239 / 259
最終章 希望を託されし女神
下僕視点11
しおりを挟む
場が混乱している今が一番のチャンス。
騎獣の速度を限界まで上げて、廊下を突き進む。
「行かせるな!」
騎士たちが一斉にこちらへトライードを向けて突進してくる。
クロートはすぐさまトライードに魔力を通した。
「ふん!」
クロートのトライードが伸びて鞭のようにしなりを生みながら敵を壁へと叩きつける。
領主の城を守るために仕事を全うしているだけの者たちを殺す気はない。
たがこちらを止めようと相手も必死になっているので、捨て身で来ようとする。
厄介だと思っているほど意外な活路が出てきた。
「みなさん、どうか道を開けてください!」
ガーネフの言葉を聞いて騎士たちが動きを止める。
「ど、どうしてガーネフさまが!?」
「話は後でしますから、どうか武器を向けないでください」
領主の弟が敵に寝返って城を攻めてくるなんて思ってもみなかったはずだ。
指揮系統が一気に乱れた。
その迷いの時間によってぼくたちは廊下を一瞬で突き進んだ。
ガーネフが前に出ることで、騎士たちもどのように動けばいいのか分からなくなっている。
「あそこです!」
ガーネフは廊下の最奥にある扉を指差した。
あそこが領主の部屋であろう。
クロートはトライードに魔力を込めて、扉を切り裂いた。
騎獣から降りて、その先に待つ人物を睨む。
「来たか」
玉座に座るのはアビ・フォアデルヘ。
ぼくたちを待っていたようで、肘掛けに頬杖を付いていた。
年齢はまだ三十そこそこなはずなのに、どこか老いた雰囲気がある。
だがこちらを見つめる眼だけは歴戦の猛者と思わせる輝きを持っていた。
クロートは額のシワを寄せて、一度眼鏡を上げた。
「分かっていると思いますが、貴方を捕らえさせてもらいます」
「ふんっ、蒼の髪を持ったからといい気になりおって、後はお前と光の髪さえ消せば盤石だ。もう逃しはしない」
アビの足元が光っていた。
それは魔法陣である。
こちらが来ることを予想して罠を仕掛けていた。
ぼくたちもそれは予想していたので、何があってもいいように身構えた。
だがぼくたちを消し去る魔法ではなく、地面から大きないばらが出現して部屋を覆い尽くす。
それは相手もこちらを逃さず、一人で始末を付けるという覚悟の現れだ。
「あ、アビ! お一人では危険です!」
いばらの外からアビの援護をしようとしている騎士たちの声が響いてくる。
完全にいばらでこの場所が囲まれているので、外から中を見ることも入ってくることもできない。
「お前たちは中央広場へ向かえ。こやつらの仲間がいる。シルヴィに反逆をする不届き者たちだ。殺しても構わん、ここはわしが抑える」
ゆっくりと立ち上がって、臨戦態勢となった。
ぼくたちと一騎打ちをするにも関わらず鎧を着ずにローブを纏っているだけだ。
「し、しかし、クロートという蒼の髪を持った者がいます。城を半壊させる魔力は流石のアビでもーー」
「五月蝿い」
「えーー、ギャアアアアアアアア!」
アビが指を上げると、いばらの外から大きな悲鳴が聞こえる。
何をしたのか分からないが、この男が従わない臣下を殺したことは間違いない。
「同じように死にたくなければ早く行け」
アビが次の声を上げると、足音がどんどん遠ざかっていく。
「派閥の証としてバッジを送るという文化は気に入っている。何も疑わられずに魔道具を与えられるのだからな」
「それは殺すためにですか?」
「他に何がある?」
一切の躊躇いすらなしにアビは答えた。
仲間を殺すなんて一体この男は何を考えているのだ。
「あ、兄上! 臣下に何てことをするんですか!」
ガーネフは自身の兄を非難した。
それは普通の反応であり、私情で臣下を殺せば派閥が離れていく。
だがアビは特に興味がなく、ガーネフを見下ろすのみだ。
「ふんっ、馬鹿な弟だと思っていたが敵に寝返るほど愚かとは。珍しくあの女の予想が外れるものだ」
「あの女……義姉上のことですか?」
アビは答えない。
当たり前の質問を聞くなと顔が言っている。
「時間もないので世間話はこれまでにしておきましょう。わたしが聞きたいのは一つです。マリアさまを殺したい理由は何ですか?」
