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41. 余命7日⑦
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「殿下のことが気になるって、どういうこと?」
「なんか違和感を感じるのよね。気のせいかもしれないから、気にしないで」
フレアの独り言が気になって問いかけると、そんな答えが返ってきた。
「分かったわ」
考えてもキリが無さそうだったから、気にしないことにして衣装部屋に向かう。
今着ているドレスはどう考えても1人で脱ぎ着できないから、フレアに手伝ってもらってシンプルなデザインのドレスに着替えた。
すると今度は、空腹が私を襲ってきた。
「そういえば、まだ昼食を食べてなかったわ……」
急遽視察を中止にしてしまったから、昼食を取らずに戻ってきたのよね……。
ちなみに、これなったのは昼食を取らないことに私が同意したからで、途中で昼食を取ることもできた。
「ようやく食欲が湧いたのね」
「きっと緊張してたのよ」
今の時間はお昼を過ぎた2時過ぎ。レストランはもう閉まっている。
だから王宮の外で食べるか、食材を入手して自分で調理する必要があるのだけど……私1人だけだと危険なのよね……。
「それで、お昼ご飯はどうするの? レストランはもう閉まってるのよね?」
「仕方ないから外で食べるわ」
「私も一緒に行って大丈夫?」
フレアがお願いするような表情でそう問いかけてくる。
当然の話なのだけど、フレアが一緒に来てくれないと私の身が危険だから、すぐにこう答えた。
「一緒に来てくれないと困るわ」
「ありがとうっ!」
「ちゃんと護衛の役目も果たしてね?」
「それは常にしてるから大丈夫よ」
姿が見えないときはどうやって守ってくれているのか分からないけど、いてもいなくても大丈夫らしい。
いや、姿が見えないだけで幽霊みたいに私の周りを漂ってるそうなのだけど……。
「もう時間も時間だからそろそろ行くね」
「準備は万端だからいつでも大丈夫よ」
そんなやり取りをして部屋から出る私達。
特に引き留められることもなく王宮を出て、王都の街に繋がる人通りが多くない道を歩いていく。
10分後、私達は無事にレストランやカフェが立ち並ぶ通りに辿り着いた。
でも……。
「大体閉まってるわね……」
「これが普通だから仕方ないわよ……」
諦めないで端から端まで見てみたのだけど、レストランは全滅。唯一開いているのはカフェだけという状況になっていた。
「どうすればいいのかしら?」
「ここのカフェ、普通の料理も扱ってるみたいよ」
答えは出ないと思っていたのに、そんな答えがフレアの口から飛び出してきて、少し驚く私。
早速店の前に行って、置かれているメニューを開いてみる。
「量は少し少ないみたいね」
「すぐに夕食だし、ここで良さそうね」
そんな会話をしながらカフェの扉を開ける私。
「いらっしゃいませ。2名様でのご利用ですか?」
「ええ」
「では、お席の方にご案内しますね」
すぐに店員さんに出迎えられ、席へと向かう。
「こちらになります」
案内されたのは真ん中あたりの席で、周囲から見えないように個室のようになっている場所だった。
さすがは貴族向けのカフェね。
「早速だけど、注文いいかしら?」
「ええ、構いませんよ」
「ありがとう。これを2つと、これとこれをお願いするわ」
「少々お待ちください」
私がメニューを指さしながら伝えると、そう言って伝票に筆を走らせる店員さん。
すぐに注文の確認を受けて、私が「大丈夫です」と返すと足早に厨房の方に戻っていった。
それから数分、料理が運ばれてきた。
「スイーツも頼んでおいて正解だったわね」
「そうね」
思わずといった様子で呟いたフレアの言葉に頷く私。
料理は量が少ないのと空腹も相まってあっという間に間食してしまった。
スイーツはゆっくり食べたけれど、とても美味しかったからかあっという間になくなってしまった。
「これで夜まで持ちそうね」
「そうね。って、フレアはお腹空かないのよね?」
そんなことを話しながらカフェを出る私達。
それから数分歩いてレストランが立ち並ぶ通りを抜けた時だった。
