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8. ジークside 困惑(1)
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ジークさん視点です。竜に呑みこまれてしまったフィーナの救出回になりますので、苦手な方は飛ばしてください。
※切り裂いたりはしません。
***************
今日の修行のために黒竜のアルディアの背に乗って山に向かっていると、頭の中に声が響いた。
ちなみにこの修行は、我が家ーーアトランタ辺境伯家の当主になるための儀式のようなもので、半年間平民のような暮らしをしながら魔物を倒し続ける必要がある。
『青竜に食べられそうになってる人を助けてもいいかな?』
『もちろんいいぞ』
俺が頭の中でそう答えると、アルディアは急降下を始めた。
目の前では青竜が急降下していて、その先には長いブロンドの髪の女がいた。
ちなみに今のアルディアとの会話……と言っていいのか分からない……は高位の竜の黒竜と白竜のみが使えるテレパスという能力を使っている。
これによって、誰にも知られずに口に出すよりも早く指示を出すことが出来る。
『馬も助けた方がいいかな?』
『どっちでもいいぞ』
『じゃあ助けるね』
そう答えるアルディア。
女のすぐそばまで近づくと、その女を頭から咥え、前足で馬を掴んで持ち上げた。
その瞬間、青竜がアルディアの翼に体当たりした。
『あっ……』
『どうした?』
『今ので間違って呑み込んじゃった。どうしよう……』
『青竜を倒してから引っ張り出そう。消化するなよ』
『うん。ごめんなさい』
『謝るならその女に謝れよ』
『はーい』
その返事の後、青竜に突進したアルディアは青竜の首に噛みつき一瞬で絶命させた。
こんな力のアルディアに呑みこまれた女が生きているか心配だ……。
数分後、俺達は村の近くにある木の根本にいた。
「この辺で合ってるか?」
『うん』
「はっ!」
俺は掛け声と共にアルディアの腹を本気で蹴った。
『ぐえっ……』
「出たか?」
『まだ出なさそう……』
何も変化が起きないアルディアに俺は頭を抱えた。
早く出さないとあの女が死んでしまう。もう死んでるかもしれないが、このせいで死なれるのはどうしても避けたい。
「木の上から飛び降りてみる。仰向けになっててくれ」
『うん、分かった』
そうして、俺はアルディアの腹に飛び乗った。
中の女には防御魔法をかけておいたから、これで怪我をさせる心配はない。
『喉まで出てきた! 引き抜いて!』
大口を開けながらそう言ってくるアルディアの喉にはブロンドの髪が見えていた。
俺はアルディアの口の中に手を入れて、肩を掴んで女を引っ張り出した。
女は気を失っていたが、幸いにも息はあったので、折れている骨を治癒魔法で治した。
この後、無傷だが邪魔でしか無い馬を近くの村に預けにいった。
馬を預けてから女を寝かせている場所に戻ると、見張りをさせているアルディアと会話の最中だった。
とにかく、女が無事で良かった。
※切り裂いたりはしません。
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今日の修行のために黒竜のアルディアの背に乗って山に向かっていると、頭の中に声が響いた。
ちなみにこの修行は、我が家ーーアトランタ辺境伯家の当主になるための儀式のようなもので、半年間平民のような暮らしをしながら魔物を倒し続ける必要がある。
『青竜に食べられそうになってる人を助けてもいいかな?』
『もちろんいいぞ』
俺が頭の中でそう答えると、アルディアは急降下を始めた。
目の前では青竜が急降下していて、その先には長いブロンドの髪の女がいた。
ちなみに今のアルディアとの会話……と言っていいのか分からない……は高位の竜の黒竜と白竜のみが使えるテレパスという能力を使っている。
これによって、誰にも知られずに口に出すよりも早く指示を出すことが出来る。
『馬も助けた方がいいかな?』
『どっちでもいいぞ』
『じゃあ助けるね』
そう答えるアルディア。
女のすぐそばまで近づくと、その女を頭から咥え、前足で馬を掴んで持ち上げた。
その瞬間、青竜がアルディアの翼に体当たりした。
『あっ……』
『どうした?』
『今ので間違って呑み込んじゃった。どうしよう……』
『青竜を倒してから引っ張り出そう。消化するなよ』
『うん。ごめんなさい』
『謝るならその女に謝れよ』
『はーい』
その返事の後、青竜に突進したアルディアは青竜の首に噛みつき一瞬で絶命させた。
こんな力のアルディアに呑みこまれた女が生きているか心配だ……。
数分後、俺達は村の近くにある木の根本にいた。
「この辺で合ってるか?」
『うん』
「はっ!」
俺は掛け声と共にアルディアの腹を本気で蹴った。
『ぐえっ……』
「出たか?」
『まだ出なさそう……』
何も変化が起きないアルディアに俺は頭を抱えた。
早く出さないとあの女が死んでしまう。もう死んでるかもしれないが、このせいで死なれるのはどうしても避けたい。
「木の上から飛び降りてみる。仰向けになっててくれ」
『うん、分かった』
そうして、俺はアルディアの腹に飛び乗った。
中の女には防御魔法をかけておいたから、これで怪我をさせる心配はない。
『喉まで出てきた! 引き抜いて!』
大口を開けながらそう言ってくるアルディアの喉にはブロンドの髪が見えていた。
俺はアルディアの口の中に手を入れて、肩を掴んで女を引っ張り出した。
女は気を失っていたが、幸いにも息はあったので、折れている骨を治癒魔法で治した。
この後、無傷だが邪魔でしか無い馬を近くの村に預けにいった。
馬を預けてから女を寝かせている場所に戻ると、見張りをさせているアルディアと会話の最中だった。
とにかく、女が無事で良かった。
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