次第で金属や木材も操れる『土属性』
風を起こすことが出来て戦闘面はからっきしだが農民や市民からは便利で水属性と共に人気のある『風属性』
他にも2~30人に1人まれに現れる、生命活動を活発化し動物や植物に対して回復、バフを行えたり、過去には光を操った魔道士もいたとかいないとか『陽属性』
さらに珍しく1~200人に1人現れる、生命活動を制限し動物や植物に対してデバフをかけれて、大昔には重力を司る者がいたという伝承もある『陰属性』
人間が使える魔術は決められておりこの6つのうち1つ、ごくごーく稀に2つ使えるようになる。それが『適正』である。
なぜこんなこと知ってるかって?そりゃ学んだからよ
「ユーリはなんの属性がいいんだ?」
「やっぱり冒険者になりたいから火か土がいいな、まぁないだろうけど陽属性もいいね」
「いいなぁ、まぁ父さんの水魔法に憧れてくれないのは悲しいが…」
「こーら、息子にそんな事言わないの、ユーリはお母さんの炎に憧れたんだよね~」
「ははっ…」
父さんと母さんはとても気のいい人でいつもこんな感じで仲良くしてる
「来週でユーリも成人かぁ、早いもんだなぁ」
「そうそう、この間までこんなに小さかったのに今じゃお母さんの血をついでイケメンになっちゃってぇ~」
確かに母親は美人だが俺は父親似な気がするがどうだろう、父親もなかなかのイケメンで正直俺も当然イケメンだ。転生前では俺とは無縁すぎると思っていたがイケメンってのは気分がいい、それに両親は性格まで美男美女でこんな人たちのことを本気で尊敬している
「それも全部父さんと母さんのおかげだよ、ありがとう」
「うっ…ごんなにりっばにぞだっでぇぇぇ」
酒が入ってるからか涙脆いのかはたまたその両方か、父さんは泣き出してしまった。
そしてついに適正検査の日、今日は王都へ向かいそこで今年成人した人たちと共に適正検査を受ける。そのために馬車が国から手配される徹底っぷりである
「じゃあいってくるよ」
「がんばれよ!ユーリ」
「ユーリ、気をつけてね」
俺は今日、冒険者になるため王都へ向かう。
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