「嬢ちゃん、ちょーっとだけ俺たちと遊ばないかぁ?」
明らかに怪しい男達が立ち塞がった。
「なんか違和感を感じるのよね。気のせいかもしれないから、気にしないで」
フレアの独り言が気になって問いかけると、そんな答えが返ってきた。
「分かったわ」
考えてもキリが無さそうだったから、気にしないことにして衣装部屋に向かう。
今着ているドレスはどう考えても1人で脱ぎ着できないから、フレアに手伝ってもらってシンプルなデザインのドレスに着替えた。
すると今度は、空腹が私を襲ってきた。
「そういえば、まだ昼食を食べてなかったわ……」
急遽視察を中止にしてしまったから、昼食を取らずに戻ってきたのよね……。
ちなみに、これなったのは昼食を取らないことに私が同意したからで、途中で昼食を取ることもできた。
「ようやく食欲が湧いたのね」
「きっと緊張してたのよ」
今の時間はお昼を過ぎた2時過ぎ。レストランはもう閉まっている。
だから王宮の外で食べるか、食材を入手して自分で調理する必要があるのだけど……私1人だけだと危険なのよね……。
「それで、お昼ご飯はどうするの? レストランはもう閉まってるのよね?」
「仕方ないから外で食べるわ」
「私も一緒に行って大丈夫?」
フレアがお願いするような表情でそう問いかけてくる。
当然の話なのだけど、フレアが一緒に来てくれないと私の身が危険だから、すぐにこう答えた。
「一緒に来てくれないと困るわ」
「ありがとうっ!」
「ちゃんと護衛の役目も果たしてね?」
「それは常にしてるから大丈夫よ」
姿が見えないときはどうやって守ってくれているのか分からないけど、いてもいなくても大丈夫らしい。
いや、姿が見えないだけで幽霊みたいに私の周りを漂ってるそうなのだけど……。
「もう時間も時間だからそろそろ行くね」
「準備は万端だからいつでも大丈夫よ」
そんなやり取りをして部屋から出る私達。
特に引き留められることもなく王宮を出て、王都の街に繋がる人通りが多くない道を歩いていく。
10分後、私達は無事にレストランやカフェが立ち並ぶ通りに辿り着いた。
でも……。
「大体閉まってるわね……」
「これが普通だから仕方ないわよ……」
諦めないで端から端まで見てみたのだけど、レストランは全滅。唯一開いているのはカフェだけという状況になっていた。
「どうすればいいのかしら?」
「ここのカフェ、普通の料理も扱ってるみたいよ」
答えは出ないと思っていたのに、そんな答えがフレアの口から飛び出してきて、少し驚く私。
早速店の前に行って、置かれているメニューを開いてみる。
「量は少し少ないみたいね」
「すぐに夕食だし、ここで良さそうね」
そんな会話をしながらカフェの扉を開ける私。
「いらっしゃいませ。2名様でのご利用ですか?」
「ええ」
「では、お席の方にご案内しますね」
すぐに店員さんに出迎えられ、席へと向かう。
「こちらになります」
案内されたのは真ん中あたりの席で、周囲から見えないように個室のようになっている場所だった。
さすがは貴族向けのカフェね。
「早速だけど、注文いいかしら?」
「ええ、構いませんよ」
「ありがとう。これを2つと、これとこれをお願いするわ」
「少々お待ちください」
私がメニューを指さしながら伝えると、そう言って伝票に筆を走らせる店員さん。
すぐに注文の確認を受けて、私が「大丈夫です」と返すと足早に厨房の方に戻っていった。
それから数分、料理が運ばれてきた。
「スイーツも頼んでおいて正解だったわね」
「そうね」
思わずといった様子で呟いたフレアの言葉に頷く私。
料理は量が少ないのと空腹も相まってあっという間に間食してしまった。
スイーツはゆっくり食べたけれど、とても美味しかったからかあっという間になくなってしまった。
「これで夜まで持ちそうね」
「そうね。って、フレアはお腹空かないのよね?」
そんなことを話しながらカフェを出る私達。
それから数分歩いてレストランが立ち並ぶ通りを抜けた時だった。
「嬢ちゃん、ちょーっとだけ俺たちと遊ばないかぁ?」
明らかに怪しい男達が立ち塞がった。
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