141 / 259
第三章 芸術祭といえば秋、なら実りと収穫でしょ!
閑話ステラの恋愛話9
しおりを挟む
晴れやかな天気の中、誰もが心地よい日だと感じているだろう。
そんな中わたくしは悲鳴を上げているのだった。
「いたーーい! ちょっと、ディアーナ、もう少し緩めてください!」
「何を言っていますか! 騎士でしたら少しは我慢してください! そりゃーー!」
コルセットを限界まで締め上げられ、わたくしは同僚に加減するように言った。
だがディアーナは手を緩めるどころかさらに力を入れてくるのだった。
わたしはこの痛みをどうにか耐え抜いた。
「ディアーナさまお手伝いありがとうございます。こういう時ディアーナさまが居ると本当に助かります」
セーラがディアーナにお礼を言った。
セーラ以外の従者を連れてきていないため、人手が欲しいと言うのでお願いしておいたのだ。
本来ディアーナは姫さま専属の侍従で手伝う義理もないが、快く手伝いを許諾してくれた。
「いえいえ、ステラさまの頼みでしたらいくらでも手伝いますよ。いつもマリアさまの暴走を止めてくださいますのでこれぐらい軽いものです」
上品に笑うディアーナを見て、セーラは顔に両手に当てて悶えていた。
「何をしているのです?」
わたしがセーラに尋ねると、どこか夢の世界にいるかのように目がとろけている。
「ディアーナさまみたいなお美しい方が近くに居れば誰だってこうなりますよ。マリアさまもこの世のものとは思えない美貌をお持ちですが、ディアーナさまはこう大人の魅力がありますもの」
たしかにディアーナはしっかりしすぎて、学生でありながらも大人と変わらない落ち着きがみられる。
だがセーラが彼女に言ってはいけない。
「ディアーナは貴女より年下よ」
わたしの的確な指摘に胸を抑え出した。
そしてわざとらしく涙を流すふりをした。
「ひどいです。たしかにディアーナさまの方が何倍もしっかりしているかもしれないですが、少しはわたくしの頑張りも認めてほしいです」
「はいはい。わかったから早くドレスを着せてください」
めんどくさいセーラを躱して、早く仕事をするように言った。
ノってこないわたしに、大きなため息を吐いてしぶしぶといった感じで動き出した。
「ディアーナさまもひどいと思いませんか? いつもわたくしがステラさまを想ってこんなに気を回しているのに、この扱いですよ!」
プンプンと怒りながら、ドレスを持ってきた。
わたくしはドレスを身につけた。
ディアーナはクスクスと楽しげに笑っていた。
「仲のよろしいことですね。普段の仕事ではあれほど凛として綺麗なステラさまがこのような一面をのぞかせてくれるなんて」
「世辞はいいですよ。それに姫さまのお側にいるときには、騎士の模範を示さなければ姫さまの格を落としてしまいますからブスッとしているだけです」
姫さまの護衛騎士が決まってから、数多くの礼儀作法を習わされた。
笑顔の作り方や姿勢、言葉使い、立ち振る舞い、姫さまの存在感を増す立ち位置など、一般の騎士には全く必要のないことが姫さまの騎士には必要なのだ。
あのヴェルダンディだって、仕事中は男性からは憧れられ、女性からもモテるのだ。
「そんなことないですよ。品とは人の内面に宿っているものです。どんなに取り繕っても、いずれはバレてしまいます。ステラさまの品は気高き騎士のものですよ」
ディアーナは椅子を持ってきてわたくしを座らせた。
化粧を施していき、その技術をセーラが一生懸命見ている。
「普段はわたくしがステラさまのお化粧をお手伝いしていましたが、これほど美しいステラさまは初めてです」
何度もわたくしの顔を見て褒めるのでなんだか体がむず痒くなる。
姫さまのお化粧を担当しているからかそういったところでも腕の差があるのだろう。
手鏡を渡されて自分を見たがたしかに別人に見える。
「ありがとう。やっぱりディアーナの腕は一流ね」
「お褒め頂きありがとうございます。どうか水の神の祝福があらんことを」
ディアーナから神への魔力の奉納がされた。
これからわたくしはスフレさまのところへ向かうので、良縁であることを願ってくれたのだ。
馬車に乗って、王都の貴族街へと向かった。
「何をしているのですか?」
セーラが何度も手に何かを書くような素振りと飲み込むふりをした。
「緊張を解くおまじないですよ。こうやると緊張がなくなるらしいですよ」
「どうしてわたくしのお見合いなのに貴女が緊張しているのよ」
「ステラさまもしてたほうがいいですよ。トライードは置いてきているのに、何度も腰を確かめようとするなんて、緊張がみえみえですよ」
頬がカーッと紅くなった。
無意識の行動だったため、指摘されると恥ずかしくなった。
「コルセットがきついから触っただけです」
「そうですかー」
わたしの言い訳を流されて、さらに恥ずかしくなった。
「ステラさまもとうとう結婚か」
「気が早いですよ。まだ会ったことすらないのに」
セーラの早すぎる言葉を即座に否定した。
だがセーラはそう思っていないらしく、にやにやと笑っていた。
その顔にわたしは非難の目を向けた。
「何ですかその顔は」
「だって、こんなに手紙の一枚一枚に右往左往しているのにまだそんな強気の発言するんだって思いまして」
「それは……、しょうがないではありませんか。誰だって殿方から手紙を貰えば嬉しいものです。それも神々を数多く引用された心が揺れ動くものです」
わたしは俯き紅くなる顔を隠した。
「ステラさま、その顔なら落ちない男はいませんよ。わたくしも影ながら応援しますので、頑張っていきましょう」
そんな話をしているうちにスフレさまの屋敷の前にたどり着いた。
そんな中わたくしは悲鳴を上げているのだった。
「いたーーい! ちょっと、ディアーナ、もう少し緩めてください!」
「何を言っていますか! 騎士でしたら少しは我慢してください! そりゃーー!」
コルセットを限界まで締め上げられ、わたくしは同僚に加減するように言った。
だがディアーナは手を緩めるどころかさらに力を入れてくるのだった。