「目障り以外に何がある。称号持ちの小僧のせいで、人間をいくら差し向けても無駄だと分かったから、あの女の通りに策を労したのに全て先を読まれた」
マリアさまはよく命を狙ってくる輩がいた。
そのためどんな時でもマリアさまの近辺には気を付けている。
魔道具もたくさん付けているので、生半可な攻撃では一切傷付かない。
魔道具代だけもかなりの資金が動いているとの噂だ。
「策ってもしかして、春の毒殺の件のこと?」
「そんなこともあったな。他にも領地同士の同士討ちや平民を使った手も使ったのに、どれ一つとして効果がなかった。いや、効果があったはずなのにマリア・ジョセフィーヌはそれを全て上回った。流石は幸運を持っていると言われるだけはある」
「やはりお前かーー!」
クロートは大きな声を張り上げて、全速力でトライードを突き出した。
しかしアビは手を前にやるだけで、その攻撃を受け止めた。
正確には魔道具が発動して、クロートの一撃を寸前で止めたのだ。
「お前の蒼の髪は……なるほどのぉ」
アビは何かに気付いた風だった。
クロートが二撃目を繰り出そうとした時に、地面からトゲが出現してくる。
どうにかクロートはそれを避けて、後ろに下がってくる。
「蒼の髪だと警戒したが、お前は本物ではないな?」
「なに?」
本物ではない。
確かにクロートは後天的に魔力が増強されてその髪を得た。
しかし偽物という言い方に引っ掛かりがある。
「とんだ茶番だ。お前なんぞに警戒したわしが馬鹿だった」
「それなら侮ったまま死んでください」
クロートは再度攻撃を仕掛けるが、アビもトライードを取り出して迎撃する。
騎獣の速度を限界まで上げて、廊下を突き進む。
「行かせるな!」
騎士たちが一斉にこちらへトライードを向けて突進してくる。
クロートはすぐさまトライードに魔力を通した。
「ふん!」
クロートのトライードが伸びて鞭のようにしなりを生みながら敵を壁へと叩きつける。
領主の城を守るために仕事を全うしているだけの者たちを殺す気はない。
たがこちらを止めようと相手も必死になっているので、捨て身で来ようとする。
厄介だと思っているほど意外な活路が出てきた。
「みなさん、どうか道を開けてください!」
ガーネフの言葉を聞いて騎士たちが動きを止める。
「ど、どうしてガーネフさまが!?」
「話は後でしますから、どうか武器を向けないでください」
領主の弟が敵に寝返って城を攻めてくるなんて思ってもみなかったはずだ。
指揮系統が一気に乱れた。
その迷いの時間によってぼくたちは廊下を一瞬で突き進んだ。
ガーネフが前に出ることで、騎士たちもどのように動けばいいのか分からなくなっている。
「あそこです!」
ガーネフは廊下の最奥にある扉を指差した。
あそこが領主の部屋であろう。
クロートはトライードに魔力を込めて、扉を切り裂いた。
騎獣から降りて、その先に待つ人物を睨む。
「来たか」
玉座に座るのはアビ・フォアデルヘ。
ぼくたちを待っていたようで、肘掛けに頬杖を付いていた。
年齢はまだ三十そこそこなはずなのに、どこか老いた雰囲気がある。
だがこちらを見つめる眼だけは歴戦の猛者と思わせる輝きを持っていた。
クロートは額のシワを寄せて、一度眼鏡を上げた。
「分かっていると思いますが、貴方を捕らえさせてもらいます」
「ふんっ、蒼の髪を持ったからといい気になりおって、後はお前と光の髪さえ消せば盤石だ。もう逃しはしない」
アビの足元が光っていた。
それは魔法陣である。
こちらが来ることを予想して罠を仕掛けていた。
ぼくたちもそれは予想していたので、何があってもいいように身構えた。
だがぼくたちを消し去る魔法ではなく、地面から大きないばらが出現して部屋を覆い尽くす。
それは相手もこちらを逃さず、一人で始末を付けるという覚悟の現れだ。
「あ、アビ! お一人では危険です!」
いばらの外からアビの援護をしようとしている騎士たちの声が響いてくる。
完全にいばらでこの場所が囲まれているので、外から中を見ることも入ってくることもできない。
「お前たちは中央広場へ向かえ。こやつらの仲間がいる。シルヴィに反逆をする不届き者たちだ。殺しても構わん、ここはわしが抑える」
ゆっくりと立ち上がって、臨戦態勢となった。
ぼくたちと一騎打ちをするにも関わらず鎧を着ずにローブを纏っているだけだ。
「し、しかし、クロートという蒼の髪を持った者がいます。城を半壊させる魔力は流石のアビでもーー」
「五月蝿い」
「えーー、ギャアアアアアアアア!」
アビが指を上げると、いばらの外から大きな悲鳴が聞こえる。
何をしたのか分からないが、この男が従わない臣下を殺したことは間違いない。
「同じように死にたくなければ早く行け」
アビが次の声を上げると、足音がどんどん遠ざかっていく。
「派閥の証としてバッジを送るという文化は気に入っている。何も疑わられずに魔道具を与えられるのだからな」
「それは殺すためにですか?」
「他に何がある?」
一切の躊躇いすらなしにアビは答えた。
仲間を殺すなんて一体この男は何を考えているのだ。
「あ、兄上! 臣下に何てことをするんですか!」
ガーネフは自身の兄を非難した。
それは普通の反応であり、私情で臣下を殺せば派閥が離れていく。
だがアビは特に興味がなく、ガーネフを見下ろすのみだ。
「ふんっ、馬鹿な弟だと思っていたが敵に寝返るほど愚かとは。珍しくあの女の予想が外れるものだ」
「あの女……義姉上のことですか?」
アビは答えない。
当たり前の質問を聞くなと顔が言っている。
「時間もないので世間話はこれまでにしておきましょう。わたしが聞きたいのは一つです。マリアさまを殺したい理由は何ですか?」
「目障り以外に何がある。称号持ちの小僧のせいで、人間をいくら差し向けても無駄だと分かったから、あの女の通りに策を労したのに全て先を読まれた」
マリアさまはよく命を狙ってくる輩がいた。
そのためどんな時でもマリアさまの近辺には気を付けている。
魔道具もたくさん付けているので、生半可な攻撃では一切傷付かない。
魔道具代だけもかなりの資金が動いているとの噂だ。
「策ってもしかして、春の毒殺の件のこと?」
「そんなこともあったな。他にも領地同士の同士討ちや平民を使った手も使ったのに、どれ一つとして効果がなかった。いや、効果があったはずなのにマリア・ジョセフィーヌはそれを全て上回った。流石は幸運を持っていると言われるだけはある」
「やはりお前かーー!」
クロートは大きな声を張り上げて、全速力でトライードを突き出した。
しかしアビは手を前にやるだけで、その攻撃を受け止めた。
正確には魔道具が発動して、クロートの一撃を寸前で止めたのだ。
「お前の蒼の髪は……なるほどのぉ」
アビは何かに気付いた風だった。
クロートが二撃目を繰り出そうとした時に、地面からトゲが出現してくる。
どうにかクロートはそれを避けて、後ろに下がってくる。
「蒼の髪だと警戒したが、お前は本物ではないな?」
「なに?」
本物ではない。
確かにクロートは後天的に魔力が増強されてその髪を得た。
しかし偽物という言い方に引っ掛かりがある。
「とんだ茶番だ。お前なんぞに警戒したわしが馬鹿だった」
「それなら侮ったまま死んでください」
クロートは再度攻撃を仕掛けるが、アビもトライードを取り出して迎撃する。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
魔法使いとして頑張りますわ!
まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。
そこからは家族ごっこの毎日。
私が継ぐはずだった伯爵家。
花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね?
これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。
2025年に改編しました。
いつも通り、ふんわり設定です。
ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m
Copyright©︎2020-まるねこ
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる