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転入生の憂鬱
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憂鬱な気持ちで、電車に乗りこんだ。
俺は父の会社の都合で今年度転校した。
新しいクラスはそう悪いクラスではない。むしろクラスがまとまっていて全員が満遍なく仲がいい。特にこの子とこの子というのはあるが、それでもクラスがまとまっていた。
ただ、一人だけは違ったのだ。
出席番号的に教室の隅になる席に座っている、一人。
俺は、しばらくの間一人だった。
それもそうだ。転入生が初日から友達のように話しているなんて、稀だろう。
とはいえ、なんだかんだで一人を楽しんでいた時期だった。
そこに話しかけてきてくれたのが、由隆だったのだ。
しかし、関わってみると結構な変わり者で話しているだけで疲れてくる。
キャラが全く俺と違う。
俺としては合わないので離れていくタイプだが、由隆は獲物を見つけたトラやライオンのように、俺を離してくれない。
極めつけは俺は他の奴と話せなくなった。
毎休み時間、由隆が話しかけてきて、ほかの子の所に行くにしてもついてきたのだ。
だから、俺は必然的にと言うべきか、由隆と話すしかなくなった。
欲を言うのであれば、由隆が俺を友達に紹介してくれればいいのだ。
が、生憎、由隆は教室の隅の席で一人で座っているようなやつだ。
転入すれば、何かが変わる。
前の学校が嫌いな訳では無い。逆だ。好きだったのだ。あの学校の雰囲気が、友達が。離れたくなかった。
それでも、父の都合が俺の感情で変わるわけはない。
どう足掻いても俺は転校しなくてはいけなかったのだ。
父の都合を悪くいうわけにもいかないので、新しい友達ができると、新しい環境に出会えると、新しい先生から学ぶことが出来ると、前向きに考えて、転校した。
その結果が、毎時間、拘束される日々だ。先生たちは人間的に悪い人たちではないが、前とやり方が違いすぎて、日本語を話されている気にならない。
そんな日常が始まって俺はもう入学早々に限界やストレスを感じていた。
一言、「お前とは合わない」と言って切り離せばいいのかもしれない。だが、それが出来ないのが現実なのだ。
それを言うことによって、もし由隆に何かあった時に俺は責任を取れるわけがない。
万が一にも自殺した場合、俺のこんな小さな背中に、こんなに小さな心に、一人の命を背負えるわけがない。
かと言って、学校を休むなんてことはしたくない。授業に、ついていけなくなれば俺の夢が叶わない。
由隆を理由に休むわけにも行かないのだ。
ただ、少ししんどいだけ。
体には何も影響していない。
この程度ならまだ大丈夫。
この時、俺はまだ自分の中にあるストレスに気づいていなかったのだ……
俺は父の会社の都合で今年度転校した。
新しいクラスはそう悪いクラスではない。むしろクラスがまとまっていて全員が満遍なく仲がいい。特にこの子とこの子というのはあるが、それでもクラスがまとまっていた。
ただ、一人だけは違ったのだ。
出席番号的に教室の隅になる席に座っている、一人。
俺は、しばらくの間一人だった。
それもそうだ。転入生が初日から友達のように話しているなんて、稀だろう。
とはいえ、なんだかんだで一人を楽しんでいた時期だった。
そこに話しかけてきてくれたのが、由隆だったのだ。
しかし、関わってみると結構な変わり者で話しているだけで疲れてくる。
キャラが全く俺と違う。
俺としては合わないので離れていくタイプだが、由隆は獲物を見つけたトラやライオンのように、俺を離してくれない。
極めつけは俺は他の奴と話せなくなった。
毎休み時間、由隆が話しかけてきて、ほかの子の所に行くにしてもついてきたのだ。
だから、俺は必然的にと言うべきか、由隆と話すしかなくなった。
欲を言うのであれば、由隆が俺を友達に紹介してくれればいいのだ。
が、生憎、由隆は教室の隅の席で一人で座っているようなやつだ。
転入すれば、何かが変わる。
前の学校が嫌いな訳では無い。逆だ。好きだったのだ。あの学校の雰囲気が、友達が。離れたくなかった。
それでも、父の都合が俺の感情で変わるわけはない。
どう足掻いても俺は転校しなくてはいけなかったのだ。
父の都合を悪くいうわけにもいかないので、新しい友達ができると、新しい環境に出会えると、新しい先生から学ぶことが出来ると、前向きに考えて、転校した。
その結果が、毎時間、拘束される日々だ。先生たちは人間的に悪い人たちではないが、前とやり方が違いすぎて、日本語を話されている気にならない。
そんな日常が始まって俺はもう入学早々に限界やストレスを感じていた。
一言、「お前とは合わない」と言って切り離せばいいのかもしれない。だが、それが出来ないのが現実なのだ。
それを言うことによって、もし由隆に何かあった時に俺は責任を取れるわけがない。
万が一にも自殺した場合、俺のこんな小さな背中に、こんなに小さな心に、一人の命を背負えるわけがない。
かと言って、学校を休むなんてことはしたくない。授業に、ついていけなくなれば俺の夢が叶わない。
由隆を理由に休むわけにも行かないのだ。
ただ、少ししんどいだけ。
体には何も影響していない。
この程度ならまだ大丈夫。
この時、俺はまだ自分の中にあるストレスに気づいていなかったのだ……
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読ませて頂きました。
転校も楽ではないなと思いました。
読んでくださった上に感想まで、ありがとうございます。😄💗
転校はしたことないのですが、クラス替えで私がこうなっていまして…😅
楽ではないですが、楽しいこともたくさんあるので、経験値としてはすごくいいと思います。あくまで個人的な意見ですが…苦笑