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44. 竜の国の王都へ③
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「なんで生のままなのですか?」
生のお肉を目の前にして、私は疑問に思ったことを尋ねてみた。
「バーベキューだから当たり前だよ。あの火で自分で焼いて食べるんだ」
「そういうことでしたのね。でも、生焼けのまま食べてしまいそうで怖いですわ……」
「浄化魔法をかけてお腹を壊さないようにしてあるから安心して」
ジーク様にそう言われたから、安心する事にした。
でも、火傷しないか心配だわ……。
ちなみに、食料は保存食を持ってきてはいるけど、あまり美味しくないから現地調達が主流らしい。
私が初めて見るものに驚いていると、ティアナさんからブレスレットを差し出された。
「お二人もこれを着けてください。火傷をしないようにする魔導具です」
「ありがとう」
お礼を言ってシンプルなデザインのそれを着けてみたら、一瞬だけ光って防御魔法が起動したような感じがした。
少しだけ魔力を吸われたけど、気になる量ではない。
「じゃあ俺達も食べるか」
「はいっ」
私はそう答えてジーク様と火のある場所まで向かった。
ソフィア様はもうお肉を焼いていたから、それを真似てみたのだけど……。
「あっ……焦がしちゃいました……」
「初めてなら仕方ないよ。何回かやればタイミングが分かるから気にしなくていい」
「でもお肉がもったいないじゃないですか」
「じゃあ、タイミングを教えるよ」
お肉を焼くのは難しくて何回か焦がしてしまったけど、ジーク様が手を貸してくれたお陰でなんとか焼くことができた。
自分で焼いたお肉は酷い味……ということはなく、美味しかった。
きっと下処理が良かったのよね……。
ちなみに、野菜を使った料理も出てきて驚いたけど、料理人さんが同行していると聞いて納得した。
それから数時間後、私は寝る準備を終えてベッドの横にいた。
「これは何?」
「境界線です! こっち側が私でいいですか?」
「境界線を作ること自体に反対は出来ないのか?」
「ダメなのですか……?」
「フィーナの好きにしてくれ……」
ジーク様は項垂れていたけど、私は疲れて眠かったので、そのままベッドに入ってすぐに眠ってしまった。
翌朝、背中を優しく叩かれて目を覚ますと、目の前にジーク様の顔があった。
な、なんでこんなに近いの……⁉︎ これじゃあ、キスしようとしてるみたいじゃない……!
「そろそろ離してもらえると助かる」
「はい……?」
そう言われて、ジーク様が私を私を抱きしめているのではなく、私が抱きしめてしまっていることに気付いた。
ジーク様に抱き寄せられていたのなら絶対に目を覚ましているはずだから、私からで間違い無いと思う。
「~~っ!」
慌ててジーク様から離れて、ベッドの上に突っ伏す私。
私、何やってるの⁉︎ 恥ずかしすぎるよ……!
まさか自分から境界線を越えるなんて……。
最近アルディアさんを抱きしめて寝てたせいかな……?
「耳まで赤くして……可愛い」
「言わないでぇ……」
誰か助けて! このままだと悶え死んでしまうわ!
生のお肉を目の前にして、私は疑問に思ったことを尋ねてみた。
「バーベキューだから当たり前だよ。あの火で自分で焼いて食べるんだ」
「そういうことでしたのね。でも、生焼けのまま食べてしまいそうで怖いですわ……」
「浄化魔法をかけてお腹を壊さないようにしてあるから安心して」
ジーク様にそう言われたから、安心する事にした。
でも、火傷しないか心配だわ……。
ちなみに、食料は保存食を持ってきてはいるけど、あまり美味しくないから現地調達が主流らしい。
私が初めて見るものに驚いていると、ティアナさんからブレスレットを差し出された。
「お二人もこれを着けてください。火傷をしないようにする魔導具です」
「ありがとう」
お礼を言ってシンプルなデザインのそれを着けてみたら、一瞬だけ光って防御魔法が起動したような感じがした。
少しだけ魔力を吸われたけど、気になる量ではない。
「じゃあ俺達も食べるか」
「はいっ」
私はそう答えてジーク様と火のある場所まで向かった。
ソフィア様はもうお肉を焼いていたから、それを真似てみたのだけど……。
「あっ……焦がしちゃいました……」
「初めてなら仕方ないよ。何回かやればタイミングが分かるから気にしなくていい」
「でもお肉がもったいないじゃないですか」
「じゃあ、タイミングを教えるよ」
お肉を焼くのは難しくて何回か焦がしてしまったけど、ジーク様が手を貸してくれたお陰でなんとか焼くことができた。
自分で焼いたお肉は酷い味……ということはなく、美味しかった。
きっと下処理が良かったのよね……。
ちなみに、野菜を使った料理も出てきて驚いたけど、料理人さんが同行していると聞いて納得した。
それから数時間後、私は寝る準備を終えてベッドの横にいた。
「これは何?」
「境界線です! こっち側が私でいいですか?」
「境界線を作ること自体に反対は出来ないのか?」
「ダメなのですか……?」
「フィーナの好きにしてくれ……」
ジーク様は項垂れていたけど、私は疲れて眠かったので、そのままベッドに入ってすぐに眠ってしまった。
翌朝、背中を優しく叩かれて目を覚ますと、目の前にジーク様の顔があった。
な、なんでこんなに近いの……⁉︎ これじゃあ、キスしようとしてるみたいじゃない……!
「そろそろ離してもらえると助かる」
「はい……?」
そう言われて、ジーク様が私を私を抱きしめているのではなく、私が抱きしめてしまっていることに気付いた。
ジーク様に抱き寄せられていたのなら絶対に目を覚ましているはずだから、私からで間違い無いと思う。
「~~っ!」
慌ててジーク様から離れて、ベッドの上に突っ伏す私。
私、何やってるの⁉︎ 恥ずかしすぎるよ……!
まさか自分から境界線を越えるなんて……。
最近アルディアさんを抱きしめて寝てたせいかな……?
「耳まで赤くして……可愛い」
「言わないでぇ……」
誰か助けて! このままだと悶え死んでしまうわ!
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