わたしはこの痛みをどうにか耐え抜いた。
「ディアーナさまお手伝いありがとうございます。こういう時ディアーナさまが居ると本当に助かります」
セーラがディアーナにお礼を言った。
セーラ以外の従者を連れてきていないため、人手が欲しいと言うのでお願いしておいたのだ。
本来ディアーナは姫さま専属の侍従で手伝う義理もないが、快く手伝いを許諾してくれた。
「いえいえ、ステラさまの頼みでしたらいくらでも手伝いますよ。いつもマリアさまの暴走を止めてくださいますのでこれぐらい軽いものです」
上品に笑うディアーナを見て、セーラは顔に両手に当てて悶えていた。
「何をしているのです?」
わたしがセーラに尋ねると、どこか夢の世界にいるかのように目がとろけている。
「ディアーナさまみたいなお美しい方が近くに居れば誰だってこうなりますよ。マリアさまもこの世のものとは思えない美貌をお持ちですが、ディアーナさまはこう大人の魅力がありますもの」
たしかにディアーナはしっかりしすぎて、学生でありながらも大人と変わらない落ち着きがみられる。
だがセーラが彼女に言ってはいけない。
「ディアーナは貴女より年下よ」
わたしの的確な指摘に胸を抑え出した。
そしてわざとらしく涙を流すふりをした。
「ひどいです。たしかにディアーナさまの方が何倍もしっかりしているかもしれないですが、少しはわたくしの頑張りも認めてほしいです」
「はいはい。わかったから早くドレスを着せてください」
めんどくさいセーラを躱して、早く仕事をするように言った。
ノってこないわたしに、大きなため息を吐いてしぶしぶといった感じで動き出した。
「ディアーナさまもひどいと思いませんか? いつもわたくしがステラさまを想ってこんなに気を回しているのに、この扱いですよ!」
プンプンと怒りながら、ドレスを持ってきた。
わたくしはドレスを身につけた。
ディアーナはクスクスと楽しげに笑っていた。
「仲のよろしいことですね。普段の仕事ではあれほど凛として綺麗なステラさまがこのような一面をのぞかせてくれるなんて」
「世辞はいいですよ。それに姫さまのお側にいるときには、騎士の模範を示さなければ姫さまの格を落としてしまいますからブスッとしているだけです」
姫さまの護衛騎士が決まってから、数多くの礼儀作法を習わされた。
笑顔の作り方や姿勢、言葉使い、立ち振る舞い、姫さまの存在感を増す立ち位置など、一般の騎士には全く必要のないことが姫さまの騎士には必要なのだ。
あのヴェルダンディだって、仕事中は男性からは憧れられ、女性からもモテるのだ。
「そんなことないですよ。品とは人の内面に宿っているものです。どんなに取り繕っても、いずれはバレてしまいます。ステラさまの品は気高き騎士のものですよ」
ディアーナは椅子を持ってきてわたくしを座らせた。
化粧を施していき、その技術をセーラが一生懸命見ている。
「普段はわたくしがステラさまのお化粧をお手伝いしていましたが、これほど美しいステラさまは初めてです」
何度もわたくしの顔を見て褒めるのでなんだか体がむず痒くなる。
姫さまのお化粧を担当しているからかそういったところでも腕の差があるのだろう。
手鏡を渡されて自分を見たがたしかに別人に見える。
「ありがとう。やっぱりディアーナの腕は一流ね」
「お褒め頂きありがとうございます。どうか水の神の祝福があらんことを」
ディアーナから神への魔力の奉納がされた。
これからわたくしはスフレさまのところへ向かうので、良縁であることを願ってくれたのだ。
馬車に乗って、王都の貴族街へと向かった。
「何をしているのですか?」
セーラが何度も手に何かを書くような素振りと飲み込むふりをした。
「緊張を解くおまじないですよ。こうやると緊張がなくなるらしいですよ」
「どうしてわたくしのお見合いなのに貴女が緊張しているのよ」
「ステラさまもしてたほうがいいですよ。トライードは置いてきているのに、何度も腰を確かめようとするなんて、緊張がみえみえですよ」
頬がカーッと紅くなった。
無意識の行動だったため、指摘されると恥ずかしくなった。
「コルセットがきついから触っただけです」
「そうですかー」
わたしの言い訳を流されて、さらに恥ずかしくなった。
「ステラさまもとうとう結婚か」
「気が早いですよ。まだ会ったことすらないのに」
セーラの早すぎる言葉を即座に否定した。
だがセーラはそう思っていないらしく、にやにやと笑っていた。
その顔にわたしは非難の目を向けた。
「何ですかその顔は」
「だって、こんなに手紙の一枚一枚に右往左往しているのにまだそんな強気の発言するんだって思いまして」
「それは……、しょうがないではありませんか。誰だって殿方から手紙を貰えば嬉しいものです。それも神々を数多く引用された心が揺れ動くものです」
わたしは俯き紅くなる顔を隠した。
「ステラさま、その顔なら落ちない男はいませんよ。わたくしも影ながら応援しますので、頑張っていきましょう」
そんな話をしているうちにスフレさまの屋敷の前にたどり着いた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
魔法使いとして頑張りますわ!
まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。
そこからは家族ごっこの毎日。
私が継ぐはずだった伯爵家。
花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね?
これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。
2025年に改編しました。
いつも通り、ふんわり設定です。
ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m
Copyright©︎2020-まるねこ
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる